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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2020/7/11

土曜日に行います。


将棋小話 -条件分岐-

将棋の思考に関して、「何手読めるの?」というのはありがちな問いだけれども、実際はただ単に掘り下げるだけでなく、横に広げていくことも重要になる。つまり、「相手が①という手できたらAを指す、②ときたらB、③ならC…」という場合分けだ。もちろん、「相手が①なら、Aの他にもDもあるな」という比較も必要となる。

これはできる人にとっては当たり前だけれでも、実はそんなに簡単な話でもない。



これは今日私が指した対局の一部分だ。手前が私で▲2三竜と王手をしたところ(本来は2枚落ちの上手)。下手を持って逃げ切って(読み切って)みてください。
↓ドラッグすると答え

①△2二合は▲3二銀で負け。
②△3一玉には▲3三竜と再び王手。
(1)△2一玉は銀を打たれて簡単に詰み。
(2)△4一玉は▲4二銀△5二玉▲5三竜△6一玉▲5一竜まで。
(3)△3二歩は▲2三桂以下、玉の頭に銀が打てるのでやはり詰み。金以外の合駒は全て同じ。

よって答えは△3一玉▲3三竜△3二金である。

答えにすると「3手の読み」なのだが、トータルでは意外に読む手は多くなる。これは正解以外が詰むので判りやすいが、読んだ手順の形勢判断が入るとさらに難しい。

局面を「広く読む」ということも強くなりたい子はぜひチャレンジしてください。「読み切る」というのは快感ですよw

さて、ポツンとある▲2七歩。正解の3手からも、まだ手は続くはずです。

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相対性理論とは楽しいときは短く、辛いときは長く感じる感覚のことである。

嘘である。

さて、昨日は県アマ選手権A級の本戦リーグが行われました。いつもならアマ名人戦の代表も懸かる本大会ですが、今年は例のごとく中止。それでも当然強敵揃いの上に、事前に相手が分かっているので対策を立てやすく、モチベーションがMAXになる大会です。

今期は私は予選を通過しての参加。シードを含め7人のリーグとなりました。

①vsM越Jr.五段
振り駒で後手番に。彼は先手になればまず間違いなく相掛り志向なので、それを受けて立つか振り飛車にするかを選ぶ予定でした。本日1局目だったので真っ向勝負。
先手は1筋の位を早々に取り、後手の私から足早に仕掛けました。私の指し手がノータイムだったので「研究にはまったかと思った」そうですが、以前過ぎてあんまり覚えていなかったw 結局分かれは失敗していたようですが、スキをつき猛攻を仕掛けます。受けに回っていたことで相手の時間が少なくなっていたのが幸いしたか、たまたま上手くいって○。

②vsN西六段
今度は先手番に。N西さん相手はいつも通り1手損角換わりを受けて立つつもりでしたが、序盤の駆け引きに乗じ相掛りに変化。「だってたまには違う戦型を指したいじゃん」
序盤に飛車角が交換になり、力戦調の展開に。角を殺させて香車を得、田楽刺しを食らわすという派手な振り替わりとなりました。私は自分が指せると見ていましたが、N西さんも指せると思っていたようです(たぶん難しかったのだろう)。私は歩の突き捨てでジャブを放ちますが、対して△同角と取ったのが錯覚。激しく駒を交換し先手優勢に。着地もうまく決まって○。

③vs2438六段
先手になり、予定は相掛りか角換わりでした。前2局が相掛りだったので、角換わりをチョイス。
2438くんの作戦は早繰り銀。彼の得意の1つだったので予想の範囲内ではあったのですが、なかなかビジョンが再現することはない。△7六歩に▲8八銀と押し込められて、たぶんソフトの評価だと不利なんだろうな、と思っていました。それでも具体的に何をされるかが全くわからなかったのですが、△4四角が好手。(この形だと△4四角があると知っていたのだろうか。聞いてみたかった。)巧みに指されて少しずつ指しにくくなっていきました。私も▲4五角という勝負手を放ちますが、軽く受け止められて差が広がるばかり。完敗で×。

④vsT田五段
先手になり対四間飛車に居飛穴を採用。T田さんは振り飛車党ですが作戦の幅が広いので、自然に対応する心づもりでした。
端攻めを食らって穴熊を削られ、もういっそ、とばかりに顔面受け。玉が4段目で踏ん張ります。相手の飛車角を封じることができれば難しいと踏んでいましたが、いざその局面になってみるといい手が浮かびません。実際の考慮時間はわかりませんが、体感では苦しい長考になりました。結局、もういっそ(2度目)行ってしまえと攻め合いに出たものの、これは明らかに自爆。普通に寄せられて×。ちょっとこの将棋は粘りを欠きました--;

⑤vsS戸川五段
後手で2手目△8四歩。とりあえず石田流は避けて、本命中飛車、対抗三間飛車で見ていました。本局は三間飛車に。
elmo囲いを採用しましたが、▲6五歩が意外で割と早く未知の将棋に。(こんなことなら△6四歩突いときゃ良かった、とか思いつつw)機敏に動かれて捌き合いに応じたものの、どうやら我慢するべきだったようです。作った竜がそれほど威力を発揮しておらず、形勢は私が劣勢に。苦しい時間が長く続くも、お互い時間が無くなってきて最後は寄せ合い勝負。威張れたものではないですが、粘り倒して○。

⑥vsG方四段
先手を引いたので、予定通り矢倉に。
組み合いになり藤井矢倉の作戦を取ります。後手のG方くんの作戦は正直嫌な対抗策でしたが、と金が出来て分かれは上々に。上部開拓して入玉の含みを残した後、攻めに転じます。相手玉も堅陣であったため仕損じる不安はありましたが、着実に寄せの網を絞ります。押し切り○。

リーグは4-2となり、T田五段と同率に。準優勝と来期シードを懸けて、再戦となりました。

同率再選vsT田五段
今度は後手となりましたが、T田さんの取った戦法はやはり四間飛車。今日はほとんどこれを指していたようです。私は本日2度目のelmo囲い。のっけからガンガン攻める方針が良かったかはともかく、将棋はかなり優勢に。ただ相手の美濃囲いを攻略するのは骨が折れそうなので、自陣に火が付かないように心がけていました。正直なところお互い疲れもあったのか、内容的にはグダっていたと思うw なんとか勝ち切り○。

優勝は2438六段で、見事全勝を達成し連覇となりました。ぐぬぬ。

結果として2位は確保できたものの、内容的には苦しい将棋が多くありました。県名人戦も近いので、修正しなければなりません。
それでも終わってみれば、あっという間の一日でした。

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KKK 2020/7/4

土曜日です。来られる方はご一報ください。


将棋小話 -1年で4つシード権を獲得しても四段だった男の弁-

指した瞬間、詰み逃したことに気付く。連日のリアルだから笑えない。いつまで経っても、悔しいものは悔しいのだ。

みんなは悔しさを噛み締める経験が少なすぎるように見える。もっと悔しい思いをさせてやりたいw

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KKK 2020/6/27

土曜日に行います。

将棋もトライアルアンドエラーです。
自分の対局をしっかり分析してみてください。


将棋小話 -眠る角換わり研究シリーズ”番外編”-

初手からの指し手
▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7六歩△3二金▲7七角△3四歩▲6八銀△3三角▲同角成△同金


これまでは主流からはじき出されてしまった将棋でしたが、今回はまだ俎上に上がっていない将棋です。
△3三金型の角換わり。相手から角交換させることで1手得を実現します。先手もこのタイミングで角交換しないと、△4四歩で雁木にされたりと変化を与えます。
意外とソフトの評価値も悪くなく、もし角換わりの情勢が後手苦戦となれば今後現れるかもしれません。

上図からの指し手
▲7七銀△6二銀▲4八銀△2二銀▲7八金△4二玉▲3六歩△7四歩▲4六歩△7三銀▲3七桂△6四銀


普通に腰掛銀にするのもありますが、ここは手得を生かし早繰り銀から仕掛けを狙ってみます。ただし▲3六歩を見て早繰り銀にするのが1つのポイント。▲3六歩~▲3七桂はなんとなく△3三金を咎めれそうで、先手もやってみたくなるでしょう。▲3六歩~▲3七桂が▲4七銀~▲5六銀と代わると、上図で▲6六歩と突かれて後手作戦失敗という感じです。

上図からの指し手
▲4七銀△7五歩▲同歩△同銀▲2四歩△同歩▲2五歩△8六歩▲同歩△同銀▲同銀△同飛▲8七歩△8二飛



後手は悠々と仕掛けます。先手の継歩での反撃は常套手段ですが、意に介さず銀をさばいておきます。後手の陣形に違和感がある貴方は普通。

上図からの指し手
▲2四歩△4四角▲6六角△2七歩▲同飛△2六銀


ここまで来ると通常の△3三銀+△3二金型と違い、▲2四歩と取りこんだときに先手になっていません。ここで知った将棋とばかり△2七歩▲同飛△2六歩と叩くと、▲2九飛と手順に引かれて失敗します。先に△4四角と据えて置き、△2七歩▲同飛△2六銀と進めるのが良さそうです。上図まで進展すれば後手が指せる。

形の違いを見極める大局観と、それを生かす構想力を問う。
まぁ、この将棋自体は他人の構想そのままなのだが ^^;

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KKK 2020/6/21

日曜日に行います。


将棋小話 -眠る角換わり研究シリーズ②-


さて、この図は前回の小話のテーマ図△4四歩に代え、△4一飛と回ったところです。ここで▲4五桂と仕掛けていくのが有力とされていますが、これはかなり激しい将棋になります。そこでまず▲7九玉と玉を深くし、次に行くぞというのが今回のお話。

上図以下の指し手
▲7九玉△4四歩▲4五歩△3一玉▲4四歩



△4四歩~△3一玉まで回ると仕掛けづらくなるので、▲4五歩はできるなら行ってみたい。△3一玉では△5二玉も定跡ですが、これは割愛します。「眠る」なんて言っていますが上の図は例えば△4四歩~△3一玉▲4五歩△4一飛などで合流する可能性もあり、汎用性があると思います。

以前、この手順は後手が十分だと認知されていました。しかし後手を持ってどうも勝ちにくい。「おかしいな」と思いながら、手を精査することになるのです。

ここで後手の指し手は①△同銀と②△同飛のどちらも考えられます。

①△同銀▲4五歩△同銀直▲同桂△同銀▲同銀△同飛▲4七銀△4一飛▲6三銀△6一金▲5五角



△同銀▲4五歩に△同銀直と食いちぎるのは、部分的にはよくある手順。定跡通の方だと、この形なら△2二玉型より△3一玉型が勝るというのもご存じかもしれません。しかし先手も好条件を得ており、この攻めは無理筋となります。上図まで進むと先手が有利。

②△同飛▲4五歩



△同銀▲4五歩に△3三銀と引けば、上図で△4一飛としたのと同じです。ただ△同銀の場合▲4五歩の一手ではないし、上図で(1)△4二飛と(2)△4一飛を選ぶことができません。
部分的には▲4五歩で▲4七歩のような手もありますが、これは駒を繰り替える将棋になります。この形ではややつまらないでしょう。

(1)△4二飛▲5一角△5二飛▲3三角成△同金▲1五歩△同歩▲3五歩△同歩▲4四歩


△4二飛には▲4六角が普通で、これで先手が十分という説もあります。ただ△6三金のときに△4一飛型に比べて姿見が良いので、以前はネットとかで私も指していました。
しかし踏み込む▲5一角が強手。以下私の実戦で一例ですが、後手が危険という見解です。(形勢は難解かもしれない。)

(2)△4一飛▲4六角



というわけで△4一飛が勝りそう。先手は好位置に角を据えます。当初は打開が難しいと見られていましたが…

(a)△6三金▲8八玉△2二玉▲2四歩△同歩▲同角



驚愕の仕掛け。後手からすれば「こんなので悪かったらたまったものではない」という感じでしょうが、ソフト曰く先手十分。というわけで後手の"ゆっくり志向"は既に破綻している。

(b)△6五歩▲同歩△8一飛▲6四歩△7五歩


結局、後手としては自分から動いていくのが最善と(私は)見ています。△6五歩とした後に△8一飛と回るのではパスしているようでツラそうですが、4筋で持った1歩が活きる展開になるかどうか。いい勝負だと思います。

力とは、知識の集積である。居飛車党の島九段が書いた「島ノート」(振り飛車の本)の結びの言葉である。

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若武者の声

今日は県アマ選手権が開催されました。久々の将棋大会です。
私はあまり集まらないかな、と予想していたのですが、行ってみると盛況でした。

A級は5組。A級のみ後日に本戦リーグがあり、各組の1位が出場します。
今日はともかく小中学生が多く、A級の参加人数は過去最高かもしれません。比較すると力自慢のおじさま方は少なかったですね。
私(30)の組は5人組で、…あれ、年2番目なの?

一回戦、相手はH本くん。中学生かな、おそらく初対局。
彼の作戦は迷いなく、四間飛車穴熊に。たぶん得意戦法なのでしょう。私は銀冠を採用しました。定跡からこちらが変化し、その辺りが早くも勝負所。本譜は飛車の成り込みが実現し、優勢に。押し切って○。
コツコツ勉強していると感じる子でした。読みの力を鍛えれば、もう一段レベルアップしそうです。

二回戦、高校生のK林くんと。
戦型は角換わり。流行形になり、後手のK林くんが9筋を受けない作戦に。対抗策はいくつかありますが、研究していた順の1つを選びました。快調に攻め立て、優勢に事を進めます。最後はきっちり詰まさないと怒られるかな…と謎の義務感により、竜を切る。切ってから考える。10分動かない。おいw というわけで恥をかくところでしたが、なんとか詰みを見つけて○。
高校生らしく、しっかり最新戦法を使いこなしていますね。

三回戦はS水五段と。何故かよく当たります。
師匠の得意戦法である四間飛車に対し、講座中のelmoを採用。強く5筋の位を取って指しましたが、反発され難しい将棋に。相手に飛角を切られ喰いつかれたものの、逃げおおせながら少し良くなったと思っていました。しかしスッキリ寄せようと考えるのですが、これがなかなか難しい。結局お互い時間が少なくなり、熱戦が展開します。最後、師匠がコビンを開いた手が疑問となったでしょうか。遠見の角に合駒がなく、○。
棋風が似ていると、いつも熱戦になる説。

四回戦(ラスト)、M好くんと。お父さんも将棋をされていますが、彼もA級に出てくるとは。いくつになったのかと思ったら、まだ小5だそうです。
さて、私が先手になり、矢倉をチョイス。さっき角換わりだったので、私がよくやる戦法ローテですね。そして藤井矢倉を目指します。余談ですが、近年矢倉戦術の変化で藤井矢倉を目にする機会は減ったものの、かつて私も得意にしていました。
序盤は私に一日の長があり、好調な駒運び。それでも中盤に入ると、彼も力を発揮し始めます。と金で反撃され、飛車を切る鋭い手を放ってきます。しかし私も読んでいました。詰めろ逃れの攻防の角で速度をひっくり返し、○。
さすがに小学生A級だけあって、センスがいい。

というわけで無事に突破しました。本戦リーグの相手は、
2438六段(前回優勝でシード、24のRが高杉内)
N西六段(前回準優勝でシード、今日はお世話役でした)
T田五段(リーグ常連、Y本五段に制勝し全勝通過)
S戸川五段(勝利の女神が後ろで微笑んでいた。比喩ではなく、リアルで)
M越Jr.五段(帰郷して県棋界復帰。同率再選でキノを屠り、堂々通過。ぶっちゃけ強敵)
G方四段(波乱というほどではないが、今回のダークホース。初のリーグ入りを決める)

実は私の対局は昼の2時ぐらいに終わっていました。ブログを書いているのはもうすぐ日が変わる時間。久々ではしゃぎ過ぎました。だいぶ失言舌禍症候群を発症していたかもしれません。

本戦まで1ヶ月。謙虚に精進するとしましょう。
でも最近、勉強したことが頭に残らないんですよね。こた(仮30歳、若くないw

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KKK 2020/6/6

土曜日、満を持して(?)復活します。
コロナ禍に対する感覚はそれぞれだと思いますので、自己責任でお願いいたします。


将棋小話 -elmoセブン

続きです。拍手を3連打したのは誰なんでしょう(笑)

今回は②△4三銀という分岐を見ていきます。この局面ではやや違和感がある手ですが、最近は早く△4三銀と上がることが多いため、合流して現れることは多いと思います。



これには△5三銀型同様、▲4六歩と突きます。一度▲5九金とするのも有力と個人的には見ていますが、▲4六歩を本線とします。
ここで(1)△6四歩と(2)△2二飛が考えられます。

(1)△6四歩▲4八金△7四歩▲4五歩△4二飛▲3七桂


▲4六歩の急戦策に対して、△6四歩から高美濃を目指すのは一番オーソドックスで、昔からある対策です。以下上図まで進むと、見たことのある形ではないでしょうか。つまりは従来の▲5七銀左型舟囲いvs四間飛車の急戦定跡なのです(もちろんこれはelmo囲いではないですが)。もう少し進めてみます。

△6三金▲2四歩△同歩▲4四歩△同銀▲4五歩△同銀▲3三角成△同桂▲8八角△4三飛▲2四飛


これも従来の手順を踏襲していますが、elmo囲いが生きる展開になりました。△4七歩などの反撃が甘くなってますし、囲いがしっかりしています。先手がやや有利。△4三飛では△2五桂の方がよいと思いますが、普通に▲同桂で先手が指せそうです。
よって(2)△2二飛と備えます。



さて、前回のテーマ「さっくり攻める」というのを覚えているでしょうか。備えようが何だろうが、やっぱり行ってみたくなるのが人情です(?)。

上図以下、▲4八金△6四歩▲4五歩△同歩▲3三角成△同桂▲3一角△2一飛▲6四角成



これも以前からある裏定跡。△6四歩を見て▲4五歩と仕掛けます。しかし堂々と△同歩と取り、以下馬を作らせて上図。初めて見た方には、先手良しに思える進行でしょう。

△4四角▲6六銀△2四歩▲同歩△2六歩▲3七馬△2四飛▲5七金


△4四角が習いある振り飛車の自陣角。以下2筋から後手が逆襲し、後手陣は伸び伸びとした形になりました。
これも昔からの定跡では舟囲いでしたが、本譜はelmo。難解な形勢ですが、居飛車も指せるのではないかと見ています。

コメントが3つ以上ついたら続きます。
(「無理だろ!」というコメは受け付けておりませんw)

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再会

さて、県棋界では6/7のアマ選手権を皮切りに、将棋大会が再開されます。アマ選手権は例年福井新聞社開催ですが、今回は西別院の開催です。マスク着用の上お越しください。
(大会予定は「福井県将棋連盟」Webサイトをご覧ください。リンクよりどうぞ。)

芦原将棋クラブも休止中でしたが、6/3(水)から行うとのこと。今週は夜勤Weekですが、水曜はたぶん行けると思います。
県名人戦坂井地区予選は6/28です。9:30開始です。あわら市湯の町公民館にて。

コロナ禍については皆様それぞれお考えがあると思いますので、ご自身の判断でご参加くださいませ。

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将棋小話 -同形角換わり-

現代角換わりの戦術講座とかすると、火傷しそうな気がする。というのは、非常に細かくて難しい変化が多いからです。プロ棋戦で主流でなくても、指せそうな将棋が実はたくさんあります。

今は眠っている、流行が過ぎて使えなくなった持ち球の数々。



さて、従来同形角換わりといえば▲5八金、△5二金型の、昔から指され続けてきた歴史ある戦型でした。今はパッタリと指されなくなってしまいましたが、最新形の角換わりでも同形になることはあります。

それが上の図で、△4四歩と突いたところ。今ではほとんど指されていませんが、とても難解な変化です。

ここは戦機を捉え、▲4五歩と仕掛けていくのが定跡です。以下△同歩▲同銀△5五銀は必然でしょう。(必然と言いましたが、気になる手は多くある。)
そこで▲2四歩 △同歩▲2五歩が有名な手順で、プロの将棋でもほとんどこう進んでいます。
しかしこの将棋が現れたとき、私の第1感は違いました。
上図から▲4五歩△同歩▲同銀△5五銀に、▲3五歩。



いかにも筋。私の感覚ではどう見たって継歩より本筋w

対して並の手は①△同歩でしょう。▲3四歩△2二銀と壁銀を強きます。ここで(1)▲2四歩△同歩▲同飛としたいのですが、これは△2三歩と受けてくれず、△4四歩で先手が不利。

そこで単に(2)▲2六飛と浮きます。



これにも△4四歩と打ち、▲5六銀 △同銀▲同飛 と進みます。この変化は飛車回りの味が良いかと思ったのですが、△2七角と打たれて見ると…



これが▲6三銀を消す強力な利きで、これは先手が失敗。

代案を考えます。(3)▲2四歩△同歩▲5六歩。



銀に先に働きかけておくことで、△4四歩を打たせない。以下△4六銀▲2六飛△3六歩▲同飛と進行しますが、もし▲2四歩△同歩が入っていないと、ここで△1三角があります。で△4七歩▲4六飛で図。


以下、(a)△3五角▲5七金△4六角▲同金か、(b)△4八歩成▲同飛△4七歩▲同飛△4六歩という進行が考えられ、形勢不明。
この変化を後手が嫌がるなら、実は避けることが可能です。▲3五歩に対し、②△4七歩と一度叩いておきます。これには▲3八金ぐらい。既に「なるほど!」と思えた方は強い(確信)。
以下、△3五歩▲3四歩△2二銀という先ほどの順を踏襲し、(1)▲2四歩△同歩▲5六歩△4六銀▲2六飛△5七角。


△4七歩▲3八金を最初に入れておけば、△5七角が刺さるので後手よし。

しかし、今度は(2)▲2六飛と単に浮く手が復活します。すぐ△4四歩は二歩なので、△4八歩成  ▲同金△4四歩と成り捨ててでも打つ。▲5六銀△同銀▲同飛△2七角には、1歩取ったので▲4五歩があります。


これは先手よし、と言いたいところですが、どうやら難しいようです。こういう変化を調べてみると、ややこしくて頭がこんがらがってきます。「細かくて難しい」というのがお分かりでしょう。

いろいろ見てきましたが、実は別の有力な手段がありました。一番最初の同形の形から、▲4五歩△同歩▲同銀△5五銀▲3五歩△同歩▲3四歩△2二銀▲2六飛△4四歩に、▲5六歩と大胆に自玉のコビンから攻めます。



ちょっと気づきづらい手(コビンを開く上に後手を引く)ですが、後手の壁銀もひどいので成立するかどうか。これがあるなら、今までの研究は全て無駄になりますw

何気なく指されている将棋の裏には、淘汰された誰かの血のにじむような研究が隠されているのです。

拍手が3つ以上ついたら(ry

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