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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2019/10/12

土曜日に行います。
今回のテーマは「角換わり△4二金(△4三金)型持久戦」です。冷やし中華始めました、みたいなノリでテーマ研究始めましたw


将棋小話 -最新角換わりで△3一玉は悪手なの?-

最新形に踏み込むということは、実はプレッシャーがかかることである。自らの研究のスコープとしては広い(深い)としても、結論がわからない、手順が難しい、もっと詳しい人に突っ込まれるリスク(笑)ということがあるからである。

さて、以前大会で下の図の局面を迎えました。



この図は角換わりで後手の待機戦術ですが、ポイントは△6三銀型と、△4二玉~△3一玉~△4二玉の繰り返しで待ったこと。先手はその間にガチガチに固めています。そして△3一玉で先手番となり、遂に仕掛けます。その手順は、
▲1五歩    △同 歩
▲3五歩    △同 歩    ▲4五桂    △4二銀    ▲2四歩    △同 歩
▲同 飛    △2三歩    ▲3四飛    △4四歩    ▲1五香    △同 香
▲2二歩    △同 玉    ▲1一角    △3一玉    ▲3三歩
で下図



まで先手こた(仮の勝ち。

攻めが決まりました。
一般的に△3一玉と引くと、▲4五桂の攻めがしやすくなると言われています。▲4五桂に銀をどう逃げるかですが、
①△4四銀は飛車先交換後▲2九飛と引いておくぐらいで充分そう。
②△3四銀は2筋交換もあるし、この形なら▲5六角もある。
③△2二銀はやはり2筋交換。②と共通ですが、△4四歩に▲5三桂成△同金▲6二角の筋があって、やはりうるさい。
ということで、先手は堅陣も生きて、かなり攻めが上手くいきそうです。

では、どの形なら上手くいくのか。



この図はまだ銀矢倉に組む前です。ここで△4二玉型の図は、プロ間でもよく指されています。
△3一玉型なら、私はさっきと同じ仕掛けが通用すると見ます。



この図は先手が▲7九玉型。この形は飛車を渡すと王手がかかります。先ほどの仕掛けが成立する可能性は下がっているでしょう。正直よくわからない。



今度は▲6八玉型。玉が近いようですが、飛車を渡しても王手にはならない。やはり、よくわからない。

プロで指されている△3一玉型のサンプルとして、下図を考えてみます。



プロで指される将棋の場合は、△5四銀型の方が多数派です。この図、△9四歩までの図なのですが、実はその1手前は▲9六歩ではない。△3一玉▲7九玉△9四歩です。角換わりと端歩の事情については今回のテーマから外れるので割愛しますが、この手順で△3一玉型が現れることに妙味がある。
以下の進展例はこんな感じ。
▲4五桂    △4二銀    ▲3五歩    △同 歩
▲1五歩    △同 歩    ▲6六角    △4四角    ▲2四歩    △同 歩
▲1五香    △同 香    ▲2四飛    △2三歩    ▲1四飛    △1三香


この場合は3筋と1筋の突き捨ての前に▲4五桂から仕掛けます。私の実戦と異なり先手玉が堅くないので、△4四銀を警戒しています。そして飛車を走る前に香を捨てるのが大きな違い。今度は先に▲2四同飛だと、△2三歩▲3四飛△6六角▲同歩△4四歩▲1五香に、△4三銀引が成立します。
図より、▲3四飛△6六角▲同歩△4四歩▲2二歩となれば、今度は△3三桂と逃げて難解です。(私の実戦なら▲1四飛と回ることができた。)

ただし、このプロの実戦の場合、最初の▲4五桂に対し△2二銀とした手が今春の名人戦で現れています。結果は千日手でした。

端歩を受けて自然な進行を取った場合、後手が最速(?)で△3一玉と引くと下図が考えられます。



私はこの局面で、先手が攻めていけるのか分かっていません。しかし実戦には現れない。▲7九玉なら△4四歩とし、▲4五歩に△4一飛と受ける将棋に持ち込むことができます。これは先手が悔しい気がしますが、後手も△5二玉型で受けたい局面かもしれません。

結論としては、やはり△3一玉型には仕掛ける手を考えてみたいということになるでしょう。△5四銀型の場合は▲7五歩を絡めることも考えなければいけません。現代将棋の細かさ、難しさが良く表れていると思います。
そして、私たちがどれほど表面だけをなぞって将棋を指しているのかということを、考えさせられるような気がするのです。

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