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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

愛は一方通行だって理解っているから

「費やした時間の分だけ自分に返ってくるとは限らない」と思うのは、きっと驕りなのだろう。
最初から独りよがりなのだろうが。

ブログコンセプトをふいに思い出したかのような冒頭ですが、予告通り昨日は県名人戦挑戦者決定戦がありました。

予選①▲Y本五段
対三間にエルモ囲い。7筋攻めにこだわりましたが、全然うまくいかず押さえ込まれます。一瞬だけ香得にはなったものの、馬で飛車を攻められて形勢不利。普通にガリガリやられていたら自信がありませんでした。本譜は歩を垂らしたりと曲線的にこられましたが、長い戦いになったため次第に混沌としてきます。抜け出して○。

予選②△T山四段
彼の1手損は得意戦法。前回と同様に早繰り銀を採用し、早々に▲1八角と宗歩ばりの一着は研究手。この手を境に優勢になったものの、その後小ミスを繰り返し形勢が詰まったりまた離したりを繰り返します。王手馬取りを掛けてようやく切らしたかと思ったのも束の間、食いつかれて攻め合いに活路を見出すことに(…いや、自棄になっただけだコレ)。最後は負けにしましたが、難しめの詰めろをかけてうっちゃり、○。

予選③▲O野木四段
F高時代からの四間vs棒銀の定跡形。学生時代のことは使わなくても覚えているものです。ずっと互角の勝負が続くも、馬が出来てこちらが優勢に。手堅く指す選択肢もありましたが、切りあって勝ちと見て読みの最後に攻防手(詰めろ)を放ちます。しかし、自玉が詰んでいたw ×。

予選④▲T場四段
角換わりのお互い引き飛車で定跡形。▲3五歩~▲4五桂で仕掛けてこられましたが、この形ではやや無理筋だったと思います。強く桂を取り切り、間合いを図りながら反撃に。ただ途中一手パスとか取れる駒を取らなかったりして、かなり詰めよられます。それでもなんとか一手差で先に寄せ切り、○。

トナメ①▲O滝六段
戦型は相掛かり。向こうは不思議な陣形となり、序盤はなんとか作戦勝ちにできないかと思っていました。ところが仕掛けられたところでは既に自信なし。しかし反撃にでて相手玉を薄くし、駒得にもなって優勢を確保。ただそこからはさすがO滝さんで、私の悪手に乗じて自玉に殺到されますが、まだ相手玉を詰まして勝ちだと考えていました。しかしなかなか詰みが発見できない。残り時間が1分を切るかというとき、やっと見えた最後の局面。手が反射的に動く――見えた局面に辿り着くまでのさなか、飛車の打ち場所を、誤った。×。

投了する前で既に、何か言葉が飛び交っていた気がするが、何かを思う気力はなかった。

挑戦者はM越Jr.五段となり、2438名人への初挑戦を決めました。
名人戦ではたぶん解説者をしますので、ぜひ福井新聞社に足を運んでご観戦ください。

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全自動カタパルト

今日は県アマ選手権が行われました。竜王戦と同じく予選はシードで、トーナメントからの参戦です。この日までに考えた作戦をひっさげ、気合は十分。

一回戦・▲Y田四段
戦型は角換わり。Y田さんの棒銀でしたが、その銀が撤退し持久戦に。再び駒組みになり、上手く組み替えて作戦勝ちとなりました。相手の勝負手にも怯まず切り返し、一直線に攻めあいます。自玉周辺の金駒も取られますが、飛車か金を渡さない限り詰まない形。寄せ切って、○。

二回戦・△N西六段
序盤の駆け引きがあり、がっちりとした相矢倉に。私も最近はあまり指していない形ですが、矢倉は以前得意にしていた戦法でもある。懐かしの加藤流から仕掛けます。△4五歩の突き違いで対抗されたものの、この展開はこちらが指せることを「知って」いました。ただ「優勢なのだから攻めていって勝てそう」という思いが勇み足に繋がります。時間も無くなって訳が分からなくなり、△8七歩の王手に▲7八玉が現実的な敗着。相手の攻め駒に近づいて、先に詰めろが掛かる形になっては勝ちが無かった。悔しい1局となり、×。

正確にはN西さんが最初に感想戦で指摘した△8六歩手抜きが悪手。また△9五桂に▲8六金と逃げたのも悪手。その直後△8七歩と王手で叩かれる訳ですが、▲9八玉の一手でした。これなら実戦的には勝ちがあったかもしれません。(ソフト曰く△6五桂と歩頭にタダ捨てする鬼手があって、後手有利らしいですが。)

考えてた作戦…使う前にやられたw
ただ悪い手が多かったので、しょうがないというか、やっぱり悔しいですね。

決勝はそのN西六段が勝ち進み、N澤六段(いつもの人)と対局に。序盤は2438くん作戦勝ちから非常に手堅い指し回しで、無理に仕掛けさせられたN西さんがピンチに思える局面。お互い秒読みに突入する中、なりふり構わぬN西さん決死の攻め、しかもノータイム。これまた2438くんもノータイムで返すバチバチの喧嘩殺法w(棋譜取りをしていましたが、30秒将棋に入ってから加速するとかどうなってんの)N西さんの凄い勝負手が次々に飛び出しましたが、178手で凌ぎ切り2438くんの優勝でした。

この2人はやはり違いますね。
私はそういう人間ではないのだから、もっと冷静になるべきですw

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この真実だけで胃がもたれていく

県王将戦の中間対局を行いました。@居酒屋「桂馬」

vs▲M前四段
振り飛車で結構負けている気がしたので、本局は角換わり。途中から力戦模様になり、ひたすら難しい中盤が続きます。と金を作らせて踏み込んでこられたのが、M前さんの決断の攻め。検討では非常に難解ながら、負けの変化が多かったと思います。本譜は相手が時間稼ぎで歩を一度打って成り捨てたのが失着で、最後に歩切れで攻めが続かなくなりました。手を戻されたところで寄せ切り、○。

王将戦は1局1局の積み重ねですが、勝ち続けるというのは大変です。ギリギリの将棋ばかりでは胃にきますねw
でも料理は美味しくいただきました^^

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沿線上の扉を壊せ

昨日は県竜王戦がありました。長らく中止となっておりましたが、久しぶりの開催と相成りました。遂にS戸川の連覇記録が途切れる時がきたかw

私は予選はシードで、お昼から参戦。以前は午前中は運営をしておりましたが、疲労度が全く違う。正直将棋の影響は計り知れないという感覚があります。コンディションは(珍しく)良かったと思います。
トーナメントはちょうど16人で、きっちり。これなら籤運は関係ないな!w

トナメ1回戦△O野木四段
予選全勝通過のノギ先、お見事。戦型は序盤で駆け引きを経て、私の四間飛車に対してエルモ囲いの将棋に。先手なので石田流にして主張点を作りにいきましたが、いまいちだったとすぐ反省(普通に銀冠にした方が良かったと思う)。模様の取りにくい将棋になったものの、手の難しさはお互い様でした。謎の手作りで桂をこさえ、形勢有利に運びます。なんとか纏めて、○。

トナメ2回戦▲N西六段
戦型は相振り飛車。N西さんの突っ張った指し手をとがめるべく、端から颯爽と仕掛けます。結果的にはこれがなかなかの手だったようで、早々にかなりの優勢に。(ただ私の読み筋には綻びがあって危なかった。)飛車を中空でぶん回して歩を回収し、相手は歩切れに泣く展開。N西さんの嫌なところを突く指し回しに丁寧に対処し、快勝。○。

準決勝△S戸川五段
前竜王になる気はさらさら無いだろう彼。将棋はS戸川の三間飛車に、急戦模様。ただ序盤にとちったため、持久戦に切り替えます。しかし囲い切る前に、思わぬ仕掛けで決戦に突入(ただし流石に△4五歩は疑問。△5五歩~△5四銀~△6四角からの仕掛けは形勢不明の戦いだったと思う。対局中はこれも大丈夫だと思っていたが…)。自玉のみ危険性が高い、バランスを取るのが難しい将棋で、その後悪手を指して形勢を損ねました。が、相手の△4四飛が1手バッタリ。角を打って手順にこの飛車と、自陣に迫っていた と金を回収。攻めを切らして、○。

決勝戦△N澤六段
重くて開かない鉄の扉、こじ開けられるか。将棋は私の3手目、▲6六角!以前から一度指す予定の作戦でした。もちろん事前研究ありですが基本的には力戦志向で、ダイレクトで向かい飛車に振ります。相手は左美濃からダイヤモンドにし、固めて勝ちやすさを得る作り。さすがに私の作戦には意表を突かれていたはずですが、対応力の高さは素晴らしい。こちらから仕掛けていったものの、右桂も使われて気を遣う展開となってしまいました。じわじわ差を付けられ、その力を見せつける横綱相撲。最後は大差となり、×。ぐわーっ(跳ね返された音

観戦していた人には、「なんで決勝でそんな作戦したの?」と思われてそうなので、言い訳をば。
この作戦は私のオリジナルと言っていいと思いますが、研究してある程度戦えるのは分かっていました。以前から指していて実戦経験も積んでおり、序盤にいくつか罠が仕込んであります(24八段クラスでもハマることがあるくらいの)。要するに2438名人の、
・序盤で危険を回避し、勝ちやすい作りにするセンスの良さ
・中盤で駒を活用し、優勢を築き上げる読みの確かさ
・終盤でワンチャンスも与えない、経験に基づく押し切りの安定感
があってのこの結果なのです。オレは悪くねぇ!w
ただ、先手番の作戦としては微妙なところもあるので、初戦でここまでしっかり対応されると、もう使えないというのはありますね…

まぁ、私の2438対策は108式あるので、次の大会でまた当たれるように頑張ります。
扉は開けるのではなく破壊するもの。

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真心込めて(当社比)

県王将戦の1次戦がありました。20人超の大リーグを、3回に分けて戦います。
最近の傾向で、小中学生が多数参加しています。

①▲K川くん
小学生名人戦の県代表。早指しでバシバシくるタイプ。
先手番ながら1手損で角交換してくるのは、県棋界のちびっ子たちの常套手段ですが、ハッキリ言えばちゃんとした戦型を勉強した方がいいと思います(まぁ、まだ小学生ですからね)。▲7九玉に△6五桂から仕掛けて、盤全体でガンガン攻めます。この形は難しいところはあるものの、こちらが指せると言われている将棋。気持ちよく攻め切って、○。

②▲N島くん
粒ぞろいと言われる中学2年生の世代で、若狭地区の俊英。
こちらも先手番で角交換されましたが、今度は角交換四間飛車。私は(先後の違いはあるものの)ブログでも書いた銀冠の将棋。意表の仕掛けで思わず長考となったものの、馬を作って後手良しの分かれ。手堅く押し切って、○。

③△S井五段
戦型は矢倉に。土肥矢倉でちょこまか動きますが、攻めを引っ張り込まれて非常に難解。S井さんも判断が難しかったと思います。全面戦争になりこちらの玉にも火が付きますが、先に攻めていたのが大きく手勝ちの形勢に。最後は一手勝ちを読み切りで、○。

④▲T下くん
研修会通いの中2世代の一角。
角換わりが飽きたので(笑)、角道を止めて四間飛車に。対する彼の作戦は超予想外の玉頭位取り。▲6五歩に△6二飛は定跡の一着ですが、力比べといった趣です。△5四金と出て6筋から一気呵成に攻めていきました。金駒の力で切り崩し、○。

⑤▲T橋四段
南越代表の四間飛車党。以前は大会でいつもお見かけしましたが、コロナ禍で久々にお会いしました。
3手目▲6六歩に相振り飛車を目指しますが、T橋さんが居飛車にして対抗形に。石田流から積極的に仕掛けていきます。成否は微妙かと考えていましたが、結果的には上手くいきました。竜を切って桂香で攻めを繋ぎ、○。

⑥△T本さん
得意戦法など存じ上げなかったのですが、筋違い角を打たれ力戦形に。無理攻めを誘って優勢になったかと思いましたが、攻め合いに転じたのは少し危険だったかもしれません。と金取りに▲7八歩(悪手)の瞬間、△5七歩の好打をうっかり。一気に際どくなるものの、こちらも▲5二歩の軽打一発で切り返し。最後は自玉にギリギリ詰めろがこず、競り勝って○。

⑦△T山四段
昨年の県名人戦ベスト4、本大会では前期8位でシードを獲得した中2世代のエース。
戦型は1手損角換わり。先手の私は素直に早繰り銀に出ます。▲5五歩にいきなり△7五歩とちょっかいを掛けられ、思わず手が止まります。(どこかで見たことがある気がしましたが、実戦例があるそうです。)手堅く打ったつもりの▲8六銀打が微妙な手で、ここは形勢を損ねていたかも。ただ本譜は飛車交換の激しい展開で、先に詰めろが入り優勢に。寄せはちょっとヨレた感じもしましたが、○。

今日は上位陣崩れず。
誰とは言いませんが、「こちらが悪い将棋でしたね」とか言いながら毎回勝ってるのが面白くないねw

私は次回も序盤から丁寧に指しますよ!

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負けたときのブログのタイトルを最初から考える奴があるかよ

朝日アマ名人戦福井県大会が、23日に行われました。今回は会場の都合で土曜日の開催となりました。
A級のベスト4は、北陸大会への出場権を得ます。また今年最後の県タイトル戦でもあり、しばらく無冠が続いている私としては優勝を目指したいところです。

私は予選をシードで、その辺で誰か捕まえて将棋をしたり、フラっと観戦をしたり、大会の運営をしたり。「あれ、こた(仮くん大会出てないの?」こた(仮「出ようとしたらダメって言われましたw」

トーナメント一回戦、O滝六段と対局。
戦型はO滝さんの1手損角換わり。私の早繰り銀は最も一般的な選択です。労せず歩を切って先手ペースの序盤となりますが、これがいつものO滝さんペース。銀冠に組んで、どっしりと構えます。自玉方面で嫌な手の付けられ方をされますが、反撃の▲2四歩(銀冠の銀取り)もいいタイミングで入ります。王手飛車の筋を見せつつ自陣周りをさっぱりさせて、優勢になりました。最後は迫られて危なくなりますが、一手の余裕を活かして寄せ切ります。○。

二回戦、M越Jr.五段と。勝つとベスト4の1局。
戦型は相掛かり。M越くん独自の5段目ひねり飛車?は予想された作戦でした。ただその後ゆっくり目の展開になったのは意外な感じ。激しい変化が回避されたと思っていたので、ちょっと気持ちが緩んでいたかもしれません。積極的に桂をさばいてこられましたが、桂交換になるぐらいだと高を括っていました。桂を取り返さず、▲7六飛がM越くんの好手。ようやく事の重大さに気付いたものの、既に突破されています。8手後の▲8三歩で投了も考えましたが、一応指す。100手差で×。

最近負けた将棋は序盤早々に悪くしていることが多いので、ちょっと改善が必要ですね。ここまで一撃が致命傷になることは(アマレベルでは)滅多にないですが…

A級の結果。
①2438六段:三冠王。今年も出場した大会は全て制覇。
②W塚五段:アマ選手権覇者。1位の人のせいで目立たないが、完全に2強。
③M越Jr.五段:全駒しない優しい子。
③K下五段:(本人に許可を得ていないので、何がとは言わないが)何かがおかしい。

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個の力で全を圧倒するということ

包囲網なんてものともしない。
それはただただ"カッコイイ"よな。

今日は王将戦3次戦がありました。

一回戦、T田五段との対局。
戦型は対三間飛車に、急戦から持久戦に切り替える作戦。さらに左美濃→銀冠→穴熊と繰り替えていきました。こちらから仕掛けて難しいながらも、ちょっと指し手がチグハグな感じ。ただし角を切って飛車を取り返しにいったところでは、私が指せていたような気がします。しかし相手玉への寄せがわからず、穴熊を埋めて粘りにいったのが悪手(攻めあえば相手の駒不足で分があった)。形勢は悪くなりましたが、時間マジック(T田さんとはいつもこうなる)でわけのわからない攻め合いに。ただこのクソ忙しいときに角を取りに行ったのが最後の大悪手で、一手負けがハッキリし×。

二回戦、G方四段と。
戦型は角換わり。G方くんの桂ポンの速攻に対し、私の受け方が意外だったのか、早々に良さそうな分かれに。ただその後はもっと丁寧に指さなければいけませんでした。働いてなかった角を世に出してしまい、完全に逆転模様。しょうがないので玉を泳いで誤魔化しにいきます。上に這い出ていきましたが、角が取れたので切れた攻めの道が復活。辛勝で○。

三回戦、K畑四段と。
戦型は相掛かり。K畑さんの中原流早繰り銀に対し、飛車の横利きを活かして上手く立ち回り作戦勝ちだったと思います。しかし銀をぶつけて捌きにいったのが悪手で、銀はいじめる方針で行くべきでした。端の地獄突きが間に合い、逆に作戦負けに。ただその直後、相手にうっかりがあって飛車が取れる形になり、突然の終局となります。拾って○。

四回戦、Y本五段と。
序盤早々のY本さんの端歩は、対抗形党の「早く飛車を振るのかどうか決めてくれ」のサイン(いつもの)。いじわる(端歩を普通に受けるだけですが)する手もあるのですが、今回は△8四歩と突きました。私の作戦は△5三銀左型の急戦で、最近はほとんど指さないのですが、子供の頃から慣れ親しんだ感覚は忘れません。9筋から開戦されたものの、さすがに少し無理気味だったでしょうか。幽霊角を切り取って、バンバン攻めていきました。飛車を取らせる間に相手玉を寄り切り、○。

五回戦、K下五段と。
キノが最近愛用している三間飛車に対し、私も最近ちょいちょい用いている銀冠穴熊の作戦。ただこの作戦はもうちょい精査が必要と感じていて、また研究しようと思っています。要するに、事前宣言の通りキノ対策は後回しになっていたw(許せ)
戦いになったところでは相手から飛車をぶつける手があり、これをされたら苦しかったようですが、本譜は穏やかな展開で互角の将棋。玉頭攻めが絡まって戦いはいよいよ本格化していきます。△7六角と打った手がいい感触で、やや私が指せそうな局面になったかと思いました。金取りを手抜いて飛車を取ったのが、速度計算に基づいた決め手。○。

六回戦、ここで2438名人登場!(ただし2438くんの優勝はかなり前に確定している)
戦型は私のダイレクト向かい飛車。今回はこの一戦に賭ける研究手ではなく、慣れ親しんだ形で勝負することにしました。2438くんの筋違い角はよくある手ではあるものの、やや意外な進行。相手は金銀で抑え込みを図りますが、端攻めから無理やり食い破り、金損ながら悪くはない将棋だったと思います(2438くんは「さすがにボクが優勢でしょ…」と言いたげではあったw)。ただ▲2三角~▲6六金が凄い勝負手で、とっさに切り返しを捻り出したものの、それが疑問手。一応その後も粘る手段はあったようですが、流れに抗えずに×。気分的には藤井三冠に負ける豊島竜王の心境…

七回戦、N西六段とラスト局。
角換わりを受け、相腰掛銀に。飛車先保留を活かして△8五桂から△9五歩~△7五歩と攻めたところでは、快調な駒運びかと思っていました。攻めと守りの桂香を交換してさらに好調かと見ていたのですが、そこからどうすべきなのかが難しく、長考したものの良い手は見いだせず。そこからはねじり合いですが、自信は完全に消失していました。ただN西さんも悪いと見ていたようで(超強気な評価関数を持つあのN西さんが!)粘りにでられて、形勢的にはまた良くなったと思います。ただこちらの時間が少なくなっており、自玉も薄いので実戦的には五分か。残り時間1分まで追いつめられるものの、高速指しでなんとか寄せ切り○。

王将:2438六段 2年連続全勝優勝はお見事の一言。周囲が「2438くんにだけは勝つんだ!」という雰囲気になるのは圧倒的強者の宿命。
2位:こた(仮 4敗ながら混戦だったためラッキーな2位。包囲網を扇動する張本人w
3位:S戸川五段 ラス局、T田五段との3位決定戦を制す。3位までに与えられる年間シード獲得で、「感謝しかないです」とか悟りを開いたような感想を語っていたw
4位:T田五段 常勝ですが、本人としては3位より上位を狙っていただろうから不満かもしれません。
5位:N西六段 1局足りずが響いてこの位置に。
6位:K下五段 「2438くんにだけは勝ちます!」→対局後「…」
7位:M越Jr.五段 地区代表組ながら上位争いをする一人と目されていたが、王将戦では星が固まらなかった印象。まぁ4位と1勝差しかないのだが。
8位:O滝六段、T山三段 O滝先生は古希!T山くんは中1!お二人とも凄いです。

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虚栗(みなしぐり)

今日は県名人戦3番勝負が行われました。
相手は福井県将棋界の若き第一人者、2438名人です。圧倒的実力者で既に8連覇中ですが、間違いなく十数年先まで県棋界をリードし続けるでしょう。
そんな相手にどう戦うか、挑戦が決まってから私は綿密に作戦を立てました。準備万端、(いろんな意味で)気合は周囲にも伝わっていたかと思います。

解説はキノ&S戸川。「振り飛車をお願いします」→「でも全然知らなそうな戦型にして二人があたふたするのも面白くない?」

第1局、先手番を得る。戦型は相掛り、密かに切札として研究を深めていました。振り駒が終わったときから、この1局が非常に重要だと思っていました。そしてたぶん、解説の二人は「相掛りですか…」となっていたに違いないw
しかし序盤に関しては、2438くんが非常に手堅い駒組みを選んだため、かっちりとした想定局面からは外れることに。(実際どれだけ研究しても、それが毎回出ることはあり得ない。)激しい変化を深くまで(変化によっては100手弱まで)研究していたので、ちょっと悲しい気分ではあったw 実は序盤の駒組はやや危険なところがありました(帰ってから「そういやそんな変化あったな…」と思い出しました)が、持久戦調になって一応ほぼ予定通りの組みあがり。ソフトの評価値では既に+であることはわかっていましたが、ここからが当然難しい。中盤の戦い方も蓄積はあるものの、読みはしっかり入れる必要があります。2438くんが積極的に動き、難解な局面に。強気に▲5四歩と行ったのが良い判断だったようで、形勢は優勢になりました。ただ自玉が薄いのでマジ怖い。「こた(仮くん震えてたね」とか言われましたが、そりゃ震えますw しかしそんな恐怖を振り切り、▲8五飛と切り合いに行ったのが決め手。自玉との難解な兼ね合いを読み切り、○。会心のスタート。

お昼時間。
2438名人「(県内で)2年ぶりに負けました」
こた(仮「スケールがおかしくない?」

第2局。後手番は相手より研究を上回っても、有利にするのは至難の業です。序盤に工夫を凝らすことで、2438くんの土俵には入らないようにということは考えていました。
4手目△9四歩、6手目△3二金は相手の手を見て戦型そのものを切り替える作戦です。本局は雁木に。実はこの戦型はいろいろと考えた末、1週間ほど前に決まりました。そのせいかどうか、序盤はちょっとチグハグな感じになってしまいました。
作戦負けと見て△4五歩から動いたのは勝負手。しかし△4二桂の自陣桂はやりすぎで、上手く動かれて完全に失敗しました。しかしあまりにも上手くいって慎重になるのが勝負の綾か、飛車を大事にしたのが2438くんには珍しい悪手。形勢は混沌とし私も逆転模様だと思っていました(実際は逆転まではいっていなかったか)が、この辺り既に秒読みで、どうも私は読みがまとまらず混乱していたようです。家に帰って棋譜を並べると、どうも記憶の読み筋と棋譜の手順が合致しないw どうりで感想戦で話がかみ合ってないわけです…。
敗着はそんな折に指した△5五桂~△4七桂成で、普通に▲1八飛と逃げる場所があるのをうっかり。ただここは唯一のチャンスだったようで、△6九銀で矢倉に噛み付けば難解でした。2438くんは真っ先にこの手を指摘されたので、形勢判断も含めてさすがだと思います。
投げ所を無くしてだらだら手数だけ長らえたものの、最後は大差で×。

第3局。再度の振り駒で先手に。当然後手になっても(別の)作戦は立てていましたが、先手を取れたのはまだ運が残っているかと前向きに解釈しました。
戦型は先手中飛車。のちに解説会で急にS戸川が饒舌になったとの情報アリw
2438くんは対して△5四歩と位取りを拒否する指し方を得意にしていますが、本局は流行の後速に。そして相穴熊に進みました。
2438くんにこちらの研究を外す意図があったかはわかりません。ただ実は序盤の駒組みで、わざと少し時間を使っていました。…研究のレール上だと悟らせないために。そして、仕掛けの局面になって急に加速するというw
研究の局面から外れて少ししたところでは、既にこちらが有利な局面。飛車を取って一気に優位拡大を狙います。しかし2438くんも本領発揮、△5六角と打った手が好手(どうやら直前の▲5四歩が疑問手だった)。形勢不明の難解な中盤に突入します。そのまま終盤になだれ込みますが、強く指して直観では勝ちがあると思っていました。2438くんは秒読み間近でしたが、私は少し前にまとめて読みを入れて直前までノータイム指し。10分残していた。我ながら、タイムマネジメントは完璧だったと思う。
▲3七歩と受けに回るか、本譜の▲2三銀で決めに行くかを迷っていました。実は▲3七歩でも長引くものの、形勢自体は少し有利ではと思っていました。しかし▲3七歩とすると、△1四馬▲4三竜△4一香、が妙手。△1四馬、△5五飛、△6四角が見事に働く寄せがあってこちらが敗勢でした。今思うと2438くんは気付いていたようで、これを選ばなかったのは実はラッキーでした。
しかし▲2三銀にはいろいろと粘る手が見えます。しかしちゃんと決めにいかなければ彼には勝てないし、危険地帯を爆走するのが私の棋風ですw そこで残っていた10分を、ここで投入することになりました。正直に白状すると最初の5分は△同金を読んでいて、これは▲3二銀で簡単に勝ち(▲3二金が第1感だったが、これは△3一香で負け。しかし結果的にここで5分ロスしたのは痛かった)。他に△4八馬、△5二飛、△3一香などがあり、△4八馬は時間が無くて読み切れていなかったものの推定詰み。△5二飛は自玉が銀2枚渡してもギリ詰まないので、▲2二銀成△同飛▲3三銀でおそらく寄り。△3一香がむっちゃ難解で時間を要しましたが、正確にやれば必至がかかりそう。結果的にですが、読み自体は正しかったと思います。
しかし▲2三銀に2438くんの指し手は、鬼手△1四馬!ひえぇぇぇ、全く見えてない!しかしこの瞬間が、一番名人に近づいていました。▲3二銀打なら先手勝ち。しかし時間に追われ手が伸びたのは、▲2二銀成…
最後は持ち駒を完璧に活かした超ピッタリの詰みに討ち取られ、×。

あぁ…(断末魔

はっきり言えば、今から私が彼と同じ実力を身に着けるのは不可能でしょうし、今日以上のパフォーマンスは出せません。最後は勝ちがあったと言っても、それを指せるかは(私の力では)指運です。あと思い付くことといえば藤井三冠みたく、Threadripper 3990X(50万円ぐらいするパソコンのパーツ)とディープラーニング系ソフトを導入するくらいしか手がありませんw

残念ながら手に取った栗は実無しでした。
もう一度拾うチャンスは、果たして。

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いつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌、頓死です。

王将戦2次戦でした。

①vsN嶋くん
B級勝ち上がりの子、たぶん初対局。
対角交換振り飛車に、しっかり銀冠に組んで陣形差を主張します。筋違い角で積極的に攻めてきましたが、右辺をがっちり受け止めて優勢に。玉頭方面での戦いに移行した後、手厚く押し切る。○。

②vsO滝六段
相掛りで強く横歩を払い、序盤から小競り合いで難しい将棋。激しい変化が多く内包していたものの、持久戦に。ひねり飛車にして美濃に囲い、模様勝ちとなりました。左桂が天使の跳躍を果たして気持ちよく攻めが決まり、○。

③vsM越Jr.五段
The連敗中。
戦型は私の三間飛車。私にしてはやや珍しいチョイス。相手の作戦は昔ながらの▲5七銀左型急戦でした。序盤早々手順前後をするという失態で、反応で切り返したものの冷静に受け止められました。(前も同じミスをしたような…?)かなり悪そうな将棋でしたがこちらも飛車を捌き、ギリギリの寄せ合いに。なんとか勝ちを手繰り寄せ、○。

④vsS井五段
S井さんの1手損角換わり。早繰り銀のプロでもよく指される将棋でしたが、序盤で1本取って早々に指しやすくなります。さらに右桂がきっちり捌けて、絶好調の展開に。持ち駒の角銀で相手の飛車をいじめながら寄せ形を築き、○。

⑤vsM前四段
角換わりの序盤から、私が雁木に変化。雁木vs矢倉で飛車先を切って角交換するという、かなり初期の形になります。しかしそこから右玉に組みなおすのがM前さんの作戦だったのでしょう。機敏に動かれて形勢不明の戦いが続きますが、王手飛車を含みにした桂捨てが盤上この一手。最後は王手金取りで自陣の金を抜き、○。

⑥vsS藤五段
相三間から角交換型の相振り飛車に。作戦負けを恐れて果敢に動いていきましたが、途中で一旦自陣に手を入れるしかなかった。本譜は明らかに相手の攻めが一手早く、自陣角を埋めて粘りの体制に。しかし相手も受けに回ったため、混戦に突入します。最後明快な寄せを逃し2手スキを掛けた手に、S藤くんに攻めの手を指されます。長手数の王手を読んで、自玉はギリギリ詰まないと思った…詰めろを掛ける。そのときのS藤くんの「は?」みたいな表情は(3日は)忘れられないだろうw 3手で頓死して、×。

マイナスに振り切るSAN値。

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私は傷んだ葦を折らず 煙る灯心を消さない

昨日は県名人戦挑戦者決定戦が行われました。
今年からA,B,C級の同時開催となっています。

予選は5人組で1局目、Kくんと対局。研修会通いの中学生。
戦型は彼の雁木。序盤の細かな差異がこちらに利があると見て、颯爽と仕掛けていきました。ただその後飛車が憤死してしまったので、ちょっと無理筋だったのかもしれません。しょうがなく自陣(に相手に飛車を打ち込ませないためだけの)角を打って粘りにいきましたが、意外とこの角が攻めに働くことになりました。攻めが繋がってからは押し切り、○。

2局目はT田五段と。抜群の安定感を誇る、県シード陣の一角。
戦型は対三間飛車にエルモ囲い。持久戦模様になって玉を中央にお引越しした瞬間仕掛けられ、明らかに勝ちにくそうな展開に。一発で持ってかれないようにするのが精一杯でしたが、入玉が見える形になって楽しみが出てきました。しかしなんとか上には這い出したものの、突っ込み方が良くなく最後は寄り形に。しかししかし時間に救われて、○。

3局目はS井五段と。奥越地区で代表常連の強豪。
戦型は角交換振り飛車。以前もS井さんと指したような形になり、こちらから自陣角で積極的に打開します。強気な応酬で形勢はよくわかりませんでしたが、歩を無駄に渡したため玉頭を叩かれて嫌な展開に。なんとか崩壊しないようにと、自陣に桂を2枚入れた珍しい形が出現しました。最後はその桂が手に乗って跳ねだして攻めに転じ、○。

4局目、K畑四段との対局。私と同じく坂井地区の理事をされながら、プレイヤーとしてもご活躍されています。
私の四間飛車に対し、K畑さんの右四間飛車。天守閣美濃に組んだところで仕掛けて来られました。一段落したところで指し手が難しく、急所がはっきりしない将棋。ただそれはお互い様で、隙をついて捌き合いに持ち込みます。途中うっかりがあったりしましたが、まだ優勢は維持できていたか。最後5手詰めを逃しながらも、○。

トーナメント一回戦はS戸川五段との一戦。
S戸川の十八番ともいうべき石田流に対し、作戦は直前まで迷っていたものの相振り飛車を選択。端を伸ばした手には金でガッチリ備えられたので、攻めは諦め体勢勝ちを目指します。これも一手一手が難しい将棋でしたが、相手のちょっかいに応じて開戦。形勢はわずかに良さそうと見ていましたが、自玉の(歩の)屋根がなく非常に気を使う展開でした。最後は相手の突撃を試みる間隙に逆に寄せ切って、○。
S「こた(仮先輩と一緒に大盤解説したくないので、がんばって挑戦者になってください」
こた(仮「!?」

準決勝、Y本五段と。私と40歳も違う御方。驚異の一言。一回戦で敗れたキノ「完璧に指されて負けました」
戦型はY本先生の三間飛車に対して、ガチガチの銀冠穴熊に。攻め合いになりそうで良さそうな順が2つ浮かび、選んだ手が失着。途中で読み違いに気付いたものの、何食わぬ顔で竜に飛車をぶつけていきます。対して強く竜を切られると自信なしの展開でした。ただ本譜も難しく、寄せを描く局面で長考に沈みます。そして指した△5八桂成が会心の寄せ(最善ではないかもしれませんが)で、穴熊の遠さを活かして押し切り、○。

そして決勝戦、相手はW塚五段。前期本大会、アマ選手権に続き、三度の決戦と相成る。
戦型は相手の四間飛車にイビアナ。彼が振りミレに組むのはアマ選手権と同じ形。手番が同じならこれでリベンジを挑む腹積もりでした。序盤は細かな駆け引きの末、こちらから強攻をかけて戦いに突入。私はずっと難しいのかと思っていましたが、彼も自信がなかったようです。相手陣に打ち込んだ角が死にましたが、見捨てて▲6五桂が狙っていた一着。と金を作って攻めが繋がる形になったかと思いました。手駒と盤上の駒をきっちり使ってピッタリ寄り切りで、○。

というわけで3度目の名人挑戦を決めました。県下無双、2438名人との大一番は9月に行われます。
昨日は晴天で気温が高く、換気や、決勝に会場の都合で畳の部屋に移ったこともあって、かなり大変な対局環境でした。正直、夜まで指して私の体はフラフラでしたw それでも、最後まで集中し続けることを心に誓って指していました。
しかもまだ2438くんとの名人戦が残っているのです。冗談で「負けるも地獄、勝つも(2438くんに公開処刑されるから)地獄」とか言ってましたが、実際何度彼には苦渋を飲まされたことか…完全にオーバーキルですよw もうやめて!とっくにこた(仮のライフはゼロよ!

加藤一二三九段「私は傷んだ葦を折らず 煙る灯心を消さない」
(まぁ、普通に2438くんと指すこと自体は楽しみでもあるのだが…)

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