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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

傲慢と横暴のハーフ&ハーフ

今週のKKKですが、勝手ながらお休みさせていただきます。
労働状況的に、免疫低下してそうな気がするので。。。
他人への労りは大事にしたいと思う1週間でした。(なんのことやら)


将棋小話 -矢倉△5四銀型-

自粛の日々は、ぜひ存分に将棋の研究をお楽しみください。
さて、今回のテーマは矢倉です。矢倉は今、様々な形が指されていると前に申し上げましたが、全てに触れようとすると話が空中分解しそうですw 現在一番のメインとなっているのは、先後とも米長流の急戦矢倉でしょうか。しかしながら、ともかく沢山の形が指されており、本当は取り上げたい将棋が尽きません。
その中で今回は、昨年末ぐらいから新しく指され始めた、腰掛銀(△5四銀)の矢倉を取り上げたいと思います。

まず流行形の前提として、この形は先手が持久戦型、つまりは▲6六歩型のときに目指すのが基本になっています。ただし、この辺りの話はまた最後に触れたいのですが、これはあくまで現時点での前提です。もう1つ抑えておくと、▲6六歩型とは以前に指されていた5手目▲6六歩のことを言っているわけではありません。序盤の駆け引きはここでは省略します。



後手は今、腰掛銀に構えたところです。まだ右四間からの急戦と、持久戦を天秤にかけている状態です。要するに先手はどちらにも対応しなければならないので、▲7九角や▲6八銀などと囲いを決めることができません。
よってここから、▲9六歩△1四歩▲3七銀と進みます。



囲えないなら右銀を繰り出し、先に攻めの形を作るのは自然な構想です。対して、後手の指し手が面白い。(というか第1感は変。私は未だに違和感があるw)最初に掘り当てたのは誰なのだろう。

△4四歩▲2六銀△4五歩▲3五歩△3一玉



先手の右銀に対抗するため、後手は△4四歩と応じます。ならばと先手は▲2六銀ですが、ここで△4五歩の二段突き!さらに▲3五歩には△3一玉!
もし▲3四歩なら、△同銀で自動的に角道が通る算段です。そうすれば(何故か)攻めれる形になっています。

形勢は難しく、同じような将棋で少しずつ陣形を変えたり、全く違う展開に進んだりしています。この端を突き合うのはNHK杯戦の行方九段vs深浦九段戦で指されました。

王将戦の決着局では、また非常に難解な展開となりました。



▲7九角+▲3七桂と構えたのが工夫でしょう。この形に対しては当初の構想通り右四間にします。以下、△6二飛▲5七角△1四歩▲6九玉△9四歩▲9六歩△6一飛▲6八銀と虚虚実実の駆け引きが繰り広げられます。



以下△4二銀で攻めを目論みますが▲4六角でそれを牽制。△4四歩で追い払おうとすれば、▲2四歩△同歩▲5五歩。そして△4五歩▲2四角△5五銀▲4二角成と大味な将棋になりました。
正直に言えば、この序盤の展開は難しすぎて、まだ私には解析ができていません。

どちらかと言うと私は▲3七銀型の方が自然かな、と思うので(実際、プロでもほとんど▲3七銀型を選んでいる。)、今回も少しだけこた(仮が考えていることを出してみます。(盲信注意!w)



▲7八金を保留して組んでいるのが違いです。
以下△7四歩なら、▲3七銀△5四銀▲4六銀と組みます。



後手にはここで①△4二銀、②△4四歩、③△4四銀などが考えられますが、一足先に▲4六銀型を作ることができました。
△7四歩に代え△5四銀なら、▲3七銀△4四歩▲6八玉と早囲いを目指します。


△4四歩と止めた瞬間なので、早囲いを咎めることは困難でしょう。今度△4五歩なら後々▲4六歩~▲4八飛と位を直撃できます。

さて、私は最初にこの作戦の前提は、先手の▲6六歩型だと述べました。理由は6筋を争点にする構想だからです。しかし実は直近で、▲6六歩と突いていない形に対しても△5四銀と組んだ将棋が指されているのです。これは矢倉の腰掛銀という形自体に対する、新たなチャレンジかもしれません。

そもそも腰掛銀の矢倉というのは、長きに亘って指されなくなっていた戦法でした。右四間を除外すれば、それこそ昔の総矢倉vs銀矢倉のような形まで遡ってしまいます。

だから、もしかすれば大きな鉱脈が眠っている領域かもしれません。これから大きく流行する戦法に成り得る…かも?

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