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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2023/9/16

土曜日に行います。
来られる方は前日までにご一報ください。


- KTF 1手損角換わりvs早繰り銀▲7八玉型 No.7 -

今回は10手目△7二銀に代えて△6二銀とする将棋を見ていきます。前回までと同じ将棋になる可能性もありますが、△6二銀ならではの変化があります。



上図からの指し手
▲2五歩    △3二金    ▲3七銀    △4二玉    ▲4六銀    △5一銀
▲1六歩    △3一玉



△4二玉~△5一銀と銀を下から使うのが妙手順。初出はソフトだと思いますが、近年だと丸山九段が採用されています。
▲1六歩は自然で、王手飛車を防ぐ有名な一着。代えてa)▲6八玉は△4四歩▲7八玉△5二銀▲3五歩△4三銀で受けが間に合うのがミソ。この変化のとき普通は△6四歩型なのですが、むしろ△6四角の含みがある△6三歩型の方が勝っています。
ただb)▲6六角と打つ秘手はある。これは割愛しますが、互角の勝負となりそうです。

上図からの指し手①
▲3五歩    △同 歩    ▲同 銀    △3四歩    ▲2六銀    △4二銀上
▲7七銀    △4四銀    ▲6八玉    △3三銀上  ▲7八金    △5二金



①▲3五歩はすぐに攻めていく指し方ですが、②▲7七銀や③▲1五歩も有力です。後で解説します。
後手は△3四歩で納めようとしますが、対してa)▲2四歩が自然に見えます。しかし以下△同歩▲同銀△5五角(△同銀▲同飛△3五角も後手悪くない)▲4六角△2七歩▲3三銀成△同金▲4八飛△4六角▲同歩△2二飛と進むと後手有利。
また、銀を引くにしてもb)▲4六銀の方が自然なようですが、△1四歩とされたときに1歩交換で終わってしまいます。△1四歩に▲1五歩と突けるようにしているのが▲2六銀の意味です。
本譜はお互い陣形整備に移りますが、△4四銀~△3三銀上が反発力のある組み方。▲1五銀には△3五銀があります。

上図からの指し手①-1
▲5八金    △8四歩    ▲7九玉    △9四歩    ▲9六歩    △2二玉
▲6八金右  △4五銀    ▲1五歩    △3六銀



▲5八金から堅い玉形を目指すのは普通の指し方。ただし後手も△4五銀~△3六銀と積極的な指し方を取ることができます(他の指し方もある)。
上図から、▲5八金とすれば△4九角が成立します。以下▲1八角△5八角成▲同飛△4七銀不成▲2八飛△3八金▲2七飛△3六銀成で後手良し。上図で4七を受けなければ1局ながら、後手に主張のある将棋でしょう。

指し手①-2
▲9六歩    △9四歩    ▲1五歩    △8四歩    ▲3七銀    △4五銀
▲4六歩    △5四銀    ▲3六銀    △4四歩    ▲4八金    △8五歩
▲4七銀    △7四歩    ▲3七桂    △6四歩    ▲2九飛



先手は1筋の位を確保してから▲3七銀と立て直すのも有力です。△4五銀で他の手を指すと▲4六銀で1筋を主張されて大局的に不満。
先手は巧妙に下段飛車に組み替えます。後手も腰掛銀にジョブチェンジ。後手が1筋の位及び歩を持たれていることを気にしなければ1局。後手が自分の右辺でアドバンテージを取れるかですが、私は先手持ちです。

指し手②
▲7七銀    △4二銀上  ▲3五歩



①▲3五歩の前に②▲7七銀を見ていきます。これで△5五角の筋は消えました。

上図からの指し手②-1
△4四歩    ▲3四歩    △同 銀    ▲3五歩    △4三銀引  ▲2四歩
△同 歩    ▲同 飛    △2三歩    ▲2八飛    △1四歩


本譜は羽生九段vs丸山九段の実戦例があります。先手は2筋の交換に成功しますが、後手も治めて堅い陣形となりました。難解。

指し手②-2
△3五同歩 ▲同 銀    △3四歩    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 銀
△2七歩    ▲同 飛    △4五角    ▲2八飛    △2四銀    ▲同 飛
△6七角成



△3五同歩と取れるのかも検証したいところ。▲2四歩が利くかどうかですが、今度は△2七歩の切り返しがありました。
△2七歩で△2四同銀は、▲同飛△3五角に▲2二銀!の妙手があって先手指せます。
上図まで進み、後手は馬を作ることに成功しました。問題は先手から手ができるかですが、▲2二歩△同金とした後、a)▲2三歩は△1二金で耐えていそう。b)▲2三銀は△3三銀▲2二銀成△同銀▲2三歩△3三銀▲2二角△4二玉で大丈夫。
よって上図は後手良しか。結局先手は▲2四歩といけないことになり、②▲7七銀は実らなそうです。

指し手③
▲1五歩    △4四歩    ▲6八玉    △4二銀上  ▲7七銀    △4三銀
▲9六歩    △9四歩    ▲4八金    △8四歩    ▲7八金    △8五歩
▲3七桂    △5二金    ▲2九飛 



③▲1五歩は、「どうせ持久戦になるなら3筋切らなくてもいいじゃん」と速攻は諦めた手。
△4四歩で△4二銀上を先にすると、▲4五銀△4四歩▲5六銀と1筋の位を取りつつ腰掛銀に切り替える手段を与えます。(これはこれで1局ではある)
▲3七桂~▲2九飛は現代的な組み方です。

上図からの指し手
△2二玉   ▲6六歩    △6四歩    ▲7九玉    △7四歩    ▲5六角
△6三金    ▲3五歩    △5二角    ▲2六飛    △5四金



先手は△7四歩に▲5六角で打開。
▲3五歩に△同歩と取るのは、▲同銀△3六歩▲3四歩△4二銀▲2四歩△同歩▲同銀で先手優勢。△2三歩には▲同銀成△同金▲3三歩成で決まります。
△5二角は一見つらい受けに見えますが、△5四金と活用することができます。上図はいい勝負といえそうです。

一応これで最終回としたいと思います。1手損角換わりvs早繰り銀の攻防、いかがでしたでしょうか?
最近は最序盤に▲7八金と上がらせてから1手損角換わりに出る手が指されており、対して早繰り銀の作戦が進化しています。もし要望があれば、最終回を撤回して続く?

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