将棋小話 -同形角換わり-
現代角換わりの戦術講座とかすると、火傷しそうな気がする。というのは、非常に細かくて難しい変化が多いからです。プロ棋戦で主流でなくても、指せそうな将棋が実はたくさんあります。
今は眠っている、流行が過ぎて使えなくなった持ち球の数々。
さて、従来同形角換わりといえば▲5八金、△5二金型の、昔から指され続けてきた歴史ある戦型でした。今はパッタリと指されなくなってしまいましたが、最新形の角換わりでも同形になることはあります。
それが上の図で、△4四歩と突いたところ。今ではほとんど指されていませんが、とても難解な変化です。
ここは戦機を捉え、▲4五歩と仕掛けていくのが定跡です。以下△同歩▲同銀△5五銀は必然でしょう。(必然と言いましたが、気になる手は多くある。)
そこで▲2四歩 △同歩▲2五歩が有名な手順で、プロの将棋でもほとんどこう進んでいます。
今は眠っている、流行が過ぎて使えなくなった持ち球の数々。
さて、従来同形角換わりといえば▲5八金、△5二金型の、昔から指され続けてきた歴史ある戦型でした。今はパッタリと指されなくなってしまいましたが、最新形の角換わりでも同形になることはあります。
それが上の図で、△4四歩と突いたところ。今ではほとんど指されていませんが、とても難解な変化です。
ここは戦機を捉え、▲4五歩と仕掛けていくのが定跡です。以下△同歩▲同銀△5五銀は必然でしょう。(必然と言いましたが、気になる手は多くある。)
そこで▲2四歩 △同歩▲2五歩が有名な手順で、プロの将棋でもほとんどこう進んでいます。
しかしこの将棋が現れたとき、私の第1感は違いました。
上図から▲4五歩△同歩▲同銀△5五銀に、▲3五歩。
いかにも筋。私の感覚ではどう見たって継歩より本筋w
対して並の手は①△同歩でしょう。▲3四歩△2二銀と壁銀を強きます。ここで(1)▲2四歩△同歩▲同飛としたいのですが、これは△2三歩と受けてくれず、△4四歩で先手が不利。
そこで単に(2)▲2六飛と浮きます。
これにも△4四歩と打ち、▲5六銀 △同銀▲同飛 と進みます。この変化は飛車回りの味が良いかと思ったのですが、△2七角と打たれて見ると…
これが▲6三銀を消す強力な利きで、これは先手が失敗。
上図から▲4五歩△同歩▲同銀△5五銀に、▲3五歩。
いかにも筋。私の感覚ではどう見たって継歩より本筋w
対して並の手は①△同歩でしょう。▲3四歩△2二銀と壁銀を強きます。ここで(1)▲2四歩△同歩▲同飛としたいのですが、これは△2三歩と受けてくれず、△4四歩で先手が不利。
そこで単に(2)▲2六飛と浮きます。
これにも△4四歩と打ち、▲5六銀 △同銀▲同飛 と進みます。この変化は飛車回りの味が良いかと思ったのですが、△2七角と打たれて見ると…
これが▲6三銀を消す強力な利きで、これは先手が失敗。
代案を考えます。(3)▲2四歩△同歩▲5六歩。
銀に先に働きかけておくことで、△4四歩を打たせない。以下△4六銀▲2六飛△3六歩▲同飛と進行しますが、もし▲2四歩△同歩が入っていないと、ここで△1三角があります。で△4七歩▲4六飛で図。
以下、(a)△3五角▲5七金△4六角▲同金か、(b)△4八歩成▲同飛△4七歩▲同飛△4六歩という進行が考えられ、形勢不明。
この変化を後手が嫌がるなら、実は避けることが可能です。▲3五歩に対し、②△4七歩と一度叩いておきます。これには▲3八金ぐらい。既に「なるほど!」と思えた方は強い(確信)。
以下、△3五歩▲3四歩△2二銀という先ほどの順を踏襲し、(1)▲2四歩△同歩▲5六歩△4六銀▲2六飛△5七角。
△4七歩▲3八金を最初に入れておけば、△5七角が刺さるので後手よし。
しかし、今度は(2)▲2六飛と単に浮く手が復活します。すぐ△4四歩は二歩なので、△4八歩成 ▲同金△4四歩と成り捨ててでも打つ。▲5六銀△同銀▲同飛△2七角には、1歩取ったので▲4五歩があります。
これは先手よし、と言いたいところですが、どうやら難しいようです。こういう変化を調べてみると、ややこしくて頭がこんがらがってきます。「細かくて難しい」というのがお分かりでしょう。
いろいろ見てきましたが、実は別の有力な手段がありました。一番最初の同形の形から、▲4五歩△同歩▲同銀△5五銀▲3五歩△同歩▲3四歩△2二銀▲2六飛△4四歩に、▲5六歩と大胆に自玉のコビンから攻めます。
ちょっと気づきづらい手(コビンを開く上に後手を引く)ですが、後手の壁銀もひどいので成立するかどうか。これがあるなら、今までの研究は全て無駄になりますw
何気なく指されている将棋の裏には、淘汰された誰かの血のにじむような研究が隠されているのです。
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