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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2020/3/15

日曜日に行います。
来られる方はご一報ください。

将棋小話 -技術と独自性-

当たり前ですが、将棋においては、誰が指してもこの一手という場面が存在します。勝つためにはこれしかない、という手順も存在します。(それが対局者にとって明らかかどうかはともかく)

ときに、勝つためのスキルは、オリジナリティーと正反対のところにあるかのような、そんな思いに囚われます。

しかし、ただの思い付きやテキトウでは、それは個性に成り得ません。誰にでも出来るからです。他人にできないことが出来るためには、スキルアップが必要です。そうすると将棋には勝敗があるから、勝ちを目指すことになります。
…ある意味、最強であることは最大の個性かもしれません。

将棋には「得意戦法」や「棋風」というものがあります。普通はどちらも勝ちを得るために、自らが良いと思った感覚や読みに基づくものでしょう。
ですがそれらは人によって微妙に、ときに大きく異なります。向かい合う2人の読みが完全に一致することはありません。噛み合ってか合わずか、常に違う盤上が展開されます。それは当人にとっては面白いものであるし、周りを引き付けるものでもあります。要するに康光先生ですw

だから、技術と独自性は常に両輪です。No.1を目指してこそのOnly1なんです。「世界に1つだけの花」を歌っている場合ではありませんw

KKKは、それらを一緒に追求していきたいと思っています。

ちなみに私が子供の頃、目指したスタイルは「変幻自在」でしたw

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失敗することより、いい加減にやって成功することの方が怖い

野村克也氏のご冥福をお祈りいたします。

2/16は支部名人戦・対抗戦福井県予選でした。私は本大会で圧倒的な相性の良さを誇っていますが、さて今回は?

予選一回戦、S戸川五段と対局。S戸川の▲7五歩石田流表明に対し、△4四歩と止めて向かい飛車に。戦型は相振り飛車となりましたが、私が力戦形に誘導します。この形への相手の見解や、実戦の感覚を知りたかった。ただ本譜は序盤に失敗して駒組み負け。しかしながら玉頭に嫌味をつけながら指し回し、逆転に成功します。ですがお互い時間が無くなり、結局時計の叩き合いに。最後はなぜか相手玉が詰んでいましたが、詰まし切る前に時計が落ちて、×。

二回戦はS水五段と。
今度は私が▲7五歩と突いて石田流に。「やる気がしない」とは何だったのかw 師匠は得意の左美濃にされ、7~6筋からドンパチが始まります。均衡の取れた将棋だったと思いますが、銀得になったので先手が少し良いと見ていました。それでも後手はと金の種もあり、コクのある中盤戦に。熱戦を勝ち切り、○。

三回戦、N藤五段と対局。
本局はN藤さんの▲7五歩。私は4手目に端歩を突きましたが、思わぬ乱戦に突入しました。ちょっと危ない応じ方をした気がしますが、本譜は角でお互い香を取り合って一番激しい展開に。先に桂香を取ったのが大きく、こちらが優勢だったと思われます。お互い玉周りを全て手抜くという、盗んだバイクで走りだすような感じ(?)も自玉側に詰みは無く、結局相手は手を戻すことに。寄せ切って、○。

四回戦、相手はM口五段。
戦型は私のゴキゲン中飛車。△3二銀型で△5六歩から捌くという最近はほとんど見なくなった作戦を用います。意表を突いたのかどうかはともかく、本譜は一応後手も十分な展開だと思いました。そこで相手は飛車を切る猛攻に打ってでましたが、こちらも飛車を捨てる反撃で寄せ形を築きます。途中ミスって中段玉にしてしまったものの、なんとか押し切り、○。
感想戦でM口さんが仰った歩の垂らしが有力か。そんなに私の方が上手くいっていたわけでもないのかも。

準決勝、2438六段と。
戦型は先手ゴキ中。2438くん得意の△5四歩型に対し、▲5九飛~▲7八金と引き飛車型に構えます。5筋から直線的な戦いに突入し、お互いノータイムで52手目まで進む!2438くんの研究はさすがでした。斯く言う私も「いやぁ、もっと研究しとけば良かったなぁ」とか言っときながら、ガチガチに研究してましたw ここからはお互い少考を挟んで、手を戻して陣形が再構築されたりします。うちのソフトさんは80手を超えて評価値”0”を示していました。難解な中盤が続きますが、私が竜を自陣に引き戻した形の守備力が高く、やや先手優勢に。しかし難しい戦いに形勢は引き戻され、時間もお互い少しずつ消費し相手陣の削り合いに進展します(こうなってしまうのが打ち切りの怖さだ)。最後の最後、相手玉に長手数の王手をかける。王手をかけながら、私はほとんど読み切っていた。相手玉の詰みを。しかし…約200手の熱戦、時計の針が決着の前に、落ちた。×。

決勝は2438六段vsK縁五段になり、2438くんがここも逆転勝ちで制して優勝。西日本大会への2度目(たぶん)の出場権を得ました。

さて、大会が終わった後そのまま仕事で遠征したのですが、ご当地の病院で点滴を打つはめになってしまいました。
でも自分は、もう一度これぐらいの将棋が指したい。
「遠征じゃなくて転勤しないんですか?w」とか言っていた奴、覚えとけよw

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KKK 2020/2/23

今週末はお休みで、来週はブログの更新ができません。
日曜日は支部戦ですが、対局結果も皆様にはしばらくお伝えできません。
気長にこた(仮の華麗なるカムバックをお待ちくださいw I'll be back.

次の研究会は23(日)の予定です。


将棋小話 -オマエが振るならオレも振る!相三間-

相振り好きの将棋ファンなら聞いたことがあるかもしれない、このフレーズ。杉本八段の名著「相振り革命」シリーズの帯に書かれたものですが、これがしっくりくるのが「相三間飛車」。

オレも絶対に三間飛車を指すんだ!という強い意志を感じる一手が、▲7六歩△3四歩▲7五歩の出だしに対して、△3五歩です。ここでは先に△3二飛という手もありますが、今回は割愛。
そして▲7八飛に堂々と△3二飛!真似将棋ではありませんw



福井棋界では、N西六段が得意にされている印象があります。なんとなく、らしいような気がします。ちなみに私は指したことが(後手番では、ほぼ)無い。正直あまり詳しくないですが、許してくださいw

まずは以前の将棋ですが、戸辺流vs阿部流の戦いを見てみます。
(1)▲5八金左△5二金左▲4八玉△6二玉▲4六歩△8八角成▲同銀△2二銀▲4七金



▲4六歩で▲4七金から高美濃を目指すのが戸辺流で、相振りで立体型志向が流行ったときに、奨励会時代の戸辺七段が開拓したと言われています。その戸辺流の対抗策として現れたのが阿部流で、阿部健治郎七段が指し始めました。角交換して△2二銀と上がるのは単なる手損なので不思議な感じ。別の囲いで戦う作戦です。

△8二銀▲3八銀△3三銀



▲3八銀に△2八角は、▲4一角~▲5二角成~▲1八金で角が死んで先手良し。
ちなみに角を換えていない場合は、△8八角成~△2八角と打たれますが、これは△3一銀の形なので▲4一角△1九角成で後手良し。その場合は▲3八玉から囲うことになるでしょう。
これは昔、N西さんとの将棋で私がやらかしたミスですw
△6二玉型にも意味があり、▲7四歩△同歩▲同飛には△7二金とする予定です。

▲3九玉△2二飛▲7七銀△2四歩▲8八飛△7二玉▲8六歩△2五歩▲8五歩△2六歩▲同 歩△同飛▲2七歩△2四飛▲2八玉△3四銀▲6六銀△6二金上▲6五銀△2五銀▲7七桂△1四歩▲9六歩△9四歩



組みあがり図。後手は金無双に組みました。先手はさすがに1筋は受けづらいですが、実は後手は1筋を詰めません。この理由は後で判明します。

▲5五角△3三角▲同角成△同桂▲7四歩△同歩▲5五角△4四角


先手は最善形なので仕掛けます。角を何回も打って後手の手を進めさせるのは馬鹿らしいのですが、飛車の横利きが通っていると仕掛けづらいので仕方ないところ。ここは分岐点です。

(a)▲8二角成△同玉▲8四歩△同歩▲7四銀△7五角



先手が角を切って強襲する変化。後手にとって怖い形ですが、どうやら受かっていそうです。後手有利。

(b)▲同角△同歩▲7四銀△7三歩▲8三銀成△同銀▲8四歩△同銀▲同飛△8三歩▲8八飛△2六歩▲同歩△同銀▲2七歩△同銀成▲同銀△2六歩▲同銀△2七歩▲同玉△5四角▲3六歩△1五銀


長くなりましたが、先手が銀を捌く変化。先手も後手も銀を捨てていますが、後から取り返すことができます。しかし後手はただ取り返すだけではなく、玉を吊り上げて最後の△1五銀が厳しい(△1五歩型ならできない)。後手優勢。

よって阿部流に軍配が上がり、先手は別の作戦を取るようになりました。

(2)▲7六飛△8二銀▲7七桂


よって先手は浮き飛車に構えます。やはり後手は△8二銀ですが、▲7七桂と跳ねてみる。以前に私がよく指していた作戦でした。ここでは▲3八玉~▲8六歩~▲8五歩もあり、むしろ本筋です。どちらも先手は美濃囲いを目指し、後手との差別化を図ります。

△3四飛▲3八銀△7二玉▲3九玉△4二銀▲6八銀△9四歩▲5六歩△8四歩▲5七銀△8三銀▲7九角△1四歩▲4六銀△1三角▲4五銀△3二飛▲5五歩△4四歩▲5六銀△8二玉▲6五銀△7二金▲5七角△4三銀▲8六歩△6二金左▲8五歩△同歩▲7四歩



以下すっごい長いけど一例。上図までくれば先手よし。途中先手が引き角にする構想が面白く、左銀の動きもユニークです。
後手は工夫すれば互角の戦いと思いますが、いずれにしても他の戦型とは違う展開が楽しめそうな将棋ですね。

最後にN藤五段が指していた、むりやり美濃作戦をご紹介。▲7六歩△3四歩▲7五歩△3五歩▲7八飛△3二飛に、先に▲4八玉とします。以下△5二金左▲1六歩△1四歩(この手に必然性は無いが、とりあえず。)に▲3八銀と強く上がります。


これもN藤さんらしい手な気がしますね。 

△8八角成▲同銀△2八角▲1七香△1三桂▲2六歩


上図までは一例。端歩の交換が無くても▲3八銀はあって(成否は知らない)、やはり△8八角成▲同銀△2八角に▲7四歩△同歩▲5五角となるでしょう。
正直この戦型は指さないし、N藤さんの真意もわからないw しかし端の交換を入れたということは、香車を逃げるということでしょうか?形勢不明。

この相三間、福井棋界では何度も見たことがありますが、やはり三間飛車が好きな人が多いんでしょうね。
最後のN藤流は、ぜひ本人にアタックして聞いてみてくださいw

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KKK 2020/2/9

ブログ…復活…!

というわけで日曜日です。来られる方はご一報ください。


将棋小話 -スイッチバック-

小話ですから、どうしてもアウトラインをなぞり、大切な手順や変化に触れないことも多々あります。
しかしながら、普通に忘れているだけということもあるのですw

というわけでブログがダウンする以前の将棋に戻り、今日はこんなお話。

初手から…
▲7六歩△3四歩▲7五歩△1四歩▲7八飛△1五歩▲4八玉△8八角成▲同銀△3二銀▲5八金左△4二玉
というのが前回やった、石田流に対して後手が1筋の位を取る将棋です。
ここで▲5五角と打つ。



天王山に放られた角は、一見狙いがよくわからない。以下普通に△3三角と合わせますが、▲4六角と目線を逸らすのが面白い一手です。すっかり忘れていたとはいえ、この手はやはりスルーできなかったw



向かい合った角に対して反対側に引く、所謂"スイッチバック角"。この類の手は振り飛車の将棋などで稀に見られた手筋でしたが、スイッチバックという言葉が使われたのはこの将棋からではないでしょうか?(ソースなし)
なんというか、中2病の私にも響くネーミングであるw

しかしここから、もう1つ楽しい変化が現れる。以下…
△6二飛▲7七銀△6四歩▲8六歩△7二銀▲8五歩△6三銀▲8八飛△8二飛



飛車のコビンをどうセンス良く受けるかが居飛車の課題となりますが、△6二飛はハイセンス。▲7四歩は△8二銀で問題ありません。後手は△6三銀型に組んで、飛車を8筋に戻って受ける手がピッタリ間に合います。居飛車を持って指したのは「飛車を戻す新手」の巨匠(?)、菅井八段です。
ただし形勢はほぼ互角。

石田流側は、どこかのタイミングでスイッチバック角を放つ(含みにする)ことで、斬新な将棋を開拓することができるかもしれません。ただ後手の角も利きも良いので、難しい将棋になりそうです。

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KKK 2020/1/26

日曜日です。来られる方はご一報を。
KKKの主要メンバーに振り飛車党がいないのが悩みです。悩みっていうほどでもないけど。


将棋小話 -現代流石田対策-

今回は、前回の4手目候補手(4)△1四歩、(5)△5四歩、(6)△8八角成を取り上げます。実はこれらは互いにリンクしている部分があって、組み合わせで用いるのが主流になっています。よって4手目に(4)△1四歩から、先手がどう対応するのかを考えてみます。

ちなみにこの△1四歩は当初山崎八段が何度か採用し、最初は力戦志向のイメージを持った作戦でした。しかし研究が進むにつれ有力とわかり、プロ間で石田流に大打撃を与えた戦法の1つとなりました。

(a)▲1六歩△5四歩



まず考えられるのは挨拶は返すものということで、▲1六歩でしょう。これには△5四歩を組み合わせます。(上図)

対して(ア)▲7八飛といきなり飛車を振ると、▲7八飛△8八角成▲同銀△4五角▲8五角△8四歩▲6三角成△5二金右▲9六馬△6七角成が一例で下図。



これは後手ペースと言ってしまっていいでしょう。先手が悪いかと言われれば難しいのですが、先手なのに振り飛車側の主張は特になし。

よって(イ)▲6八飛か(ウ)▲6六歩となります。途中下車の(イ)▲6八飛は、3手目▲6八飛より損をしている感。やはり本命は(ウ)▲6六歩ですが。
▲6六歩には△4四角▲7八飛△2二飛▲3八銀△2四歩とする、△4四角型向かい飛車が面白い作戦です。序盤から4段目に角を据えてしまう戦法はなかなか珍しい。


以下の進展例①
▲4八玉△2五歩▲3九玉△4二銀▲5八金左△3三桂▲7四歩△6二銀▲7三歩成△同銀▲7四歩△6二銀▲6八銀△2六歩▲同歩△同飛▲2七歩△2一飛▲6七銀△1五歩▲同歩△1七歩



上手くいき過ぎた例ですが、美濃に組むと端から速攻を仕掛けて後手優勢。こんな簡単に良くなると楽であるw

矢倉に組もうとする進展例②
▲3六歩△2五歩▲3七銀△3五歩▲同歩△同角▲4八玉△2六歩▲同歩△同角▲同銀△同飛▲3九玉△2八歩▲同飛△2七銀▲7八飛△2八歩



この変化は序盤に端歩の挨拶をしたおかげで、途中▲1五角の王手飛車が消えています。やっぱり後手優勢。

というわけで挨拶した相手はヤンキーで目が合うと殴られることが分かったので(笑)、今度は無視する方針でいってみます。

(b)▲7八飛△8八角成



ここで今度は△8八角成が出現します。
以下▲同銀△3二銀。ここで▲1六歩と受けると、△4五角と打って後手よし?



以下▲2二角△1三香と逃げられるのが、端歩を突いた後手の主張です。しかし、▲6六角成△2七角成▲2八飛△5四馬▲1七桂と進んでみると。



この変化は後手有利が定説だったと思うのですが、私はむしろ先手指せると見ています。上図になると先手歩損ですが、先手の方が方針がわかりやすいし、飛車の働きが却って良くなっています。

というわけで(b)▲7八飛には先に△1五歩が勝ると思う。

以下▲4八玉△8八角成▲同銀△3二銀▲3八玉△6二銀とし、今度は端の位を主張にして居飛車模様にします。
そこからはセンスによりますが、▲5八金左△4二玉▲2八玉△3一玉▲3八銀△8四歩▲7七銀△8五歩▲8八飛△5二金右が一例。



この将棋は先手が角交換振り飛車にシフトしました。形勢は互角です。しかし▲7五歩が中途半端であること、端の位を取られていることがあり、先手を好んで持ちたいかと言われると疑問に感じます。

最後に、(b)▲7八飛△1五歩▲6六歩は△3二飛。


これは1局です。ただ現代感覚だと、角道を止めていない後手が主導権を握っているというのがメジャーな意見でしょう。地味に3五歩を保留しているのも手が広い。この将棋なら詰めた端が損になる(手が遅れる)ことはまず無いと思います。

この作戦は序盤から得を目指しているために、乱戦が水面下に潜んでいます。また居飛車と相振り飛車の両方指せる必要があるので、上級者好みかもしれません。

当然、私は好きですw

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KKK 2020/1/18

来週末は土曜日に行います。
日曜日は王将戦の福井地区予選がありますので、参加される方は頑張ってください。


たしか以前、「石田流は後手の有力な対策が多いから指す気がしない」というようなこと口にしたと思います。プロにおいても3手目に▲7五歩とする石田流は、現在絶滅しているといっても過言ではないぐらいです。
しかしアマチュアでは愛好される方が多く、去年県棋界で大活躍(?)したS戸川五段もその一人。N藤五段も石田流のスペシャリストですし、S水師匠も大一番でよく用いています。対策に頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私見ですが、3手目▲7五歩は非常に主張が強い将棋という感じがします。しかし自分の主張だけ押し通せやしないのが将棋であって、その分ウィークポイントもきっとあるでしょう。

将棋小話 -S戸川をやっつけろ!石田流編-

というわけで(笑)、その石田流の出だし(▲7六歩△3四歩▲7五歩)がこの局面。



既にこの局面で後手の手が非常にたくさんあります。
(1)△8四歩
(2)△4二玉
(3)△6二銀
(4)△1四歩
(5)△5四歩
(6)△8八角成
(7)△3五歩
(8)△6四歩(!)
などなど…まだありますが割愛。これだけ有力な手が多いということは、やはり石田流はリスクも高いということです。しかし逆に言うと、以前皆がこぞって対策を立てるほど有力視された戦法とも言えます。何かしら作戦はしっかり持っておきたいところ。

(1)△8四歩
これは20年ぐらい前までは最有力とされていた指し方。以下▲7八飛△8五歩とし、▲6六歩+▲7六飛を間に合わせない作戦です。先手の作戦はいわゆる「早石田」に限定されます。後手としても最大限に突っ張ったと言えるかもしれません。
しかしこれをアマチュアが指せば、かなり先手が勝ちやすいというのが私の印象。今回早石田の解説は避けますが、あまり指されない将棋になっています。

(2)△4二玉
この手は同じく以前主流となっていた指し方で、今も時折指されます。しかし先に△6二銀の方が紛れがないと思うので、今回は割愛します。

(3)△6二銀
ということで、今回のメインはこれ。△6二銀▲7八飛△4二玉と進みますが、ここで先手はほぼ▲6六歩の1手となります。例えば▲4八玉を先にすると、△8八角成▲同銀△4五角で後手よし。また▲7四歩は、△7二飛(△7二金という形もある)で効果が無い。

よって△6二銀▲7八飛△4二玉に角道を止める▲6六歩から、△6四歩▲4八玉△6三銀▲3八銀と進展します。



▲3八玉でなく▲3八銀なのは、▲3九玉型で指す含みがあるから。まずは居飛車の左美濃を見ていきましょう。

(a)△3二銀▲3九玉△3一玉▲5八金左△1四歩▲1六歩△5二金右▲6八銀△8四歩▲6七銀 △8五歩▲7六飛、と進んで下図。



以下、(ア)△3三角と囲いを進めるのが、当時石田流を武器に二冠を制した久保九段など、石田流全盛期に盛んに指された将棋です。
しかし、実はこの将棋は現在では出現しないと言っていいでしょう。
以下▲7七角△2二玉▲5六銀△2四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△同歩▲1七桂が宮本流。



この変化が優秀なために、▲3九玉型で待機しています。これは▲4五銀や▲6五歩が連動して攻めに利いてくるので、先手よし。
よって後手は単純に囲い合うことができなくなりました。そこで(イ)△7二飛と急戦を見せるのが有力な手段になります。

(イ)△7二飛▲7七角△7四歩▲同歩△同銀▲6五歩△7五歩▲3六飛



角にヒモをつけて捌きにかかる▲7七角はこの一手。▲6五歩から飛車は横に使います。ちなみに△7五歩で△7五銀だと、▲2二角成△同玉▲7五飛△同飛▲6六角で王手飛車がかかり後手劣勢。

上図から、①△6五銀▲1五歩△同歩▲1三歩となって下図。



△6五銀に▲3四飛は△5四銀で後手十分ですが、▲1五歩が鋭い。これも▲3九玉型だからこそ指しやすい手と言えます。これも先手が指せそうです。

よって後手は②△3五歩が有力か。
②△3五歩▲2二角成△同玉▲3五飛△4四角▲6六角△同角▲同銀△4四角▲3六飛△6五歩▲7七銀△3三歩


実は温めていた変化ですが…w
上図まで進めて難解な将棋。位を張って後手の威勢が良いようですが、自陣角を打ってしまったのでもう一押しが難しい。そこでじっと歩を打って傷を消すのが研究手で、渋くて気に入っていますw

先手から見た私の感覚としては、先手でこの局面を目指すのか、という疑問が生じる。
これまでは△3二銀として左美濃にしましたが、もちろん(b)△3二玉として舟囲いにするのも考えられます。ここからの変化は多岐に渡りますが、流行を取り入れた面白い形を紹介します。

(b)△3二玉▲3九玉△6二飛▲5八金左△1四歩▲1六歩△4二銀▲2八玉△5四銀▲6八銀△3一金



後手の陣形はエルモ囲い。汎用性のある形として、対振り飛車に広く取り入れられる形となりました。これを右四間飛車とミックスさせるのが面白い。

以下、▲5六歩△6五歩▲同歩△8八角成▲同飛△6五銀▲5七銀△3三桂が一例。


この将棋も形勢は互角。仕掛けた居飛車側がペースを握っているようですが、振り飛車の美濃囲いもしっかりしています。
ちなみに私はネット将棋で類似形を持って、ここで▲6三歩(手筋)と叩いたのですが、なんとこれが悪手。▲8二角~▲9一角成で香得になったものの、△7一金で馬が封じられ苦戦に陥りました。

やはり先手を持っていると考えた場合、こんな簡単に仕掛けられてしまうこと自体が不満ともいえます。

ここまでは後手居飛車の作戦でした。他の4手目に関しては、相振り飛車や、”ハイブリッド”の作戦になります。(△6四歩を除く。これはマル秘テーマw)
また次回。続くかな?

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KKK 2020/1/12

日曜日に行います。

もうすぐ受験の方もいらっしゃるでしょうか。
将棋ばっかしてた私でもF高→F大に入れたのだから、なんとかなるさw
特別は普通の上に成り立ってこそ立派なのです。

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