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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

over clock

今日は朝日アマ名人戦福井県大会でした。県タイトル戦ですが本大会はシードがないので、普通に予選リーグから参加。A級にも中学生の子が多く参加している印象を受けました。

予選1戦目、私はY田四段と対局。戦型は先手で角換わりに。Y田さんはベテランながら最新形に精通し、▲4八金vs△6二金型でお互い銀矢倉に組む形。Y田さんの自陣角がおそらく新手で、先手が攻めていきましたが後手の受けも強靭で難解な将棋が続きます。▲3三銀の打ちこみに対し、最後に玉で取って顔面受けされると自信がありませんでした。本譜は△3四歩の飛車取りに▲2五桂と切り返したのが好手で、寄り形に。○。

2戦目、相手は中学生のI井弟くん。振り飛車党のI井くんに対し、力戦形の相振りを挑んで経験差を主張するw 飛車をびゅんと右に回り、飛車交換になって陣形差で私が有利に。丁寧に指して自陣に飛車角が利かないように気を付けながら、竜で押していきます。そのまま押し切り、○。

3戦目、U田さんと。3手目▲7八金を見て後手の私は石田流を目指し、先手はソデ飛車で飛車先を逆襲してきました。銀交換して収めようとしましたが、強く攻めてこられ決戦に。角で飛車を取らず桂得を目論見ましたが、これがたぶん悪手。途中は全く自信がなかったものの、攻め合ってみたら1手残っていました。なんとか○。

4戦目、S井五段との一戦。戦型は横歩取りに。相手の青野流に対し、やはりと言うべきか激しい変化に突入しました。飛車交換になり、と金作りを狙ってそれが間に合うかどうかの勝負に。玉頭から猛攻を受け冷や汗の出る展開でしたが、頑張って受けに回ります。切れ模様にして、と金を間に合わせ○。

ここからはトーナメント。一回戦は、お馴染みのY本五段と対局に。(Y本さん、予選全勝が光る。)
戦型はY本さんの三間飛車。四間飛車が一番多いと思いますが、三間もよく指されています。私がイビアナにしたのに対して、向かい飛車される急戦形に。振り飛車の△6二銀型から△5四銀が上手く、居飛車作戦負け(構想力が違う、私如きが言うのはアレですが、さすが。)。穴熊を生かして暴れにいきましたが、気付いたら必敗形に陥っていました。どうせ負けるなら…ということで、銀タダ捨ての派手な勝負手を放つ!取られても、無視して成桂を寄り突かれても(ちなみにコイツは損している桂であるw)如何ともし難いという感じでしたが、穴熊には端攻め…としたのが疑問。まさかの手抜きが利き、一応こちらの攻めも繋がる形に。まだまだ難解でしたが、ギリギリ寄せ切り逆転勝ち。○。

準決勝、S戸川五段と。朝日アマ代表獲得に熱意を燃やしているが、私だって簡単には負けられない。
戦型はvs石田流に左美濃。定跡形ではなかったのですが、割とスムーズに進行。私ととしてはこちらが充分と思っていた変化、実はS戸川は研究していたらしい。(私は忘れていたのですが、以前練習将棋?で指していたとか。そして研究不足と言われた(ゴメンね^^;)ので、やり返す気だったようだw)というわけで、当たってもいない桂にヒモをつけた▲7八歩!がS戸川研究。長考しましたが、そこで有効な手が見いだせない。結局ちょっと損な手を指して決戦になり、私は飛車角総交換が必然かと考えていました(それでも自信はなかった)。しかしS戸川の飛車を取り返さず、銀香を取ったのがスマートな順。私も長考して角を受けに使って頑張り、形勢不明のねじり合いに。玉頭戦に持ち込んだものの、寄せが発見できず形勢が傾き始めます。時間も切迫し絶体絶命になりましたが、ノータイム指しで必死に相手玉に迫ります。最後は逆に自玉の方が詰むかどうかになり、残り1分の中直感で逃げ続ける…。相手の持ち駒が香一枚になり、時間との勝負と思った瞬間。最後の最後で頓死を喰らって、×。
負けたのは残念でしたが、好局でした。

しかし決勝戦、私のこの好局が霞む(笑)大熱戦が展開される(ネタバレ)。

決勝は2438六段vsS戸川五段。S戸川先手ゴキ中に、△5四歩で位取りを拒否する形。▲7五銀と銀をぶつける、やや古い定跡形になりました。定跡が一段落したところで長考の応酬になり、濃い中盤戦が繰り広げられます。正直言及したい局面は沢山あるのですが切りが無いので、感想戦で言わなかったことを書きます。後手玉に寄せがありそうな局面で受けに回った▲5八歩。最善手ではなかったかもしれませんが、読み切ることは不可能かと思えるほど細かい所。

私の考えですが、将棋はなんとなく指してたまたま勝っていた、ということも当然あるのですが、どこかで一回は相手の読み筋を上回らないと、勝ちに結びつかないと思います。S戸川は、読みを打ち切って一か八かに賭けなかった。
(これは蛇足ですけど、激しい順は相手も真っ先に読むので、勝負の面でもファインプレーだと思う。)

本局、2438くんを以てしても気づかない手を指し、読みでS戸川が上回っていたところも確実にあったと思います。しかし、2438くんも最強の手で切り返し、めまぐるしい応酬を経て、最後に制したのは2438くんでした。これもまた簡単には土俵を割らない、若き名人の充実ぶりを表している気がします。

優勝:2438六段
準優勝:S戸川五段
2人は石川県で行われる北陸ブロック大会に出場します。

こんなに長文で人の対局のことを書いたのは、初めてな気がする。
今期福井棋界の名局賞は、これでいいw

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