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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

2025/5/25 石川県アマ名人戦加賀予選

石川県のアマ名人戦は、予選として加賀地区と能登地区に分かれて行い、予選は4人のリーグ戦で勝ち残った人が通過になります。リーグ戦といっても実質負けられない戦いなので、本戦優勝まで考えるとトーナメント7人抜きのつもりで指す必要があります。大変だ。
余談ですが、福井でシード組だと3連勝で優勝、ということも割とあるので、少しシステム変更を考える時期に来ているかもしれません。(6組ぐらいできれば16人以上のトーナメントになりますが、最近はどうしても参加人数が少ないので。)
今日は3局(同率再戦で5局まであり得るが)なので、持ち時間は40分打ち切りです。

朝、籤運、相変わらず無し。

①△T橋氏
名実ともに石川県アマ最強の方。これまで勝利無し。
T橋さんの角道を止めない四間飛車に対し、逆に▲6六歩と止めて穴熊を目指します。自分が嫌に思っている作戦をぶつけましたが、相穴熊から上手い対応策を見せられ、序盤でこちらが時間を使う展開に。先手としては作戦失敗だったと思います。戦いとなり桂損しますが、端を手抜いて飛車を成り込み、急に視界が開けたように感じました。ただ嵩にかかって攻めたものの強靭な受けに遭い、焦って▲6三金と捨てた手が大悪手。直後詰めろ金取りを掛けたのですが両方受かってしまいました。なにやってんの(笑) 攻めが切れて×。
顔から大噴火しそうな負け方になってしまいました(笑)(笑えん)

②△N川氏
どこかから「指導対局3局も指してもらえる」なんて冗談を言われてましたが、野々市リーグで優勝もされている実力者。
私の早石田模様から相振り飛車に。N川さんの四間を見て▲5七銀型に組みましたが、そこからは手将棋になりました。相手の金無双に対し再度▲7四歩と合わせたのが狙っていた一手。▲4四角~▲7四飛と十字飛車が実現して優位に立ちます。その後飛車を成り込み、さらに相手の飛車を責めて取り切りに成功。中押しとなり○。

③△K井氏
この前の最強戦の優勝者。さらに小松で敗れており、これまた難敵である。
戦型は相掛かり。序盤で中住まいにし、▲8七歩を打たず突っ張る。桂を跳ねて軽い形を作り、颯爽と攻めを決行しました。しかし攻め自体は細く、この対局も序盤から時間を使って慎重を期する展開に。結果的には結構上手く指せて形勢をリードしていたようですが、こういうお互い薄い将棋はすぐひっくり返るので難しい。対局中は優勢だと思えるほど余裕はありませんでした。終盤相手の銀捨ての勝負手が飛んできて、局面は佳境に。馬の王手に対し▲7九玉とよろけたのが悪手で互角近くまで戻った(ソフト評)らしいが、なんとか叩き合いを抜け出し、○。
局後、K井くんが序盤をものすごく悲観していて、終盤でいきなり「勝ちでしょ」とくるのが印象的でした。(まぁ、実際追いついているわけだが。若さとずっと勝ってきた者のプライドだなぁ)

指し終えて残念ながら吉報はなく、本戦出場は叶わず。無念なり。

私は場数を踏むことで這い上がってきた方なので、1局の将棋は基本的に難しくて、ずっとリードしたまま指し切るのは困難だと考えています。要するに、「勝っているはずなのに、負かされた」という経験をたくさんしているということです。ただし、それは実力差があると、起こりにくくなります。子供の頃から強い人は、(周りより自分の方が強いのだから、)当たり前のようにそれをやってのけて、そして自信を付けていきます。
また、例えば評価値で+1000の形勢差(ソフト同士ならひっくり返らない差)があっても、特に最近の角換わりや相掛かりの激しい変化では、一手が命取りになる場合があります。最善の手を選び続けるのは容易ではありません。某後輩が「一手に1時間あれば最善を指し続けられる」なんて言ってましたが、そんなこと私らのレベルでは不可能に決まっている(笑) オマエいつの時代の人間だよ(笑)×10と突っ込みたくなりましたが、これも自信の表れです。もちろん強くなるほど明らかにダメな手の理解は進むので、先入観は大敵ですが、悪い手を切り捨てることはできるでしょう。

何が言いたいのかといいますと、「強い人は皆自信を持っている」というのは実は逆説的だということと、一手一手紳士に向き合って検討したいということです。

ただ、私も大学生の頃は局面をもっとシビアに捉えていました。時代の変化とともに将棋の性質が変わったこともありますが、単純に年を重ねておおらかになっているのかもしれません。

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