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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2019/10/12

土曜日に行います。
今回のテーマは「角換わり△4二金(△4三金)型持久戦」です。冷やし中華始めました、みたいなノリでテーマ研究始めましたw


将棋小話 -最新角換わりで△3一玉は悪手なの?-

最新形に踏み込むということは、実はプレッシャーがかかることである。自らの研究のスコープとしては広い(深い)としても、結論がわからない、手順が難しい、もっと詳しい人に突っ込まれるリスク(笑)ということがあるからである。

さて、以前大会で下の図の局面を迎えました。



この図は角換わりで後手の待機戦術ですが、ポイントは△6三銀型と、△4二玉~△3一玉~△4二玉の繰り返しで待ったこと。先手はその間にガチガチに固めています。そして△3一玉で先手番となり、遂に仕掛けます。その手順は、
▲1五歩    △同 歩
▲3五歩    △同 歩    ▲4五桂    △4二銀    ▲2四歩    △同 歩
▲同 飛    △2三歩    ▲3四飛    △4四歩    ▲1五香    △同 香
▲2二歩    △同 玉    ▲1一角    △3一玉    ▲3三歩
で下図



まで先手こた(仮の勝ち。

攻めが決まりました。
一般的に△3一玉と引くと、▲4五桂の攻めがしやすくなると言われています。▲4五桂に銀をどう逃げるかですが、
①△4四銀は飛車先交換後▲2九飛と引いておくぐらいで充分そう。
②△3四銀は2筋交換もあるし、この形なら▲5六角もある。
③△2二銀はやはり2筋交換。②と共通ですが、△4四歩に▲5三桂成△同金▲6二角の筋があって、やはりうるさい。
ということで、先手は堅陣も生きて、かなり攻めが上手くいきそうです。

では、どの形なら上手くいくのか。



この図はまだ銀矢倉に組む前です。ここで△4二玉型の図は、プロ間でもよく指されています。
△3一玉型なら、私はさっきと同じ仕掛けが通用すると見ます。



この図は先手が▲7九玉型。この形は飛車を渡すと王手がかかります。先ほどの仕掛けが成立する可能性は下がっているでしょう。正直よくわからない。



今度は▲6八玉型。玉が近いようですが、飛車を渡しても王手にはならない。やはり、よくわからない。

プロで指されている△3一玉型のサンプルとして、下図を考えてみます。



プロで指される将棋の場合は、△5四銀型の方が多数派です。この図、△9四歩までの図なのですが、実はその1手前は▲9六歩ではない。△3一玉▲7九玉△9四歩です。角換わりと端歩の事情については今回のテーマから外れるので割愛しますが、この手順で△3一玉型が現れることに妙味がある。
以下の進展例はこんな感じ。
▲4五桂    △4二銀    ▲3五歩    △同 歩
▲1五歩    △同 歩    ▲6六角    △4四角    ▲2四歩    △同 歩
▲1五香    △同 香    ▲2四飛    △2三歩    ▲1四飛    △1三香


この場合は3筋と1筋の突き捨ての前に▲4五桂から仕掛けます。私の実戦と異なり先手玉が堅くないので、△4四銀を警戒しています。そして飛車を走る前に香を捨てるのが大きな違い。今度は先に▲2四同飛だと、△2三歩▲3四飛△6六角▲同歩△4四歩▲1五香に、△4三銀引が成立します。
図より、▲3四飛△6六角▲同歩△4四歩▲2二歩となれば、今度は△3三桂と逃げて難解です。(私の実戦なら▲1四飛と回ることができた。)

ただし、このプロの実戦の場合、最初の▲4五桂に対し△2二銀とした手が今春の名人戦で現れています。結果は千日手でした。

端歩を受けて自然な進行を取った場合、後手が最速(?)で△3一玉と引くと下図が考えられます。



私はこの局面で、先手が攻めていけるのか分かっていません。しかし実戦には現れない。▲7九玉なら△4四歩とし、▲4五歩に△4一飛と受ける将棋に持ち込むことができます。これは先手が悔しい気がしますが、後手も△5二玉型で受けたい局面かもしれません。

結論としては、やはり△3一玉型には仕掛ける手を考えてみたいということになるでしょう。△5四銀型の場合は▲7五歩を絡めることも考えなければいけません。現代将棋の細かさ、難しさが良く表れていると思います。
そして、私たちがどれほど表面だけをなぞって将棋を指しているのかということを、考えさせられるような気がするのです。

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こた(仮は泥のように眠りたい

新感覚睡眠系中年物語、始まる!(※始まりません)

土曜日のこと。私はネット将棋→棋譜並べ→ネット将棋→…の定時上がりリレー(?)を終えた頃、県将連のT円澄さんからショートメールが。「王将戦の中間対局やってるよ」…やっべぇ、忘れてた。
なんてことがあったのに良くしてくださったM前さん、N藤さん、T円澄さん、ありがとうございました。あと、対局させていただいたお食事処「桂馬」の店主ご夫婦にも、ありがとうございました。将棋愛好家の皆様、芦原温泉にお越しの際には、ぜひ「桂馬」にお立ち寄りください!(宣伝)

対局はM前四段との一戦。以前雁木に負けたのが印象に残っており、振り飛車からゴキ中をチョイス。しかしM前さん曰く、私のゴキ中三連投だったようだw(無意識) 先手のM前さんが▲5六歩とついたため、角交換型に。私は銀を上手く5四に活用できたものの、その後ちょっかいを出したのがどうやら予想以上に悪い手のようでした。3筋の桂頭から攻められそうになったのでムリヤリ馬を作りましたが、的確に指されてやはり苦しい。取った飛車を金の頭に打ちこむという勝負手で驚かせにかかるも、そうなると攻め駒不足。押し切られて×。

日曜日。小松の北國王将杯に参加してきました。車2台で、T田さん、S戸川、S藤くん、I本くん、2438くん、S司くんを道連れ(?)に。旅はなんとかっていうでしょうw
いつもは福井からの参加は少なめなのですが、今回は他にも大勢の方が来ておられました。

開会式。私的にはこの開会式の一番の注目は、どっかのお偉いさんのご挨拶でも、審判長である神崎八段のご高談でも無かった。勝手さんの「来賓」紹介であったw(県将連理事長として)

予選は1勝通過2敗失格で、いつも通りのルール。
私は初戦、石川の方と対戦。戦型は相手の1手損角換わりでした。私は相手の組み方にスキありと見て、居玉の桂ポンで仕掛けます。成桂ができたので、ある程度戦果はあげたと言えるでしょうか。そのまま攻めを繋げ、勝勢に。最後、1手詰を15手詰にする謎のプレイング(笑)をしたものの、○。

トナメ1回戦。私の相手は、ここでS戸川五段。S戸川が「ちょっとー!」とか言ってたけど、オレのせいじゃないしw
戦型は相手の先手三間飛車。私はelmo囲いを採用します。千日手も視野に入れた囲い方でしたが、行きたくなって仕掛けました。誤算があって途中はあまり成算がありませんでしたが、右桂と角が捌けそうになり目途がたちます。飛車を切って小駒で食いつき、○。

2回戦。石川の方が相手で、戦型は私の四間飛車。それから相穴熊になり、こちらは後手番らしく千日手狙いの待機戦術をとります。しかし相手の組み替え方が巧みで、結局私から仕掛けさせられるハメに。殴り合いが一段落してみると、後手が苦しい形勢か。(某Sが「ずっと良かったですよね?」とか言ってたけど、たぶん振り飛車が良く見える呪いにかかっているんだろうw)しかし我慢して受けに回り、自陣飛車で頑張ったのが好手だったと思います。垂れ歩を払って逆転し、○。

3回戦、相手はY田さん。富山四天王の一角(こた(仮調べ)。以前ボロ負けしてから、久々の対局です。
相手の角交換振り飛車に対し、私がトーチカに組むという工夫を見せます。私が自陣角で打開を図ると、相手も筋違い角で対抗。しかし何時の間にやら、こちらが凄まじく苦戦に陥っている!飛車先が破られている間に、玉頭戦に勝負を賭けます。正直上手くいくとは思えなかったが、追い込みが功を奏しました。辛勝で○。

準決勝、A田くんと。金大出身の好青年。
戦型は私の先手雁木。右銀で序盤積極的に攻勢を取りましたが、一旦落ち着いてお互い駒組みに。後手は柔軟に右玉にシフトし、行くところまで行くと先手あまり自信がない。開戦後も読みが浅かったか、疑問手が多く形勢はこちらが不利。今日は悪い将棋をなんとかしてきた私でしたが、やはりA田くんは手厚く指されました。完敗で×。

結果は3位で、最近ブロンズコレクターと化しつつある^^;
将棋の内容としては、中盤に課題があるという感じ。中盤というと対策が難しいですが、日々鍛錬しかないですね。

福井勢の結果としては、反対の山で2438名人も3位入賞でした。おめでとうと言いたいところですが、本人はむっちゃ悔しがってましたねw
皆さん、おつかれさまでした。私の要領が悪い脳もおつかれさん、さぁたんとお眠りなさいな。

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KKK 2019/9/29

日曜日に行います。
来られたい方はご一報ください。


将棋小話 -ゴキ中封じ-

先手番の中飛車も主要戦法として多く指される昨今ですが、今回は後手番のゴキゲン中飛車に的を絞ってお話しします。

さて、相手にゴキ中をさせたくないと思った場合に、先手番の初手からの工夫を2つ紹介します。ご存知の方も多いのではないかと思います。(こんな封じ方もあるぞ、という方は教えてください。)
①▲2六歩△3四歩▲2五歩
②▲7六歩△3四歩▲6八玉

まず①ですが、実はこれ、完全にはゴキ中を防げていません。初手から▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲7六歩△4二銀▲4八銀△5四歩と進みます。以下、
(1)▲6八玉△5五歩▲3六歩となれば、超速の変化に合流します。これでは序盤の工夫が意味をなさなかったようですが、後手に△4二銀を決めさせた効果があります。居飛車側としては余計な変化をかなり消しているので、意外と有力。しかし、最近の傾向としては後手が△4二銀と上がる作戦を取ることが多く、結局後手の得意形を避けれていない可能性は高い。
(2)▲3三角成△同銀に、
(a)▲6八玉△5二飛となればゴキ中。ただ丸山ワクチンと比べて実は1手得になっています。この1手を生かせるかどうか。一例として▲9六歩△9四歩▲7八銀△6二玉▲7九玉△7二玉▲7七桂とし、そこで△2二飛と向かい飛車に転じれば▲5三角が成立します。これは手得して▲7七桂まで指せているからこその変化です。(ただ、この変化には本当は穴がある。)
(b)いきなり▲5三角と打ってしまうのもよく指されています。△4四角▲同角成△同歩で形を乱すのが狙い。さらに▲4三角を打つかどうかはお好みで。しかしこれも中飛車にすることはできます。(実際に後手が中飛車を選ぶかは別問題)

ゴキ中アンチという点では、②の変化の方が強力です。▲7六歩△3四歩▲6八玉に△5四歩は▲5三角と打たれるスキがあり、指しづらいところ。しかし、どこかにシフトすると他方に大きなデメリットが生まれるものです。△8四歩と居飛車にこられると、▲6八玉はかなり形を決めて損になる可能性があります。これは相手が振り飛車に心酔していることを祈るしかないですねw

ところが実は②の変化、後手は簡単に避けることが可能です。それはホントに単純で、初手▲7六歩には2手目に先に△5四歩と突くこと。以下▲2六歩なら△3四歩だし、▲6八玉としても先に△5二飛と回ってから△3四歩とすれば無問題。
ただし、今度は先手が△5四歩を見て振り飛車にする可能性が浮上します。もし後手にとって相手に振り飛車をされるのが嫌となると、先ほどと立場が変わって相手が純粋居飛車党であることをお祈りするターンになりますw
後手の方から考えると、先手が振り飛車をしてきても、まだ対抗形も相振り飛車も選ぶことができます。私は割と▲7六歩△5四歩の出だしはアリだと思います。

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溺れた夢を見る

起床…AM2:00

今日は石川県でビエンナーレ将棋大会(団体戦)が行われました。私たちは6人招集して2チーム参加。朝揚々と出かけたものの、9時前に到着(10時開始)。ちょっとバッファを持ちすぎましたね。

チーム1:こた研 こた(仮、I本くん、T山くん
チーム2:鯖研(漁業組合かなんかかな?w) S戸川五段、S藤五段、S司くん

実はこた研、2連覇中。前回のチームメンバーであったS戸川は、追い出して(?)向こうの大将に据えました。自分がチームを背負って立つというプライド、敢えて素晴らしいと言わせてもらおう!w(謎の上から目線)

予選は1勝通過2敗失格。
1戦目は「K村」チーム。大将の方の名前がチーム名というストレートぶりだが、三将にM野くんがいる。…ん?
というわけで私はK村さんと対局。この人、私と名前の読みが一緒ですが、私と違って素晴らしい実績をお持ちです。今期銀河戦で、なんとプロを4人撃破している!
将棋の方は私の矢倉に、K村さんの雁木。金矢倉に組んで3筋の歩交換をしましたが、どうやら危ない構想だったようです。6筋と8筋から厳しい攻勢を食い、私も攻め合いに。対局中は難しい形勢なのかと思っていましたが、駒割は銀得になったものの垂れ歩2枚が厳しく刺さりました。潰されて×。
相手が強いからといって、みすみす負けてやるつもりは毛頭無い。けど、さすがの実力でした。
チームも0-3で敗れ、いつもの台詞。「1回負けといた方が多く対局できるから、お得なんだぞ」

2戦目、「もう中学生」チームと対戦。その名の通り相手はみんな中学生(たぶん)。
私の相手はY原くん。以前にも指したことがある相手です。戦型は角換わりになり、後手のY原くんが待つ将棋に。△3一玉と引いて待ちましたが、これは危険な手でした。自玉を銀矢倉にしてから▲4五桂ポンで仕掛け、飛車を3四に潜りこんで攻めが繋がる形。攻めが上手く決まり、○。
チームも3-0で勝利。

午後からはトーナメント。相手は富山のMくんが率いる、仲良し3人組のチーム。チーム名が猫の鳴き声っぽい何かでメンバーが同じTシャツを着ていた気がするけど、興味がなかったので正確に覚えていないw ちなみに、相手は前々回のとき決勝戦で当たっており、そのときと同じメンツである。
ということで相手はMくん、自称初段w 戦型は相振り飛車。私の得意形でしたが、この形に対してMくんがとった矢倉は有力な対抗策です。軽く動いて手にできそうな感触を持っていたものの、進んでみるとあまり自信が持てない形勢になっていました。それでもなんとか攻めを繋ぎ、飛車を奪って筋に入り始めます。寄せ切って、○。
しかしながら相手の副将、三将も強く、チームは1-2。ここで敗退となりました。

鯖研チームもトナメ1回戦でK村チームに敗れ、残念ながらここまで。ですがメンバー全員が1勝以上をあげ、強い相手との対局で収穫もあったと思います。

ちなみにタイトルは、
###この文章は管理人により削除されました###
という皮肉である。

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聞き手ってなんだ?ためらわないことさ

昨日は県名人戦3番勝負、2438名人vsN西六段が福井新聞社「閑閑亭」で行われました。去年は幸いにもこの場で対局することができた私ですが、今回は裏方です。別室で行われる大盤解説はS戸川五段(彼女同伴)。
趣味がS戸川いじりの私は、折角なので「聞き手」をさせていただきました。某のぎ先に「解説者より喋ってたくね?」と言われようが、あくまで「聞き手」ですからw

第1局は2438名人の先手番。戦型は1手損角換わりになり、先手早繰り銀に対して後手が右玉に。N西さんは最近よく右玉を指されている印象があります。戦いが進行してから△5三玉と中段で頑張る構想が素晴らしく、難解な形勢。それでも2438くんがぐいぐい攻め、一時は終局寸前か、と大盤解説では話していました。しかしN西さんが流石のスパートで、「逆転か!?」と色めく控室(?)。ところが名人の懐はやはり深かった。▲9七玉の早逃げでZ形を作り、2438名人が先勝。

第2局は、居飛車党の2438くんが意表の三間飛車。N西さんは得意の玉頭位取りで応戦しました。後手が向かい飛車から積極策に出ますが、位が手厚く先手十分に思える局面。じっと自陣の金を引いたり、竜を中段に構えたりと、渋い指し手に2438くんの腰の重さが垣間見えます。結局、位爆弾が炸裂する前に一瞬のスキをついた後手が攻勢をかけ、あれよあれよという間に勝勢になっている!実力を遺憾なく発揮し、2438名人が連勝で防衛。

2局とも非常に好局で、見ている側としても面白い将棋でした。

話は少し変わりますが、それにしても感想戦でもなかなか2438名人を倒すことができません。これは普通のようで普通じゃないことで、だいたいはどこかに穴があって「あぁ、この変化はこちらが良くなかったですね」となるもんだと思います。読みのカバー範囲が素晴らしく、2438くんの充実の証のように感じました。
…そして、それは自分を見つめる鏡にもなるのです。

これで2438名人は7連覇!今年から福井の地に足を付け、揺るぎない長期政権を築くのか。誰かが待ったをかけるのか。注目です。

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KKK 2019/9/14

土曜日です。
日曜日は県名人戦を観戦予定。どちらを応援というわけでもありませんが、熱戦になるように2人を応援しています^^

将棋小話「藤井システム」

今日、将棋世界を買ったのですが、まさかのネタかぶりw 叡王戦の羽生vs藤井戦で新機軸が登場しホットだと思ったのですが、うぎぎぎぎ…

私自身と藤井システムは、それほど密接に結びついていたわけではありません。以前レパートリーの1つとして考えていたぐらいの関係で、主戦法には成り得ませんでした。
特に田舎のアマ棋界では、プロの最先端と違って、穴熊vs藤井システムの激しい研究将棋にはなりにくい一面があります。「こた(仮流Fシステム」みたいな、ちょっとした初見殺し?をネット将棋とかでやってました。名前は今テキトーに言いましたけど。(もう全然使ってないので、教えてほしい方は伝授しますw)

将棋世界でも触れられていましたが、後手藤井システムの場合、先手が舟囲いから▲5七銀とするまでに、どこに手を掛けるかによって展開が変わります。

①△4三銀+△9五歩型
これには急戦で自信がないというのが定跡の見解です。いきなり▲3六歩~▲3五歩とつっかけていく仕掛けですね。私も弱者の一意見ですが同意します。今後手を持って指す人は見ません。

②△5二金左+△9五歩型
私がよく指していたのはこれ。そして叡王戦もこれでした。私はリアルタイムで観戦したわけではありませんが、力の入った将棋でしたね。▲3六歩と一回急戦を見せ△6二玉と上がらせてから、穴熊を目指しました。▲9九玉まで引かせてから△8五桂で仕掛けたのが真新しい指し方…と言いたいところですが、例の「こた(仮流」も▲9九玉で仕掛けることを考えていたので、奇抜な手には映りませんでした。ですが藤井先生の構想には、そんなちゃちなものとは違う美しさがありますねw ただ形勢は難しいと思います。
▲3六歩と突かずに穴熊を目指すパターンもあります。一般には▲8六歩と突いて穴熊に組める、と言われていますが、個人の意見としては否定的です。普通に組む方が勝ると思います。いずれにせよ、穴熊を制止する力に疑問があるという感じでしょうか。

③△5二金左+△6四歩型
一番後期に登場した藤井システムですが、プロ間では▲5五角戦法がダントツで多いような気がします。後手の受け方を見て、居飛車が急戦、持久戦を選ぶことができます。私は正直▲5五角戦法はあまり詳しくないですが、どっちも「後手を持ちたくない」という方が多いのではないかと推察します。ただ、以前藤井九段が銀河戦トーナメントでこれを連採して優勝したこともあり、理論的には有力なのではないかと感じています。

県名人戦で藤井システム…あると思います!(嘘

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KKK 2019/9/8

日曜日のお昼からです。


感覚的に好きな戦型とか、やりたくない進行とかが人によってあるんじゃないかと思うのですが、以前の私はどちらかというと角を交換しない戦型が好きでした。
…だって、打ちこまれるの怖いじゃないですかw

例えば矢倉とか。矢倉には脇システムという角をぶつけ合う戦法がありますが、実は先手を持って一度も指したことがありません。後手だと進行上、脇システムになってしまうこともありましたが、それでも途中で△4二角と引く形を考えていました。
でも藤井矢倉では、角をぶつけ合う形が好きだったんですよね。これは脇システムと違って、片矢倉側の方が角の打ちこみに強い(気がした)からです。

以前の角換わり腰掛銀は先手後手ともに、当然のように▲5八金△5二金型にしていました。しかし、この▲5八金は浮き駒だし、△3九角とか(桂を跳ねたら)△3七角とか打たれる隙があるし、あまり指したくなかったですね。
後手番では右桂を跳ねず、△4三金右や△4二金右とくっつける待機戦術が好みでした。先手が自陣角を打って攻めてくるなら、矢倉っぽくなってませんか?
今の△6二金や▲4八金の角換わりの方が、むしろ自然な感じがします。角交換振り飛車の△4二金+△2一飛と同じ形ですし。と言っても、最初に先手で▲4八金型が流行りだしたときは、「固めて攻める」という時の主流に反している気がして、違和感が凄かったですが。

でも、振り飛車では角交換を含みにする、△3三角戦法や4・3戦法(ちなみに、昔は3・4・3戦法と言った)はよく指していました。これはたぶん、普通の四間やゴキ中ばっかりだと飽きたり、戦術的に行き詰まりがあったりしたせいもあると思います。
この辺りの好き嫌いは結局個人の「主観」に因るところで、角交換がどうとかの話ではないのかもしれませんね。

前回は意外と細かい話だったので、今回は主観的なフィーリングのお話でした。
将棋小話 -Depends on how you feel-

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KKK 2019/9/1

日曜日に行います。

はやくも将棋小話が何話か思い出せないのですが、今日はこんなお話。
-初手談義-

先手で振り飛車党がよく指す初手に、▲7八飛と▲5六歩があります。もし後手が△8四歩と突くと(現在の居飛車党なら一番多い2手目だ)、先手は▲7六歩となります。これは初手に▲7六歩△8四歩▲7八飛(▲5六歩)と同じ出だしです。
しかしながら初手に何を指すかというのは、将棋の行く先を決める上で変化をもたらす可能性があり、指す人のビジョンに基づいて選択されています。今回は居飛車党の2手目で2番目に多い△3四歩に絞って追っていきたいと思います。

①▲7六歩△3四歩
この時、先手は3手目に▲7八飛或いは▲5六歩と指しづらくなっています。▲7八飛は△8八角成▲同銀(飛)△4五角があり、▲5六歩は△8八角成▲同銀(飛)に△5七角があります。振り飛車党なら3手目に▲6八飛は自然ですが、これは当初描いていたであろう三間や中飛車とは違う将棋になります。
よって三間飛車を目指すなら、3手目は▲6六歩or▲7五歩です。しかし▲6六歩に対しては、△3二飛の相振り飛車が有力視されています。もちろん先手をもって得意にしている若手プロもいるので互角ですが、先手なのに角道を止める形になっています。▲6六歩はこの変化を真っ先に覚悟する必要があります。
▲7五歩は石田流決め打ちの手です。しかし最近の将棋で3手目▲7五歩の早石田模様は絶滅傾向。この理由は話すと長いのですが、簡単にいうと後手に有力な手段が多くあるからだと思います。先手はそれ全てに完璧に対応するのはけっこう大変です。
中飛車を目指すなら、3手目は▲1六歩or▲9六歩です。△8四歩なら▲5六歩が突けますが、当然端歩を合わせてくる可能性があります。結局、他の作戦を選ぶことになりかねません。ただ、作戦家ならば端歩の交換が振り飛車得なようにもっていく、という考え方もできますが。

②▲7八飛△3四歩
これに対する3手目は▲6八銀or▲4八玉が普通です。大多数は▲6八銀ですが、これは△8四歩▲7六歩△8五歩となると角交換振り飛車系の将棋になる公算が高くなります。後手角交換振り飛車では千日手を目指す指し方がポピュラーなので、先手でよい指し方を持っているかが鍵です。
▲4八玉は△8四歩なら、▲3八玉△8五歩▲7六歩となって、早石田党なら後手の変化をかなり削っています。ただ、今度は4手目に△3三角と構えるのが一例で、▲3八玉(ここで▲7六歩は指せない、やはり△4五角と打たれるから)△2二飛▲7六歩△4二銀となると後手は角道を開けたまま相振り飛車に持ち込むことができます。先手も向かい飛車に振りなおすことが多いですが、それは先手なのに手損になってしまいます。
また初手▲7八飛の共通項として、4手目△1四歩に受けるかどうか問題があります。相振り飛車になったとき、端攻めが早くなる可能性があるので。

③▲5六歩△3四歩
3手目はほぼほぼ▲5八飛です。▲7八飛という変化球が思い浮かんだ方、友達になりましょうw
▲5八飛には、やはり相振り飛車がネックになります。これも先手が決して悪いというわけではないのですが、5筋を突いた形をどう生かすかという構想が問われます。左玉にしたり居飛車に戻す(!)という形も多いですが、プロでも玉を右に持っていった場合囲いとの調和が難しいのです。

振り飛車は序盤の変化が少ない、なんてあっさりと言ってしまう人もいますが、初手から数手の間にもこれだけの変化が潜んでいるのです。(「これだけ」と言いましたが、まだ3倍は変化の順を書けますよ。)
なお、人によっては違う解釈を持っている方もいらっしゃると思います。そういう方は、是非コメントで語ってみてくださいw

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ランチェスターの弱者戦略

入「酔」で、一か八かの大勝負に!

というわけで昨日は朝倉象棋がありました。一乗谷朝倉氏遺跡のある山、私有地らしい。(裏は取ってない)
予選は、自玉が詰んでたのを「詰んでませんよ」みたいな顔をして乗り切ったりがあったりと、なんやかんやあったものの通過。準決勝でN藤五段相手にヒッパイの象棋を粘りましたが、最後落手で敗退。3位決定戦でO滝六段と合いまみえました。

O滝六段との象棋は、「将棋」だったら私が敗勢に近い形勢でした。酔象の突破に賭け、成れば勝ち、成らねば負けという大勝負になります。進軍に成功したものの、▲9四酔-▲9七玉の形で、△9五飛と打たれ両取り。しかしながら王手放置で▲9三酔成!としたのが勝負手で、△同飛に▲同成桂と取り返して私が勝ち筋に。(将棋で王手放置は反則負けだが、朝倉象棋では「太子」が作れるときのみ可能となる。イミフな方はコメくださいw)しかししかし、直後に相手玉の即詰みが読み切れないまま王手をかけるという大失態を犯すw 玉をよろけられて泥仕合になりましたが、たまたま残って○。

朝倉象棋の魅力の詰まった対局だったと思いますが、私の直近の課題解決の目途はたっていないようです。

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