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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2020/11/28

土曜日に行います。


-実戦と研究-

「もっと研究しとけば良かった」となることも時にはあると思いますが、やはり実戦を積まないと研究は深まっていかないですね。
というわけでチャリティー将棋大会の準決勝を今回は題材にします。痛恨の1局をさらしていく胆力っ…!

位が重視されない現代将棋にあっても、やはりそれはいくらかのアドバンテージがある。テーマは先手中飛車に対し5筋を突き返していく形だが、出現確率は意外と高くない(王座戦で出たのはまた違う構想)。先手も後手も避けているイメージ。

先手:K下五段(=キノ)
後手:こた(仮

▲7六歩    △8四歩    ▲5六歩    △6二銀    ▲6八銀    △3四歩
▲5五歩    △4二玉    ▲5八飛    △3二玉    ▲4八玉    △5二金右
▲3八玉    △5四歩



8八の角が浮いた瞬間、相手の飛車先を突き上げる△5四歩。5筋を奪い返すことができれば、基本は先手(奪い返された側)が手損になる。よって後手の構想としては昔からある戦術だ。
先手としては先に▲7七角と上がっておけばこの筋は回避できるが、すると別の構想が有効になる場合がある。具体的に言うと以前キノと△6三銀~△7四銀とする将棋を指したので、それを警戒したのかもしれない。

▲5七銀    △5五歩    ▲6六銀    △5三銀
▲5五銀    △5四歩    ▲6六銀    △6四歩    ▲7七角    △6三金
▲2八玉    △8五歩    ▲3八銀    △4二銀上  ▲1六歩    △1四歩
▲7八金    △7四歩    ▲5九飛    △7三桂   



▲5七銀△5五歩に▲6六銀では、▲4六銀も有力。次に▲5五角と取り返す手を狙っているので、以下△8五歩▲7七角△5六歩▲6六歩…が想定手順。一応後手が十分指せる変化だと思う。
本譜▲5五銀まで手に乗って進軍できるが、△5四歩にこれ以上進むことはできない。これで5筋の位を消すことに成功した。 さらに△6三金まで構えてしまえば5筋から潰されることはない。
以下上図まで駒組みとなる。ここまでが私の持っていた知識で、後手番としてはまずまずという認識だ。ここからは手探りだが、この局面を先手が選ばない(と私は思っている)ので以降の研究が無いというわけだ。
ところで「後手も避けている」と最初に書いたが、実はここまでに気になる変化がある。それはKKKで聞いてくださいw

▲9六歩    △9四歩
▲2六歩    △3一金    ▲3六歩    △6五歩    ▲5七銀    △7七角成
▲同 桂    △8六歩    ▲同 歩    △同 飛    ▲8七歩    △8二飛
▲5六銀    △7五歩    ▲4六角    △8一飛   



▲2六歩では▲4六歩の方が普通。△3一金では(1)△4四歩と(2)△4四角も有力で、迷ったところ。(1)△4四歩▲3六歩△4三銀▲2七銀△4二金はじっくりした戦いで、後手番としては申し分ない。(2)△4四角は▲2七銀と上がれば本譜同様の△6五歩の仕掛けが一層好感触になり、今考えるとこれが最有力だったと思う。
△8六歩▲同歩に△同飛では、△7五歩▲同歩△8六飛という仕掛けもあった。これに先ほどの△4四角を組み合わせれれば、後手有利。本譜の場合は▲5二角のような反撃でいい勝負だろう。
▲4六角は好着。対して△8一飛は手拍子だった。ソフトは△6四角押しだが、一例として▲5五歩△4四銀▲6五桂△同桂▲同銀△5五角…読みにくい変化だ。

▲7五歩    △6四金
▲7四歩    △同 金    ▲4五銀    △7二角    ▲7五歩    △6四金
▲同 角    △同 銀    ▲7四歩    △8五桂    ▲7三歩成  △同 銀



△7二角は辛い我慢。以下▲7五歩△6四金に本譜は▲同角だが、▲5四銀という好手があったようだ。以下△同金▲7三角成  △7一歩▲4六桂となって先手優勢。ただこの銀の捨て方は違和感があるので、私も気づいていなかった。
しかしながら▲7三歩成も好手。単に▲6五桂も見えるが、これは△同銀▲7三歩成△6四角で先手玉のコビンが開いているのが痛く、ハマり形になる。
▲6五桂    △6四銀    ▲7三歩    △8三角    ▲5四銀    △6五銀
▲7二歩成  △5八歩    ▲同 飛    △5七歩    ▲同 飛    △5六歩
▲5九飛    △7二角



▲5四銀では▲6六歩が勝った。本譜は好転を感じていたが、最後の△7二角では△5四銀▲8一と△4四桂がよく、これで後手優勢。それが指せたら強いという手で、発見したかった。

▲6五銀    △7七桂成  ▲5三歩    △同 銀
▲7七金    △5五角    ▲4六桂    △7七角成  ▲5四歩    △4二銀
▲6四銀    △4四桂    ▲2七銀打  △5九馬   



△7七桂成が狙いの一手だったが、▲5三歩が返し技。これに△同銀は実は悪手で、▲5六飛△5五歩▲8六飛△8五歩▲7三歩△6三角▲6六飛△7八成桂▲7二銀とすれば先手優勢がソフト説。が、これは指せない手の類い。
途中▲6四銀を見落としており、直前の△4二銀では△4四銀だったか…と対局中は少し後悔していた。それでも△4四桂は勝負手で、流れで△5九馬から攻めに賭ける。しかし△5九馬では受けに回るのも有力だった。 

▲同 金    △8九飛
▲4九金    △5七歩成  ▲5三歩成  △3六桂    ▲同 銀    △同 角
▲4二と    △同 金    ▲3四桂    △3三銀    ▲4二桂成  △同 銀
▲3四桂    △4九飛成 



△3六桂では(1)△4七と、と(2)△3六角が見えるところ。この辺りは時間も切迫してきている。(1)△4七と、は1手負けと見て真っ先に切り捨てたが、これが最有力だったか。(2)△3六角も指したかったが、これは勝ちが発見できなかった(この読みは当たっていたようだ)。本譜は直観で負けだと思っていたが、仕方ない選択だった。
以下△3三銀に▲4二桂成では、▲2二金△同銀▲4二桂成△同玉▲5三角で先手が勝っていた。△4九飛成で詰めろを掛け、自玉が詰まされたらしょうがないと思っていたが…

▲4二桂成  △同 玉    ▲5三角    △3二玉
▲3三歩    △同 桂    ▲3一金    △同 飛    ▲同角成    △同 玉
▲4二銀    △2二玉    ▲3三銀不成△同 玉    ▲3四歩    △2四玉
▲3三銀    △1三玉    ▲2五桂    △同 角    ▲2四金    △同 歩
▲同銀不成  △1二玉    ▲3二飛    △2二歩    ▲2三銀成



指している内に詰まない気がしてきた。結果論だが詰みは恐らく無かった(?)。相手の持駒が飛車と歩だけになり、勝ったと思った。最後、▲3二飛に△2一玉なら、先手は投了しかなかった。

△同 玉
▲3三歩成  △2四玉    ▲2二飛成  △3五玉    ▲2五龍    △4四玉
▲3四龍
まで145手で先手の勝ち

最後、頓死しなかったら好局だったと思いますw

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