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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2020/2/9

ブログ…復活…!

というわけで日曜日です。来られる方はご一報ください。


将棋小話 -スイッチバック-

小話ですから、どうしてもアウトラインをなぞり、大切な手順や変化に触れないことも多々あります。
しかしながら、普通に忘れているだけということもあるのですw

というわけでブログがダウンする以前の将棋に戻り、今日はこんなお話。

初手から…
▲7六歩△3四歩▲7五歩△1四歩▲7八飛△1五歩▲4八玉△8八角成▲同銀△3二銀▲5八金左△4二玉
というのが前回やった、石田流に対して後手が1筋の位を取る将棋です。
ここで▲5五角と打つ。



天王山に放られた角は、一見狙いがよくわからない。以下普通に△3三角と合わせますが、▲4六角と目線を逸らすのが面白い一手です。すっかり忘れていたとはいえ、この手はやはりスルーできなかったw



向かい合った角に対して反対側に引く、所謂"スイッチバック角"。この類の手は振り飛車の将棋などで稀に見られた手筋でしたが、スイッチバックという言葉が使われたのはこの将棋からではないでしょうか?(ソースなし)
なんというか、中2病の私にも響くネーミングであるw

しかしここから、もう1つ楽しい変化が現れる。以下…
△6二飛▲7七銀△6四歩▲8六歩△7二銀▲8五歩△6三銀▲8八飛△8二飛



飛車のコビンをどうセンス良く受けるかが居飛車の課題となりますが、△6二飛はハイセンス。▲7四歩は△8二銀で問題ありません。後手は△6三銀型に組んで、飛車を8筋に戻って受ける手がピッタリ間に合います。居飛車を持って指したのは「飛車を戻す新手」の巨匠(?)、菅井八段です。
ただし形勢はほぼ互角。

石田流側は、どこかのタイミングでスイッチバック角を放つ(含みにする)ことで、斬新な将棋を開拓することができるかもしれません。ただ後手の角も利きも良いので、難しい将棋になりそうです。

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KKK 2020/1/26

日曜日です。来られる方はご一報を。
KKKの主要メンバーに振り飛車党がいないのが悩みです。悩みっていうほどでもないけど。


将棋小話 -現代流石田対策-

今回は、前回の4手目候補手(4)△1四歩、(5)△5四歩、(6)△8八角成を取り上げます。実はこれらは互いにリンクしている部分があって、組み合わせで用いるのが主流になっています。よって4手目に(4)△1四歩から、先手がどう対応するのかを考えてみます。

ちなみにこの△1四歩は当初山崎八段が何度か採用し、最初は力戦志向のイメージを持った作戦でした。しかし研究が進むにつれ有力とわかり、プロ間で石田流に大打撃を与えた戦法の1つとなりました。

(a)▲1六歩△5四歩



まず考えられるのは挨拶は返すものということで、▲1六歩でしょう。これには△5四歩を組み合わせます。(上図)

対して(ア)▲7八飛といきなり飛車を振ると、▲7八飛△8八角成▲同銀△4五角▲8五角△8四歩▲6三角成△5二金右▲9六馬△6七角成が一例で下図。



これは後手ペースと言ってしまっていいでしょう。先手が悪いかと言われれば難しいのですが、先手なのに振り飛車側の主張は特になし。

よって(イ)▲6八飛か(ウ)▲6六歩となります。途中下車の(イ)▲6八飛は、3手目▲6八飛より損をしている感。やはり本命は(ウ)▲6六歩ですが。
▲6六歩には△4四角▲7八飛△2二飛▲3八銀△2四歩とする、△4四角型向かい飛車が面白い作戦です。序盤から4段目に角を据えてしまう戦法はなかなか珍しい。


以下の進展例①
▲4八玉△2五歩▲3九玉△4二銀▲5八金左△3三桂▲7四歩△6二銀▲7三歩成△同銀▲7四歩△6二銀▲6八銀△2六歩▲同歩△同飛▲2七歩△2一飛▲6七銀△1五歩▲同歩△1七歩



上手くいき過ぎた例ですが、美濃に組むと端から速攻を仕掛けて後手優勢。こんな簡単に良くなると楽であるw

矢倉に組もうとする進展例②
▲3六歩△2五歩▲3七銀△3五歩▲同歩△同角▲4八玉△2六歩▲同歩△同角▲同銀△同飛▲3九玉△2八歩▲同飛△2七銀▲7八飛△2八歩



この変化は序盤に端歩の挨拶をしたおかげで、途中▲1五角の王手飛車が消えています。やっぱり後手優勢。

というわけで挨拶した相手はヤンキーで目が合うと殴られることが分かったので(笑)、今度は無視する方針でいってみます。

(b)▲7八飛△8八角成



ここで今度は△8八角成が出現します。
以下▲同銀△3二銀。ここで▲1六歩と受けると、△4五角と打って後手よし?



以下▲2二角△1三香と逃げられるのが、端歩を突いた後手の主張です。しかし、▲6六角成△2七角成▲2八飛△5四馬▲1七桂と進んでみると。



この変化は後手有利が定説だったと思うのですが、私はむしろ先手指せると見ています。上図になると先手歩損ですが、先手の方が方針がわかりやすいし、飛車の働きが却って良くなっています。

というわけで(b)▲7八飛には先に△1五歩が勝ると思う。

以下▲4八玉△8八角成▲同銀△3二銀▲3八玉△6二銀とし、今度は端の位を主張にして居飛車模様にします。
そこからはセンスによりますが、▲5八金左△4二玉▲2八玉△3一玉▲3八銀△8四歩▲7七銀△8五歩▲8八飛△5二金右が一例。



この将棋は先手が角交換振り飛車にシフトしました。形勢は互角です。しかし▲7五歩が中途半端であること、端の位を取られていることがあり、先手を好んで持ちたいかと言われると疑問に感じます。

最後に、(b)▲7八飛△1五歩▲6六歩は△3二飛。


これは1局です。ただ現代感覚だと、角道を止めていない後手が主導権を握っているというのがメジャーな意見でしょう。地味に3五歩を保留しているのも手が広い。この将棋なら詰めた端が損になる(手が遅れる)ことはまず無いと思います。

この作戦は序盤から得を目指しているために、乱戦が水面下に潜んでいます。また居飛車と相振り飛車の両方指せる必要があるので、上級者好みかもしれません。

当然、私は好きですw

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KKK 2020/1/18

来週末は土曜日に行います。
日曜日は王将戦の福井地区予選がありますので、参加される方は頑張ってください。


たしか以前、「石田流は後手の有力な対策が多いから指す気がしない」というようなこと口にしたと思います。プロにおいても3手目に▲7五歩とする石田流は、現在絶滅しているといっても過言ではないぐらいです。
しかしアマチュアでは愛好される方が多く、去年県棋界で大活躍(?)したS戸川五段もその一人。N藤五段も石田流のスペシャリストですし、S水師匠も大一番でよく用いています。対策に頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私見ですが、3手目▲7五歩は非常に主張が強い将棋という感じがします。しかし自分の主張だけ押し通せやしないのが将棋であって、その分ウィークポイントもきっとあるでしょう。

将棋小話 -S戸川をやっつけろ!石田流編-

というわけで(笑)、その石田流の出だし(▲7六歩△3四歩▲7五歩)がこの局面。



既にこの局面で後手の手が非常にたくさんあります。
(1)△8四歩
(2)△4二玉
(3)△6二銀
(4)△1四歩
(5)△5四歩
(6)△8八角成
(7)△3五歩
(8)△6四歩(!)
などなど…まだありますが割愛。これだけ有力な手が多いということは、やはり石田流はリスクも高いということです。しかし逆に言うと、以前皆がこぞって対策を立てるほど有力視された戦法とも言えます。何かしら作戦はしっかり持っておきたいところ。

(1)△8四歩
これは20年ぐらい前までは最有力とされていた指し方。以下▲7八飛△8五歩とし、▲6六歩+▲7六飛を間に合わせない作戦です。先手の作戦はいわゆる「早石田」に限定されます。後手としても最大限に突っ張ったと言えるかもしれません。
しかしこれをアマチュアが指せば、かなり先手が勝ちやすいというのが私の印象。今回早石田の解説は避けますが、あまり指されない将棋になっています。

(2)△4二玉
この手は同じく以前主流となっていた指し方で、今も時折指されます。しかし先に△6二銀の方が紛れがないと思うので、今回は割愛します。

(3)△6二銀
ということで、今回のメインはこれ。△6二銀▲7八飛△4二玉と進みますが、ここで先手はほぼ▲6六歩の1手となります。例えば▲4八玉を先にすると、△8八角成▲同銀△4五角で後手よし。また▲7四歩は、△7二飛(△7二金という形もある)で効果が無い。

よって△6二銀▲7八飛△4二玉に角道を止める▲6六歩から、△6四歩▲4八玉△6三銀▲3八銀と進展します。



▲3八玉でなく▲3八銀なのは、▲3九玉型で指す含みがあるから。まずは居飛車の左美濃を見ていきましょう。

(a)△3二銀▲3九玉△3一玉▲5八金左△1四歩▲1六歩△5二金右▲6八銀△8四歩▲6七銀 △8五歩▲7六飛、と進んで下図。



以下、(ア)△3三角と囲いを進めるのが、当時石田流を武器に二冠を制した久保九段など、石田流全盛期に盛んに指された将棋です。
しかし、実はこの将棋は現在では出現しないと言っていいでしょう。
以下▲7七角△2二玉▲5六銀△2四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△同歩▲1七桂が宮本流。



この変化が優秀なために、▲3九玉型で待機しています。これは▲4五銀や▲6五歩が連動して攻めに利いてくるので、先手よし。
よって後手は単純に囲い合うことができなくなりました。そこで(イ)△7二飛と急戦を見せるのが有力な手段になります。

(イ)△7二飛▲7七角△7四歩▲同歩△同銀▲6五歩△7五歩▲3六飛



角にヒモをつけて捌きにかかる▲7七角はこの一手。▲6五歩から飛車は横に使います。ちなみに△7五歩で△7五銀だと、▲2二角成△同玉▲7五飛△同飛▲6六角で王手飛車がかかり後手劣勢。

上図から、①△6五銀▲1五歩△同歩▲1三歩となって下図。



△6五銀に▲3四飛は△5四銀で後手十分ですが、▲1五歩が鋭い。これも▲3九玉型だからこそ指しやすい手と言えます。これも先手が指せそうです。

よって後手は②△3五歩が有力か。
②△3五歩▲2二角成△同玉▲3五飛△4四角▲6六角△同角▲同銀△4四角▲3六飛△6五歩▲7七銀△3三歩


実は温めていた変化ですが…w
上図まで進めて難解な将棋。位を張って後手の威勢が良いようですが、自陣角を打ってしまったのでもう一押しが難しい。そこでじっと歩を打って傷を消すのが研究手で、渋くて気に入っていますw

先手から見た私の感覚としては、先手でこの局面を目指すのか、という疑問が生じる。
これまでは△3二銀として左美濃にしましたが、もちろん(b)△3二玉として舟囲いにするのも考えられます。ここからの変化は多岐に渡りますが、流行を取り入れた面白い形を紹介します。

(b)△3二玉▲3九玉△6二飛▲5八金左△1四歩▲1六歩△4二銀▲2八玉△5四銀▲6八銀△3一金



後手の陣形はエルモ囲い。汎用性のある形として、対振り飛車に広く取り入れられる形となりました。これを右四間飛車とミックスさせるのが面白い。

以下、▲5六歩△6五歩▲同歩△8八角成▲同飛△6五銀▲5七銀△3三桂が一例。


この将棋も形勢は互角。仕掛けた居飛車側がペースを握っているようですが、振り飛車の美濃囲いもしっかりしています。
ちなみに私はネット将棋で類似形を持って、ここで▲6三歩(手筋)と叩いたのですが、なんとこれが悪手。▲8二角~▲9一角成で香得になったものの、△7一金で馬が封じられ苦戦に陥りました。

やはり先手を持っていると考えた場合、こんな簡単に仕掛けられてしまうこと自体が不満ともいえます。

ここまでは後手居飛車の作戦でした。他の4手目に関しては、相振り飛車や、”ハイブリッド”の作戦になります。(△6四歩を除く。これはマル秘テーマw)
また次回。続くかな?

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こた(仮流43戦法破り

「43戦法」は後手番で石田流を狙う戦法で、昔は私もしょっちゅう使っていました。
現在プロレベルの将棋では居飛車が押していて出現頻度は少ないですが、早石田からの攻め筋も多くアマには後手が楽しい将棋でしょう。
そこで先手居飛車がわかりやすく攻めれる指し方を考えます。

▲7六歩    △3四歩    ▲2六歩    △4二飛    ▲6八玉    △6二玉
▲7八玉    △7二玉    ▲2五歩



玉を移動し飛車先を伸ばすのが最初のポイント。といってもここまではよくある将棋といえます。ここで角を交換されると角交換四間飛車になりますが、その説明は割愛します。
後手が43戦法を目指す場合、2つの指し方があります。


△8二玉    ▲4八銀    △7二銀
▲5八金右  △3二飛    ▲5六歩    △3五歩    



最初に美濃囲いを完成させる指し方。藤井竜王vs鈴木八段の竜王戦でも現れた局面。実戦例通りに進めます。

▲2四歩    △同 歩
▲同 飛    △8八角成  ▲同 銀    △2二飛    ▲2三歩    △1二飛
▲2六飛    △3二金    ▲5五歩    △2二歩    ▲8六角    △4四角
▲5七銀



角交換から飛車ぶつけが後手の▲2四歩対策で、習いある手筋ですが▲2三歩、▲2六飛、▲5五歩と進めます。そして△2二歩合わせに対し▲8六角の自陣角が骨子。△4二銀なら▲5四歩△同歩▲2二歩成で必勝です。
上図は先手有利。以下は後手角をいじめるだけです。藤井先生の模範演技でした。

△3二飛    ▲5六歩    △3五歩
▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △8八角成  ▲同 銀    △2二飛
▲2三歩    △1二飛    ▲2二角    △3二金    ▲3一角成  △同 金
▲2二銀    △同 金    ▲同歩成    △3三角    ▲1二と    △2四角
▲2二飛



そこでいきなり△3二飛も有力。これには▲5六歩が大切です。△5七角と打ちこんで馬作りを狙うのは▲4八銀に△8四角成なら▲6六角、△3五角成なら▲2六角で馬を消すことができます。
初志貫徹で43戦法を目指せば、やはり飛車先交換。そしていきなり▲2二角と打ちこみ、角を切って▲2二銀とおかわりします。もしこのとき▲5六歩でなく▲4八銀型ならば、△5五角▲3一銀不成△3三角打で後手良し。もちろん本譜ではそう進めることはできませんので、△2二同金と取って飛車の取り合いとなりましたが、最後▲2二飛と打って王手角をかけた上図は先手優勢。△4二角打なら▲4一金の俗手で十分です。後手は美濃囲いにしなかったのが響いた形です。

ここまで上手くいくとは限りませんが、高段にも通用する対策です。先手玉がやや薄いのでそこだけは注意しましょう。
プロが指している対策(渡辺竜王流の▲5八銀は有名ですね)も後手苦戦しており、現時点で43戦法は指しきれないと私は考えています。

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