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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

相振りは門外漢になってしまった自覚はある

今週末のKKKはお休みとさせていただきます。


相振り飛車は女流プロの間で多く指されていますが、あまり進化していないような気がしています。実際は私が解っていないだけで、細かい工夫はあるのかもしれません。ただ男性プロとは指している将棋が違っており、棋界全体の認識が深まっているとはいえないと思います。(一手を争う将棋を指さなければ、一手の価値を論じるような理屈付けはできないのではないかと思うのは、おこがましいのでしょうね。)

私は平たい陣形の相振りを指してきましたが、最近は軽い攻めに対して相手の目が慣れたのか、なかなか上手くいかない状況です。そこで矢倉系の将棋を試すようになり(男性プロでも得意にしている人がいる認識)、矢倉系特有の面白さを感じています。相居飛車の先手矢倉の旗色が悪い中、だったら相振りでやればいいじゃん!というのもアリかもしれません。

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KKK 2021/10/2

土曜日に行います。


-定跡外の整合性担保-

今回のお話は相振り飛車の△4四角型について。
比較的マイナーな定跡なので、まずはどのような局面のことなのかを見てみましょう。

初手からの指し手
▲7六歩    △3四歩    ▲7五歩    △1四歩    ▲1六歩    △5四歩
▲6六歩    △4四角    ▲7八飛    △2二飛    ▲2八銀    △2四歩
▲3六歩    △2五歩    ▲3七銀



この相振り△4四角型は奇異な形ながら有力な作戦です。
▲7八飛△2二飛と相振りが確定した後、先手には様々な駒組みが考えられます。ただ後手は△4二銀~△3三桂~2筋交換が実現すると、1筋の端攻めも残っており、良い意味で軽い形です。そうなると先手作戦負けに陥りやすいので、今回は矢倉での対抗が可能かどうかを検証します。矢倉にがっちり組めれば、△4四角型は負担になりそうです。

上図からの指し手
△3五歩    ▲同 歩    △同 角
▲4八玉    △2六歩    ▲同 歩    △同 角    ▲同 銀    △同 飛



矢倉に組んでじっくり指したい先手でしたが、後手の強襲が成立しました。まだ難しいところはありますが、後手やや良しの定跡です。
ただし、改めて調べると△3五歩▲同歩△同角には▲7四歩と突っ張って難解、というのがソフトの見解です。乱戦に持ち込めたという意味で、一応後手成功ということにしたいと思います。

しかしながら、石田流対策として考えたとき、解消しなければならない課題は残っています。それは△1四歩に先手が受けてくれない場合です。そのときは"△1五歩と伸ばして居飛車にする"というのが相場ですが、1つの作戦に振り飛車と居飛車の可能性があるのはハードルが高いかもしれません。
ただ1筋の挨拶を省略すると、先ほどの矢倉に対する強襲が成立しなくなります。(上図で▲1五角が王手飛車!)

では1筋を突かない場合、この△4四角型の作戦は使うことができないのでしょうか。
さて、ここからは自らの力で道を拓きますよ。

初手からの指し手
▲7六歩    △3四歩    ▲7五歩    △5四歩    ▲6六歩    △4四角
▲7八飛    △2二飛    ▲2八銀    △2四歩    ▲3六歩    △2五歩
▲3七銀    △3三桂    ▲4六歩    △4二銀    ▲3八金    △7二金
▲6八銀



強襲が不成立のため、お互い駒組みに。先手の組み方はとりあえず妥当でしょう。
後手は△7二金で△6二玉、△8二銀、△7二銀、△6二銀なども考え得るものの、三間飛車に対して△7二金の方が上部に厚い意味があり、今回は本手とします。

上図からの指し手①
△6一玉    ▲6七銀    △8二銀    ▲9六歩    △9四歩    ▲4八玉
△6二角    ▲5八金    △4四歩    ▲3九玉    △4三銀    ▲2八玉



後手は先手のように(矢倉にして)盛り上がりたいものの、先手が7筋交換をしてこなければ叶いません。そこで当たりにされそうな角を△6二角と引き、一旦△4四歩~△4三銀と整備する順が見えます。
ただ先手にゆっくり囲われると、いよいよ指し手が難しくなってきました。

上図からの指し手
△2一飛    ▲4七金左  △4二金    ▲1六歩    △1四歩    ▲8六歩
△8四歩    ▲7六銀    △8三銀    ▲7七角    △5二玉    ▲8八飛
△7四歩    ▲同 歩    △同 銀    ▲7五歩    △8三銀    ▲6五歩



△2一飛~△4二金はしょうがないのでバランス型への移行。
△8四歩は銀冠を見せて「▲7四歩、来い!」という手ですが、そうはなりません。(ちなみに△8四歩は狙われるため、バランス型にして後手の玉を左辺に逃がせるようにしないと突けない。)△8四歩に▲7四歩△同歩▲同飛なら、△8三銀~△5二玉として△7三角の活用を見ることができるのですが…。
図まで進むと先手が十分。△7三角なら▲8五歩と合わせて攻めたとき当たりになりますし、△5三金~△4二玉のように組み換えようとすると▲5六歩~▲5五歩ぐらいで打開して良し。△4五歩と自分から攻める手もありますが、暴発気味で気が引けるところです。

指し手②
△6二銀    ▲6七銀    △6一玉    ▲4八玉    △7一玉    ▲5八金
△1四歩    ▲9六歩    △9四歩    ▲7四歩    △同 歩    ▲同 飛
△7三歩    ▲7八飛    △5三銀左



盛り上がれないのなら△6二銀は妥当。
玉を右に囲う場合、△7一玉としたら後手は攻めたいところです。しかし先手の矢倉の堅陣の前に、簡単に攻めに出ることはできません。
△5三銀左で4四の角が恐ろしく狭くなりましたが…

上図からの指し手
▲3九玉    △2一飛    ▲5六歩    △4二金    ▲4五歩    △2六歩
▲同 歩    △同 角    ▲同 銀    △同 飛    ▲2七歩    △2一飛
▲4七金左



▲3九玉~▲5六歩~▲4五歩は、後手の陣形を咎めに行く指し方。△4五同桂なら▲4六銀で桂を取ることができます。
しかし△2六歩から角銀交換に出るのが明るい手で、上図まで進むとソフトは互角の評価値。以前角換わりの記事でも同様の筋を取り上げましたが、ソフトは陣形の配置を重視し、後手の陣形の評価が高い(加えて先手の陣形の評価が低い)と思われます。以下は△3五歩~△4五桂と猛攻するか、一度△1五歩とするか。いずれにせよ、後手はこの展開を目指していいのかどうか、すぐには判断ができません。
また、先手が▲4五歩とせずじっくりした展開も変化が広く、現状では「判らない」というのが正直なところです。

指し手③
△6二銀    ▲6七銀    △5二玉    ▲4八玉    △2一飛    ▲5八金
△3二金    ▲3九玉    △6四歩    ▲4七金左  △6三銀    ▲2八玉
△1四歩    ▲1六歩    △1二香



最初からバランス型を目指すのはどうでしょうか。後手は金開きに構えます。
△3二金に対し▲5六銀は、△5五歩▲4五歩に△2六歩▲同歩△同角で先手が危険。
また△6四歩に▲7四歩は1局ですが、後で△7三桂と使われる可能性はあります。
△1四歩▲1六歩△1二香から△1一飛を見せておけば、ほぼ互角の将棋と思います。

結論:1筋を突かずに△4四角型が成立するかは不明。
後は人体実験だ!w

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KKK 2020/9/27

日曜日に行います。

ネット将棋での県名人の棋譜を調べてました。
強っ


-秘技▲7八銀-

今回はたぶん初登場、相振り飛車。こた(仮の"とっておき"を披露する。
ぶっちゃけ、こんなとこで紹介してしまうような奴ではないw だが使う機会も無いし、眠ったままなのも惜しい気がする。誰かこた(仮新手として広めてくださいw

初手からの指し手
▲7六歩△3四歩▲6六歩△3二飛▲7七角△3五歩▲7八銀△4二銀▲6七銀△6二玉▲8八飛△7二銀▲8六歩△3六歩▲同歩△同飛▲8五歩△7一玉▲3七歩△3四飛▲2八銀△5二金左▲4八玉△3三銀▲3八玉△4四銀▲8四歩△同歩▲同飛△8三歩▲8六飛△4五銀▲4八金△1四歩



昔からある向かい飛車vs三間飛車。女流棋戦では現在進行形でよく指されている形です。序盤のポイントは▲6九金型で構えていることで、ほかに難しいところは特にありません。△4五銀はいわゆる里見流で、有力な作戦と認識されています。ここでは△3五銀も有力ですが、これにも今回紹介する作戦は問題なく使えます(むしろ楽)。

▲6五歩△7七角成▲同桂△5五角



▲6五歩と強く角交換を挑みます。後手は角交換を拒否しても1局ですが、それはややつまらない。交換して攻防に△5五角と据えます。
次の手が本作戦の骨子。

▲7八銀



後手の手が△5五角でなくても、先手は基本▲7八銀。次の手番で▲7五歩と伸ばし、陣形が低いのか高いのかわからない形を作ります。
以前から、この戦型では自分(向かい飛車側)から角交換をして戦うことができないか?というのを考えていました。それを基にいろいろ作戦を練り、できたひとつがこの陣形です。

△1五歩▲7五歩△3六歩▲同歩△1三桂



▲7五歩は次に▲6七角を狙っています。この作戦は▲6七角、▲4一角、▲2二角、▲2六飛などが狙い筋になります。△3六歩~△1三桂は暴れる準備。残念ながら後手の攻撃陣は既に半壊している。(先手は受けの力が必要にはなるが…)

▲2六歩△3六飛▲同飛△2八角成▲同玉△3六銀▲1八角△3五歩▲8二歩



先手も怖い形になりましたが、▲8二歩と反撃し先手有利と見ます。△同玉なら▲7四歩。△2五桂という勝負手はあるものの、うまく左辺に泳げれば勝ちになりそうです。先手陣は左側から飛で攻められないのが強み。
はっきり言って、相手が初見なら本譜より大成功する可能性は高い。自分で指してみた方は本ブログに報告コメントお願いしますw

ちなみに実戦で指したのは一度のみ。T田五段に対する初見殺しで終わったw

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KKK 2020/2/23

今週末はお休みで、来週はブログの更新ができません。
日曜日は支部戦ですが、対局結果も皆様にはしばらくお伝えできません。
気長にこた(仮の華麗なるカムバックをお待ちくださいw I'll be back.

次の研究会は23(日)の予定です。


将棋小話 -オマエが振るならオレも振る!相三間-

相振り好きの将棋ファンなら聞いたことがあるかもしれない、このフレーズ。杉本八段の名著「相振り革命」シリーズの帯に書かれたものですが、これがしっくりくるのが「相三間飛車」。

オレも絶対に三間飛車を指すんだ!という強い意志を感じる一手が、▲7六歩△3四歩▲7五歩の出だしに対して、△3五歩です。ここでは先に△3二飛という手もありますが、今回は割愛。
そして▲7八飛に堂々と△3二飛!真似将棋ではありませんw



福井棋界では、N西六段が得意にされている印象があります。なんとなく、らしいような気がします。ちなみに私は指したことが(後手番では、ほぼ)無い。正直あまり詳しくないですが、許してくださいw

まずは以前の将棋ですが、戸辺流vs阿部流の戦いを見てみます。
(1)▲5八金左△5二金左▲4八玉△6二玉▲4六歩△8八角成▲同銀△2二銀▲4七金



▲4六歩で▲4七金から高美濃を目指すのが戸辺流で、相振りで立体型志向が流行ったときに、奨励会時代の戸辺七段が開拓したと言われています。その戸辺流の対抗策として現れたのが阿部流で、阿部健治郎七段が指し始めました。角交換して△2二銀と上がるのは単なる手損なので不思議な感じ。別の囲いで戦う作戦です。

△8二銀▲3八銀△3三銀



▲3八銀に△2八角は、▲4一角~▲5二角成~▲1八金で角が死んで先手良し。
ちなみに角を換えていない場合は、△8八角成~△2八角と打たれますが、これは△3一銀の形なので▲4一角△1九角成で後手良し。その場合は▲3八玉から囲うことになるでしょう。
これは昔、N西さんとの将棋で私がやらかしたミスですw
△6二玉型にも意味があり、▲7四歩△同歩▲同飛には△7二金とする予定です。

▲3九玉△2二飛▲7七銀△2四歩▲8八飛△7二玉▲8六歩△2五歩▲8五歩△2六歩▲同 歩△同飛▲2七歩△2四飛▲2八玉△3四銀▲6六銀△6二金上▲6五銀△2五銀▲7七桂△1四歩▲9六歩△9四歩



組みあがり図。後手は金無双に組みました。先手はさすがに1筋は受けづらいですが、実は後手は1筋を詰めません。この理由は後で判明します。

▲5五角△3三角▲同角成△同桂▲7四歩△同歩▲5五角△4四角


先手は最善形なので仕掛けます。角を何回も打って後手の手を進めさせるのは馬鹿らしいのですが、飛車の横利きが通っていると仕掛けづらいので仕方ないところ。ここは分岐点です。

(a)▲8二角成△同玉▲8四歩△同歩▲7四銀△7五角



先手が角を切って強襲する変化。後手にとって怖い形ですが、どうやら受かっていそうです。後手有利。

(b)▲同角△同歩▲7四銀△7三歩▲8三銀成△同銀▲8四歩△同銀▲同飛△8三歩▲8八飛△2六歩▲同歩△同銀▲2七歩△同銀成▲同銀△2六歩▲同銀△2七歩▲同玉△5四角▲3六歩△1五銀


長くなりましたが、先手が銀を捌く変化。先手も後手も銀を捨てていますが、後から取り返すことができます。しかし後手はただ取り返すだけではなく、玉を吊り上げて最後の△1五銀が厳しい(△1五歩型ならできない)。後手優勢。

よって阿部流に軍配が上がり、先手は別の作戦を取るようになりました。

(2)▲7六飛△8二銀▲7七桂


よって先手は浮き飛車に構えます。やはり後手は△8二銀ですが、▲7七桂と跳ねてみる。以前に私がよく指していた作戦でした。ここでは▲3八玉~▲8六歩~▲8五歩もあり、むしろ本筋です。どちらも先手は美濃囲いを目指し、後手との差別化を図ります。

△3四飛▲3八銀△7二玉▲3九玉△4二銀▲6八銀△9四歩▲5六歩△8四歩▲5七銀△8三銀▲7九角△1四歩▲4六銀△1三角▲4五銀△3二飛▲5五歩△4四歩▲5六銀△8二玉▲6五銀△7二金▲5七角△4三銀▲8六歩△6二金左▲8五歩△同歩▲7四歩



以下すっごい長いけど一例。上図までくれば先手よし。途中先手が引き角にする構想が面白く、左銀の動きもユニークです。
後手は工夫すれば互角の戦いと思いますが、いずれにしても他の戦型とは違う展開が楽しめそうな将棋ですね。

最後にN藤五段が指していた、むりやり美濃作戦をご紹介。▲7六歩△3四歩▲7五歩△3五歩▲7八飛△3二飛に、先に▲4八玉とします。以下△5二金左▲1六歩△1四歩(この手に必然性は無いが、とりあえず。)に▲3八銀と強く上がります。


これもN藤さんらしい手な気がしますね。 

△8八角成▲同銀△2八角▲1七香△1三桂▲2六歩


上図までは一例。端歩の交換が無くても▲3八銀はあって(成否は知らない)、やはり△8八角成▲同銀△2八角に▲7四歩△同歩▲5五角となるでしょう。
正直この戦型は指さないし、N藤さんの真意もわからないw しかし端の交換を入れたということは、香車を逃げるということでしょうか?形勢不明。

この相三間、福井棋界では何度も見たことがありますが、やはり三間飛車が好きな人が多いんでしょうね。
最後のN藤流は、ぜひ本人にアタックして聞いてみてくださいw

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KKK 2019/7/27

土曜日のお昼からです。
来られる方はご一報ください。


この前のNHK杯は里見女流五冠が素晴らしい指し回しで、実力者の高崎六段を下しました。しかも解説者が羽生さんということで、とりわけ注目度も高かったと思います。

ところで、この局の2手目△5四歩ですが、里見さんが好んで指している手です。初手▲7八飛に対し△5四歩と指し、△4二銀~△5三銀と形を決めました。これはマイナビオープンでも同じように進めています。
実は私もこの里見流、以前から結構指していました。対三間飛車において、出方によっては強襲をかける含みがあり、ちょっとした序盤のアイデアだと思います。この辺りは話し出すと日が暮れるので、聞きたい人は直接聞いてくださいw まぁ基本的には、私がこれを使う相手はただ1人しかいないのですが…(賢明な皆様ならきっとわかるはず)

私がこの2手目を多用しない理由は、普通の相振りの持久戦になったときに模様の取り方が難しいと思っていたからです。NHK杯でも先手向かい飛車の展開になったため、どう駒組みをするのかと見ていました。里見さんは△2一飛の下段飛車に構えた後、△5二金右と上がります。羽生さんの解説でもありましたが、この手は8筋を攻められて▲8三角成や▲8三飛成とされたときに、△6二玉と逃げる形を見た工夫です。△7四角という鬼手も出て、結果的に先手の攻めを頓挫させました。

筋違い角が怖いからといって△7二金+△6二玉(△5二玉)型にすると、△5三銀を攻めに使ったときコビンが開き(或いは玉頭に空間のある)弱い陣形になってしまいます。△5三銀が動けないと非常に消極的ですが、この陣形なら自由度が高そうに感じました。金がくっついている(△6二金)より金が離れている(△5二金右)方が固い(仕掛けられない)可能性があるというのも面白い事象だと思います。

次回のこた(仮の将棋小話(?)は、△7二金型右玉の予定です。(予告なく変更される場合がございますw)

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