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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2022/9/3

土曜日に自宅で行いたいと思います。
来られる方はご一報ください。


-遠さを活かさせない構想-

ゴキゲン中飛車に対しては、先後問わず超速が主流の作戦です。対振り飛車には勝ちやすさのある堅く囲う作戦が現代でも重宝される中、超速はそれだけ有力だと見られているということでしょう。
ゴキ中側の工夫として穴熊に囲い、急戦策に遠さで対抗する手がたまに見られます。研究会で課題局面となりましたので、今回はこれを考えてみます。

初手からの指し手
▲7六歩    △8四歩    ▲5六歩    △6二銀    ▲5八飛    △4二玉
▲5五歩    △5二金右  ▲4八玉    △3二玉



今回は居飛車側が後手だとします。(ぶっちゃけ居飛車先手だと中飛車側の条件が悪すぎるので。)
後手はしばらく角道を開けずに指しますが、普通の進行の1つでしょう。先手が変化するなら▲5五歩を保留する手がありますが、以前から述べているように「手を保留する」と「お互いに手が広くなる」意味があります。今回は割愛します。

また、後手が変化するなら△3二玉で△3二銀とするのも有力です。以下▲3八玉△3一玉▲6八銀△1四歩▲2八玉△8五歩▲7七角△7四歩▲1八香と穴熊を目指したとして、△7三銀▲5七銀△6四銀▲6六銀△1五歩と進みます。



後手は左美濃にして、これなら持久戦で十分戦えます。課題局面から外れるので、参考まで。

△3二玉以下の指し手
▲3八玉    △1四歩    ▲6八銀    △8五歩    ▲7七角    △7四歩
▲2八玉    △4二銀    ▲1八香    △7三銀



先手は△1四歩に手抜きをし、穴熊の気配が出てきました。後手は銀を繰り出していきますが、本来の超速はもっと早く銀を進出するものです。ただ現在は銀を早く出るメリット(中身は割愛)が評価されなくなり、結局同じ変化に落ち着くことが大多数です。

上図からの指し手①
▲6六歩    △7五歩    ▲6七銀    △6四銀    ▲6五歩    △7六歩
▲同 銀    △7五歩    ▲6七銀    △6五銀



歩越し銀には歩で受けよ、で▲6六歩はやってみたい手なのですが、残念ながら疑問手。△7五歩と攻められたときの対応が難しく、▲同歩は普通に△6四銀で困ります。このとき後手の角道が開いていないため、先手は捌くのが困難なのです。
蛇足ながら△7五歩と突かずに△6四銀と出ると、▲6五歩と突かれて難解です。
本譜はその変化と似たようで全くちがう展開。上図はやはり振り飛車捌けず、後手有利です。

指し手②
▲5七銀    △6四銀    ▲6六銀    △8六歩



よってお馴染み銀対抗の形になります。これで一息ついたかと思いきや、いきなり△8六歩と突き捨てる手があります。どちらで取るか…
話は前後しますが、△8六歩では△3四歩から普通に指すのも有力です。先手の注文通りではありますが、ちゃんと指せば居飛車作戦勝ちにできそうな気がします。先手は駒が出ていかないので、捌くのは容易では無いですね。

上図からの指し手①
▲同 歩    △7三桂    ▲1九玉    △6五銀    ▲同 銀    △同 桂
▲5九角    △1三角


突き捨てに▲同歩と取る手から。
後手は△7三桂と跳ねます。速攻狙い。△6五銀とぶつける手には▲7五歩も手筋ですが、△同歩▲2八銀△1三角とされて先手の指し手が難しくなります。最後の△1三角の活用が当初からの後手の狙いとなっています。
本譜の△6五同桂に▲6八角なら△5七銀と露骨に打って良し。▲5九角もやはり△1三角が好感触で、後手良しです。

指し手②
▲同 角    △3四歩    ▲1九玉    △3三銀    ▲7八金    △4四銀
▲7七角    △7三桂    ▲2八銀    △9四歩    ▲5九飛    △1五歩
▲3九金    △4二金上  ▲9六歩    △8一飛    ▲8八角    △3三角


突き捨てに▲同角の場合は、今度は左銀を繰り出していきます。部分的には常とう手段ですが、この場合は先手が▲7八金~▲7七角としないと5五の歩が取れます。
以下は一旦一段落。しかし穴熊なのに金銀が分断してしまっているのはネックです。そもそも先手から手の出し方が難しい。
▲4六歩と突きたいのですが、△2四角▲7九角△3三角とすれば最低千日手はありそう。▲3六歩なら△2四歩~△2五歩と伸ばす感じでしょうか。

穴熊の遠さが活きるような攻め合いだけは避けるのが、まずは大事な考え方です。

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KKK 2020/11/28

土曜日に行います。


-実戦と研究-

「もっと研究しとけば良かった」となることも時にはあると思いますが、やはり実戦を積まないと研究は深まっていかないですね。
というわけでチャリティー将棋大会の準決勝を今回は題材にします。痛恨の1局をさらしていく胆力っ…!

位が重視されない現代将棋にあっても、やはりそれはいくらかのアドバンテージがある。テーマは先手中飛車に対し5筋を突き返していく形だが、出現確率は意外と高くない(王座戦で出たのはまた違う構想)。先手も後手も避けているイメージ。

先手:K下五段(=キノ)
後手:こた(仮

▲7六歩    △8四歩    ▲5六歩    △6二銀    ▲6八銀    △3四歩
▲5五歩    △4二玉    ▲5八飛    △3二玉    ▲4八玉    △5二金右
▲3八玉    △5四歩



8八の角が浮いた瞬間、相手の飛車先を突き上げる△5四歩。5筋を奪い返すことができれば、基本は先手(奪い返された側)が手損になる。よって後手の構想としては昔からある戦術だ。
先手としては先に▲7七角と上がっておけばこの筋は回避できるが、すると別の構想が有効になる場合がある。具体的に言うと以前キノと△6三銀~△7四銀とする将棋を指したので、それを警戒したのかもしれない。

▲5七銀    △5五歩    ▲6六銀    △5三銀
▲5五銀    △5四歩    ▲6六銀    △6四歩    ▲7七角    △6三金
▲2八玉    △8五歩    ▲3八銀    △4二銀上  ▲1六歩    △1四歩
▲7八金    △7四歩    ▲5九飛    △7三桂   



▲5七銀△5五歩に▲6六銀では、▲4六銀も有力。次に▲5五角と取り返す手を狙っているので、以下△8五歩▲7七角△5六歩▲6六歩…が想定手順。一応後手が十分指せる変化だと思う。
本譜▲5五銀まで手に乗って進軍できるが、△5四歩にこれ以上進むことはできない。これで5筋の位を消すことに成功した。 さらに△6三金まで構えてしまえば5筋から潰されることはない。
以下上図まで駒組みとなる。ここまでが私の持っていた知識で、後手番としてはまずまずという認識だ。ここからは手探りだが、この局面を先手が選ばない(と私は思っている)ので以降の研究が無いというわけだ。
ところで「後手も避けている」と最初に書いたが、実はここまでに気になる変化がある。それはKKKで聞いてくださいw

▲9六歩    △9四歩
▲2六歩    △3一金    ▲3六歩    △6五歩    ▲5七銀    △7七角成
▲同 桂    △8六歩    ▲同 歩    △同 飛    ▲8七歩    △8二飛
▲5六銀    △7五歩    ▲4六角    △8一飛   



▲2六歩では▲4六歩の方が普通。△3一金では(1)△4四歩と(2)△4四角も有力で、迷ったところ。(1)△4四歩▲3六歩△4三銀▲2七銀△4二金はじっくりした戦いで、後手番としては申し分ない。(2)△4四角は▲2七銀と上がれば本譜同様の△6五歩の仕掛けが一層好感触になり、今考えるとこれが最有力だったと思う。
△8六歩▲同歩に△同飛では、△7五歩▲同歩△8六飛という仕掛けもあった。これに先ほどの△4四角を組み合わせれれば、後手有利。本譜の場合は▲5二角のような反撃でいい勝負だろう。
▲4六角は好着。対して△8一飛は手拍子だった。ソフトは△6四角押しだが、一例として▲5五歩△4四銀▲6五桂△同桂▲同銀△5五角…読みにくい変化だ。

▲7五歩    △6四金
▲7四歩    △同 金    ▲4五銀    △7二角    ▲7五歩    △6四金
▲同 角    △同 銀    ▲7四歩    △8五桂    ▲7三歩成  △同 銀



△7二角は辛い我慢。以下▲7五歩△6四金に本譜は▲同角だが、▲5四銀という好手があったようだ。以下△同金▲7三角成  △7一歩▲4六桂となって先手優勢。ただこの銀の捨て方は違和感があるので、私も気づいていなかった。
しかしながら▲7三歩成も好手。単に▲6五桂も見えるが、これは△同銀▲7三歩成△6四角で先手玉のコビンが開いているのが痛く、ハマり形になる。
▲6五桂    △6四銀    ▲7三歩    △8三角    ▲5四銀    △6五銀
▲7二歩成  △5八歩    ▲同 飛    △5七歩    ▲同 飛    △5六歩
▲5九飛    △7二角



▲5四銀では▲6六歩が勝った。本譜は好転を感じていたが、最後の△7二角では△5四銀▲8一と△4四桂がよく、これで後手優勢。それが指せたら強いという手で、発見したかった。

▲6五銀    △7七桂成  ▲5三歩    △同 銀
▲7七金    △5五角    ▲4六桂    △7七角成  ▲5四歩    △4二銀
▲6四銀    △4四桂    ▲2七銀打  △5九馬   



△7七桂成が狙いの一手だったが、▲5三歩が返し技。これに△同銀は実は悪手で、▲5六飛△5五歩▲8六飛△8五歩▲7三歩△6三角▲6六飛△7八成桂▲7二銀とすれば先手優勢がソフト説。が、これは指せない手の類い。
途中▲6四銀を見落としており、直前の△4二銀では△4四銀だったか…と対局中は少し後悔していた。それでも△4四桂は勝負手で、流れで△5九馬から攻めに賭ける。しかし△5九馬では受けに回るのも有力だった。 

▲同 金    △8九飛
▲4九金    △5七歩成  ▲5三歩成  △3六桂    ▲同 銀    △同 角
▲4二と    △同 金    ▲3四桂    △3三銀    ▲4二桂成  △同 銀
▲3四桂    △4九飛成 



△3六桂では(1)△4七と、と(2)△3六角が見えるところ。この辺りは時間も切迫してきている。(1)△4七と、は1手負けと見て真っ先に切り捨てたが、これが最有力だったか。(2)△3六角も指したかったが、これは勝ちが発見できなかった(この読みは当たっていたようだ)。本譜は直観で負けだと思っていたが、仕方ない選択だった。
以下△3三銀に▲4二桂成では、▲2二金△同銀▲4二桂成△同玉▲5三角で先手が勝っていた。△4九飛成で詰めろを掛け、自玉が詰まされたらしょうがないと思っていたが…

▲4二桂成  △同 玉    ▲5三角    △3二玉
▲3三歩    △同 桂    ▲3一金    △同 飛    ▲同角成    △同 玉
▲4二銀    △2二玉    ▲3三銀不成△同 玉    ▲3四歩    △2四玉
▲3三銀    △1三玉    ▲2五桂    △同 角    ▲2四金    △同 歩
▲同銀不成  △1二玉    ▲3二飛    △2二歩    ▲2三銀成



指している内に詰まない気がしてきた。結果論だが詰みは恐らく無かった(?)。相手の持駒が飛車と歩だけになり、勝ったと思った。最後、▲3二飛に△2一玉なら、先手は投了しかなかった。

△同 玉
▲3三歩成  △2四玉    ▲2二飛成  △3五玉    ▲2五龍    △4四玉
▲3四龍
まで145手で先手の勝ち

最後、頓死しなかったら好局だったと思いますw

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KKK 2019/12/15

日曜日に行います。
朝日アマへ冷やかしに行こうか迷いましたが(笑)、研究会します。


将棋小話 -ゴキゲンな世界ぱーと3-



以前紹介した超速の図。
今回はここから(1)△3二銀と(2)△3二金をやってみましょう。これらは△5六歩からの軽い流れを狙っていると考えるべきです。

(1)△3二銀
先手は普通に▲7八玉とし、中央が薄いここが仕掛けてみたいタイミング。以下△5六歩▲3三角成△同銀▲5六歩△同飛と進みます。



ここが分岐点で、(a)▲6八銀、(b)▲6五角、(c)▲2四歩△同歩▲6五角、(d)▲2四歩△同歩▲3五歩△同歩▲2三角などなど。いずれも難しいと思いますが、(d)の順の出現でプロ間では減った局面という認識です。

(2)△3二金
これも▲7八玉に(a)△5六歩▲3三角成△同桂▲5六歩△同飛と進行して図の局面。



この変化はプロ間で先手が指せるとして片付けられたイメージですが、私もかつて研究していたはずなのにさっぱり思い出せないw
たしか▲3五歩から桂頭を攻めるのが定跡だった気がします。

(2)△3二金▲7八玉に(b)△8二玉▲6八銀△7二銀と一度美濃囲いを完成させるのも有力な手段。これに対して▲4五銀とすると、△4二銀型と違って△4二角があるのが大きな違い。よって▲7七銀とするのが大多数です。



△4二銀型なら▲7七銀とすれば△5三銀と上がれるのですが、今回は次に▲6六銀とされると中央の位が守れなくなります。よってやはり△5六歩▲同歩△同飛と動くことになり、初期はここで▲5五歩の飛車生け捕りが多く指されました。しかしこの変化は後手充分ということで消え、▲6六銀△5一飛と進展します。
以下実戦例が最も多いのは▲5五銀右ですが、▲3八飛が千田新手。



以下△4二銀▲3五歩△同歩▲同飛△4四歩▲3六飛△4三銀▲5八金右が一例ですが、私は先手十分だと見ています。

今回に共通する後手の方針は飛車先交換ですが、いずれも先手が指せると見る向きが多いようです。飛車先の歩を切るというのは自然な指し方ではあるものの、ゴキ中であまり指されない理由はこういったところにあると思います。

しかし、実は先手中飛車だと▲5四歩は結構出てくるんですよね。1手の差がどういう違いと大局観を生むか、これは十年後に解説しますw

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KKK 2019/12/7

もう師走ですね。
土曜日のお昼からです。

最近月日が高速で流れます。ソニックブームが起きるぐらい早いです。


将棋小話 -ゴキゲンな世界second-

以前は触りからゴキ中について話していきましたが、今回はテーマ図からいきなり入っちゃいましょう。(めんどくさかったからとかではない、決してw)



とりあえずですね、図がでかくなった件につきましてはですね、なぜか小さい図を入れると解像度が落ちるからです。

これが△4二銀型です。ちなみに△7二銀までとなっていますが、美濃囲いを完成させてから△4二銀の方がメジャーです。
現時点では超速対策として、一番よく指されているような気がします。

ここから、①▲7七銀は居飛車の2枚銀で抑え込む作戦で、部分的には超速でよくある形。しかし△4二銀型の場合、以下△5三銀▲6六銀△5四銀と応援が利くので、居飛車がつまらないとされています。
よって②▲4五銀の変化がよく指されました。以下△3二金▲3四銀△4四角(このときに4二銀が邪魔で角を右に引くことができない。ただし△2二角も有力)▲2四歩△同歩▲同飛△2二歩が一例。


パッと見ると随分居飛車が上手くやっているようですが、美濃が舟囲いより遠いので、実戦的には後手が勝ちやすいかもしれません。

③▲3七桂としておくのも有力。



これはソフトの推奨手で、一部では以前から知られていた手でした。私も知っていた。
この後についてはプロの実戦例があまりない(と思われる)ので、代表的な変化はわかりません。研究課題といえば研究課題。

もう1つ、多い形として△7二銀と△3二金を入れ替えた将棋もあります。



これは後手が美濃囲いとまだ決めていないので、進展によっては穴熊に籠る将棋も指されています。

詳しい変化までは記せませんが、これらの将棋は振り飛車の「勝ちやすさ」が残っているというのが、私の見解です。現在振り飛車の主流は角交換系に移っている印象ですが、ゴキ中に戻ってきたとき、いずれまた指される将棋ではないかと思います。

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KKK 2019/10/26

土曜日に行います。
来られる方はご一報を。

将棋小話 -ゴキゲンな世界①-

というわけでゴキ中です。今や振り飛車の盟主として、先後で指されるテーマは数知れず。しかし居飛車先手の場合は、超速が圧倒的人気を誇っています。そんな居飛車のエース、vs超速はゴキ中党にとって悩みの種であり、最重要局面となっています。



これが11手目の局面ですが、玉の囲いも疎かに右銀を繰り出していくのが「超速」ですね。

後手の手はここで2つに分かれます。
①△4二銀
②△6二玉

これ以外の手も悪手ではありません。しかし後で合流することになりそうなので、とりま2つとしておきます。
①△4二銀とするとほぼ後手の選択肢は一択で、以下▲3七銀△5三銀▲4六銀△4四銀。これは銀対抗と呼ばれる形で、里見女流六冠が得意にしています。これは気が向いたらまたテーマにするかもしれません。

②△6二玉は▲3七銀△7二玉▲4六銀となり、より軽く指す方針です。振り居飛車党ならこちらを選びたくなるのではないかという気がします。
ここで後手の手はいくつかあります。
(a)△8二玉
(b)△3二金
(c)△3二銀
(d)△4二銀
手順前後はありますが、一旦△7二玉まで囲ってから捌きを狙うのが常道です。しかし実はここまでで別の手が後手には存在していました。

②△6二玉▲3七銀△4四歩



歩越し銀には歩で対抗、ってやつです。
△4四歩に対し、よく指されているのは(a)▲7八銀で、▲7七銀~▲6六銀から抑え込みを狙います。決定版とまで言われている指し方ですが、△4四歩以下▲7八銀△3二銀▲7七銀に、△6四歩!が凄い手。まさかの歩越し銀には歩で対抗をダブルでやっちまえ、という手ですw 指したのは佐藤康光九段だった気がする。

また△4四歩には(b)▲4六銀の方が、初見では普通の手に見えます。これには△4五歩▲同銀△3二金!がこれまた斬新。以下▲3四銀はそこで△5六歩と決戦を挑みます。▲3三銀成は△5七歩成が王手で後手優勢。よって▲5六同歩ですが、△8八角成▲同銀△7二玉が冷静で後手充分と思います。
…ただ▲5七玉!!!というアルティメットがあるかもしれないが。

というわけで△4四歩(b)▲4六銀△4五歩▲同銀△3二金には▲7八玉となり、見事△4三金で銀ばさみが完成、やっぱり後手充分…というのがこれまでの見解だったと思います。
しかし、以下▲3八飛△7二玉▲6八金が(昔の)こた(仮研究。以下△4二角なら▲3五歩で銀を助けにいきます。▲6八金は細心の注意を払った手で、△5六歩▲同銀△8八角成▲同銀△2七角▲3九飛△4九角成▲同飛△3八金に対し、飛車を左の方に逃げる手を作っています。ちなみに△7二玉▲6八金の交換を入れずにこれをやると飛車が死ぬようですが、△3八金以下▲5九飛△4八金に▲2六角が王手金取りで逆に後手ハマり。

いずれにせよ、先手が指せそうというのが一応の結論です。しかし先手が知らないと後手充分になる可能性も高いので、興味のある方は△4四歩型を指してみてもいいかもしれません。
それで失敗したとしても、こた(仮は一切責任を取りませんのであしからずw

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KKK 2019/9/29

日曜日に行います。
来られたい方はご一報ください。


将棋小話 -ゴキ中封じ-

先手番の中飛車も主要戦法として多く指される昨今ですが、今回は後手番のゴキゲン中飛車に的を絞ってお話しします。

さて、相手にゴキ中をさせたくないと思った場合に、先手番の初手からの工夫を2つ紹介します。ご存知の方も多いのではないかと思います。(こんな封じ方もあるぞ、という方は教えてください。)
①▲2六歩△3四歩▲2五歩
②▲7六歩△3四歩▲6八玉

まず①ですが、実はこれ、完全にはゴキ中を防げていません。初手から▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲7六歩△4二銀▲4八銀△5四歩と進みます。以下、
(1)▲6八玉△5五歩▲3六歩となれば、超速の変化に合流します。これでは序盤の工夫が意味をなさなかったようですが、後手に△4二銀を決めさせた効果があります。居飛車側としては余計な変化をかなり消しているので、意外と有力。しかし、最近の傾向としては後手が△4二銀と上がる作戦を取ることが多く、結局後手の得意形を避けれていない可能性は高い。
(2)▲3三角成△同銀に、
(a)▲6八玉△5二飛となればゴキ中。ただ丸山ワクチンと比べて実は1手得になっています。この1手を生かせるかどうか。一例として▲9六歩△9四歩▲7八銀△6二玉▲7九玉△7二玉▲7七桂とし、そこで△2二飛と向かい飛車に転じれば▲5三角が成立します。これは手得して▲7七桂まで指せているからこその変化です。(ただ、この変化には本当は穴がある。)
(b)いきなり▲5三角と打ってしまうのもよく指されています。△4四角▲同角成△同歩で形を乱すのが狙い。さらに▲4三角を打つかどうかはお好みで。しかしこれも中飛車にすることはできます。(実際に後手が中飛車を選ぶかは別問題)

ゴキ中アンチという点では、②の変化の方が強力です。▲7六歩△3四歩▲6八玉に△5四歩は▲5三角と打たれるスキがあり、指しづらいところ。しかし、どこかにシフトすると他方に大きなデメリットが生まれるものです。△8四歩と居飛車にこられると、▲6八玉はかなり形を決めて損になる可能性があります。これは相手が振り飛車に心酔していることを祈るしかないですねw

ところが実は②の変化、後手は簡単に避けることが可能です。それはホントに単純で、初手▲7六歩には2手目に先に△5四歩と突くこと。以下▲2六歩なら△3四歩だし、▲6八玉としても先に△5二飛と回ってから△3四歩とすれば無問題。
ただし、今度は先手が△5四歩を見て振り飛車にする可能性が浮上します。もし後手にとって相手に振り飛車をされるのが嫌となると、先ほどと立場が変わって相手が純粋居飛車党であることをお祈りするターンになりますw
後手の方から考えると、先手が振り飛車をしてきても、まだ対抗形も相振り飛車も選ぶことができます。私は割と▲7六歩△5四歩の出だしはアリだと思います。

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