忍者ブログ
男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

将棋小話 -同形角換わり-

現代角換わりの戦術講座とかすると、火傷しそうな気がする。というのは、非常に細かくて難しい変化が多いからです。プロ棋戦で主流でなくても、指せそうな将棋が実はたくさんあります。

今は眠っている、流行が過ぎて使えなくなった持ち球の数々。



さて、従来同形角換わりといえば▲5八金、△5二金型の、昔から指され続けてきた歴史ある戦型でした。今はパッタリと指されなくなってしまいましたが、最新形の角換わりでも同形になることはあります。

それが上の図で、△4四歩と突いたところ。今ではほとんど指されていませんが、とても難解な変化です。

ここは戦機を捉え、▲4五歩と仕掛けていくのが定跡です。以下△同歩▲同銀△5五銀は必然でしょう。(必然と言いましたが、気になる手は多くある。)
そこで▲2四歩 △同歩▲2五歩が有名な手順で、プロの将棋でもほとんどこう進んでいます。
しかしこの将棋が現れたとき、私の第1感は違いました。
上図から▲4五歩△同歩▲同銀△5五銀に、▲3五歩。



いかにも筋。私の感覚ではどう見たって継歩より本筋w

対して並の手は①△同歩でしょう。▲3四歩△2二銀と壁銀を強きます。ここで(1)▲2四歩△同歩▲同飛としたいのですが、これは△2三歩と受けてくれず、△4四歩で先手が不利。

そこで単に(2)▲2六飛と浮きます。



これにも△4四歩と打ち、▲5六銀 △同銀▲同飛 と進みます。この変化は飛車回りの味が良いかと思ったのですが、△2七角と打たれて見ると…



これが▲6三銀を消す強力な利きで、これは先手が失敗。

代案を考えます。(3)▲2四歩△同歩▲5六歩。



銀に先に働きかけておくことで、△4四歩を打たせない。以下△4六銀▲2六飛△3六歩▲同飛と進行しますが、もし▲2四歩△同歩が入っていないと、ここで△1三角があります。で△4七歩▲4六飛で図。


以下、(a)△3五角▲5七金△4六角▲同金か、(b)△4八歩成▲同飛△4七歩▲同飛△4六歩という進行が考えられ、形勢不明。
この変化を後手が嫌がるなら、実は避けることが可能です。▲3五歩に対し、②△4七歩と一度叩いておきます。これには▲3八金ぐらい。既に「なるほど!」と思えた方は強い(確信)。
以下、△3五歩▲3四歩△2二銀という先ほどの順を踏襲し、(1)▲2四歩△同歩▲5六歩△4六銀▲2六飛△5七角。


△4七歩▲3八金を最初に入れておけば、△5七角が刺さるので後手よし。

しかし、今度は(2)▲2六飛と単に浮く手が復活します。すぐ△4四歩は二歩なので、△4八歩成  ▲同金△4四歩と成り捨ててでも打つ。▲5六銀△同銀▲同飛△2七角には、1歩取ったので▲4五歩があります。


これは先手よし、と言いたいところですが、どうやら難しいようです。こういう変化を調べてみると、ややこしくて頭がこんがらがってきます。「細かくて難しい」というのがお分かりでしょう。

いろいろ見てきましたが、実は別の有力な手段がありました。一番最初の同形の形から、▲4五歩△同歩▲同銀△5五銀▲3五歩△同歩▲3四歩△2二銀▲2六飛△4四歩に、▲5六歩と大胆に自玉のコビンから攻めます。



ちょっと気づきづらい手(コビンを開く上に後手を引く)ですが、後手の壁銀もひどいので成立するかどうか。これがあるなら、今までの研究は全て無駄になりますw

何気なく指されている将棋の裏には、淘汰された誰かの血のにじむような研究が隠されているのです。

拍手が3つ以上ついたら(ry

拍手[3回]

PR

将棋小話 -elmo①-

昨今、一番の人気を誇る振り飛車は三間飛車です。角を右側に引いて石田流を作る指し方は「下町流」などと呼ばれ、以前から指されていた形でしたが、序盤にちょっとした工夫を盛り込むことで優秀だと認識されました。
対する居飛車の対抗策としては、穴熊と左美濃が人気のイメージですが、急戦系の将棋もかなり様変わりしています。居飛車側にも振り飛車側にも新たな形が生まれました。

今回は急戦系の新しい将棋で一番の有名どころと言える、elmo囲いのお話です。テーマは、「さっくりと攻める」。



後手三間飛車を想定し、図は△5四歩と突いた局面。この局面を基本図とします。居飛車の▲6八銀の後▲7九金と寄った囲いが、今回の主役「elmo囲い」ですね。

始めに申し上げておくと、私は世で言われているほど「elmo囲い」が堅いとは思っていません。金が寄ったぐらいでそんなに堅くなるはずがないでしょうwぐらいに思っています。ソフト流は力将棋のような展開も多いと感じますが、それでは美濃囲いの1路の遠さが生きてきます。よって大切なのは迷わず攻めることのできる展開、速度計算をしやすい展開に持ち込むことではないでしょうか。この戦型では私はそういう考えの下、研究しています。

さて、将棋に戻ると図の△5四歩では、△6四歩や△4三銀といった手も自然に映ります。ただ△5四歩は後に突くことになる可能性が高い手。これを突かない展開は△4三銀~△5四銀ぐらいでこれも有力ですが、ここでは割愛します。
上図以下、▲1六歩で一度様子を見る。



ここで後手には①△5三銀、②△4三銀、③△6四歩、④△1四歩のどれかが普通の手でしょう。
今回は①△5三銀に対して、どうやって「さっくり攻める」かを考えます。以下▲4六歩△4二飛▲3七桂△6四歩▲4八金△7四歩。


△6四歩では△6四銀も有力。これは次回以降考えてみたい。
▲4八金が連結の良い形です。elmo囲いには▲5九金とする形もありますが、攻めが軽くなる嫌いがあります。ただ最初は▲4八金の形には違和感しか無かったですねw

さて、図で(a)▲5五歩とするのがウチのソフトでは有力だと挙がります。しかし、いかにもこれは「もっさり」した手ですw 有力ですが力将棋の風で、切り合いではありません。力自慢の方にはオススメですが、やはり4筋から攻めたいものです。ただ(b)▲4五歩は△同歩▲3三角成△同桂の後、△4六歩が残ります。
そこで(c)▲2六飛△6三金としてから、▲3五歩△同歩▲4五歩と仕掛けます。そのまま△同歩▲3三角成△同桂に▲3四角が好打。



一応、一区切りを見て形勢判断をすると、まぁいい勝負でしょう。ここで一番気になるのは(a)△4四角ですが、▲6六歩△6五歩▲2三角成△6六歩▲3四歩△6七歩成▲同銀△9九角成▲3三歩成(▲3三馬は△4四飛!が好手)△4四飛▲3四と△2二飛▲3三馬、で先手が指せそう。(b)△3六角が有力か。以下▲2四歩とやはりわかりやすく攻め、(1)△4六歩▲2三歩成△4七歩成▲3三と、の切り合いか、(2)△4四飛のワンクッションに▲6一角成の強襲でしょうか。
△3六角の利きから6九→7九と金が事前に避けているのはなんとなく効いたような気もしますね。

↓の拍手が3つ以上ついたら続きますw

拍手[4回]

将棋小話 -è più la spesa che l'impresa-

緊急事態宣言延長に伴い、KKKも休止中です。解除という話も聞こえますが、5月中はお休みとしたいと思います。さすがに自粛疲れという感じもあるものの、致し方ないのでみんなで頑張りましょう。

さて、今回のお題は△3三金型振り飛車。以前からそろそろ流行るのではないか…と密かに思い続けているのですが、守り駒であるはずの金を繰り出す抵抗感からか、全く流行の兆しはありませんw
初手から、
▲2六歩△3四歩▲7六歩△3二金▲2五歩△3三角▲同角成△同金▲6八玉△2二飛
と進むと、これは伝説の棋士の名を冠した戦法になります。


つまりは「坂田流向かい飛車」です。いかにも一点狙い感がありますが、プロでも糸谷八段が用いることがある戦法です。
以下は一例ですが、
▲4八銀△6二玉▲7八玉△7二玉▲8八銀△4二銀▲3六歩△2四歩


糸谷八段はこのように、囲いもそこそこに2筋から仕掛けていくことが多いですね。先手もどのような形で備えるかは難しいところ。
先手から見ると簡単に仕掛けられるのに不満を感じるところもあるし、後手からすると研究しやすい形でもあるので、もっと増えてもいい戦法のように私は思います。

実は△3三金型は古くから認知されながら、なかなか研究が広がることはない戦法でした。しかしそこに一石を投じたのが、振り飛車の話題メーカーである菅井八段です。坂田流の△2二飛に代えて、 △3二飛と振ったのが意表の一着。



初めて見たらクリックミスの類にしか思えない。しかしこれが指されたのはなんとタイトル戦!以下3筋の位を取り、△3四金と押し上げ、△3三桂と桂馬を活用するのが狙い。当時の王位戦では下図の局面に進みました。


△3四金がどれほど安定しているかは一旦置いておいて、とりあえず飛車先を守っているように見える。おかげで左桂が使いやすくなるのはポイントが高い。△3二飛も3筋の位を張るために、支えの駒となっていることが判ります。
しかしちょっと不安の残る形でもあります。例えば△3三桂と跳ねた瞬間、▲2四歩△同金(▲2三角があるので△同歩とは取れません)▲3四角!のような手が効くかもしれません。(この局面では無理筋だと思います。)▲6七角のような筋違い角も気になりますね。
しかし実際は菅井八段の研究と読みはそれらをしっかりカバーしていて、この△3三金型三間飛車で高い勝率を上げています。菅井八段は多彩なので、これに頼ることはないですが…。

次の形もこの戦法の進展例です。



今度は▲4六歩型に反応したのか、△4四歩と突き△4二飛と振りなおしています。この時点での形勢はともかく、後手からも打開はできそうな形ですし、やっぱり後手が勝っています。
角交換を一旦保留するのも有力です。



この将棋は初手から、
▲2六歩△3四歩▲7六歩△3五歩▲6八玉△3二金▲4八銀△3三金▲7八玉△3二飛
となった局面です。他にもこの局面に至る道程はあるかと思いますが、いずれはやはり金を押し上げるのが狙いです。角交換しないのは、先手の駒組みを牽制する意味があります。これは角交換振り飛車系の肝の部分でもあるのですが、私もきっちり説明ができないほど難しいので、はぐらかすことにしますw まぁそんなもんかと思っていただければ、というところですが、デメリットもあるので、さらに指しこなすのは難しい印象です。

さて、序盤や結果を見ると、△3三金型は非常に有力のように感じます。私もいつか流行るのではないかなどと勝手に感じているように、かなり有力だと思っています。しかし、実際問題として金を繰り出してしまう弊害があるのがどれほどあるのか、わからないところがあります。これが取られたり遊んだりすると、大きな痛手となるのが金という駒ですから。

先に金を出すところに、ちょっとした博打感はありますね。

拍手[1回]

将棋小話 -地球の歳差運動で北極星が変わるようなお話-

今回のテーマは角交換振り飛車です。”手損”と”保留”と”リスク管理”に注視してお付き合いください。

一口に角交換振り飛車といっても、非常にたくさんの形があります。名前が付いているものも多いですね。しかし、結局それは出だしが違うだけで、最後には同じ形に落ち着くと考えている方もいらっしゃると思います。その認識は果たして正しいのでしょうか。
さて、今回は一番ポピュラーと思われる「後手が向かい飛車を目指す」ものとして、話を進めていきたいと思います。

①角交換四間飛車
4手目に△4二飛とするのが一番多い形ですね。



先手は次に▲6八玉と玉を囲い始めるわけですが、そこで(1)△8八角成とするか(2)△6二玉とするかは分岐点です。
(1)の場合、以下▲同銀△6二玉▲7八玉△7二玉▲2五歩に対し、△2二銀とします。ここで△2二飛とすると▲7七角と打たれ、△3三角ぐらいなので再び角交換することになり、また手損が広がります。
△2二銀以下、▲4八銀△3三銀▲5八金右△8二玉▲4六歩△7二銀▲4七銀△2二飛が一番並の進行。



これで目指していた向かい飛車が成立しました。ポイントは、1.自分で角交換+4筋から2筋への飛車の振り直しで2手損している。2.△3三銀型に形を決めている。ということです。
これを心の片隅にとどめ、それでは(2)△6二玉を見てみましょう。
以下、▲4八銀△7二玉▲7八玉△3三角▲同角成△同桂▲2五歩△2二飛と進んで下図の局面。


この局面は、1.3三に上がった角を相手から角交換で手の損得なし+4筋から2筋への飛車の振り直しで計1手損。2.△3三桂型に形を決めている。ということになっています。1.に関しては先手の8八の壁銀がどうかという話にもなるので、そう単純な損得計算ではありません。しかしながら同じ角交換四間飛車でも、既に全く異なった局面になっていることがわかりますね。

ちなみに話の本筋から逸れますが、△3三角は美濃囲いを完成させる前(本譜か△8二玉のあと)が主流です。長くなるので理由は割愛。

②ダイレクト向かい飛車



ダイレクト向かい飛車とはこの形です。その名の通り、飛車を8二から2二へダイレクトに持ってきています。後手は4手目に自ら角交換をしているので、1.自分で角交換で1手損。2.△3三銀型に形を決めている。ことになりますね。この条件は、普通に考えれば角交換四間飛車のパターンより得をしたということになります。しかし好条件を求めるとリスクは付き物で、▲6五角とここで打つ手があります。△7四角と合わせたりすれば大変ですが、このリスクケアをどうするかは考えておかねばなりません。

もう1つ挙げると、△4四歩を突いておいてダイレクトしていく将棋もあります。



これは▲6五角リスクを解消した手になっています。しかし2.の部分で、△4四歩も決めてしまっている。ということになります。

③菅井流ゴキ三
この戦法は正式な名称がないので、とりあえずこう呼んでおきます。



この戦法は▲5三角と打ち込まれる可能性がありますね。仮に先手がそれを避けて無難に駒組みしたとすると、以下▲4八銀△4二銀▲6八玉△8八角成▲同銀△2二飛と進行します。


この局面は、1.自分で角交換+3筋から2筋への飛車の振り直しで2手損。2.△5四歩型に形を決めている。ということになっています。

④2手目△3二飛戦法
「2手目」とわざわざ書いてあるのは「4手目」もあるからですが、今回は省略します。



この手は先手の初手が▲2六歩の場合、リスク云々ではなく、そもそも成立しません。また、3手目によっては相振り飛車を選ばれる可能性もあります。素直に3手目▲2六歩のときは、△4二銀▲2五歩△3四歩▲6八玉△8八角成▲同銀△2二飛となります。



これは、1.2手損ですが、2.△5四歩も△3三銀も△3三桂も決めていない。という形ですね。途中△8八角成で△3三角とすれば、1.1手損で、2.△3三銀か△3三桂を決めた形。も作れるかもしれません。

一旦戦型比較はこれくらいとして、微妙に条件が異なってくるということが判りました。しかし結局同じ形、例えば△4四銀、△3三桂、△2一飛、△4二金、△5四歩に収まることも普通にあり得ます。それが作戦的に成功しているとなれば、問題はないといえるでしょう。リスクを取らないだけ、という結論に達して終わります。しかしこの違いを生かすことができないか、と考える人も必ず存在するのです。というか私ですw

もっと言えば、端歩の形をどうするかとか、△2四歩と突いてしまえないか、とか考え始めることになります。だったら「角頭歩」戦法だったらどうなるか、とかね。

どうでもいい人には一生どうでもいい話ですが、興味がある人には面白いと思ってもらえるかもしれないような、そんなお話でした。

拍手[1回]

順位戦レポート2020

お暇な方、私と24で指しましょう。

年に1回?のプロ棋戦の話題です。新年度になってしまいましたが、順位戦は今年も悲喜こもごも(この言葉、誤用らしいけど好きな響きなので使います。ニュアンスが伝わればいいでしょうw)の結末になりました。今回も昨年度の総括と、こた(仮の主観と偏見による今期予想にいきたいと思います。

A級:
まず、なんとかウィルスのせいで名人戦が延期になったのは残念至極である。早くみんながウィルスを気にしない世の中が来てほしいと思います。
さて、A級は渡辺三冠が圧倒的強さを見せ、9戦全勝で挑戦を決めました。これは羽生九段や森内九段以来の記録。しかし渡辺三冠以外は団子状態で、5勝4敗や4勝5敗が続出します。その中で順位の悪かった、木村王位が貧乏くじを引くことになりました。また久保九段は唯一の振り飛車党(会長を振り飛車党とは認めませんw)でしたが、残念ながら降級となりました。

こた(仮の勝手な今期の予想
本命:名人戦の敗者
対抗:菅井八段

今期はまたA級がかなり若返りました。しかし本命は名人戦次第で、敗れたどちらかが圧倒的に有力と見ます。豊島竜王名人と渡辺三冠は、昨年度も多くの棋戦で熱戦を繰り広げました。俄然ノっている2人で、今年度も棋界の中心で活躍するでしょう。
対抗は昇級したばかりの菅井八段を押します。やはり本命以外は接戦が予想されますが、爆発力がありそうな人。また振り飛車の持ち球が多く、研究を絞らせない将棋が指せると思います。

B級1組:
谷川九段の降級は1つのニュース。若き力の台頭を示すように、菅井八段と斎藤八段というW新A級八段となりました。将棋界における出世コースという感じがしますねw

こた(仮の勝手な今期の予想
本命:永瀬二冠
対抗:千田七段

今期も若手有利か。永瀬二冠は現将棋界の四天王の一角(私の中で)で、誰もが本命に押すところでしょう。しかしながらB級1組は”鬼のすみか”。誰に喰われるか分かったもんじゃありません。というわけで2人目はアベレージの高い千田七段。勝率が高く、ソフト仕込みの序盤力、センスある終盤力を兼ねそろえています。

B級2組:
よ こ や ま 先 生 ! まさかのマジック1からの2連敗、”悲”の最もたるものがこの方でした。直接対決で敗れながら漁夫の利を得た、近藤七段は何か持っている。もう1人はいつまでも強い羽生世代、まるちゃん九段が復活の昇級です。

こた(仮の勝手な今期の予想
本命:藤井七段
対抗:澤田六段、村山七段

鉄板というべき天才少年。今期から昇級枠が3枠になり、ますます追い風が吹く。ただ、B1⇔B2で3人はやりすぎな気がする。B1の強力布陣に、落ちるべき人が3人もいるとは到底思えない。対抗は非常に難しいのですが、そろそろ澤田六段の番が回ってきそうな感じか。また安定感がありそうな村山七段を上げましたが、有力どころは他にもいますね。本当は連続次点の横山七段が上がってしかりなのですが、私にはその勇気がなかった…

C級1組:
順位戦トータル29勝1敗。まぁデビューから29連勝するんだから当然な気がしてきたw
全体的に昨年度もレベルの高い争いになったC1ですが、こちらも”天才”佐々木勇気七段が決めました。初参加組が健闘しましたが、勝率9割でも上がれないのは辛いところがありますね。

こた(仮の勝手な今期の予想
本命:阿部健七段
対抗:石井五段、青嶋五段

独自路線を往く3人。別に面白そうな人を選んだわけでは無く(それもあるけど…)、指し盛りで力もあり、かなり固い予想かもしれない。今期はこちらも3人昇級ではありますが、順位の低い人はやはり頭ハネを食らう公算が大きいクラスに思えます。

C級2組:
昨期、超本命視されていた人がまた上がれなかったクラス。やはり1敗までがラインというところでしょう。その話はまた後にして、高見七段は元叡王ですから、昇級は至上命題と言えました。本人もプレッシャーがあったかもしれません。三枚堂七段も大器と言われますが、古森四段の昇級を当てた人はなかなかいなかったのでは(失礼^^;)。

こた(仮の勝手な今期の予想
本命:佐々木五段
対抗:大橋六段、西田四段

2敗3人。そして昨年と同じ予想w 疫病神に憑かれたため上がれなかったが、普通に考えれば佐々木五段は藤井七段に比肩する大本命です。大橋六段、西田四段も底力があり、完全に3連単狙いである。

さて、今年も楽しんで見ていきましょう。

拍手[0回]

コロナって今や世界一有名な言葉だよね

世界一は言い過ぎたかもしれない。

福井でも感染者が爆発的に発覚し(というか、人口当たり1位?)、先週ぐらいからどうしようか迷っていました。
KKKは、とりあえず今月一杯お休みとしたいと思います。

早く収束して、大会も再開してほしいですね。
今はゲームで言うと、「こた(仮は力を溜めている…」状態。

拍手[0回]

傲慢と横暴のハーフ&ハーフ

今週のKKKですが、勝手ながらお休みさせていただきます。
労働状況的に、免疫低下してそうな気がするので。。。
他人への労りは大事にしたいと思う1週間でした。(なんのことやら)


将棋小話 -矢倉△5四銀型-

自粛の日々は、ぜひ存分に将棋の研究をお楽しみください。
さて、今回のテーマは矢倉です。矢倉は今、様々な形が指されていると前に申し上げましたが、全てに触れようとすると話が空中分解しそうですw 現在一番のメインとなっているのは、先後とも米長流の急戦矢倉でしょうか。しかしながら、ともかく沢山の形が指されており、本当は取り上げたい将棋が尽きません。
その中で今回は、昨年末ぐらいから新しく指され始めた、腰掛銀(△5四銀)の矢倉を取り上げたいと思います。

まず流行形の前提として、この形は先手が持久戦型、つまりは▲6六歩型のときに目指すのが基本になっています。ただし、この辺りの話はまた最後に触れたいのですが、これはあくまで現時点での前提です。もう1つ抑えておくと、▲6六歩型とは以前に指されていた5手目▲6六歩のことを言っているわけではありません。序盤の駆け引きはここでは省略します。



後手は今、腰掛銀に構えたところです。まだ右四間からの急戦と、持久戦を天秤にかけている状態です。要するに先手はどちらにも対応しなければならないので、▲7九角や▲6八銀などと囲いを決めることができません。
よってここから、▲9六歩△1四歩▲3七銀と進みます。



囲えないなら右銀を繰り出し、先に攻めの形を作るのは自然な構想です。対して、後手の指し手が面白い。(というか第1感は変。私は未だに違和感があるw)最初に掘り当てたのは誰なのだろう。

△4四歩▲2六銀△4五歩▲3五歩△3一玉



先手の右銀に対抗するため、後手は△4四歩と応じます。ならばと先手は▲2六銀ですが、ここで△4五歩の二段突き!さらに▲3五歩には△3一玉!
もし▲3四歩なら、△同銀で自動的に角道が通る算段です。そうすれば(何故か)攻めれる形になっています。

形勢は難しく、同じような将棋で少しずつ陣形を変えたり、全く違う展開に進んだりしています。この端を突き合うのはNHK杯戦の行方九段vs深浦九段戦で指されました。

王将戦の決着局では、また非常に難解な展開となりました。



▲7九角+▲3七桂と構えたのが工夫でしょう。この形に対しては当初の構想通り右四間にします。以下、△6二飛▲5七角△1四歩▲6九玉△9四歩▲9六歩△6一飛▲6八銀と虚虚実実の駆け引きが繰り広げられます。



以下△4二銀で攻めを目論みますが▲4六角でそれを牽制。△4四歩で追い払おうとすれば、▲2四歩△同歩▲5五歩。そして△4五歩▲2四角△5五銀▲4二角成と大味な将棋になりました。
正直に言えば、この序盤の展開は難しすぎて、まだ私には解析ができていません。

どちらかと言うと私は▲3七銀型の方が自然かな、と思うので(実際、プロでもほとんど▲3七銀型を選んでいる。)、今回も少しだけこた(仮が考えていることを出してみます。(盲信注意!w)



▲7八金を保留して組んでいるのが違いです。
以下△7四歩なら、▲3七銀△5四銀▲4六銀と組みます。



後手にはここで①△4二銀、②△4四歩、③△4四銀などが考えられますが、一足先に▲4六銀型を作ることができました。
△7四歩に代え△5四銀なら、▲3七銀△4四歩▲6八玉と早囲いを目指します。


△4四歩と止めた瞬間なので、早囲いを咎めることは困難でしょう。今度△4五歩なら後々▲4六歩~▲4八飛と位を直撃できます。

さて、私は最初にこの作戦の前提は、先手の▲6六歩型だと述べました。理由は6筋を争点にする構想だからです。しかし実は直近で、▲6六歩と突いていない形に対しても△5四銀と組んだ将棋が指されているのです。これは矢倉の腰掛銀という形自体に対する、新たなチャレンジかもしれません。

そもそも腰掛銀の矢倉というのは、長きに亘って指されなくなっていた戦法でした。右四間を除外すれば、それこそ昔の総矢倉vs銀矢倉のような形まで遡ってしまいます。

だから、もしかすれば大きな鉱脈が眠っている領域かもしれません。これから大きく流行する戦法に成り得る…かも?

拍手[0回]

県名人戦坂井地区予選延期のお知らせ

案内のハガキが届いている方もいらっしゃるかと思いますが、4月12日に県名人戦の坂井地区予選が行われる予定でした。しかしながら昨今の事情を鑑み、延期とすることとなりました。代替日は5月31日の予定ですが、どうなりますか…

また県王将戦1次戦も延期、アマ竜王戦は県大会、全国大会ともに中止となったようです。

拍手[0回]

KKK 2020/3/29

日曜日です。来られたい方はご連絡ください。
職場のコロナ対策で事務所を追い出された今日この頃w いっそ休みになればいいのですが…


将棋小話 -最新形を追う-

最新形と言われると難しく思えるかもしれませんが、実は勉強するには一番お手軽です。単純にサンプルが多く、知識を得やすいですからね。作戦として穴も少ないでしょうから、効率よく本筋を学べると思います。
だから、常に最新形が指せる状態にしておくことを、私はオススメします。

せっかくなので、今の最新形が戦略的にどうなのかを、ちょっとだけ触れてみたいと思います。こた(仮の偏見と独断と情報操作の賜物かもしれないので、鵜呑みにせず頭空っぽにしてお読みくださいw(今回は相居飛車の戦型カテゴリに限ります。)

◆角換わり:ヤマが当たる状態
引き飛車型が隆盛期を迎え幾年月、研究が進み判を押したような序盤が多くなっている。それはつまり、勉強したことがそのまま目の前の盤面に現れやすいということでもある。以前の矢倉▲4六銀戦法に近いかもしれない。ただしその分、1つ1つの変化が深く細かく続く。
こた(仮目線だと、相手の研究に乗っかってしまいやすい戦型な気がする。やっぱり田舎住まいですから、それなりに情報格差はありますよw

◆矢倉:有力手が多い
後手の超急戦策に対する先手の対策がある程度確立し、先手の得を生かせると考えているプレイヤーが多くなっていると思う。亜急戦や持久戦もバリエーションが豊富で、先後ともに作戦の幅が広い。自分独自の工夫を出しやすい環境と言えるかもしれない。

◆相掛り:一極化の兆候?
私としてはコツがわかりにくく、形勢判断が難しいという印象がある。近年は様々な形が指されたが、後手は中住まいで△6三銀~△6二金の形を目指す作戦が断然多くなっている。(先手が仕掛けて結局△6三銀~△6二金とならないことは多々ある。)悪くならなければOKという感じで、これは角換わりの玉が往復する思想に似ている気がする。
得意な人とそうでない人で、一番差がある戦型かもしれない。

◆横歩取り:絶滅の危機
先手の有力な対策が一本化され、後手がそれを打ち破れていない状況。悪い言い方をすれば、(プロレベルなら)B級戦法と同じ立ち位置になってしまっている。数年前まで人気の戦法だったのでいきなり全く指されなくなるとも思えないが、厳しい情勢と言えそう。

◆雁木系:自分の土俵で戦う
自分から誘導しやすいのが大きなメリット。主に後手番で用いられることが多いが、先手の早繰り銀や、腰掛銀、矢倉に組むといった対策は、一応どれも互角以上に戦えている。雁木側がガンガン攻めるというコンセプトで指すのはなかなか難しいが、コンスタントに指され続けそうだ。

◆1手損角換わり:自由の象徴
現時点では一番力戦色が強い戦型か。昨日出た向かい飛車作戦(羽生九段vs阿部健治郎七段)は、実はとっくにかなりの人が"ある作戦"だと認識していたはずだ。とはいっても誰もが見たことのないような、面白い構想がきっとまた出てくるだろう。というより、通常の角換わりに息苦しさを感じて、ここで個性を主張しているような気がしてならない。

拍手[0回]

KKK 2020/3/22

日曜日に行います。
冷えると花粉症が楽です。


将棋小話 -ビジョンを描く-

今日は1手損角換わりのお話です。石田流の最後のテーマ?キガムイタラネ。

さて、アマチュア将棋では「角換わりが指したい」という思いだけで指されがちな戦法、それが1手損角換わりです。
しかし1手損角換わりを指す意味、というのを明確に表現することができれば、さらに面白く指すことができるかもしれません。
後出しじゃんけんのように、手損することで相手の手を見て、相性の良い形を作ることができれば理想です。しかし実際は、得した手番で早く体制を整えることができるメリットは、かなり大きいでしょう。ですから、1手損角換わりを主力とするためには、本来「構想力」が大事だと思います。

1手損角換わりには主に、①8手目角交換、②6手目角交換、③4手目角交換というパターンがあります。



まず①。これは初期の形で、現在のプロ棋戦ではほとんど指されていないと思います。これは当初、同形腰掛銀で△8四歩型を作るための工夫でした。



②の形。1手損角換わりは△8一飛+△6二金型の角換わりが出現してから、ほとんど指されていませんでした。しかしここ一年ほど、少しずつ復活の気配を見せています。②を指す代表格は糸谷八段。



③。こちらを良く指されるのは丸山九段です。というかこの御仁はこれしか指していないw

そして、どれを選ぶかは気分とかではなく、作戦によって決まります。
先手の作戦はというと、現時点ではほぼ早繰り銀がチョイスされています。手得を生かして攻撃体制を作り、一気に攻略する青写真があります。

例えば③の場合、後手はどう指すか。上図以下、
▲同銀△2二銀▲4八銀△3三銀▲6八玉△7二銀▲2五歩△6四歩▲7八玉△6三銀▲3六歩△5四銀▲3七銀△4四歩が一例。



先手は早繰り銀にすると、最速がこの図か▲6八玉+▲7七銀です。これは次に▲4六銀なら、△4五歩で(一応)追い払うことができます。(△5二金右▲3五歩△4三銀という受け方もある。この方が本流かも。)△3二金に1手費やしていると、先手最速に対して間に合わないのです。

折角なので、②のパターンで構想を練ってみましょう。初手から、
▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金▲2五歩△8八角成▲同銀△2二銀▲4八銀△3三銀▲3六歩△4二飛



先手はやはり早繰り銀を狙いますが、△4二飛と意表の振り飛車に。△3二金型で振り飛車は違和感がありますが、もし▲3七銀としてくれるなら、「後出しじゃんけんが成功しただろう」というのが後手の主張です。以下、
▲3七桂△7二金▲7七銀△4四歩▲4六歩△6二銀▲6八玉△6四歩▲7八玉△6三銀と進めるのがまた虚をつく。



先手は角交換振り飛車に対しての陣を敷きますが、後手は一見意味不明。ちなみに△4四歩は必要で、省くと▲3五歩~▲4五桂のような仕掛けを与える可能性があります。果たして目指す形は何か?
▲4七銀△7四歩▲5八金右△5二玉▲9六歩△9四歩▲1六歩△1四歩▲5六銀△5四銀▲6六歩△4一飛▲8八玉△7三桂▲7八金△8四歩▲4八金△6二金▲2九飛△8一飛



さて、どこかで見たような陣形に仕上がっていないだろうか。序盤からの大立ち回りは、流行形の角換わりで、△8四歩型を作るため(だけ)に練られたビジョンだった!(ちなみに、作ったからといって得がどれぐらいあるのかはわかりませんw)

この手順を少し変えて△6三金~△6二玉とすれば、△8四歩型で右玉風味にすることもできます。工夫を加えれば、きっと色々な形に変化できるでしょう。

貴方の指したい局面は何ですか?

拍手[1回]