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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2022/4/16

土曜日に行います。
たまには対面で行いたいと思いますが、いかがでしょうか?


将棋小話 -繊細な乱戦-



本日出現した将棋をいきなりピックアップ!上図の局面は王将リーグの池永vs羽生戦から。1手損角換わりで最もメジャーな立ち上がりです。
余談ですが、羽生さんは調子を落としているためか、最近はいろいろと試行錯誤されていますね。この1手損もそのひとつだと思います。

この局面で一番実戦例が多いのは(1)▲3七銀です(本譜は(2)▲7七銀)。
早繰り銀はずっと有力とされていますが、以前はソフトの評価値が高く出ていました。しかし、実は最近のソフトはそれほどでもないようで、以前先手が指せると見られた変化が見直されています。細部まで解説はしませんが、(1)▲3七銀に次の手は△6三銀。

指し手(1)
▲3七銀    △6三銀    ▲3五歩    △同 歩    ▲4五角    △5四銀
▲2三角成  △4五角    ▲同 馬    △同 銀    ▲2四歩    △3六歩


△6三銀に▲3五歩は上図のように進み、後手が指せます。
しかし▲3七銀が▲7七銀に代わっていると、今度は(2)-1▲7七銀△6三銀▲3五歩△同歩▲4五角の変化は先手よし。
これがまず大きな違いです。

指し手(2)-2
▲7七銀    △3二金    ▲3七銀    △7四歩    ▲6八玉    △6三銀
▲4六銀    △7五歩



よって△3二金と備えることになります。しかしこの手は保留したい意味があり、理想を追うなら(2)-3△4四歩という手も考えられます。これには▲3七銀保留を活かして▲4六歩から腰掛銀を目指す手(4筋に争点ができている)や、▲2四歩△同歩▲3五歩△同歩▲4三角からとりあえず馬を作っておく手も魅力です。

先手は後手の手損を咎め、できるだけ早く動きたい思惑があります。早く▲4六銀と上がって早繰り銀で速攻を仕掛けたい。例えば▲4六銀で▲7八玉には△7三桂で、のちに△6五桂や△8五桂が当たってきます。形勢はともかく、最初に上がった▲7七銀を狙われるのは避けたい。
しかし本譜は△7五歩と突かれ、今度は後手から△6五角を狙われます。これも▲7七銀型の弊害といえますが、お互い細心の手順を踏んだ結果が乱戦を呼ぶのです。

上図からの指し手
▲同 歩    △6五角    ▲9六角    △4七角成  ▲6三角成    △4六馬
▲3七銀    △5五馬    ▲6六銀    △5四馬



先手にも当然切り返しの用意があり、▲9六角がそれ。以下水面下で研究されていた将棋だと思われます。形勢不明ですが、私が使っているソフトではほぼ互角の評価値のようです。

ただ私の所感では後手が怖い将棋に見えます。もし先手が勝ちやすいとなれば、この変化を見据えて定跡が進歩するでしょう。(実戦は後手勝ちだったようです。)
今後の見通しは、私には立ちませんw

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