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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

技名とかに入ると途端に中2っぽくなる文字ってあるよね

「神」とか。
ちなみに私の祖母の家はA神という。(本文には何の関係もございません)

以下本文です。
予告通り本日はあわら市将棋大会でした。
運営のS水姉弟、勝手さん、おつかれさまでした。

けっかー

A級
優勝:こた(仮
2位:O滝六段
3位:G方四段、H爪くん(石川から参加の小学生)

B級優勝:K田くん
C級優勝:I井妹ちゃん

というわけで若い力が活躍した大会でした。みんなまだ中2病も発病していない歳なのに素晴らしいですねw
参加が多かったB級は、決勝戦は会場の都合で場所を移して行いました。小学生のK田くんは準決勝の将棋を見ていまいたが、しっかりとした読みの力があるのが見て取れました。ただ決勝の相手はB級の主(?)N本さん。角換わりの序盤でN本さんが上手く指して、さすがに壁は厚いかと思わせました。しかしK田くんの中盤の指し回しが素晴らしく、踏み込んで1手勝ちに。そのまま詰ましきれば会心譜でしたが、最後は泥仕合。それでも倒れずK田くんが優勝を決めました。
これから強くなりそうな子だと思います。

私は最後に捲りまくった大会でした。ゆうに3回は負けてたorz

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KKK 2019/11/9

予告が遅くなりましたが、土曜日に行います。
日曜日はあわら市将棋大会なので、ぜひ。

来週末はすみませんがお休みの予定です。

将棋小話 -オールラウンダーのすゝめ-

私は自他共に認める(?)オールラウンドプレーヤーです。
ぶっちゃけ将棋はオールラウンダーだからと言って、自身の対局にそれほどメリットはないと感じます。あるN藤さんなんて、「オールラウンダーはどの戦型も中途半端になって、強くないはずなんやけどなぁw」と仰っていましたw 1局の中で指せるのは所詮1つの戦法だけですからね。

私の場合は、単に居飛車と振り飛車どちらも指すというだけでなく、あらゆる戦法、戦術、感覚を取り入れたいと思って指してきました。自分ほどいろいろな戦型に浮気している人は見たことが無い、というくらいにw
もちろん突き詰めて考えるということも、必ずいつか必要になってきます。強くなりたい人は、まず「エース」を作った方がいいかもしれません。

オールラウンダーの利点は、より多くの将棋を楽しめるということ。棋譜中継とかで、「これは自分は指さない将棋だから興味ない」と言ってしまう人を、たまに見かけます。でも、それってもったいなくないですか?それでなくても将棋は観戦するとき、知識があった方が楽しめる競技だと思います。

そして詳しくなったら、それを語ってみたくなるはずです。面白いですよ、人と意見を交えるのは。ぜひ私にも語ってみてください。
…堰を切ったように、私の怒涛の口上が炸裂するでしょうw

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自らの意志で以て玉を攻むべし

日曜日には毎年文化の日恒例、福井市長杯将棋大会が行われました。毎年県外の方にも多数参加いただく大会ですが、今年は北海道からの参加(!)もあったようです。

A級は割といつものメンツ。
私の1戦目は、今や県将連の要となったT円澄三段と。いざ将棋となれば、別に理事間での忖度とかはないw
戦型は対四間飛車に天守閣美濃囲いを採用。玉頭から必ず攻められるので、最近はアマでもほとんど見ない戦法になりました。この将棋は私の指し手が不用意だったのか、やはり攻められて苦しい形勢に。自玉周りに垂れ歩が絡みつきますが、粘りが功を奏してこちらの攻めも刺さりだします。逆転したと思いましたが、思った瞬間に飛車の逃げ場を間違える。T円澄さんの角切りが逆転の詰めろとなり、×。1週間ぶり2連続の頓死であるorz
この将棋、正直なところ隣の将棋を気にしてたのが良くなかった。しっかり自分の盤面に集中しましょう!(教訓)

2戦目、相手はS水五段。師弟対決。
戦型は師匠の早石田。筋違い角で歩を回収されたので、棒金で角を圧迫しにかかります。定跡としては私が充分になるはず、と思いながら指していたのですが、行きついてみるとそんなに自信がない形勢に。飛車を敵陣に打ちこんでいったものの、自陣角を打たれると死ぬのをうっかりしていました。ですが信用があった(?)のか、本譜は攻めてこられました。受けに回って攻めを切らし、○。

3戦目はTさんと。お若い方で、たぶんはじめまして。
どんな将棋を指すのかわかりませんでしたが、相手の雁木模様から右玉という渋いチョイス。私は左美濃から腰掛銀にして仕掛けました。自陣に角を打ちこまれ難解な形勢に、思わず長考となります。その後指した遠見の角が、結果的に相手の判断を誤らせました。攻めが繋がる形となり、○。

4戦目は中学生のK下くん。以前私と将棋を指していた子。
戦型は彼の1手損角換わり。私は早繰り銀で対抗します。私が2筋を切ったあと△3四銀+△2三金型で受けるのは、マイナーながら有力な指し方。よく勉強しているなと感じました。中央でもみ合いとなり、勢い私が銀を捨てる強襲につっこんでいきます。正直自信がありませんでしたが、本譜は5筋のと金が厳しく優勢に。飛車の力で押し切り、○。

5戦目も中学生、こちらはKKKメンバーのS司くん。
戦型は横歩取りで、彼が得意の△4五角戦法。オールドファンにはたまらない将棋でしょう。私は先手をもって彼にいろいろな対応策を示してきましたが、私は後手の有力手を教えはしないし、良くないから止めろとも言いません。自分で考えることが大切です。閑話休題、私の今回の対策は▲8六飛と打つ定跡形。結果的には私の経験値が勝り、じわじわ差が開く展開に。押し切って○。

2位通過で、一応無事にトーナメント進出。ちなみにトップ通過はT円澄さん(全勝)で、勝手さんとかN藤さんにいじられていましたw(いやいや、実力ですよね?w)

準々決勝、相手は福井高校生No.1のO村くん。
駆け引きがあって角換わりから、相手の棒銀戦法に。私は成り行き上△7二金型右玉のような形になりました。相手の矢倉に桂跳ねから襲い掛かり、形勢は難解。それでも少し駒得していたので充分かというところ、桂取りの△7六歩を指してすぐ見落としに気づきます。ここで▲8五桂(△8四歩がある)と捨てられたらおそらく大変でした。本譜は先手の攻めが急所をついて、○。

準決勝、N西六段と。N西さんが市長杯に出られているのは久々ではないでしょうか。
戦型はお馴染みの1手損角換わりで、県王将戦と同じ最新形。本局は△5二玉型で△4四歩と突き、これはプロでは木村王位がたまに指されている作戦です。しかしN西さんの新手が出て、すぐに未知の局面になります。指し手も形勢判断も非常に難しい将棋で、はっきり言えばサッパリわからなかったw ただ相手の△6六歩を利かすタイミングが疑問で、やや先手が指せそうな形勢に。後手はそこから我慢の指し手でしたが、結果的には差を拡げさせることになりました。最後は快勝となって○。

決勝戦、相手はN藤五段。こちらの準決勝は波乱の対局となりましたが、ここではちょっと書きません。
戦型は相手の角道を止めない向かい飛車。私はちょっと変わったことをしたかったのですが、作戦が破綻し先手ながら消極的な展開に。歩をポンポンと突き捨てて仕掛けたのものの、今見ると明らかに軽かった。(対局中は失敗したのに難しそうな順を発見して、結構うるさいのではと感じていました。)N藤さんの受けの感覚が素晴らしく、形勢不利。それでも中盤の折衝で形勢を戻し、難しくしたと思います。しかし受けに打った▲7九桂が悪手。再び後手が優勢になり、そこからはN藤さんらしく、強烈な攻めがガンガン決まりました。大敗で×。
受けの指し手のコントラストが、虚しいorz

さて、他人の指し手を称えてばかりでなく、自分の将棋も磨いていかねばなるまい。

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KKK 2019/11/4

文化の日の振り替え休日です。
来られたい方はご一報ください。

将棋小話 -先手雁木-

雁木は以前から既に、相居飛車戦の重要領域を占めるようになっています。それほど有力な囲いと見られている雁木ですが、先手で始めから雁木囲いを目指す将棋はそれほど多くありません。
今回紹介するのは、先手雁木が少ない理由と、先手の”秘策”です。

プロ間で先手雁木が少ない理由は、「相雁木」にあると私は思っています。
以前ネット将棋で私もよく指していたのが下図。


雁木は相手の形を見て△6三銀型にするか△5三銀型にするか決めるのが一つのテクニックなのですが、後手で雁木を覚えたい方は△6三銀型をオススメします。相雁木ではぶっちゃけとりあえず腰掛銀にしておけばいい、ぐらいに個人的には思っています。

上の図までくると先手は手詰まりに近い状態。後手は△8一飛としてから、△4二金右~△5二金を繰り返してればOK。
①▲4五歩△同歩▲同桂△4四角▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2九飛には、△8六歩▲同歩△8五歩の継歩が習いある攻めです。
②▲2九飛△8一飛▲4五歩△同歩▲3五歩には、△4六歩と突くのがこれも手筋。
いずれも先手でこれを目指すのか、という認識です。

先手が棒銀で積極策に出たのが、有名な朝日杯決勝の渡辺vs藤井聡太戦。



ここから△4五歩▲同歩△5五角が切り返しで、▲3七銀△3五歩と進みました。形勢は難しいのですが、後手持ちの人が多いのではないでしょうか。

というわけで、もっと主導権の取れる作戦が求められているのが現状です。そこでマニアックながら、「鎖鎌銀」作戦を紹介したいと思います。

初手からの指し手
▲7六歩    △8四歩    ▲6八銀    △3四歩    ▲6六歩    △6二銀
▲6七銀    △4二玉    ▲7八金    △8五歩    ▲7七角    △5二金右
▲2六歩    △3二銀    ▲2五歩    △3三角    ▲3八銀    △7四歩
▲2七銀    △7三銀    ▲3六銀   



ポイントは飛車先を突く前に雁木の構えを作り、△4二玉と上がらせること。実は5一玉型に対してはつまらない作戦だと思っています。先手の序盤は振り飛車も有り得るので、8割ぐらいは上がってくれるような気がしますw
そして▲3六銀と構えた図の局面が、「鎖鎌銀」です。本来相掛りの戦法なのですが、雁木ではどのような将棋になるでしょうか。ちなみにこの構想は、女流棋戦で指されています。

▲3六銀からの指し手①
△7五歩    ▲4五銀    △7六歩    ▲同 銀    △8四飛    ▲6八玉
△3一玉    ▲5八金    △4二角    ▲3六歩    △3三銀    ▲3五歩
△同 歩    ▲6五歩    △3二金    ▲3四歩    △2二銀



後手は早繰り銀に出ているので、初志貫徹で仕掛けていきます。△7五歩には▲同歩もありますが、▲4五銀と出てみます。これで後手は駒が前に出ていきづらくなりました。矢倉に組みかえようとしたものの、壁銀を強いて上図。ここまでくれば先手が作戦勝ちです。

▲3六銀からの指し手②
△4四歩    ▲5八金    △6四銀
▲4六歩    △4三銀    ▲4五歩    △同 歩    ▲同 銀    △4四歩
▲3六銀    △3二金    ▲2四歩    △同 歩    ▲2五歩    △3一玉
▲2四歩    △2二歩


では△4四歩と銀を出させないようにするとどうなるでしょうか。これには4筋の交換を目指します。先手は当然銀を5六に繰り替えると思いきや、もう一度▲3六銀と戻るのが面白い。以下継歩が1歩交換の効果。上図まで進めば2筋を詰めることに成功しました。

雁木の世界は今なお広がり続けています。まだまだ話したい面白い指し方は尽きないのですが、本日はこの辺りで。

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over clock

今日は朝日アマ名人戦福井県大会でした。県タイトル戦ですが本大会はシードがないので、普通に予選リーグから参加。A級にも中学生の子が多く参加している印象を受けました。

予選1戦目、私はY田四段と対局。戦型は先手で角換わりに。Y田さんはベテランながら最新形に精通し、▲4八金vs△6二金型でお互い銀矢倉に組む形。Y田さんの自陣角がおそらく新手で、先手が攻めていきましたが後手の受けも強靭で難解な将棋が続きます。▲3三銀の打ちこみに対し、最後に玉で取って顔面受けされると自信がありませんでした。本譜は△3四歩の飛車取りに▲2五桂と切り返したのが好手で、寄り形に。○。

2戦目、相手は中学生のI井弟くん。振り飛車党のI井くんに対し、力戦形の相振りを挑んで経験差を主張するw 飛車をびゅんと右に回り、飛車交換になって陣形差で私が有利に。丁寧に指して自陣に飛車角が利かないように気を付けながら、竜で押していきます。そのまま押し切り、○。

3戦目、U田さんと。3手目▲7八金を見て後手の私は石田流を目指し、先手はソデ飛車で飛車先を逆襲してきました。銀交換して収めようとしましたが、強く攻めてこられ決戦に。角で飛車を取らず桂得を目論見ましたが、これがたぶん悪手。途中は全く自信がなかったものの、攻め合ってみたら1手残っていました。なんとか○。

4戦目、S井五段との一戦。戦型は横歩取りに。相手の青野流に対し、やはりと言うべきか激しい変化に突入しました。飛車交換になり、と金作りを狙ってそれが間に合うかどうかの勝負に。玉頭から猛攻を受け冷や汗の出る展開でしたが、頑張って受けに回ります。切れ模様にして、と金を間に合わせ○。

ここからはトーナメント。一回戦は、お馴染みのY本五段と対局に。(Y本さん、予選全勝が光る。)
戦型はY本さんの三間飛車。四間飛車が一番多いと思いますが、三間もよく指されています。私がイビアナにしたのに対して、向かい飛車される急戦形に。振り飛車の△6二銀型から△5四銀が上手く、居飛車作戦負け(構想力が違う、私如きが言うのはアレですが、さすが。)。穴熊を生かして暴れにいきましたが、気付いたら必敗形に陥っていました。どうせ負けるなら…ということで、銀タダ捨ての派手な勝負手を放つ!取られても、無視して成桂を寄り突かれても(ちなみにコイツは損している桂であるw)如何ともし難いという感じでしたが、穴熊には端攻め…としたのが疑問。まさかの手抜きが利き、一応こちらの攻めも繋がる形に。まだまだ難解でしたが、ギリギリ寄せ切り逆転勝ち。○。

準決勝、S戸川五段と。朝日アマ代表獲得に熱意を燃やしているが、私だって簡単には負けられない。
戦型はvs石田流に左美濃。定跡形ではなかったのですが、割とスムーズに進行。私ととしてはこちらが充分と思っていた変化、実はS戸川は研究していたらしい。(私は忘れていたのですが、以前練習将棋?で指していたとか。そして研究不足と言われた(ゴメンね^^;)ので、やり返す気だったようだw)というわけで、当たってもいない桂にヒモをつけた▲7八歩!がS戸川研究。長考しましたが、そこで有効な手が見いだせない。結局ちょっと損な手を指して決戦になり、私は飛車角総交換が必然かと考えていました(それでも自信はなかった)。しかしS戸川の飛車を取り返さず、銀香を取ったのがスマートな順。私も長考して角を受けに使って頑張り、形勢不明のねじり合いに。玉頭戦に持ち込んだものの、寄せが発見できず形勢が傾き始めます。時間も切迫し絶体絶命になりましたが、ノータイム指しで必死に相手玉に迫ります。最後は逆に自玉の方が詰むかどうかになり、残り1分の中直感で逃げ続ける…。相手の持ち駒が香一枚になり、時間との勝負と思った瞬間。最後の最後で頓死を喰らって、×。
負けたのは残念でしたが、好局でした。

しかし決勝戦、私のこの好局が霞む(笑)大熱戦が展開される(ネタバレ)。

決勝は2438六段vsS戸川五段。S戸川先手ゴキ中に、△5四歩で位取りを拒否する形。▲7五銀と銀をぶつける、やや古い定跡形になりました。定跡が一段落したところで長考の応酬になり、濃い中盤戦が繰り広げられます。正直言及したい局面は沢山あるのですが切りが無いので、感想戦で言わなかったことを書きます。後手玉に寄せがありそうな局面で受けに回った▲5八歩。最善手ではなかったかもしれませんが、読み切ることは不可能かと思えるほど細かい所。

私の考えですが、将棋はなんとなく指してたまたま勝っていた、ということも当然あるのですが、どこかで一回は相手の読み筋を上回らないと、勝ちに結びつかないと思います。S戸川は、読みを打ち切って一か八かに賭けなかった。
(これは蛇足ですけど、激しい順は相手も真っ先に読むので、勝負の面でもファインプレーだと思う。)

本局、2438くんを以てしても気づかない手を指し、読みでS戸川が上回っていたところも確実にあったと思います。しかし、2438くんも最強の手で切り返し、めまぐるしい応酬を経て、最後に制したのは2438くんでした。これもまた簡単には土俵を割らない、若き名人の充実ぶりを表している気がします。

優勝:2438六段
準優勝:S戸川五段
2人は石川県で行われる北陸ブロック大会に出場します。

こんなに長文で人の対局のことを書いたのは、初めてな気がする。
今期福井棋界の名局賞は、これでいいw

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案内:第16回あわら市将棋大会

表題のあわら市将棋大会が11/10、10時より行われます。場所はあわら市の「湯の町公民館」です。参加自由ですので、県外の方も気軽にご参加ください。

福井では秋季恒例の大会ロードが始まりますよ~。
10/27 朝日アマ名人戦福井県大会
11/3 福井市長杯争奪将棋大会 ※参加自由
11/10 あわら市将棋大会 ※参加自由
11/17 チャリティー将棋大会 ※参加自由

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KKK 2019/10/26

土曜日に行います。
来られる方はご一報を。

将棋小話 -ゴキゲンな世界①-

というわけでゴキ中です。今や振り飛車の盟主として、先後で指されるテーマは数知れず。しかし居飛車先手の場合は、超速が圧倒的人気を誇っています。そんな居飛車のエース、vs超速はゴキ中党にとって悩みの種であり、最重要局面となっています。



これが11手目の局面ですが、玉の囲いも疎かに右銀を繰り出していくのが「超速」ですね。

後手の手はここで2つに分かれます。
①△4二銀
②△6二玉

これ以外の手も悪手ではありません。しかし後で合流することになりそうなので、とりま2つとしておきます。
①△4二銀とするとほぼ後手の選択肢は一択で、以下▲3七銀△5三銀▲4六銀△4四銀。これは銀対抗と呼ばれる形で、里見女流六冠が得意にしています。これは気が向いたらまたテーマにするかもしれません。

②△6二玉は▲3七銀△7二玉▲4六銀となり、より軽く指す方針です。振り居飛車党ならこちらを選びたくなるのではないかという気がします。
ここで後手の手はいくつかあります。
(a)△8二玉
(b)△3二金
(c)△3二銀
(d)△4二銀
手順前後はありますが、一旦△7二玉まで囲ってから捌きを狙うのが常道です。しかし実はここまでで別の手が後手には存在していました。

②△6二玉▲3七銀△4四歩



歩越し銀には歩で対抗、ってやつです。
△4四歩に対し、よく指されているのは(a)▲7八銀で、▲7七銀~▲6六銀から抑え込みを狙います。決定版とまで言われている指し方ですが、△4四歩以下▲7八銀△3二銀▲7七銀に、△6四歩!が凄い手。まさかの歩越し銀には歩で対抗をダブルでやっちまえ、という手ですw 指したのは佐藤康光九段だった気がする。

また△4四歩には(b)▲4六銀の方が、初見では普通の手に見えます。これには△4五歩▲同銀△3二金!がこれまた斬新。以下▲3四銀はそこで△5六歩と決戦を挑みます。▲3三銀成は△5七歩成が王手で後手優勢。よって▲5六同歩ですが、△8八角成▲同銀△7二玉が冷静で後手充分と思います。
…ただ▲5七玉!!!というアルティメットがあるかもしれないが。

というわけで△4四歩(b)▲4六銀△4五歩▲同銀△3二金には▲7八玉となり、見事△4三金で銀ばさみが完成、やっぱり後手充分…というのがこれまでの見解だったと思います。
しかし、以下▲3八飛△7二玉▲6八金が(昔の)こた(仮研究。以下△4二角なら▲3五歩で銀を助けにいきます。▲6八金は細心の注意を払った手で、△5六歩▲同銀△8八角成▲同銀△2七角▲3九飛△4九角成▲同飛△3八金に対し、飛車を左の方に逃げる手を作っています。ちなみに△7二玉▲6八金の交換を入れずにこれをやると飛車が死ぬようですが、△3八金以下▲5九飛△4八金に▲2六角が王手金取りで逆に後手ハマり。

いずれにせよ、先手が指せそうというのが一応の結論です。しかし先手が知らないと後手充分になる可能性も高いので、興味のある方は△4四歩型を指してみてもいいかもしれません。
それで失敗したとしても、こた(仮は一切責任を取りませんのであしからずw

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KKK 2019/10/20

日曜日です。
テーマは「角換わり早繰り銀」です。

将棋小話 -手順前後-

▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩…
これが横歩取りの出だしであるというのは、将棋マニアを標榜する読者の皆様(?)には釈迦に説法だと思う。ここまでで多少手順前後がある場合があるが、実際横歩取りのほとんどの対局がこの6手を指した局面を経由している。

しかし、私は最近▲2五歩に△3二金を先にした方がいいかもしれないと考えている。以下▲7八金には△8五歩だから(△8八角成など、別の戦型への変化は考えられる)、あまり関係がないようだが。

初手から▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩の局面で、先手には▲2四歩という変化がある。以下△同歩▲同飛に△3二金なら、▲5八玉として乱戦になる。

6手目△3二金にこの変化を目指すと、▲2四歩には△同歩▲同飛に△2三歩と打たれる。以下▲3四飛は取れない(△4五角を打たれて後手ややよし)ので、飛車を引いて相掛り模様。しかしこのまま相掛りとなると、先手は形を決めすぎている意味がある。
6手目△3二金に▲5八玉だと、△8八角成として角換わりに誘導する。これは後で▲5八玉を直しそうなので、実質手損なしの角換わりで△8四歩型にできているのと同義である。

よって相手の作戦を制限したということだ。もっとも、この乱戦を指す人がかなり珍しいので、気にしすぎかもしれない。

さて、本当の将棋マニアの方は、6手目△3二金の弊害(別の変化)を、ぜひ考えてみてくださいね。

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ハッピーハードコア

台風一過、福井でも昨夜は強烈な風雨に見舞われましたが、本日は県王将戦3次戦が行われました。B,C級大会は参加者の入りを見て、少し遅れてのスタートとなったようです。

さて、中間対局でM前さんに完敗を喫したワタクシこた(仮。2敗となり厳しい状況になって、1局1局に最善を尽くそうという殊勝な(?)心構えで臨みます。

1戦目はお馴染みのS戸川五段と対局。S戸川はここまで全勝、こた(仮「オレ以外には全勝して優勝すればいいんじゃない?」
戦型は相手のゴキゲン中飛車。私が先手番では多い戦型です。5筋を切ってきたものの、相手の浮き飛車を追いながら中央を手厚くします。それから歩で桂を奪って先手有利に。一気に攻めたてる手を読みましたが、意外と大変そう。我慢して相手の勝負手をいなす方針に変更し、駒得を拡大。中押して○。

2戦目、相手はS井五段。今期はアマ選手権本戦出場など、常勝の強豪。
戦型は矢倉。早繰り銀で相手の左美濃を攻めましたが、少し乱暴だったかも。竜を作ったあと、すぐに角と刺し違えたのが好判断だった気がします。相手の攻め駒を上手く消し去り、先手優勢に。しかしS井さんの頑張りで相手陣のすぐの寄せが難しく、私の玉もかなり追い立てられます。最後は自玉に必至がかかりましたが、もらった駒で相手玉を即詰みに討ち取り○。

3戦目、T田五段と。お馴染み振り飛車党の本格派。
戦型は用意の相振り飛車。先手向かい飛車で▲6五歩と角をぶつけてから、▲7八銀と引いたのが本邦初公開の研究手。実はうっかり練習対局でS戸川とかに見せていた気がするが、初公開って言ったら初公開w これが功を奏し、相手の疑問手を誘って先手指せる形に。その後上手く銀挟みを実現し、先手勝勢。押し切って○。

4戦目、N西六段との一戦。N西さんは最終局で、勝つと優勝が決まる対局でした。
N西さん十八番の1手損角換わりでしたが、相腰掛銀の最新形に合流(△7二金から△6二金と待った手と同一局面)します。私は今年の棋王戦と同一手順で仕掛け、N西さんの新手で未知の局面に。角を捨てて、と金を作る強襲で難しい中盤に入りました。難解な形勢のまま終盤戦に突入し、お互い相手の玉に手が届く形。相手の鋭い寄せが迫りますが、△6五銀が悪手だったか。(局後真っ先にN西さんが指摘した局面でしたが、代替手なら勝敗不明でした。)私の反撃のターンが回り、大熱戦を制し○。

ラスト5局目、O滝六段と。福井棋界きっての受け将棋を持つ重鎮。
戦型は先手で角換わり。今日は全て先手番でした。O滝さんの早繰り銀に対し、4筋で反撃して難しい将棋に。しかし相手の△6四角に、▲5五角と合わせたのが痛恨の失着。そのタイミングで△4七歩と金頭に叩かれる手をうっかりし、自信のない局面になりました。ただ相手もその後見落としがあって、私は飛車角を切る大勝負に討って出ます。攻めながら飛車角を取り返してこちらが良くなりましたが、そこからの凌ぎがO滝六段の真骨頂。攻めあぐね、これも熱戦に。最後は先手が残していたと思いますが、実戦ならどうなったかわかりません。時計が勝敗を決し、○。

王将:こた(仮(21ー2) 2年ぶり王将位奪回。無欲の勝利。
準王将:N西六段
3位:T田五段
4位:S戸川五段
5位:K縁五段
6位:S井五段
7位:M前四段
8位:O滝六段
次点:T橋四段

今回のシード争いはレベルが高く、T橋さんの勝ち数なら例年は6~7位に入っていても全くおかしくありませんでした。

S戸川がダウナーモード化してましたが、私は完全ハッピーでしたw

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