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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2020/10/24

土曜日です。
来られる方はご一報ください。

レンジから出した”へしこ”が炭と化してました。


~ご案内~

あわら市民将棋大会

 日時:10/25(日) 9:30開始
 会場:あわら市湯の町公民館

 ※あわら市民でなくとも参加自由

自分で言うのもなんですが、こた(仮と指せる大会です。
「こた(仮を成敗してやる!」という正義の心で(?)ご参加くださいw

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KKK 2020/10/17

土曜日に行います。


将棋小話 -角換わりの立ち上がり-

最近の角換わりで、▲4五桂ポンの攻めが復活しています。▲5八金型や▲3八銀型などバリエーションはありますが、叡王戦の豊島vs永瀬戦では最速の▲4五桂ポンも指されました。これを念頭に入れながら、角換わりの出だしについてちょっと検証してみたいと思います。

初手からの指し手
▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7六歩△3二金▲7七角△3四歩▲8八銀△7七角成▲同銀△2二銀▲4八銀



①△3三銀▲3六歩△6二銀▲1六歩△1四歩▲4六歩△6四歩▲3七桂△4二玉▲3五歩△同歩▲4五桂△2二銀▲1五歩



これが上記の叡王戦の進行です。形勢は難しいと思われますが、先手が勝ちやすそうなイメージ。実戦も先手の豊島竜王が快勝しました。
▲1六歩に対して△1四歩では△6四歩のように受けない手もあり、これなら先手は速攻しづらく、個人的には有力だと思っています。ただし現在のプロの将棋では全く指されていません。端歩を受ける受けないは早繰り銀の変化にも関係しており、とても難しい。ただし角換わりには▲2六歩型もあり得ますが、このとき▲1六歩には△1四歩と受けたい(▲1五歩~▲2五桂が嫌な攻め筋になる。)面もあり、結局受ける将棋が先に俎上に上がっているところがあります。(しかしながら、▲2六歩型には雁木を選ぶこともできる。この辺り、オールラウンダーなら選択肢は広がる。)
△6四歩▲3七桂△4二玉では△4二玉▲3七桂△5二金とすれば、▲3五歩~▲4五桂はやや無理筋。しかしこれは△8一飛~△6二金型を指すときに、弊害が起こる可能性がある。詳しくは取り上げませんが、一例がこれも叡王戦の最終局で示されました。

え、難しすぎる?ブラウザバックしないでw
②△6二銀



というわけで△3三銀を一旦保留し、△6二銀とする。これもよく指されているので、ご存知の方も多いでしょう。
対して▲7八金なら△3三銀で、普通に戻る。
また▲2四歩△同歩▲同飛は△3三角と切り返して、▲3四飛なら△2八歩、▲2八飛なら△8六歩▲同歩△8八歩で後手優勢になります。

上図からの指し手(1)
▲3六歩△6四歩▲2四歩△同歩▲同飛△3三角▲3四飛



▲3六歩△6四歩とすると、▲2四歩△同歩▲同飛が成立する可能性があります。以下△3三角▲3四飛に△2八歩が甘くなっており、難解。

(2)▲3六歩△7四歩▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△7五歩



▲3六歩△7四歩と突くと、今度▲2四歩は図まで進めて後手有利。実はこの形の有効性は、以前2438くんに指されて知りました(実戦は読んで▲2四歩と仕掛けなかったが)。王将戦では先後逆で図の局面を経由し、やはり先手が▲7八金と指しています。以下先手が早繰り銀を選びましたが、後手が腰掛銀を選んだ時△7四歩と突いていると手が狭くなっている意味があります。
細かな違いに一長一短がある。

(3)▲1六歩△1四歩▲2四歩△同歩▲同飛△3三角▲3四飛△8六歩▲同歩△8八歩



これは先日の順位戦、永瀬vs郷田戦。逆に永瀬王座が先手を持って速攻を選びました。新機軸の仕掛けですが、本譜の進行は形勢不明。これも端の交換があって生じている変化。
ウチのソフトちゃんは△3三角▲3四飛に△4二玉を推奨し、後手が指せると言っていますが真偽は不明。

アマチュアにとっては序盤の激しい変化は、もしかすると敬遠されるところかもしれません。でも一度研究してみると指したくなるのが人情というものですよ?

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最後に残ったものが自分自身だ

以前使った記事タイトルを知らず知らずもう一度使いそうな気がする今日この頃(記憶力低下)。

県王将戦最終戦がありました。
私にとっては虎の子ともいえるタイトル。命題・死守!w

①T田五段
戦型は相振り飛車。途中までは事前の作戦でしたが、相振りは手が広く網羅は難しい。やや不用意なT田さんの手に乗って十分な体制を築いたものの、突っ張って角道を通したのは危険でした。猛攻され「まむしのと金」が這い寄り、自玉は一手一手。それでもこちらも反撃し、感覚は1手勝ちと見ていました。でも…詰めろが…。もうお互い時間は無い。自玉が受け無しになり、最後の王手ラッシュ。馬捨てでカッチリ詰んで、○。(ホントは詰んでなかった気がするが…打ち切りは最後必ず時間勝負になるから難しいのです。)

②S井五段
S井さんの1手損角換わりに。対して早繰り銀を採用し、▲8六角と打ったのが研究手。しかしその後を研究していなかったw 結局やや作戦負けになってしまいました。先手ながら自玉を固めて待つしかない展開。後手から自陣角で打開を図ってきましたが、これは恐らく疑問手。角筋を避けて早逃げし、角があまり働いていません。今度はこっちのターンだ!とばかりに角を敵陣に打ち込みます。歩の手筋を駆使し、○。

③N西六段
前回は1手損角換わりを目指す序盤から、相掛りに変化。今度も同じ立ち上がりでしたが、1手損を受けました。さて、やはり早繰り銀にしましたが、よくありそうでいて見たこと無い序盤戦。積極的に行ったものの、実はあまり自信を持っていたわけではなかった。しかし自信満々っぽい演技(?)が効いたのか、相手のスーパー自重で先手有利に。しかしノータイムで指した▲6四歩が錯覚!本気で錯覚である。本気と書いてマジで錯覚であるw その後角を取りに行ったのですが、これも推定悪手。暴れにいくも、切れ模様に。時間があればもうちょい追い込める手が指せた気もしますが、最後は大差で×。

④2438六段
最終局。先ほど私は敗れてしまったものの、順位の関係で分かりやすく優勝決定戦。
戦型は私後手の角換わり。後手の場合2手目はなんでも△8四歩で、2438くんの注文を受ける予定でした。そして相早繰り銀に進展します。比較的早く進み、△2七銀(▲2八飛が居る)と打つまでは予定。いわゆる花村銀。対局中は忘れていましたが、以前2438くんが指していた手順をトレースしていたようだ。そして▲8五銀と打った手がどうだったか?(でも「こうやるものかと」と言っていたので、研究だったのかも)じりじりと形勢は後手に傾き始めます。先手は銀のタダ捨てで暴れてきますが、正直ここは勝ちを意識していました。しかし、これがミスを呼ぶ心理なのかもしれない。(今になって考えると、いろいろ読み違いをしている…おかしい。後で指摘されたN藤さん説とかの方が俄然マギレがなかった。)何故か相手の自陣の金が気づいたら突進し、4枚の攻めになっています。悪魔に魅入られたように逆転負けし、×。

けっか
①2438六段 全勝優勝を達成。ちなみに今期無敗。は?
②こた(仮 「2438くん包囲網を作ろうぜ」
③T田五段 安定感抜群。
④N西六段 常勝。
⑤K下五段 「こた(仮さんがN西さんに勝てば4位だったのに」知らんがなw
⑥S戸川五段 前期4位ながらシードも危ぶまれていたが、最後は上位相手に意地の3連勝。
⑦M前四段 大物キラー。
⑧O滝六段、Y本五段、N藤五段、S藤五段 同星でたくさん並ぶ(M前さんも実は同星ですが、これは前期順位による)。

さて、いつも記事のタイトルに一番悩むのですが、今回も悩みました。いつもは「はぁ…この年になって中二病台詞考えるのつら…」って感じなのですが、今回は(毎回か?)恨みつらみ(笑)をぐちぐち述べたい心情に陥っておりました。10年越しの彼女に振られたような、そんなメンタルでブログを書いてますw
王将戦の最終戦を迎えるにあたり、ここ一ヵ月ほど対2438戦に綿密な作戦を練っていました。当然ながら研究が実戦に登場するかは水物です。今回は以前2438くんが指していた作戦を狙い撃ちした形になりましたが、それはたまたまで、同じ相早繰り銀でも全く違う変化も想定していました。もちろんこの過程は王将位を得るという結果を求めたものであって、それについては敢え無く失敗したのでした。
以前読んだ米長先生の本に、勝負は「運・鈍・根」が大事ということが書いてありました。私もそう思います。でも将棋の実力を高めるものはまた違うと思っています。

無いものを見つめるな。それが前進するための哲学だ。

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鴻雁来

申し訳ありませんが今週末はKKKをお休みとさせていただきます。

今年は寒くなるのが早いですね。皆様体調を崩さぬよう気をつけてお過ごしください(ズビッ

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How much 魂の対価

盤の前ではどんな将棋を指すかが己の価値だろ。

なんて言いながら、行きの車で「もう無理や…勝てぬ…ヨワス…」とかほざいてましたw
ということで小松まで北國王将杯に参加してきました。石川県では久々の大会再開とのことです。

予選はK北さんと対局。
先手となり、序盤は駆け引きのすえ▲5八玉型の相掛りに。後手は持久戦の構えでしたが、積極的に仕掛けていきます。やや強引かと思いましたが、奏功して手にすることに成功。速攻が決まって、○。

トナメはくじ運の無い私には珍しく、シードを引く。周囲の将棋を観戦していましたが、面白い将棋が多く退屈しませんでした。W塚くん、掛かりの無い敵玉を詰ますw

二回戦(私には一回戦だが)、相手はM越Jr.五段。そんなに福井からの出場者は多くないが、やっぱり誰かしら早々に当たってしまうものだ。そもそも予選の4人組の残り2人は、キノとM越Jr.くんでしたw
戦型は横歩取り。以前ブログでも取り上げていた△4二玉を採用し、M越Jr.くんが長考。意表は突いたみたいです。しかしながら序盤は危ない展開にしてしまい、神経の使う将棋。堪えきれず飛車を切ったものの、上手く対応されて明らかに失敗しました。しかし相手も誤って泥仕合に突入。お互い時間が無くなって角をタダ取りされたりしましたが、一応○。

三回戦、中2のY原くんと。
戦型は相掛りで、今度は▲6八玉型に。序盤は研究を外れ(忘れ)、よくわからない展開になりました。途中一本取ったかと思いましたが、やっぱり先の展開がよくわからずじっと我慢を選びます。その後交換した飛車を▲1一飛と打って△2二飛で閉じ込められた(2二飛、2一桂、1二香)ものの、またじっと▲3七桂と活用。角で攻めようときたところをカウンターし、○。

準決勝、A田くんと対局。去年やはり準決勝で敗れた相手で、リベンジの絶好の機会が回ってきました。
そして本日3局目の相掛り。自分で言うのもなんですが、オールラウンダーの自分には珍しい。先の対局で研究を思い出していましたw その反省が生きたのか否か、研究通り進んでいましたが、気付くとあまり芳しくない。どちらも打開の順はあったと思いますが、折り合って千日手に。(先手で千日手にするとは…不覚。)
再戦は角換わり。序盤は自陣角で少しアドバンテージを取ったかと見ていました。ただ中盤の入口にはお互い秒読みに突入。(準決勝から30秒の秒読みが付きました。)時間に追われていろいろ歩を突き捨てましたが、悉く裏目ってリードをかなぐり捨てた感じ。しょうがなく身命を賭した突撃したものの、自信は全くありませんでした。しかし相手玉を薄くしたのは実戦的に大きく、なんとか攻め切る。○。

決勝戦に。相手は優勝候補大本命のN平さん。目下4連敗中、リベンジagain!
戦型はN平さんが雁木にし、こちらは早繰り銀型の速攻に。5筋の位を取られるという一風変わった対抗策を用いられました。銀を捌き、一度玉に手を入れます。相手も玉を動かしますが、ここである手に気付く。△7七銀が強手!さっきの玉が移動した手で、桂を手に入れると王手飛車取りが生じていました。私の猛攻ですが、自玉も薄いので微塵も油断できません。また時間も切迫してきますが、追われながら指した角の転換が運良く決め手に。勝勢になってからは「絶対に逃さん!」という激辛流で、○。

北國王将杯では初の優勝となりました。
キノ(←3位入賞)「いやー、こた(仮さんが優勝するとは思いませんでしたよw」

最後はN平さん、W部さん(アマ棋界の有名人)、キノ、こた(仮で夕食。W部さん、ローカルネタばかりですみませんw
もっぱら楽しい一日でした。

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雀かわいい

今週末はKKKをお休みします。
日曜は気合を入れて小松に乗り込みますw

さて、矢倉では▲7七銀から組むのが主流になった関係で、早々に▲2六歩~▲2五歩を決めるのが現在の環境です。
しかし、これは以前の飛車先不突の定跡に齟齬が生じる可能性があるということ。もっと精査が必要だと感じているのですが、誰も彼も意外と掘り返していません。目指せパイオニア。

というわけで今回は”スズメ刺し”。
飛車先を伸ばす”あらまし”を述べるのも しちめんどくさい 長いので、これはすっ飛ばしますw



上の図は△9四歩と突いたところで、これがスズメ刺しの第一歩。先手が持久戦を目指せば、割と現れやすい局面だと思います。

▲6七金右△9五歩▲3七銀△7三桂



後手が着々と狙いの形を目指していますが、先手としては▲9六歩と受けておくのも有力。しかしこれは別の将棋になるので、今回は割愛します。ただ「矢倉の端歩は受けるな」が意外と浸透しているのか、8割ぐらいは受けないような気がします。
後手は△6四角で先手の攻めを牽制していない。まずは攻めてみたくなるところ。
(1)▲3五歩△同歩▲同角△9三香▲7九玉△9二飛


▲3五歩からの歩交換は手順に入城するルートを作って、効率の良い手です。△9三香+△9二香が”スズメ刺し”と呼ばれる作戦で、今は全くといっていいほど指されていないにも関わらず、知名度はかなり高いと思われます。

①▲8六銀△8五歩▲7七銀△9六歩▲同歩△同香▲同香△同飛▲9七歩△9一飛



①▲8六銀は形ですが、これは△8五歩で追い払ってOK。以下進んで普通に香交換が確定する。▲9七歩でもし▲9七香なら、△同角成で食い破って後手が有利。歩に対して突っ込むのは雑なので引き上げますが、もちろん後手充分です。

②▲8八玉△8五桂▲8六銀△9六歩▲同歩△9七歩▲同桂△同桂成▲同香△8五桂▲8九桂△9七桂成▲同銀△9四香打


②▲8八玉には△8五桂から攻めを開始します。この作戦の本懐と言えるでしょう。執拗に攻め続けて後手指せる。

③▲8八銀△8五桂▲6八角△9七桂成▲同銀△9六歩▲8八銀△9七歩成▲同香△同香成▲同桂△9六歩▲9八歩△9七歩成▲同歩△9三香▲9九香△8五桂▲8九桂△9七桂成


③▲8八銀はがっちり受け止めに行ったようですが、後手は気にせず攻める。今度は△9七桂成から行くのが急所。△9七歩成▲同香△同香成△同桂に△同角成としてしまうと、▲6八角の利きを生かして▲9五香でも▲9三歩でも先手良しになります。逆に△同桂で△同銀だったなら、△同角成が王手で後手良し。というわけで必然の手順になりますが、結論は千日手です。

今度は(1)▲3五歩とせず、(2)▲6八角から囲う手を見てみます。
(2)▲6八角△9三香▲7九玉△9二飛



①▲8八銀△4三金右


①▲8八銀に△8五桂から攻めようとするのは、今度は▲8六歩で無理筋。後手は壁銀を強いたことに満足し、持久戦に切り替えます。1局ですが後手成功と言って差し支えないでしょう。

②▲8八玉△8五桂▲8六銀△9七桂成▲同銀△9六歩▲8六銀△8五歩▲8四桂△9一飛▲4六角



②▲8八玉にはやはり囲っておくのが有力で1局ですが、これまで同様に攻めるとどうなるでしょうか。△9六歩で△8五歩はたまに出てくる筋ですが、▲7九玉△9六歩▲8八銀でどうか。△9六歩に▲同銀は、△同香▲同香△同飛▲9九香△9七歩▲同香△同角成▲同桂△7五歩…となって、これも昔からある筋になります。さて、▲8六銀に△8五歩で決まったようですが、▲8四桂の切り返しがありました。上図まで進むと先手優勢で、△6四歩と受けると角の利きが止まって▲8五銀と取られてしまいます。▲8四桂を好タイミングで打たれるとスズメ刺し失敗図になるので、気を付ける必要があります。

スズメ刺しは「攻めやすい」&「相手が研究していない」で、アマチュアならかなり勝ちやすい戦法だと思います。最善で来られても別に不利なわけでもない(相手の形に対して、スズメ刺しを諦める柔軟性は求められる)ので、レパートリーに加えておくといいかもしれませんね。

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KKK 2020/9/27

日曜日に行います。

ネット将棋での県名人の棋譜を調べてました。
強っ


-秘技▲7八銀-

今回はたぶん初登場、相振り飛車。こた(仮の"とっておき"を披露する。
ぶっちゃけ、こんなとこで紹介してしまうような奴ではないw だが使う機会も無いし、眠ったままなのも惜しい気がする。誰かこた(仮新手として広めてくださいw

初手からの指し手
▲7六歩△3四歩▲6六歩△3二飛▲7七角△3五歩▲7八銀△4二銀▲6七銀△6二玉▲8八飛△7二銀▲8六歩△3六歩▲同歩△同飛▲8五歩△7一玉▲3七歩△3四飛▲2八銀△5二金左▲4八玉△3三銀▲3八玉△4四銀▲8四歩△同歩▲同飛△8三歩▲8六飛△4五銀▲4八金△1四歩



昔からある向かい飛車vs三間飛車。女流棋戦では現在進行形でよく指されている形です。序盤のポイントは▲6九金型で構えていることで、ほかに難しいところは特にありません。△4五銀はいわゆる里見流で、有力な作戦と認識されています。ここでは△3五銀も有力ですが、これにも今回紹介する作戦は問題なく使えます(むしろ楽)。

▲6五歩△7七角成▲同桂△5五角



▲6五歩と強く角交換を挑みます。後手は角交換を拒否しても1局ですが、それはややつまらない。交換して攻防に△5五角と据えます。
次の手が本作戦の骨子。

▲7八銀



後手の手が△5五角でなくても、先手は基本▲7八銀。次の手番で▲7五歩と伸ばし、陣形が低いのか高いのかわからない形を作ります。
以前から、この戦型では自分(向かい飛車側)から角交換をして戦うことができないか?というのを考えていました。それを基にいろいろ作戦を練り、できたひとつがこの陣形です。

△1五歩▲7五歩△3六歩▲同歩△1三桂



▲7五歩は次に▲6七角を狙っています。この作戦は▲6七角、▲4一角、▲2二角、▲2六飛などが狙い筋になります。△3六歩~△1三桂は暴れる準備。残念ながら後手の攻撃陣は既に半壊している。(先手は受けの力が必要にはなるが…)

▲2六歩△3六飛▲同飛△2八角成▲同玉△3六銀▲1八角△3五歩▲8二歩



先手も怖い形になりましたが、▲8二歩と反撃し先手有利と見ます。△同玉なら▲7四歩。△2五桂という勝負手はあるものの、うまく左辺に泳げれば勝ちになりそうです。先手陣は左側から飛で攻められないのが強み。
はっきり言って、相手が初見なら本譜より大成功する可能性は高い。自分で指してみた方は本ブログに報告コメントお願いしますw

ちなみに実戦で指したのは一度のみ。T田五段に対する初見殺しで終わったw

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KKK 2020/9/20

日曜日です。


将棋小話 -時代を逆行する△6二銀型-

今回は相掛りのお話。相掛りはとても由緒ある戦法ですが、まだまだ評価が定まらない変化が数多く残された戦型です。

初手からの指し手
▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲3八銀△6二銀



さて、今回は後手目線でお楽しみください。
先手の▲3八銀は最近の流行で、ほとんどがこう指されています。後手も△7二銀と追随する場合が大多数なのですが、△6二銀と上がってみます。これも当然ながら自然な形で、割と近年まで主流でした。

▲6八玉△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8四飛▲7六歩△3四歩▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2六飛△4一玉



飛車先を交換するタイミングがお互い考えどころというのは最新の相掛り事情ですが、簡明を期すため本譜は早めに交換しておきました。先手の陣形は最近よく見る形。後手は△4一玉型が近頃では珍しい。ほとんどが△5二玉か△4一玉(△7二銀型で)と指されています。

▲4六歩△5四歩▲4七銀△5五歩



 ▲4六歩に対し△5四歩は、▲6八玉型に特に有効な指し手。△5五歩と位を取ったとき、玉を移動しないと▲6八銀が指せないからです。ただし▲4六歩で▲3六歩と指された場合は、一度△5二金や△7四歩がオススメ。▲3六歩に△5四歩では、▲3七銀△5五歩▲4六銀と手順に位を目標にする手が厄介です。
こういう中央志向の作戦は現代では軽視されがちです。しかし相手の動きによって柔軟に以前の指し方を取り入れられると、作戦の幅がさらに広がります。

▲3六歩△5三銀▲3七桂△4二銀上▲4八金△7四歩▲2九飛△6四銀▲5八玉△7五歩



先手は▲4八金+▲2九飛という、やはり流行形を目指してみます。もちろん▲5八金型も有力。後手は右銀を繰り出しますが、位を支えるのかと思いきや7筋からの開戦を狙っていました。先手は自然な手を指し続けて(陣形だけ見れば)理想形に組み、もしかしたら途中は作戦勝ちを意識していたかもしれません。しかし△7五歩と仕掛けた局面は、既に後手ペースになっています(形勢はほぼ互角とはいえ)。

これは上手くいった例ではありますが、僅かな手順前後や配置によって将棋は常に大きな広がりを見せてくれます。81マスの宇宙なんてのは、ありきたりな表現ですけどね。
古い棋譜から使える形を掘り起こす楽しさが判ってきたら、貴方もマニアの第一歩を踏み出しているかもしれませんw

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悲哀の残像

カテゴリが「withこた(仮」ではない…悲しみ…

日曜日は県名人戦3番勝負が行われました。とっくに県棋界の第一人者、若き2438名人に今回挑戦するのは、初登場のW塚五段。初といってもその実力は折り紙付き、見応えある勝負が展開されるのは必至でしょう。
会場は例年通り福井新聞社ですが、入口すぐのロビーにブースを作っての大盤解説になりました(感染対策)。フェイスガードとか初めて付けましたわ。溶接とかしてみたい。

第1局。先手はW塚五段になりました。
戦型は先手四間飛車。W塚くんは基本振り飛車党かと思うので、予想された選択です。序盤は「耀竜」を意識させる進行でしたが、2438名人の作戦は天守閣美濃。この辺り、私も「意外」と発言しましたが、手が進むと練りに練られたものであると判ります。つまり、バランスを取りながら→銀冠→穴熊と組み換えを狙う作戦。先手が先に銀冠を完成させ、先手の義務【打開】を模索します。後手が強気に銀冠を目指したので、▲7五歩から仕掛けました。(ここは▲4五歩から行くのも有力だったと思う。)以下▲8五桂と先に捨て本格的に戦いになったものの、△7六桂が見据えていたカウンター。一気に終盤戦に突入し、形勢は後手良し。先手も勝負手を探しますが、後手が手厚く押し切りました。
2438名人が充実ぶりを見せつけて先勝。

午後からの第2局。先手は2438名人。
「将棋指しは負けず嫌い、リベンジの四間飛車を採用するか。」「そして、返り討ちの天守閣美濃で応戦するか。」という感じで、序盤を煽る解説w(当然対局者には聞こえない)そして予定調和とばかりの盤面が顕現するw それでこそ煽りがいがあるというものだ。
さて、今度は後手が△6五歩と位を取り、木村美濃に組んでバランス型に構えます。仕掛けず手詰まりを狙うような作戦かと思いましたが、先手が穴熊を目指したのを見て△6四銀~△5五歩と動いていきました。速度計算が難しいコクのある中盤戦となり、先手が地球の裏側の攻め(玉側と反対側の端攻め)を間に合わせに行きます。対して悠々と陣形整備し、玉頭戦に全てを懸ける展開。しかしここで妙手が出る。2438名人の▲2三と~▲5二歩成が素晴らしい着手で、玉頭戦に参加するはずの飛車か角が取られることになってしまいました。以下9筋から襲い掛かるのは後手の勝負手ですが、丁寧に応じてさすがに潰れません。逆に先手が制圧し、盤石の寄り切り。
2438名人、連勝なる。

ということで2438名人の防衛で8連覇となりました。今期はいまだ無敗という無敵っぷり。
おめでとうございます。

私はいろんなところが痛いw(意外とマイクの負担がでかい)

さて、時系列は前後しますが、土曜に王将戦を1局消化しました。相手はM前四段で、前期土をつけられた相手です。
M前さんの三間飛車にこちらは左美濃。プロでも多い戦型ですが、玉頭銀に打って出てこられたので銀冠から穴熊に組み替えました。見ていたN藤五段が一言「前期負けたからむっちゃ慎重に指してるな」。否定はしません。局面はやがて打開され、形勢は駒得となった私が良し。やはり玉頭での勝負が鍵になるも、ここはチキンハートで駒を埋め、気づくと駒柱が立ちました。手厚く押し切り、○。

残るは王将戦3次戦。嘗て負けた記憶は、勝って払拭する。

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