忍者ブログ
男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2022/6/18

土曜日です。
リモートで行いたいと思います。


将棋小話 -縁遠い戦型-

プロがよく指している将棋でも、アマには難しくて好まれない戦型はままあるものです。しかしながら、「この将棋よく見るなぁ」と思う頃には、ある程度の形はその人にインプットされていることでしょう。そうなるとちょっと漫然と局面を眺めるようになるかもしれません。
見たことのない将棋の方が、お目にかかったときの脳への刺激は大きいかも。



上図は横歩取りに戦型が確定したところ。熱心な人が後手番で誘導して、ぼちぼちと指され続けています。最近はここで△4二玉と指し、次に△7四歩と突く手が多いですね。
色々な手がある局面ですが、今日はこんな指し方をご紹介。

上図からの指し手
△8八角成  ▲同 銀    △3三桂



角交換し△3三桂と跳ねる手は、割と最近発見された指し方ではないかと思っていますが、誰が最初に指したのかは不明。もし詳しい御仁がいたら教えてほしいですが、見たこともないという人の方が多いかと思います。

上図からの指し手(1)
▲7七角    △7六飛    ▲7二歩    △同 金    ▲3三角成  △同 金
▲同飛成    △4二銀    ▲7七銀    △2六飛



▲7七角と打つ手は最初に考えてみる手。ただ良くすることは簡単ではありません。
▲7二歩と打つのが手筋で、△同銀は▲8二歩があります。これで壁を強要してから、▲3三角成と突っ込みます。
しかし△4二銀と普通に当てられてみると意外と大変。上図まで進んで、竜当たりが残っているので以下▲2七歩△同飛成▲2八歩と先手を取り、△2五龍▲3二龍△4一角。先手が悪くはなさそうな気がしますが、後手を持ってもいい感触もあります。

指し手(2)
▲2四飛    △2二銀    ▲6八玉    △5二玉    ▲3八銀    △2三銀
▲2八飛    △8四飛



▲2四飛が本手。△2二銀に▲2一角と強襲するのは△2三銀▲2八飛(▲3二角成や▲2三同飛成は無理筋のようだ)△4二玉▲3二角成△同玉で耐えているようです。
よって上図までが一例で、一旦落ち着いた展開になります。この局面は従来の横歩取りに近い形となっており、少なくとも青野流は防げています。(正確にはダイレクトで▲2八飛と引けていることや、▲8七歩を保留できていることがあり、先手に主張が多いが)かつて後手番で横歩取りが好きだった方には食指が動くかもしれません。

普段は縁が無い指し方にも、興味を持てる一助となれば。

拍手[2回]

PR

KKK 2022/6/11

土曜日です。
今回は自宅で行いたいと思います。

今まで自戦の棋譜を並べてもらっていましたが、少しレベルアップして自身の課題となる手順の解説→指定局面戦をやります。
ポイントは、以下の通りです。
・手順中の手の意味を整理すること
・形勢判断を理由付けして述べること
・変化手順をいくつか列挙できること
・暗記してくること

拍手[0回]

全自動カタパルト

今日は県アマ選手権が行われました。竜王戦と同じく予選はシードで、トーナメントからの参戦です。この日までに考えた作戦をひっさげ、気合は十分。

一回戦・▲Y田四段
戦型は角換わり。Y田さんの棒銀でしたが、その銀が撤退し持久戦に。再び駒組みになり、上手く組み替えて作戦勝ちとなりました。相手の勝負手にも怯まず切り返し、一直線に攻めあいます。自玉周辺の金駒も取られますが、飛車か金を渡さない限り詰まない形。寄せ切って、○。

二回戦・△N西六段
序盤の駆け引きがあり、がっちりとした相矢倉に。私も最近はあまり指していない形ですが、矢倉は以前得意にしていた戦法でもある。懐かしの加藤流から仕掛けます。△4五歩の突き違いで対抗されたものの、この展開はこちらが指せることを「知って」いました。ただ「優勢なのだから攻めていって勝てそう」という思いが勇み足に繋がります。時間も無くなって訳が分からなくなり、△8七歩の王手に▲7八玉が現実的な敗着。相手の攻め駒に近づいて、先に詰めろが掛かる形になっては勝ちが無かった。悔しい1局となり、×。

正確にはN西さんが最初に感想戦で指摘した△8六歩手抜きが悪手。また△9五桂に▲8六金と逃げたのも悪手。その直後△8七歩と王手で叩かれる訳ですが、▲9八玉の一手でした。これなら実戦的には勝ちがあったかもしれません。(ソフト曰く△6五桂と歩頭にタダ捨てする鬼手があって、後手有利らしいですが。)

考えてた作戦…使う前にやられたw
ただ悪い手が多かったので、しょうがないというか、やっぱり悔しいですね。

決勝はそのN西六段が勝ち進み、N澤六段(いつもの人)と対局に。序盤は2438くん作戦勝ちから非常に手堅い指し回しで、無理に仕掛けさせられたN西さんがピンチに思える局面。お互い秒読みに突入する中、なりふり構わぬN西さん決死の攻め、しかもノータイム。これまた2438くんもノータイムで返すバチバチの喧嘩殺法w(棋譜取りをしていましたが、30秒将棋に入ってから加速するとかどうなってんの)N西さんの凄い勝負手が次々に飛び出しましたが、178手で凌ぎ切り2438くんの優勝でした。

この2人はやはり違いますね。
私はそういう人間ではないのだから、もっと冷静になるべきですw

拍手[0回]

俗に言うと物欲

今週末のKKKはお休みとさせていただきます。
高校選手権がんばれー


将棋世界で棋具についての連載をやっていますが、実は私も以前から興味を持っていました。その中でも一番はやっぱり「駒」で、けっこう詳しいのではないかと思います。
ご存じかもしれませんが、職人の制作する駒には、とても高価なものがあります。中には50万円以上するものも…。この値段が何によって決まるのかというと、3つの要素があります。

①仕上げ方
ざっくりした言い方ですが、要するにどんな高度な技を使って、どれほど時間を懸けて作り上げるかということです。
いろいろなテクニックや工法があるわけですが、まず言われるのは「盛上(もりあげ)駒」「彫埋(ほりうめ)駒」「彫り駒」ですね。駒の木地(プラスチックではないよ!w)に印刀(手作業)で字を彫ったのが「彫り駒」、彫った字に漆を埋めたのが「彫埋駒」、そこにさらに漆を書き重ねて字の浮き出たようにするのが「盛上駒」です。
一番グレードが高いとされるのは盛上駒です。ただこれは観賞用という感じで(プロは普通に使っていますが)、個人的には使いやすい彫埋が好きです。彫埋もかなり高価だが…。

②木地
高価な駒はほぼほぼ黄楊(つげ)で作られますが、その中でも希少な部位(牛肉みたいだw)や珍しい模様の入るものは、木地だけでかなりの価格になります。
有名なのは「虎班(とらふ)」や「赤柾(あかまさ)」と言われるもの(これは模様の名前)です。タイトル戦の中継を見ていると、凄い派手な模様の駒がよく使われています。

③駒師
ぶっちゃけ作った人がいくらの値段を付けるのかですw
一般的に「玉将」の駒尻に作者の銘が入っています。その技術を認められた人の銘は一種のブランドと化していて、それを聞いただけである程度の価値がわかります。ただし場合によってはヒドい駒(偽物や、誰かが手を加えたもの)もあるので、それだけで判断するのは危険。

他にも大事な要素として「書体」があります。基本的には能書家の文字を取り出したもので、それらの書体で作られたものは銘駒と呼ばれます。こちらは「王将」の駒尻に書体銘が記されます。
どの書体によって安い高いは無い(ただし大量生産用に昔作られた、画数を減らすための書体(並彫りなど)は安い)のですが、人によって好みが分かれるものです。
ちなみに県の大会で使っているプラ駒にも銘のある書体があって、「錦旗(きんき)」や「水無瀬(みなせ)」の駒があります。もう1つ人気のある「巻菱湖(まきのりょうこ)」と合わせて三大書体と言われたりします。

きりがないので触りだけ書きましたが、自らが使っている道具を愛でるというのも良いものです。気が向いたときに踏み込んだところも書くかもしれません。
「自分も高い駒を使ってみたい!」と密かに思っている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度相談してくださいw

拍手[0回]

KKK 2022/5/14

土曜日です。
リモートで行いたいと思います。

今年3月の出口vs久保戦の対局では、角交換振り飛車の新趣向の駒組みになりました。しかしこれは私が机上の研究として、1年以上前に紹介した形と全くの同一でした(2021/1/12の記事)。
この話を某Sにしたところ、全く興味無さそうにされたのが悲しかったとです…。

最近サボっていて、将棋小話の書き溜めが無くなりました。
そこで現在進行中の超難解流行形、「相掛かり▲9六歩」をテーマに連載を作ろうかと思案中です。私も主力にしている戦型の1つであり、角交換四間飛車の連載以来のマジ研究になりそうです。
ただテーマがでかすぎるので、いつスタートできるかは分かりませんw


-駒の繰り替えテクニック-

というわけで今回は、前回のKKKの復習をば。
下の局面は私が後手を持っていて、現れた将棋です。



ここまでの駒組みのまとめ方に差があり、やや後手が作戦勝ちの局面。しかしゆっくりしていると、7筋の位を取られている場合は居飛車の形が良くなっていきます。
ただ角交換振り飛車では手待ちをされることも多いと思うので、あえて一人千日手をすることにしました。先手はどう打開すればいいでしょうか?

上図からの指し手①
△4二金    ▲8六歩    △5二金    ▲8五歩    △4二金    ▲5七銀
△5二金    ▲6八銀    △4二金    ▲6七銀上  △5二金    ▲4六歩



まずは玉を固める手法から。
右銀を6七に持っていくのは角交換振り飛車でよく出てきます。もし上図まで固めることができれば、むしろ先手が作戦勝ちです。一例ですが▲8七銀~▲3八金~▲4九飛のような感じで、打開は簡単にできます。
指し手②
△4二金    ▲8六歩    △5二金    ▲8五歩    △4二金    ▲5七銀
△5二金    ▲4六歩    △4二金    ▲6七金    △5二金    ▲7八玉
△4二金    ▲8九飛



バランス型の陣形も有力です。
玉を7八に構えたあと、地下鉄飛車で相手の玉頭を狙います。上図から△2五歩▲同歩△同桂と攻められても、▲2九飛で逆に打開の機会となります。

このように、駒を繰り替えて有効な陣形を作る知識・技は大切です。
将棋は変わりますが、最近よく指されている三間飛車の将棋で、流行形に下の形があります。


先手の囲いは、後手が△3五歩としてくることを想定してのものといえます。しかし仮に裏切って△7四歩から駒組みを進めてきたとしましょう。

上図からの指し手
△7四歩    ▲9八香    △8四歩    ▲9九玉
△7三桂    ▲7九金    △6三金    ▲8八金



有効な仕掛けが無いときに穴熊に組み替えるのはよくありますが、この形は最近になって出てきたものです。この穴熊は私の体感では「あまり堅くないなぁー」と思っていますが、少なくともこの時点で相手玉と比べると”遠い”といえます。

拍手[1回]

この真実だけで胃がもたれていく

県王将戦の中間対局を行いました。@居酒屋「桂馬」

vs▲M前四段
振り飛車で結構負けている気がしたので、本局は角換わり。途中から力戦模様になり、ひたすら難しい中盤が続きます。と金を作らせて踏み込んでこられたのが、M前さんの決断の攻め。検討では非常に難解ながら、負けの変化が多かったと思います。本譜は相手が時間稼ぎで歩を一度打って成り捨てたのが失着で、最後に歩切れで攻めが続かなくなりました。手を戻されたところで寄せ切り、○。

王将戦は1局1局の積み重ねですが、勝ち続けるというのは大変です。ギリギリの将棋ばかりでは胃にきますねw
でも料理は美味しくいただきました^^

拍手[1回]

KKK 2022/5/8

日曜日です。
自宅で行いたいと思います。


-ゴキゲンな角交換振り飛車-

ゴキゲン中飛車の出だし(▲2六歩△3四歩▲7六歩△5四歩)から、角交換振り飛車を目指す作戦があります。△5四歩が▲6五角を緩和する意味があり、飛車を振るリスクを下げています。

初手からの指し手
▲2六歩    △3四歩    ▲7六歩    △5四歩    ▲2五歩    △3二飛



5筋を通り過ぎて△3二飛と振るのが、菅井流の一着です(最近は指していないと思いますが)。初タイトル獲得の原動力となった戦法ですが、特に名前は付いていません。
一見しただけでは意味を理解するのが難しいので、もう少し進めてみます。

上図からの指し手(1)
▲4八銀    △4二銀    ▲6八玉    △8八角成  ▲同 銀    △2二飛



▲4八銀で▲2四歩は、△同歩▲同飛△8八角成▲同銀△3三角▲2八飛△2六歩で後手十分。これはよく知られた変化です。
また△8八角成で△6二玉は、▲2四歩△同歩▲同飛△8八角成▲同銀に、△3三角だと▲2一飛成が金当たりになって先手よし。ただし△3三角ではなく△3一金という手は部分的な定跡で、これはあるかもしれません。
ただこの戦法の本意は△2二飛と振り直すことにあります。普通の角交換向かい飛車のように見えますが、△3三桂や△3三銀を保留できているのが主張です。

上図からの指し手
▲7八玉    △6二玉    ▲9六歩    △9四歩    ▲4六歩    △7二玉
▲4七銀    △8二玉    ▲3六歩    △7二銀    ▲5八金右  △5三銀
▲8六歩    △4四歩    ▲7七桂    △4二金    ▲8七銀    △3三桂
▲8八玉    △2一飛    ▲7八金



向かい飛車にしてからは駒組みになりますが、上記の手順は一例です。
後手は美濃囲いにしっかり組んでから、△4二銀型を活かして△5三銀と上がります。
△4四歩では先に△3三桂と活用したいところですが、▲5六角と打たれる可能性があります。以下△2一飛▲3四角△4二金▲6六歩△4四歩▲3七桂…のような感じに進み、意外と角をいじめることができません。機を見て角をどかした後、▲3五歩~▲3四歩を狙いにされます。この筋に限りませんが、△3三桂型はこの桂が目標とされることが多いのです。
本譜に戻り、△4二金には▲3一角と打たれる手が気になります(無難に指すなら△3二金もある)が、 △3二飛▲4二角成△同飛▲2四歩に△4五歩(▲同歩なら△6四角)で後手指せます。仮に▲3七桂型でも、▲2四歩の瞬間△1五角(桂歩取り)で受かります。
よって上図まで進んで、これからの将棋です。ただ、後手にも主張がある局面と思います(たぶん菅井さんもそう思っている)が、評価値はあまり良くありません。これは角交換振り飛車の宿命みたいなところがあります。

指し手(2)
▲2二角成  △同 飛    ▲5三角    △4二銀    ▲8六角成  △6二玉
▲6八玉



△5四歩の弊害として、▲5三角の打ち込みから馬作りを許す点があります。先手としては馬は強力ですが、手数を掛けているので馬を(角と交換になったりして)消されないように注意しなければなりません。例えば▲2六角成は△4四角と合わせられて、いきなり失敗します。

上図からの指し手①
△7二玉    ▲7八玉    △8二玉    ▲4八銀    △7二銀    ▲7七馬
△3三銀    ▲8八玉    △4四角    ▲6六歩    △2四歩    ▲同 歩
△同 銀    ▲6七馬    △2五銀


まずは後手が淡々と美濃囲いにする指し方を考えます。
先手はどこかで馬を活用したいところで、▲7七馬は飛車に当てて第一感です。ただ駒組みが制限されている意味もあり、例えば▲3六歩とすると△5五角で馬が消えてしまいます。
▲8八玉などなら何の問題も無さそうですが、それでも△4四角と合わせるのが狙いの一着。逆棒銀に出て積極的です。
上図はいい勝負(ちゃんと指せば2筋を破られることは無さそう)ながら、先手がやや不満な展開に思います。

指し手②
△7二玉    ▲7八玉    △8二玉    ▲6八馬    △7二銀    ▲4八銀
△3三銀    ▲5六歩    △9四歩    ▲9六歩    △5二金左  ▲8八銀



私は▲6八馬と引くのが有力だと思っています。△3三銀に▲5六歩と突けば、逆棒銀は防ぐことができます。
後手が戦えないことはないですが、先手に馬を作ったアドバンテージはあると考えています。

指し手③
△4四角    ▲7七桂    △7二玉    ▲7八玉    △3三銀    ▲4六歩



馬を引かれる前に△4四角と打ってしまうのはどうでしょうか。本譜のタイミングなら▲7七桂と防ぐしかないですが、馬の働きが弱くなりました。
▲4六歩は角を追って反撃するために必要な一手です。

上図からの指し手(a)
△2四歩    ▲同 歩    △同 銀    ▲4五歩    △6二角    ▲6五桂
△5二金右  ▲7七馬



単純に逆棒銀を決行すると、▲4五歩~▲6五桂とカウンターが飛んできます。▲7七馬と矛先を変えて、先手が優勢です。

指し手(b)
△6二銀    ▲7五馬    △2四歩    ▲4五歩    △7七角成  ▲同 玉
△2五歩



というわけで一旦△6二銀と備えます。
▲7五馬は▲6五馬や、▲4五歩と角を追って▲6六馬が狙い。そこで△2四歩▲4五歩には△7七角成と切り飛ばしてしまいます。
凄い駒損ではあるものの、陣形の安定度の差があるので難しそう。私の感覚では、どちらも持ちたくないw

初手からの指し手
▲2六歩    △3四歩    ▲7六歩    △5四歩    ▲4八銀    △8八角成
▲同 銀    △2二飛



5手目が▲2五歩で無い場合、いきなり△8八角成~△2二飛が成立します。懸案の▲5三角は△4二角で受かります。
これは菅井流と比較し、後手が手得の上▲5三角のリスクが無いので、(形勢はともかく)後手が気分良く指せます。

ゴキゲン中飛車は、1つの独立した戦法として用いられることが多く、5手目に▲4八銀でも△5五歩と突いてしまいがちです。こちらに不都合が無ければ、相手の指し手が多少変わっても気にならないのかもしれません。
しかし見えていないだけで、▲2六歩型を活かした有力な作戦は存在しています。逆に実はこちらにとって得な変化があるのに、いつも逃していたなんてこともあるのです。
余談ですが、ゴキ中に超速(5手目に▲2五歩の戦法)が圧倒的にメジャーなのは、ここに理由の1つがあると考えています。

拍手[1回]

沿線上の扉を壊せ

昨日は県竜王戦がありました。長らく中止となっておりましたが、久しぶりの開催と相成りました。遂にS戸川の連覇記録が途切れる時がきたかw

私は予選はシードで、お昼から参戦。以前は午前中は運営をしておりましたが、疲労度が全く違う。正直将棋の影響は計り知れないという感覚があります。コンディションは(珍しく)良かったと思います。
トーナメントはちょうど16人で、きっちり。これなら籤運は関係ないな!w

トナメ1回戦△O野木四段
予選全勝通過のノギ先、お見事。戦型は序盤で駆け引きを経て、私の四間飛車に対してエルモ囲いの将棋に。先手なので石田流にして主張点を作りにいきましたが、いまいちだったとすぐ反省(普通に銀冠にした方が良かったと思う)。模様の取りにくい将棋になったものの、手の難しさはお互い様でした。謎の手作りで桂をこさえ、形勢有利に運びます。なんとか纏めて、○。

トナメ2回戦▲N西六段
戦型は相振り飛車。N西さんの突っ張った指し手をとがめるべく、端から颯爽と仕掛けます。結果的にはこれがなかなかの手だったようで、早々にかなりの優勢に。(ただ私の読み筋には綻びがあって危なかった。)飛車を中空でぶん回して歩を回収し、相手は歩切れに泣く展開。N西さんの嫌なところを突く指し回しに丁寧に対処し、快勝。○。

準決勝△S戸川五段
前竜王になる気はさらさら無いだろう彼。将棋はS戸川の三間飛車に、急戦模様。ただ序盤にとちったため、持久戦に切り替えます。しかし囲い切る前に、思わぬ仕掛けで決戦に突入(ただし流石に△4五歩は疑問。△5五歩~△5四銀~△6四角からの仕掛けは形勢不明の戦いだったと思う。対局中はこれも大丈夫だと思っていたが…)。自玉のみ危険性が高い、バランスを取るのが難しい将棋で、その後悪手を指して形勢を損ねました。が、相手の△4四飛が1手バッタリ。角を打って手順にこの飛車と、自陣に迫っていた と金を回収。攻めを切らして、○。

決勝戦△N澤六段
重くて開かない鉄の扉、こじ開けられるか。将棋は私の3手目、▲6六角!以前から一度指す予定の作戦でした。もちろん事前研究ありですが基本的には力戦志向で、ダイレクトで向かい飛車に振ります。相手は左美濃からダイヤモンドにし、固めて勝ちやすさを得る作り。さすがに私の作戦には意表を突かれていたはずですが、対応力の高さは素晴らしい。こちらから仕掛けていったものの、右桂も使われて気を遣う展開となってしまいました。じわじわ差を付けられ、その力を見せつける横綱相撲。最後は大差となり、×。ぐわーっ(跳ね返された音

観戦していた人には、「なんで決勝でそんな作戦したの?」と思われてそうなので、言い訳をば。
この作戦は私のオリジナルと言っていいと思いますが、研究してある程度戦えるのは分かっていました。以前から指していて実戦経験も積んでおり、序盤にいくつか罠が仕込んであります(24八段クラスでもハマることがあるくらいの)。要するに2438名人の、
・序盤で危険を回避し、勝ちやすい作りにするセンスの良さ
・中盤で駒を活用し、優勢を築き上げる読みの確かさ
・終盤でワンチャンスも与えない、経験に基づく押し切りの安定感
があってのこの結果なのです。オレは悪くねぇ!w
ただ、先手番の作戦としては微妙なところもあるので、初戦でここまでしっかり対応されると、もう使えないというのはありますね…

まぁ、私の2438対策は108式あるので、次の大会でまた当たれるように頑張ります。
扉は開けるのではなく破壊するもの。

拍手[0回]