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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

雑談の帝王

来月から仕事場が変わることになりました。今日が最後ということで贈り物を頂き、本当にありがたいことだと思いました。仕事ができる人間かはわかりませんが、次のところでも仲良く楽しくやれる人間でありたいなと思います。

日曜の竜王戦は久々の開催ですね。今週末のKKKお休みといたしますが、GW中にやりたいなと思っています。いつがいいかなぁ。

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ハチャメチャが押し寄せてくる

支部名人戦西地区大会に行ってきました。
前日(金曜日)は北陸勢で夕食を取った後、ホテルの自室に。さてゆっくりするかと思ったのも束の間、「ピンポーン」と鳴る。さきほどのメンツがぞろぞろと。
K重くん「桃鉄する?」こた(仮「寝るわ!w」

予選は4人一組の2勝通過で、1-1の場合は隣の組と対戦する方式です。

予選①△K玉さん(滋賀)
私の予選1局目は、いきなり準アマ名人の強豪と対戦となりました。
戦型は相掛かり。持ち時間が短いので序盤は飛ばそうと思っていましたが、25手目にしていきなり手順前後。強く応戦したものの、いきなりリスクの高い戦いになってしまいました。そこで長考してなんとかバランスを取ろうとしましたが、桂交換後ふんどし(角銀両取り)があるのを普通にうっかり。力が出せないまま、×。
ちょっと内容が無かったので、すっぱり切り替えたいところ。

予選②▲I戸崎さん(宮崎)
存じ上げませんでしたがお若い方。負けると終わってしまうので、1戦必勝です。
戦型は相振り飛車。1歩取らせて良い形を作るのは、最近のトレンドという感じ。相振り飛車では珍しいですが、私の趣向です。端を受けてきた▲2六銀を上手く生け捕って、形勢はこちらが良し。ただその後玉頭から殺到する手を警戒していました。本譜は守りに回ったので差が広がり、○。

予選③△T山さん(京都)
この方も存じ上げませんでしたが、たぶん学生だと思います。
戦型はリベンジを期して相掛かり。ちょっと相手の方の序盤が手探りで、後手ひねり飛車になったものの私の作戦勝ちに。優勢のまま寄せに入りました。いよいよ決め所というところでしたが、利かしと思った▲4四銀が大ポカ。切り返されてパニックになり、推定悪手連発で玉を逃げ回られて混戦に。一応玉を下段に落とすことには成功し、最後は気合の踏み込みで詰めろを掛ける。自玉はギリギリ詰まず、○。
…運がありました。これを負けたらショックで寝込むところでした。

トーナメントの抽選は、いつも通り逆シードから。はいはい、テンプレテンプレ。でも引いたときに既にシードが残ってないのはヒドいw

トナメ①▲Y田さん(兵庫)
私と同世代で、学生時代から関西の強豪として有名でした。たぶん向こうは私のこと知らないだろうけどw
戦型は相手の方の先手ゴキ中。序盤で駆け引きがあって、私は△4三銀型の穴熊になりました(県名人戦で2438くんが指した作戦で、逆を持った形)。銀交換後▲6三銀が相手の読みに基づいた打ち込みで、焦らされて動いたもののやや無理筋か。しかしこちらも△5八銀とタダのところに打って攻めを継続します。続くか微妙なところでしたが、本譜は飛車がさばけて穴熊が活きる展開に。穴熊の暴力が決まって、○。

トナメ②▲K子さん(福岡)
全国常連の強豪。以前の支部名で当たったころがあり、その時は私が制しています。
戦型はまさかの英春流(まぁ、K子さんはそう思ってないかもしれないが)。前日K内くんに「研究忘れたわー」とか言いながら、きっちり作戦勝ちを得ます。ただチャンスと見て仕掛けたのが悪手で、逆に苦しい中盤戦に。と金を作られて相手が厚い将棋で、上部に玉を脱出されたら劣勢だったと思います。本譜は飛車を切って決めにきましたが、取らずに▲7三竜(横利きで玉の脱出を防ぐ)が狙いの一着。正直言えば、勝ちになったと思いました。△6二金は苦しい粘りでしたが、落ち着いて▲3三竜…これが2手スキになっていなかったのが痛恨だった。と金を寄せに間に合わされ、×。

残念ながらここで敗退となり、結果はベスト16でした。
他の方はシニアのY本五段もベスト16、団体は1-2で予選通過ならずでした。また富山代表で出場していたW塚五段がベスト8という結果でした。

今日、自宅で目が覚める。昨日の局面が頭に浮かぶ。あれ、▲3三竜で▲5三銀と打っていたら…。
全国大会というのは特殊な環境下で、普通なら当たり前に見える手が指せないことは多々あります。それは気負いだったり、プレッシャーだったりするのでしょうが、自分の力をしっかり発揮できる人はなかなかいないと思います。
敗退した対局では、最後こちらに勝ちがあったという感想戦になりましたが、それは結構難しい手順でした。でも▲5三銀なら自分にも指せたはず。それで問題なく勝ちだったはずです。
しかし実際は、相手のK子さんも気づいていなかったようでした。私はともかく、K子さんはプロアマ戦にも出たことがある方です。つまり、そういうことなのです。(そもそも、このクラスは普段なら逆転させないような気がしますが。)

一番は自分の内面にあるものとの戦いなのかもしれません。その勝負はきっといつまでも続くのでしょうが、私にはなかなか勝つことは難しい気がします。

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順位戦レポート2022

今週末のKKKはお休みです。
支部名人戦に行ってきます。


順位戦は見ている分には面白い、とは将棋世界で順位戦観戦記を書いている”野獣”こと泉八段の弁ですが、まさしくその通りだと思います。順位戦は一日制では最も持ち時間が長く、特にAとB1はストップウォッチ制で深夜まで戦いが続きます。こうなると良くも悪くも、将棋の技術だけではない特殊な世界となるのでしょう。
何が起こるかわからない、それが順位戦!

A級
挑戦者:斎藤八段
的中率:0/1
今期予想:藤井竜王

斎藤八段の2期連続挑戦!しかも連続8-1は、率直に素晴らしい成績。今日から金沢で名人戦第2局が始まっています。ただ極論、この名人戦で勝たなければ意味がないので、いま斎藤八段は必死なのではないかと思います。ただ実績で勝る渡辺名人が有利か。
降級は羽生九段と山崎八段となりました。羽生九段の降級は大ニュースのはずですが、思ったより騒ぎにならなかった感じ。最終局前に決まっていたのもあるかと思います。羽生さんは全体でも不調でしたので、今年度の巻き返しを見たいところです。
今期の挑戦者予想は、いわずもがな。勝率8割男に不安は全く無い。最低でもプレーオフぐらいにはなりそう。

B級1組
前期昇級:藤井竜王、稲葉八段
的中率:2/2
今期予想:千田七段、佐々木七段

はい予想的中よゆー。
とはいうものの、最初稲葉八段に負けが込んだ時は「また外したか…」と思いましたw ただ実力者なのでA級カムバックは順当というところでしょう。藤井竜王に関しては誰が見ても本命で、2敗は喫したものの圧巻の昇級でした。千田七段は9勝を上げたものの頭ハネで、無念だったはずです。
降級は木村九段、松尾八段、阿久津八段。木村九段が降級となったのは、昨年の時点で考えるととても意外。ただ昨年度は不調で、いち木村ファンとしてはぜひ挽回してほしい。また、くしくも山崎八段、松尾八段、阿久津八段の降級組でABEMAトーナメントのチームとなりました。こちらではぜひ大暴れしてほしいです。
今期予想は、まず本命はアベレージの高い千田七段。対抗は難しく、本来なら羽生九段は有力。ただ今期は若手有利は揺るがなさそうで、最年少の近藤七段もあると思います。予想は佐々木七段で、前期は7連勝→5連敗とまさかの大失速。今期こその思いは強いでしょう。

B級2組
前期昇級:澤田七段、中村太地七段、丸山九段
的中率:1/3
今期予想:木村九段、増田六段、大石七段

予想から外したら上がる中村七段、こた(仮はやはり貧乏神かw 澤田七段は毎回好成績でしたので、いつ上がるかという感じでした。最後の一席は丸山九段と鈴木九段というベテラン同士の争いとなりましたが、丸山九段が最終戦きっちり勝って決めました。…ここも三連単狙えたなぁ。
今期予想は結構難しいと思いますが、本命は正直いない。上位で8-2なら上がれそうかな、という印象です。ということでまずは降級してきた木村九段、最近までタイトルを持っていた人ですから、戻してくれば余裕でしょう。増田六段も実力者かつ上位なので、有力だと思います。3枠目は大石七段を予想、地味(失礼)ですが前期7-3、指し盛りですし来そうな気がします。

C級1組
前期昇級:大橋六段、及川七段、飯島八段
的中率:1/3
今期予想:石井六段、出口六段、伊藤五段

勝率主義者のこた(仮、大橋六段は的中。及川七段は詰将棋的終盤力がソフト時代で活きている感じがします。凄八こと飯島八段は、正直全くノーマークでした。某とんねるず(私の棋友)も酒を飲みながら喜んでいるに違いない(一緒に研究会してるとか)。最年長昇級を目指した高橋九段は、勝てそうな局面を作っただけに惜しかったです。
今期予想は上記3人。石井六段は毎回C1リーグでは好成績、上がるのは時間の問題か。出口六段はタイトル初挑戦を決めノリにノッているし、伊藤五段は藤井竜王を抑えて最高勝率、単純に強い。ただ他にも有力所はいますので、全部的中するのは至難と思います。

C級2組
前期昇級:渡辺和史五段、西田五段、伊藤匠五段
的中率:0/3
今期予想:服部四段、池永五段、本田五段

予想から外したら上がる(またか)西田五段、おめでとうございます。伊藤五段は先述した通り昨年度は大活躍で、最終戦で対抗の服部四段が敗れたため順位戦昇級の切符も転がり込んできました。渡辺五段も最終局大熱戦で、はっきり負けていそうでしたが執念の逆転勝ち。一番ドラマがあったクラスでした。
今期予想→正直わからん。最有力は服部四段で、前期も最終局に勝てば昇級でした。今期は絶対逃さないの心境と思います。またずっと推しの佐々木大地五段ですが、疫病神なので今回は外しましたw でも有力だと思います。というわけで予想は池永五段、本田五段としましたが、対抗馬が多すぎます。梶浦七段、黒沢六段、高野六段、八代七段、斎藤五段、冨田四段で10人予想でもいいですかw

さて、今期は何が起こるのか。

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KKK 2022/4/16

土曜日に行います。
たまには対面で行いたいと思いますが、いかがでしょうか?


将棋小話 -繊細な乱戦-



本日出現した将棋をいきなりピックアップ!上図の局面は王将リーグの池永vs羽生戦から。1手損角換わりで最もメジャーな立ち上がりです。
余談ですが、羽生さんは調子を落としているためか、最近はいろいろと試行錯誤されていますね。この1手損もそのひとつだと思います。

この局面で一番実戦例が多いのは(1)▲3七銀です(本譜は(2)▲7七銀)。
早繰り銀はずっと有力とされていますが、以前はソフトの評価値が高く出ていました。しかし、実は最近のソフトはそれほどでもないようで、以前先手が指せると見られた変化が見直されています。細部まで解説はしませんが、(1)▲3七銀に次の手は△6三銀。

指し手(1)
▲3七銀    △6三銀    ▲3五歩    △同 歩    ▲4五角    △5四銀
▲2三角成  △4五角    ▲同 馬    △同 銀    ▲2四歩    △3六歩


△6三銀に▲3五歩は上図のように進み、後手が指せます。
しかし▲3七銀が▲7七銀に代わっていると、今度は(2)-1▲7七銀△6三銀▲3五歩△同歩▲4五角の変化は先手よし。
これがまず大きな違いです。

指し手(2)-2
▲7七銀    △3二金    ▲3七銀    △7四歩    ▲6八玉    △6三銀
▲4六銀    △7五歩



よって△3二金と備えることになります。しかしこの手は保留したい意味があり、理想を追うなら(2)-3△4四歩という手も考えられます。これには▲3七銀保留を活かして▲4六歩から腰掛銀を目指す手(4筋に争点ができている)や、▲2四歩△同歩▲3五歩△同歩▲4三角からとりあえず馬を作っておく手も魅力です。

先手は後手の手損を咎め、できるだけ早く動きたい思惑があります。早く▲4六銀と上がって早繰り銀で速攻を仕掛けたい。例えば▲4六銀で▲7八玉には△7三桂で、のちに△6五桂や△8五桂が当たってきます。形勢はともかく、最初に上がった▲7七銀を狙われるのは避けたい。
しかし本譜は△7五歩と突かれ、今度は後手から△6五角を狙われます。これも▲7七銀型の弊害といえますが、お互い細心の手順を踏んだ結果が乱戦を呼ぶのです。

上図からの指し手
▲同 歩    △6五角    ▲9六角    △4七角成  ▲6三角成    △4六馬
▲3七銀    △5五馬    ▲6六銀    △5四馬



先手にも当然切り返しの用意があり、▲9六角がそれ。以下水面下で研究されていた将棋だと思われます。形勢不明ですが、私が使っているソフトではほぼ互角の評価値のようです。

ただ私の所感では後手が怖い将棋に見えます。もし先手が勝ちやすいとなれば、この変化を見据えて定跡が進歩するでしょう。(実戦は後手勝ちだったようです。)
今後の見通しは、私には立ちませんw

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KKK 2022/4/9

土曜日に行います。
リモート研究会です。(コロナが減れば対面もしたいが…

ABEMAのドラフト会議、今回は抽選が多くて面白かったです。やっぱり持っている人は違いますね(藤井竜王)。でも優勝候補筆頭はチーム斎藤かなー

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真心込めて(当社比)

県王将戦の1次戦がありました。20人超の大リーグを、3回に分けて戦います。
最近の傾向で、小中学生が多数参加しています。

①▲K川くん
小学生名人戦の県代表。早指しでバシバシくるタイプ。
先手番ながら1手損で角交換してくるのは、県棋界のちびっ子たちの常套手段ですが、ハッキリ言えばちゃんとした戦型を勉強した方がいいと思います(まぁ、まだ小学生ですからね)。▲7九玉に△6五桂から仕掛けて、盤全体でガンガン攻めます。この形は難しいところはあるものの、こちらが指せると言われている将棋。気持ちよく攻め切って、○。

②▲N島くん
粒ぞろいと言われる中学2年生の世代で、若狭地区の俊英。
こちらも先手番で角交換されましたが、今度は角交換四間飛車。私は(先後の違いはあるものの)ブログでも書いた銀冠の将棋。意表の仕掛けで思わず長考となったものの、馬を作って後手良しの分かれ。手堅く押し切って、○。

③△S井五段
戦型は矢倉に。土肥矢倉でちょこまか動きますが、攻めを引っ張り込まれて非常に難解。S井さんも判断が難しかったと思います。全面戦争になりこちらの玉にも火が付きますが、先に攻めていたのが大きく手勝ちの形勢に。最後は一手勝ちを読み切りで、○。

④▲T下くん
研修会通いの中2世代の一角。
角換わりが飽きたので(笑)、角道を止めて四間飛車に。対する彼の作戦は超予想外の玉頭位取り。▲6五歩に△6二飛は定跡の一着ですが、力比べといった趣です。△5四金と出て6筋から一気呵成に攻めていきました。金駒の力で切り崩し、○。

⑤▲T橋四段
南越代表の四間飛車党。以前は大会でいつもお見かけしましたが、コロナ禍で久々にお会いしました。
3手目▲6六歩に相振り飛車を目指しますが、T橋さんが居飛車にして対抗形に。石田流から積極的に仕掛けていきます。成否は微妙かと考えていましたが、結果的には上手くいきました。竜を切って桂香で攻めを繋ぎ、○。

⑥△T本さん
得意戦法など存じ上げなかったのですが、筋違い角を打たれ力戦形に。無理攻めを誘って優勢になったかと思いましたが、攻め合いに転じたのは少し危険だったかもしれません。と金取りに▲7八歩(悪手)の瞬間、△5七歩の好打をうっかり。一気に際どくなるものの、こちらも▲5二歩の軽打一発で切り返し。最後は自玉にギリギリ詰めろがこず、競り勝って○。

⑦△T山四段
昨年の県名人戦ベスト4、本大会では前期8位でシードを獲得した中2世代のエース。
戦型は1手損角換わり。先手の私は素直に早繰り銀に出ます。▲5五歩にいきなり△7五歩とちょっかいを掛けられ、思わず手が止まります。(どこかで見たことがある気がしましたが、実戦例があるそうです。)手堅く打ったつもりの▲8六銀打が微妙な手で、ここは形勢を損ねていたかも。ただ本譜は飛車交換の激しい展開で、先に詰めろが入り優勢に。寄せはちょっとヨレた感じもしましたが、○。

今日は上位陣崩れず。
誰とは言いませんが、「こちらが悪い将棋でしたね」とか言いながら毎回勝ってるのが面白くないねw

私は次回も序盤から丁寧に指しますよ!

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矢倉流中飛車 vs▲6六歩型

今週末のKKKはお休みとさせていただきます。

矢倉流中飛車の続き。
前回までで、(1)▲6六銀型には充分対抗できることが判りました。今回は(2)▲6六歩型がどうなるかを見ていきます。

指し手(2)
▲6六歩



上図からの指し手①
△5五歩    ▲6七金    △5六歩    ▲同 銀    △5五歩    ▲6五銀
△4二金    ▲7八金    △7二銀    ▲9八香    △4五歩



▲6六歩は「歩越し銀には歩で対抗」の格言通りの一着ですが、後手はチャンスと見て△5五歩と攻めていきます。先手としては△6四銀の前に▲6六歩~▲6七金を間に合わせればこの筋は消えるのですが、そうすると△6四銀と出てくれません。△5三銀型に角道を止めるのはちょっと消極的です。(ただし先手が悪いわけではなく、手堅く行くつもりなら有力。実戦例もありますが。)というわけで銀がぶつかる変化に突入します。
△4二金は▲4三銀を防いだ手。
▲9八香には▲2四歩も考えられますが(後で出てきます)、このタイミングだと△同角と取られ、▲2二歩には△3三桂~△4五桂と使われてお手伝いです。

上図からの指し手(a)
▲9九玉    △6五銀    ▲同 歩    △5六歩    ▲3三角成  △同 桂
▲5八歩    △3九銀    ▲3八飛    △4九角    ▲3九飛    △5八角成
▲6六銀    △6七馬    ▲同 金    △4八金



▲9九玉は自然な一着ですが、△6五銀~△5六歩と果敢に攻めます。▲5八歩に△3九銀が鋭い一手。銀損ながら攻めが続きます。上図まで進んで後手やや良し。

指し手(b)
▲2四歩    △同 歩    ▲2二歩    △6五銀    ▲同 歩    △5六歩
▲6六銀    △4六歩    ▲同 歩    △5七歩成  ▲同 金    △同飛成
▲同 銀    △7七角成  ▲同 桂    △3九角    ▲7五角    △2八角成
▲4二角成  △2九馬



今度の▲2四歩に△同角と取るのは、歩が邪魔して△4五桂と跳ぶことができないので、▲9九玉からじっくり囲う手が間に合って先手作戦勝ち。
▲2二歩と打たれて忙しくなりますが、飛車を切り飛ばしてガンガン行きます。先手も△3九角に▲7五角が切り返しの一着ですが、上図まで進んだ局面は後手が指せそうです。

指し手(c)
▲5七歩    △5三銀    ▲7五歩    △6四歩    ▲7六銀    △5四銀
▲9九玉    △5三金    ▲8八銀    △4二飛    ▲2六飛



以上の理由で△4五歩には▲5七歩と受けるのが最善です。先手にとっては気が利かないようですが、こうされると後手も一気呵成に攻めるのは難しく、持久戦になると銀交換は先手に分があるので、△5三銀と引くのが良いでしょう。
以下は組み替えて第2次駒組みです。先手の穴熊を防ぐことはできなかったものの、後手も中央に勢力圏を作りました。
この変化は、どちらかというと先手目線で研究していたものでしたが、後手にも主張があると思います。

指し手②
△9二香    ▲6七金    △9一玉    ▲9八香    △8二銀    ▲9九玉
△7四歩    ▲8八銀    △7一金    ▲7八金    △7三銀引  ▲3六歩
△6四歩    ▲1六歩    △5一金    ▲3五歩    △同 歩    ▲3八飛



最後に従来の相穴熊も見ておきます。
△5五歩と仕掛けず、お互いが穴熊に。後手は△7三銀引とせず△7二飛から手を作りたいのですが、▲8六角とされると頓挫します(△7五歩には▲6五歩)。
機を見て飛車を活用すれば先手ペース。まだまだの局面に見えるかもしれませんが、飛車の働きが違いすぎてかなり苦しい将棋です。

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KKK 2022/3/21

(日にちを変更しました)
月曜日(祝)に行います。
リモート研究会です。


-新しいことを学ぼうとする、その取り組みが大切-

初手からの指し手
▲2六歩    △3四歩    ▲2五歩    △3三角    ▲7六歩    △2二飛
▲3三角成  △同 桂    ▲6五角    △4五桂



前回のKKKより。
私は指しませんが、初手から▲2六歩△3四歩に▲2五歩と決める指し方をする場合、△3三角▲7六歩に△2二飛とダイレクトで回る作戦があります。先手の指し手は、後手の作戦を狭める意図があると私は思っているのですが、これは先手が▲2六歩△3四歩▲2五歩と決めなければ出現しえない将棋です。
以下、普通に▲4八銀などとするのは△4二銀で、後手が△4二飛などで途中下車した場合と比べて1手得になります。よって▲3三角成~▲6五角を打ち、△4五桂から激しい展開になだれ込みます。

上図からの指し手(1)
▲4三角成  △5七桂不成  ▲5八金右  △6九桂成  ▲同 玉    △4二銀
▲6五馬    △7二銀    ▲6六馬    △3二金



△4五桂は5七を何か受けさせて、△5五角と打つつもり。先手の飛車の横利きを止めれば、9九の香が受けづらくなります。
まず▲4三角成と受けない変化は、金桂交換で後手が駒得に。
△4二銀に▲3四馬は、△5五角▲6六桂△3六歩で先手が危険です。
よって上図まで進んで、最後の飛車角交換を恐れない△3二金が好手。駒得が大きく後手がやや有利な形勢でしょう。

指し手(2)
▲7八金    △5七桂成  ▲8三角成  △8二飛    ▲6五馬    △6七成桂
▲同 金    △8七飛成  ▲7八銀    △8八龍



(2)▲7八金は△5五角の筋をカバーしながら、△5七桂不成が両取りにならないようにした手。よって△5七桂成としますが、そこで▲4三角成は△4二飛で後手良し。
本譜▲8三角成にも△8二飛とぶつけます。成桂が狭いので(多少もったいない感じもしますが)△6七成桂~△8七飛成を実行し、上図まで。難しいながら後手が指せると言われています。

指し手(3)
▲4八銀    △5五角    ▲9八香    △9九角成  ▲7八銀    △4二飛
▲8三角成  △9八馬    ▲5六馬    △8四香    ▲4五馬    △8七香成



(3)▲4八銀には狙いの△5五角を放ち、以前は後手が良いと言われていました。ただし結論から述べてしまうと、現在は先手が指せる変化とされています。
一旦先手は桂にヒモを付けて▲7八銀としますが、△4二飛と受けるのが面白い手。やはり後で△8二飛と回る手を残しています。単に△9八馬とした実戦例もあるものの、▲4三角成で先手良しと言われています。
△8四香はかなり厳しそうな手。一度△4四歩と受けておく手も見えますが、▲7九金△8四香▲4六歩△8七香成▲同銀△同馬▲8八香で先手が指せます。
本譜は▲4五馬で桂を取り返せたものの、△8七香成の局面は先手が辛そうにも思えるところです。

上図からの指し手
▲同 銀    △同 馬    ▲3九銀    △8二飛    ▲8八香    △6九馬
▲同 玉    △8七歩    ▲7五桂



▲3九銀は知らなければなかなか指せない手だと思います。後手同様に飛車の横利きが重要です。△8二飛にも▲8八香が強打で、▲3三角の王手飛車の筋があるので取ることができません。
本譜は最後の▲7五桂が、6三の地点を睨みながら、真の狙いは▲8三歩で飛車先を止めること。先手が指せそうです。

実は先手はこの展開を避けて、7手目に▲3三角成とせずに▲4八銀から穏やかに指したとしても、形勢が悪くなることはありません。ましてや後手がわざわざ6手目に△2二飛としてくること自体が少なくなっています。おろそかになりやすい変化だと思います。
ただ、私は初手から▲2六歩△3四歩▲2五歩という出だしを選択するからには、この変化は必ず押さえておくべきだと、切に思います。

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KKK 2022/3/12

土曜日に行います。
リモート研究会です。24の感想戦機能が使い切れない罠。


今回は昨今の雁木対策について纏めてみます。
前回のKKKで「雁木に苦戦している」という話を聞きましたが、相居飛車の将棋はどれも難易度が高い。少しずつトライアル&エラーで取り入れていけば良いでしょう。
以前も語ったことですが、雁木は基本的に後手の戦法として(または囲いの発展形として)、広く使われています。戦法成立のためのハードルの低さ(4手目に△4四歩と突けば大体できる)もありますが、当たり前のことながら、その優秀性が認められているからです。
そんなわけで、雁木対策も様々なものが考えられ、現在進行形で進歩しています。

先手(雁木を相手にする方)の作戦は大きく分けると、以下の3つに分類できます。
(1)矢倉系
(2)早繰り銀系
(3)腰掛銀系

また、後手(雁木をする方)にとっても2つのパターンがあります。
①初手から△3四歩~△4四歩として能動的に雁木を目指す
②相手の形を見て雁木にシフトする

(1)矢倉系



矢倉で対抗する将棋は、後手のパターン①で先手が矢倉を選択する場合、②で相矢倉を選ばず後手が雁木を選択する場合、どちらもあります。これは以前にも記事にしました。

▲4六角とする手が変わらず主流です。以前と異なるのは、角を出るタイミングがかなり早くなりました。
上図の局面で、後手が駒組みを進めるためには△6四歩としたいのですが、それには△5四歩~△4二角とする必要があります。後手に形を決めさせることができますね。

「それなら▲4六角とされる前に△6四歩を突いておけばいいのでは」というのが、一番素直な着想です。早繰り銀が強敵という認識ですが、対抗できそうな節もあります。今後、もしかすると後手にとって有力な手段となり得るかもしれません。

(2)早繰り銀系



これは後手のパターン①に対する作戦です。②に対しては現時点では後手が指せると思います。

早繰り銀系と書きましたが、実際は▲2六銀と出る形もよくあります。また左銀は▲7八銀と▲8八銀の両方有力で、これからの展開が変わります。
一番の注目所は、上図の形でしょうか。
上図から(2)-1△7四歩なら、▲3五歩と仕掛けていきます。変化が多いですが、一例として△同歩▲2六銀△3四銀▲3八飛という感じです。これは先手が指せそう。
しかし(2)-2△5二金の場合は、前述の▲3五歩△同歩▲2六銀△3四銀▲3八飛の変化だと、△4三金右でイマイチ。よって▲7八玉△7四歩としてから▲3五歩を決行し、△同歩▲2六銀△3四銀には▲5六歩と突きます。今度は▲6八角と角で銀交換しにいくのが狙いです。駒の捌きがスムーズですね。

(3)腰掛銀系



後手のパターン①では、先手の基本の囲いは左美濃。ただ②で角換わり拒否でもよく出現するので、その場合は▲6八銀+▲7八金型となります(上図)。

左美濃では△8五歩に対して▲7七角と受けない将棋も多く、どちらも有力という印象です。
後手は△6四歩型と△5四歩型がありますが、今はもっぱら△5四歩型。△6四歩型は右四間が強力と思われます。ただ後手がちゃんと指したとき、本当にまずいのかはよくわかりません。

上図から先手は(3)-1右四間にするか、(3)-2居飛車のまま右桂を活用し、後に▲4五歩の仕掛けを狙うのが普通です。
ただ、角換わり拒否型の雁木はソフトも得意にしているようですが(余談ながら、最近は将棋ソフトのことをAIと呼ぶことが多いですが、私はかなり違和感があります。たぶんテキトーなマスコミがそういう記事でAIと呼んだのが発端なのでしょうけど… AIって人工知能のことだからなー。)、(3)-3すぐに▲4五歩から角交換を目指す形を、ソフトは好んで指しています。(どの局面で▲4五歩と突くかは難しい。)
上図から▲4五歩なら△5三銀か△4五同歩ですが、人間的には取る方が普通だと思います。その場合は角交換して、4筋と2筋の歩を切っておくのが先手の狙いとなります。

主要な形だけ取り上げました。これだけで雁木に対して自信を持って対応するのは無理だと思いますが、参考にしていただければ幸いです。
特に(3)-3の展開は人間にはまだ見慣れない将棋だと思われるので、逆に新たに取っ付きやすいかもしれませんね。

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