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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2023/7/29

土曜日に行います。
来られる方は前日までにご一報ください。


- KTF 四間飛車vs右銀急戦 No.6 -

右銀急戦最終回。
今回は△7二銀型に対して右銀急戦がどうなるかを、振り飛車目線で考えます。

初手からの指し手
▲2六歩    △3四歩    ▲7六歩    △4四歩    ▲4八銀    △9四歩
▲9六歩    △4二飛    ▲5六歩    △6二玉    ▲6八玉    △7二銀
▲7八玉



後手としては上図で、△7一玉を保留するかどうかという選択肢があります。△7一玉保留は居飛車穴熊に対し、△6二玉型で指す作戦を含みにしています。
まずは美濃に普通に囲う手を考えてみます。

上図からの指し手(1)
△7一玉    ▲5八金右  △5二金左  ▲2五歩    △3三角    ▲5七銀
△3二銀    ▲3六歩    △8二玉



特に難しいところはありません。振り飛車としては淡々と美濃囲いに組んでも可能な穴熊対策は必須ですが、今回は割愛します。

上図からの指し手①
▲1六歩    △6四歩    ▲3七桂    △5四歩    ▲2六飛    △4三銀
▲4六銀    △4五歩



後手陣は急戦に強い形なので、まず▲1六歩と攻めの準備をする手を考えます。▲3七桂~▲2六飛はいつぞや本ブログで書いた攻めの形(”ノーマル振り飛車”カテゴリから探してね!)だったと思いますが、これで▲3五歩~▲4六銀の攻めの準備ができました。
しかし後手は△4三銀と備え、▲4六銀に△4五歩といきなり開戦します。

上図からの指し手
▲同 桂    △8八角成  ▲同 銀    △4四銀    ▲2四歩    △4五銀
▲2三歩成  △5六銀    ▲3二と    △4六飛    ▲同 歩    △5七桂



後手は2筋を破らせている間に、桂を取ります。そして△5六銀(△4六銀でなく)と出るのが好手で、飛車を切って△5七桂と絡むのが一連の手順。
△4四角の筋が残っており、ガンガン攻めて後手優勢。

指し手②
▲6八金上  △6四歩    ▲1六歩    △5四歩    ▲3七桂    △6三金
▲4六銀    △4三銀    ▲2六飛



よって△5七桂を打たせないために、先手は一度▲6八金上が必要になります。その場合は上図までの手順が自然(まぁ手順前後してもそんなに変わりはない)。
▲1六歩に△1四歩と受けるのは、これから解説する手順と比較して△6三金と△1四歩が代わる将棋となります。例えば△1四歩▲3七桂△5四歩▲4六銀△4三銀▲2六飛△3二飛に、▲5五歩と手を付けやすくなります。これはこれで1局。
▲3七桂に△4三銀は▲4五桂のポンポン桂が気になる。よって▲4六銀か▲2六飛を待って△4三銀と上がります。

上図からの指し手②-1
△3二飛    ▲3五歩    △5一角    ▲2四歩    △同 歩    ▲3四歩
△同 飛    ▲3六歩    △3二飛    ▲3五銀    △5五歩    ▲4六歩



△3二飛は3筋の備えとして自然ですが、▲3五歩と仕掛けるのは流れからこの一手。△5一角に▲3六飛なら△6二角▲3四歩△同銀としておき、先手から攻めづらい状態となります。△7四歩が突ければ後手不満無し。
しかし▲3四歩~▲3六歩という好手順があります。△5五歩という手筋で戦線拡大を図りますが、▲4六歩と押し上げて先手指しやすい。

指し手②-2
△2二飛



よって△2二飛と構える方が勝ります。

上図からの指し手②-2-1
▲5五歩    △同 歩    ▲同 銀    △5四歩    ▲4六銀    △7四歩
▲3五歩    △同 歩    ▲同 銀    △3四歩    ▲4六銀    △3二飛



△5四歩では△5二飛も有力で、振り飛車党ならこちらを指したい方が多いでしょう。ただ△7四歩と突くのがとても大きい手なので、本譜はそれまで辛抱する方針です。
△7四歩を突いてから、△3二飛として細かく形を直していきます。

上図からの指し手
▲3五歩    △同 歩    ▲同 銀    △4五歩    ▲3三角成  △同 飛
▲3六歩    △5五角    ▲4五桂    △3一飛    ▲2四歩    △3七角成



△3二飛に対し、▲5七銀などでじっくり指すのは1局。
先ほど△3二飛に▲3五歩で上手くいったので、今度も▲3五歩と指してみたいのですが、△5五角と打ち返す隙が生じていました。
上図はいい勝負ですが、高美濃の堅さは活きる展開です。

指し手②-2-2
▲3五歩    △同 歩    ▲同 銀    △3四歩    ▲4六銀    △5一角
▲3五歩    △6二角    ▲3四歩    △同 銀    ▲3六飛    △3二飛



この順は先ほど本文中で「先手から攻めづらい」とした局面と一緒。上図以下、▲3五歩△4三銀▲5五歩△同歩▲同銀△5四歩▲4六銀△7四歩とし、やはり高美濃完成が間に合います。以下▲2四歩△同歩▲2二歩と攻めてきたとしても、△同飛▲3四歩△3二歩▲3五銀に△2五歩と伸ばせば後手有利。

指し手②-2-3
▲3五歩    △同 歩    ▲同 銀    △3四歩    ▲4六銀    △5一角
▲5五歩    △5二飛    ▲5四歩    △同 金


△5一角に▲5五歩には、△5二飛と援軍を送ります。▲5四歩に△同金と取って、金を前線に出して戦います。これで居飛車が悪いわけではないですが、後手としてはこの戦いは望むところでしょう。

指し手(2)
△3二銀    ▲5八金右  △5二金左  ▲5七銀    △4三銀    ▲7七角
△6四歩    ▲2五歩    △3三角    ▲3六歩    △7一玉    ▲4六銀
△8二玉



最初に述べた△7一玉を保留する場合は、急戦でそれを咎められるかどうかが焦点です。ただ、後手は△4三銀の形を決めたぐらいの違いしかありません。結局右銀急戦に対しては△8二玉が間に合い、上図は△7二玉型で触れたものより手が広い局面です。

右銀急戦に対して振り飛車が良くなることはなかなか無いですが、△7二銀型の場合、先手も明確なアドバンテージを得ることは難しいと考えます。よって△7二銀型では穴熊を選択する比重が高くなるといえます。

本連載はかなり本格的な内容となりました。
振り飛車の新しい講座連載を希望する方は↓の拍手と、どんな講座がいいかコメントよろしく!

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KKK 2023/7/23

日曜日に行います。
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意外と料理とかする系男子の私(得意とは言ってない)、新しいレシピにいつもテキトーに挑戦。まぁ自分が食うんやからええやろぐらいのノリですが、大体1回目は失敗します。
将棋も同じで、とりあえずチャレンジしてみる。詳細な手順はその後で詰めていけばいいでしょう。

この前初めて作った八宝菜は、結構上手くできました。具8種も入ってないけど。

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Got ist tot

お手軽に中2感を出す方法③:ドイツ語

昨日は県名人戦挑戦者決定戦がありました。

予選①△G味くん
将来有望な中学2年生。
私の先手ゴキ中に対し、銀対抗から7筋の仕掛け。お互い飛車を7筋に配し、飛車交換に。振り飛車としては上手く捌けた形といえそうです。押せ押せで、○。

予選②▲T下三段
粒揃いの中3世代。これから高校生になるにあたって、どこまで伸びるか。
戦型は矢倉。この日の彼は矢倉ばかり指していましたが、あまり見たことが無い気がしました(序盤は正直不慣れそうでした)。私は右四間に構え、中盤はお互い手が難しい局面に。攻め合いにこられたものの、切り返して準王手飛車が決まります。○。

予選③▲F谷さん
F谷さんの早石田。7筋を切ろうとしたのに対し、△7二金と形通りに対抗します。後手が金銀で抑え込みを図り、先手が一瞬の捌きを狙う展開。角を切って勝負にこられましたが、冷静に受けとめに回りました。攻めが細くなったところで投了となり、○。

予選④△S水五段
師匠の四間飛車に私の▲5七銀左型急戦。5筋から小競り合いになり、△6五銀▲同銀△同桂と振り飛車決死の攻め。私も怖がらずに攻めを呼び込み、受けきりを狙います。自玉周りの金銀が一掃された上に飛車を打たれますが、相手は持ち駒がなく受け止めた形。その後も手数はかかりましたが手堅く指し、○。

トナメ①▲O滝六段
O滝さんの先手雁木に、私も角道を止め相雁木を選択。先手の引き角から飛車先を切ることで、角交換する形になりました。相手は自陣角で打開を狙ってきましたが、うまく空ぶらせて9筋を詰めることにも成功。作戦勝ちを意識していましたが… 手が離れた瞬間に気付く。うっかりに。
Oh, my god... 破れかぶれで勝負手連発したものの百戦錬磨のO滝さんは冷静そのもの。玉砕し、×。

自分ではない誰かに頑張ってほしくなる。本当は自分自身がやるしかないというのに。

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KTF 相掛かり▲9六歩 No.7

今週末のKKKはお休みとさせていただきます。


初手からの指し手
▲2六歩    △8四歩    ▲2五歩    △8五歩    ▲7八金    △3二金
▲3八銀    △7二銀    ▲9六歩    △4二玉



前回は▲9六歩と突いたテーマ図で、△3四歩とする作戦を見ていきました。今回は△4二玉とした上図が基本図となります。
△4二玉はプロ間ではそれほど多く指されていませんが、その実かなり有力。個人的には、先手を持ってなにかしら得するのは無理では無いかと捉えています。

上図からの指し手①
▲3六歩    △3四歩    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △8六歩
▲同 歩    △同 飛    ▲8七歩    △8二飛



基本図で▲5八玉や▲6八玉なら無難で、テーマ図から△3四歩の将棋と合流する可能性が高い。これは後で少し触れます。
形の違いを出すなら▲3六歩が考えられます。ちなみに▲4六歩は割愛しますが、これは先手イマイチです。
▲3六歩には▲3五歩と突かれる前に△3四歩と突き、お互い飛車先交換。上図となる局面で△8二飛と引くのが前回との違いです。

上図からの指し手①-1
▲3七桂    △2三歩    ▲2九飛    △8三銀    ▲7六歩    △7四銀



▲3七桂は手損なしで▲2九飛と引く準備。これが成立すれば△4二玉を一応は咎めたと言えるでしょう。
△2三歩には▲3四飛も考えられますが、これは後で考えます。
後手は棒銀を採用します。先手が中段飛車の横利きで受けられなくなったことに着目しています。

上図からの指し手①-1-1
▲2二角成  △同 銀    ▲7七桂    △6四歩    ▲8八銀    △6三銀
▲8六歩    △同 飛    ▲8五角    △7四歩    ▲8七銀    △同飛成
▲同 金    △8四歩



▲2二角成~▲7七桂は最も自然な受け方。
後手は△6四歩として銀の立て直しを図ります。ここで▲4六歩は、△6三銀▲4八金△7四歩とされて△7五歩を狙われます(▲6六角と打てば難しいようだが、人間的には躊躇われるところ)。また▲6八銀として▲6六歩~▲6七銀で受けようとするのは、△3五歩が早い▲3七桂型を咎めた一着。以下▲2六飛△5四角▲2七銀△7六角は後手指せます。(最後の△7六角では△8六歩という好手もあるようだ)
よって▲8八銀から銀冠を目指すのが、人間的には一番自然な一手。しかし▲8六歩に△同飛が成立します。▲8五歩は△8九角が厳しい。また▲8七銀で、▲8七歩と打つのも、△8五飛▲同桂△7二銀で後手の指し手が難しくなります。
本譜も上図まで進み、後手やや良し。

指し手①-1-2
▲7七桂    △6四歩    ▲6八銀    △6三銀    ▲6六歩    △同 角
▲5八金



角交換せずに▲7七桂が勝りそう。しかし△7五歩を防ごうと思うと、▲6六歩と1歩犠牲にすることになりそうです。
これはこれでいい勝負。しかし先手番で歩損するのが納得できない方もいるでしょう。私もまったく指す気は起きない。

指し手①-2
▲5八玉    △2三歩    ▲3四飛    △3三金    ▲3五飛    △2四金
▲7五飛    △6四歩    ▲9五歩    △6三銀    ▲7六飛



横歩を取る手を考えてみます。形的に▲5八玉にしましたが、そんなに違いはありません。
△2三歩に先手は横歩を取り、後手は△3三金~△2四金と飛車を圧迫。▲3六歩型ですと飛車を2筋に戻すことができません。
上図までは一例。▲8六飛とすれば△8五歩と打たせることはできますが、歩越飛車はやはり負担。後手にも主張がある局面といえます。

指し手①-3
▲3七銀    △2三歩    ▲2六飛    △4四角    ▲2八飛    △8三銀
▲7六歩    △8四銀    ▲4四角    △同 歩    ▲5六角



アンチ△4二玉型作戦として、早繰り銀が考えられます。以前▲6八玉型に対して後手の早繰り銀が有効な理由を解説しました。
後手は棒銀にして、一足先に突破を狙います。対して▲5六角と攻防の角を打って対抗したのが、2021年の藤井vs渡辺の棋聖戦。現藤井七冠が繰り出した△4二玉対策でもあり、かなり有力と考えられます。
しかしながら流石にこれぐらいでは先手良しとはいかず、上図はいい勝負でしょう。

指し手②
▲6八玉    △3四歩    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △8六歩
▲同 歩    △同 飛    ▲8七歩    △8四飛    ▲2八飛    △2三歩
▲7六歩    △7四歩    ▲4六歩    △7三桂



△4二玉に▲6八玉は無難です。お互い飛車先交換をした後、先ほどの▲3六歩型では▲8七歩に△8二飛と引きました。しかし今回△8二飛は▲1六歩△1四歩(他の手だと▲3四飛と取られる。理由は割愛。)▲7六歩に△8三銀とはしづらく、他の手だと▲2八飛~▲2七銀で逆に棒銀にされる変化を与えます。
△4二玉に▲5八玉としていたなら、▲2八飛と引かず機を見て横歩を奪う感じになるでしょう。
結局▲6八玉にしろ▲5八玉にしろ△8四飛となる公算が高く、上図は△3四歩型と合流する形です。ただし先手が▲6八玉型に決めてしまっているのがネックで、(△3四歩型に▲6八玉とする将棋もあるのですが)手が狭くなるのは気になります。

テーマ図から△4二玉の将棋は、△8二飛と引いてからの変化を深く研究しつつ、△3四歩の将棋と比較した上で、どの変化を許容するかなどを考えることとなりそうです。
かなりマニアックだ。

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KKK 2023/7/8

土曜日に行います。
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将棋小話 -異次元の1局-

本日は棋聖戦第3局があり、藤井棋聖が2勝目を上げました。
しかしこの将棋、またしても話題になるのではないだろうか。
角換わりで後手の右玉に対し、まず序盤の▲9七桂が凄い。こんな打開の仕方があるとは、私如きでは思いもよらなかった。「こんな手はあり得ないな」とすら思わず、全く考えもしなかった。
また中盤で玉が上に這い出て、▲8六玉も絶叫の一手。いやいやいやいやいや。。。。。

ブログにすぐさま取り上げたくなるほどの驚きでした。しかし▲9七桂は真似したくなるけど、▲8六玉は絶対に指したくないなぁ。。。。。

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勝手さんの冠大会

というわけで土曜日に理事長杯がありました。
オープン大会で遠方からの参加もある中、勝手さんが「福井棋界のメンツを…」。そりゃそうです。
ちなみに今回のMost遠方賞は尼崎から。

予選①△K川三段
中1期待のホープ。最近は指し方が変わったような印象を受ける(私だけ?)。
戦型は横歩取りで、△2三歩と打つ作戦を指されました。かなり珍しいですが、彼はたまに指していると思います。動じることなく淡々と進め、中盤の入り口で相手が長考を繰り返します。私が(あれ?時間無いよ?大丈夫?)と心配になっていたほど。最後も考慮中のまま手が出てこず、○。
そんなにビビらせたことは無い(と思う)のですが、予定が外れたりして手が伸びなくなってしまったのでしょうか。ちなみにこのあと予選は見事通過していました。

予選②▲H山三段
対四間飛車に腰掛銀型の急戦。昔は対抗形の腰掛銀といえば右四間でしたが、居飛車で戦う新しい指し方です。角交換から単刀直入に飛車先突破を狙います。結局飛車交換になったものの、先に飛車を打ち込んで満足なわかれ。その後と金の活用も間に合いました。快勝で○。

予選③▲M曽四段
記憶力の低下がヤバいです…何の将棋だったか思い出せない…誠に申し訳ない…
というより途中でG方くんと指した将棋と記憶が混ざってます。G方くんと指したのが横歩とゴキ中と相振りだった気がするから、たぶん対抗形で私がトーチカに組んだ将棋だったと思います。銀を追い返しながら4筋に位を張って押し込み、○。

予選④△Y本五段
対三間飛車に私が持久戦模様にして、Y本さんが向かい飛車に振り直して急戦。あわらの大会のデジャブが襲うw
桂を捨てて飛車を成ってこられましたが、その後1歩取れたのが大きくこちらが指せそうな将棋。歩を垂らしたり底歩を打ったりと歩が大活躍しました。泣きが入ったような粘りに出てこられたものの手堅く指し回します。最後は飛車を詰ましにいって、○。

トナメ①▲T内さん
石川県から参加、何度も全国大会に出場されている強豪。でも私とは初対局だったかも(さすがにどこかで指していた気もするが)。
対四間飛車から必殺技を発動し、相穴熊に進みます。△4四歩型に対し▲4八飛と回ってこられ、最近あまり見なくなった定跡形に。正直あまり覚えていなかった(弊社比)。ということで私から定跡を外して、飛車を切って強襲を決行。厳密には無理筋そうでしたが、人間的には大変で本譜はむしろ指せる形勢に。端攻めを手抜いて攻めた判断も良かった。自分の穴熊も崩壊しましたが1手早く即詰みに切って、○。

準決勝△S長三段
小6!彼の年齢より私の将棋歴の方が2倍ぐらいあるという若手。これからも一層力を付けていってほしい。
戦型は彼の3・4・3戦法。後手番で早石田などを狙う作戦です。しかし私は飛車先を切って急戦を仕掛けます。この辺りの見識はおっちゃんに一日の長がありました(この将棋がタイトル戦に出たのは彼が生まれる前だろうから)。5三に成桂を作って優勢になったあと、着実に駒得や大駒の侵入を図ります。粘りにきましたが寄せ切って、○

決勝戦▲S井五段
戦型は私の角交換振り飛車。S井さんはバランス型の作戦でしたが、筋違い角を打って打開にでたところは認識のある形でした。しかし相手にも筋違い角を打たれ、未知の局面に突入。ここで均衡を保てず、と金を作られたところは無茶苦茶苦しいと思っていました。ただこちらも、と金作りを狙って勝負形に持ち込みます。ひたひたと成り駒を寄せる分かりやすい展開ながら、遂に自陣の飛車が取られます。ここで▲3三角と攻防に打たれたら容易では無かったと思います。本譜は押し切って、○。
帰ってソフトで調べたところ、思っていたよりは悪い形勢では無かったようで、むしろ成駒を寄せていたところは私が優勢。ただ▲3三角ならかなり追いつかれており、序盤だけでなく終盤も要反省な将棋でした。

表彰式で持ち回りトロフィーを持って、勝手さんが写真撮影。後でペナントリボンに名前を書いて付けていただけるそうです。名前が残るというのは光栄なことですね。

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KKK 2023/7/2

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羽生九段vs藤井七冠、佳境。
職場で「どっちを応援してるの?」と聞かれましたが、どちらが勝っても熱い展開です。

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Q.「穴熊」のかっこいい読み方を答えなさい

お手軽に中2感を出す方法②:漢字にそれっぽいだけのルビ

今日はあわらオープン将棋大会がありました。
40名ほどの参加がありましたが、毎回いろいろと賞品(敢闘賞含む)を用意しているので、さらにたくさんの方にご参加いただければと思います。

予選①▲G方四段
戦型は相掛かりに。講座連載中の▲9六歩をG方くんが採用し、私の次手は△4二玉。予定通りならたぶん次回解説します。
G方くんの作戦は早繰り銀。△4二玉型には有力な選択肢です。私は筋違い角を打って馬を作りましたが、歩を多く捨てたため上手くいっているかは微妙。本譜は角を合わせてきたものの、「悪手じゃないかな」と思っていました。馬で香車を取ることに成功し優勢になり、そこからは手堅く進めます。中押しで○。
ただし、ソフトは角を合わせられた辺りはこちらが不利の判定みたい。ありゃー

予選②▲S水娘さん
対四間飛車に△5五角作戦。角交換後9筋から仕掛けてこられましたが、無理な動きで飛車を取って優勢に。ただ、一気呵成に攻めたかったものの、と金攻めより早く攻略できる順がわからず、まずは丁寧に受け止める方針で指します。角を手にした後、ここで竜を切って一気にスパーク!上手く寄せが決まって○。

予選③△M越理事長
あわらと小松だけ大会参加する理事長。来週土曜の理事長杯もぜひお越しください。
戦型は私の三間飛車。勝手さんには珍しい4筋位取りの作戦に、私はじっくり銀冠に。引き角で攻めてこられましたが、上手く反撃して桂得しながら飛車交換に成功。堅い自玉が心強く、攻めに専念できる形となりました。押し切って○。

予選④▲D肥三段
振り飛車党の若手の彼の三間飛車。今度は居飛車を持った私、潜りにいって相穴熊に。お互いムチャクチャ堅い穴熊にし、私から飛車交換に出たものの、あまり上手くいっていなかった感。戦力不足をカバーするため、と金製造に打って出る。これが間に合う形となり、形勢を掴みました。玉頭の桂香攻めが刺さって、○。

準決勝△Y本五段
振り飛車党の大ベテランの御仁の三間飛車。私はまたもや穴熊へ。向かい飛車に振り直されて急戦を仕掛けられますが、私の方にむしろ知識がある形となりました。ただ一瞬危ない瞬間があったような。本譜の展開は端攻めされたものの、角道だけ止めてそれほど痛くない。最後は望外なほどきれいに寄せが決まって○。
完全に必殺技「穴熊」感があるな。

決勝戦▲O滝六段
戦型は相掛かりで、またもや
▲9六歩。今度は次手△3四歩(これは指さないとか講座で書いていなかったっけ…w)。O滝さんががっちり固め、私がバランス型に組む展開となりました。自陣角を打って攻めてきたのに対し自陣角で反撃し、相手の無理な動きを誘います。ポイントを上げて玉を5二から2二に遷都し、実戦的に勝ちやすい将棋に。丁寧に指してリードを保ち、○。

今日は終始丁寧な指し回しができました。
地元で穏やか~な気持ちで指せたおかげ?

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KKK 2023/6/24

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- KTF 相掛かり▲9六歩 No.6 -

久しぶりの相掛かり連載。6回目にしてようやく本番に入るようなところがあります。

初手からの指し手
▲2六歩    △8四歩    ▲2五歩    △8五歩    ▲7八金    △3二金
▲3八銀    △7二銀    ▲9六歩



上図が基本図でした。これまでは後手がここでマイナーな指し手を選び、先手がどう対応するかを考えてきました。
今回はいよいよメジャーな指し方を見ていくわけですが、テーマとなるのは△3四歩と突く手で、後手にとって一番無難な指し方と私は考えています。ただ、個人的には先手持ちかなと思っていて、後手を持って唯一指さない作戦でもある。

まず、基本図から△8六歩と単に飛車先交換する手を考え、△3四歩と比較します。

上図からの指し手①
△8六歩    ▲同 歩    △同 飛    ▲8七歩    △8四飛    ▲7六歩



▲7六歩で▲4六歩と突くのは、基本図から△3四歩と合流します。

上図からの指し手①-1
△7四飛    ▲7七金    △5二玉    ▲6八玉    △8四飛    ▲8六歩
△3四歩    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △2三歩    ▲2八飛
△7四歩    ▲4六歩    △7三桂    ▲8七金



▲7六歩に△7四飛は縦歩取りという指し方。対して▲2六飛と受ける形もありますが、相掛かりでは▲7七金とするのが主流で、後手にとっても想定しているところです。つまり△8四飛と戻り、▲7七金の形が悪いという主張です。(▲7八金なら△7四飛と戻って千日手)
しかし▲8六歩と突くのが新しい指し手。▲8七金と金冠を狙っており、良い形として既に広く認知されています。ただ▲4六歩で▲8七金は△7三銀と変化され、▲5八金△6四銀▲6六歩△7五歩▲6七金…のような変化となる可能性があります。それなら先に▲4六歩の方がいい可能性が高い。
形勢自体は難しい。縦歩取りは▲5八玉型の方が有効なところがありますが、▲6八玉型の似た形もまた取り上げるかもしれません。

指し手①-2
△3四歩    ▲6八玉    △5二玉    ▲3六歩    △9四歩    ▲4六歩



▲6八玉で▲2四歩と交換するのは、やはり基本図から△3四歩と合流します。ここはポイントで、先手はここで手を選択できる権利があります。(形勢をリードできるかは別問題だが。)
つまり基本図で△3四歩の方が先手の手が狭く、△8六歩が指されない理由と言えるでしょう。
先手はすぐに飛車先を交換せず、例えば手順に▲2九飛と引ければ得をします。しかし▲4六歩で▲3七桂は△3五歩が気になり、▲2六飛△3四飛▲3五歩△同飛▲3六歩△3四飛▲4六歩△9五歩のような変化を与えます。これは先手不満か。

上図からの指し手①-2-1
△7四歩    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △7五歩    ▲同 歩



△7四歩と突いてきた場合、先手は横歩を狙って▲2四歩から飛車先を交換します。後手は△7五歩と突き捨てれば一応いい勝負ですが、手順に飛車先を切られたのが不満と見られています。今は後手が選ばない変化。

指し手①-2-2
△8六歩    ▲2二角成  △同 銀    ▲6六角    △8二飛    ▲8六歩
△同 飛    ▲8八銀



ということで逆に△8六歩から動きます。▲同歩と取る手も有力ですが、△同飛▲4七銀△7六飛▲8七金△7四飛▲5八金△8八角成▲同銀△7八角と切り込む手があり、先手危険な感じがします。
本譜は飛車を押さえ込むような感覚で、これも定跡化された形。いい勝負です。

結論として、基本図で△8六歩自体は有力。本講座は▲9六歩型相掛かりですが、代えて▲5八玉型相掛かりではよく指されています(△7四飛などが有力になりやすい)。しかし基本図で△3四歩より勝る変化が出てくるかどうか。

基本図からの指し手②
△3四歩    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △8六歩    ▲同 歩
△同 飛    ▲8七歩    △8四飛    ▲2八飛    △2三歩



基本図で△3四歩には、上図までが妥当な進行。お互い飛車先を切り、先手が引き飛車、後手が浮き飛車となります。先手はこの形の差を活かすのが▲9六歩と突いたときからの予定なわけですが、後手も飛車先を早く切らせたことで手順に▲2四歩とされる変化にされにくくなっています。これが最初に無難と言った理由です。

上図からの指し手
▲4六歩    △4二玉    ▲4七銀    △7四歩    ▲7六歩    △7三桂



▲4六歩では、▲3六歩や▲1六歩とする手も有力です。(▲7六歩もよく指されているが、これは他の手でも合流する。)
△4二玉では△5二玉もありますが、これは基本図から△5二玉の方が手が広いため、前提として△4二玉とするつもりで指しています。ただ△6四歩と腰掛銀を目指すのも考えられます。
上図まで進み、多くの実戦例がある局面。

一旦序盤の分かれを解説し、中盤の戦いは改めて解説する方針です。これは相掛かりが序盤に関わらずいろいろな形に派生・合流するからです。
まずは煩雑とした相掛かりの序盤の流れを見ていただき、「なるほど!」と言っていただけるような話ができていれば嬉しいですね。

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