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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

絵にならない姿も「いいねb」

昨日は県アマ選手権が行われました。
私としてはタイトル奪還を期しての大勝負です。ここが、今が、正念場だ!

予選はシード(昨年の大会成績による)のため免除で、午前中は役員として観戦。
実力者は順当に勝ち上がった印象です。

トーナメント一回戦は悪運を発揮し、シードで突破。

二回戦はK下五段との対局。午前中のキノ「決勝で会いましょう」←フラグ
戦型は私の石田流。対する左美濃が銀冠へ組み換えるタイミングを見ながら、仕掛けを窺う展開に。本譜の分かれは難しい形勢で、相手の手が広く自信はありませんでした。ただ自陣に受け一方の桂を投入したのは疑問で、上手く角をいじめてこちらが優勢に転じます。端攻めも絡めて敵陣を攻略し、○。

準決勝はN西六段と。
序盤の作戦の綾で相中飛車に。N西さんは銀をぶつけて積極的な駒運びでしたが、馬を作ってこちらが指せる将棋。強襲に気を付けながら、馬を生かしてじっくり指すことを心掛けます。勝負手気味に銀を中段に打って攻めてこられたものの、逆に目標にして差を広げました。快勝で、○。

決勝戦、W塚五段との一戦。充実の相手だが、負けられない。
W塚くんの四間飛車に、居飛車穴熊を選択。相手は振り飛車ミレニアムに組み、最新の定跡形の進行です。ただ戦いになったところは既によくわかっておらず、ちょっと研究不足でした。激しい展開を選びましたが、相手の端攻めが厳しくかなり苦しい形勢。しょうがないので、穴熊を埋めながらクソ粘りモードに突入w それが功を奏したのか、玉頭戦になってなんやかんや綾が出てきました。しかし30秒将棋のさなか、銀をとっさ自陣に埋めたのが今度は敗着。敵陣に迫る駒が不足し、×。
局後「逆転していたのでは?」と、ギャラリーを交えてあの手この手と検討。しかし届きそうで届かない変化ばかり。客観的に見れば、W塚くんの土俵際での強さが勝ったと言えるでしょう。(ソフトさんによると、寄せに行くのではなく、最後の▲5五桂で▲8五桂とねじり合えば互角とのこと。)

ボロボロになろうが、次回も全力を尽くします。

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KKK 2021/6/5

土曜日に行います。

日曜はアマ選手権。
本気で臨みたいと思いますが、課題は多いです。


-久々に小話っぽい語り口-

横歩取り△8五飛戦法(中座流)の登場は、まさに衝撃と言えるものだったと思います。△8五飛型と中原囲いを合わせた陣形の奇抜さもさることながら、当初は後手番が圧倒的勝率を誇りました。当然の如く、瞬く間に(横歩取り史上初の)相居飛車戦のメインストリートに成り上ります。さらにその隆盛は脂の乗った羽生世代の激闘と共にあり、まさに一世を風靡したと言っていいでしょう。
ほんの十年くらい前までは横歩取りの中心に位置し、研究が深められながら長く指され続けてきました。


作戦の変遷だけ申し上げておくと、先手側の対策は中住まい中心から、▲6八玉型や新山崎流、▲7七角型など有力な陣形や手順が多く開拓されました。後手も松尾流など細かい工夫を重ねて対抗していましたが、横歩取り△8四飛型で△2四飛とぶつける筋が発見されて以降、主流をそちらに譲ることになります。

↑いち早く大激戦となる新山崎流の陣形。余談ながら、以前中座流を得意とされていたN西六段とこた(仮の間でも熱戦が繰り広げられた。(10年前)

現在、△8五飛型と中原囲いの形はソフトの評価が良くないこともあってか、ほとんど指されることはありません。変化球としては△8五飛型と中住まいをMIXし、守備的(バランス型)に指すような将棋はありましたが、それも先手が青野流を基本戦術としてからは出現することがなくなりました。(そもそも▲8七歩と打って、△8五飛と引かせる流れにならないため。)

話が前後しますが、そもそも横歩取り△3三角型にあっては、内藤流空中戦と呼ばれるもの
(△8四飛型と中住まい)がその発端でした。半世紀前からの形ですが、羽生世代も若手の頃に指しています。現代でも通用する手筋が多く見られ、内藤九段の感覚が時代を先取りしていたことが窺えます。

↑今では珍しい感もある「金開き」。△7四飛は今でもよく出現する筋の一手。内藤流と言えば細かい工夫が多く、他には△1四歩~△1五歩としてから軽く仕掛けていく指し方が印象深い。

△8四飛型は中原囲い系と合わせて指されていた期間もあったものの、エポックメイキングとなったのは△7二銀型の陣形です。特に△2四飛とぶつける筋の発見から、一躍流行の戦型に躍り出ました。

↑寵児はやはり佐藤天彦九段だろう。後手番横歩取りが名人奪取の原動力になった。

やがて△2四飛とぶつける筋は廃れることとなりましたが、後手番横歩取りは変わらず猛威を振るいました。
そこに待ったをかけたのが、現代の横歩取り先手番の主戦法である青野流です。△3三角型自体の根幹を揺らがせる戦法で、一時期は横歩取りそのものを激減に追い込みました。

さて、今度から青野流を一緒に勉強していきましょう。(これから勉強しますw)

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-矢倉戦法のバランス化-

今週末のKKKは、お休みとさせていただきます。


今回は最新矢倉のお話(前編)をお贈りいたします。

さて、昨今の特に相居飛車戦において、陣形全体のバランスが重視されていることを述べるのは、こんな場末のブログを好んでご覧の方には釈迦に説法でしょう。ただ矢倉戦法においては、他の戦法と比べてすぐの角交換になりにくい意味もあって、バランス化の波は緩やかなものでした。

そんな中、最近流行を見せつつある作戦△6三銀型を取り上げたいと思います。名人戦第4局で採用され、藤井二冠も直近で後手番を持って2局採用しています。
最初にお断りしておくと、まだこの作戦は決まった定跡が確立していません。各々の個性が現れるので、手順は一例だと思ってください。



この図は▲2六歩△6四歩▲2五歩と進んだところですが、△6四歩で△4二銀と上がり、▲2五歩に対して△3三銀と受けるのは以前の主流です。以下は△6三銀型の作戦を取る場合、米長流急戦矢倉になるのが相場でした。(作戦としては他にもあるが。)
また△3三角で受け、雁木にするのも最近多い作戦です。矢倉vs雁木の将棋も割とホットな戦型ですが、今回は割愛します。

上図からの指し手(1)
△3二金    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △6三銀



本譜は2筋の受けを△3二金だけに留め、飛車先を換えさせる権利を与えます。新しい局面の捉え方が生まれ、最近になって登場が増えている形。
後手の作戦にどういう主張があるかというと、これはけっこう難しい。敢えて解説を付けるとすると、1.角道を通したまま攻める形を作りやすい、2.バランスの良い陣形を目指している、という感じでしょうか。
まず先手が▲2四歩を決行する形を考えてみます。横歩取りを狙って、後手の指し方を咎めにいっているという感じ。ただし(2)△3二金▲4八銀…の進行もよく指されています。引き角にしてより矢倉的な指し方です。これは後編で。
横歩取りが本手順ですが、先に引き飛車から持久戦を目指すとどうなるのか見てみましょう。

上図からの指し手①
▲2八飛    △2三歩    ▲4八銀    △4二銀    ▲5八金    △5四歩
▲5六歩    △7三桂    ▲6六歩    △4一玉    ▲6九玉    △5二金
▲6七金右  △8五歩    ▲3六歩


上図まで進んで、後手の陣形は昔からある急戦の形に収まりました。1局の将棋ですが、後手が△6五歩から攻める権利を握っています。こういう形は、最近は後手に主導権があると見られています。
また、△5二金で△5二飛▲6七金右△6二金と矢倉中飛車にするのも有力。以下▲6八銀と引くのが定跡の教える形ですが、一度上がった銀ですからちょっと抵抗がありますね。

指し手②
▲3四飛    △3三角    ▲3五飛    △2四歩    ▲3六飛
△4四角



横歩を取られたときの対処は2通り。②▲3四飛に△3三角か、③▲3四飛に△4四角です。先手の角道が通っていない以上、▲3四飛にすぐの厳しい狙いはありませんが、後手も飛車をいじめなければ主張が作れません。
△3三角は直接的に飛車を帰さないという手ですが、ここからの動きは面白い。▲3五飛と1つ引くと、△2四歩でやはり2筋には戻させない。▲3六飛ともう1つ引けば、やはり△4四角で戻させない。
飛車を巡る動きが面白いですが、ここからはまだ未知数の将棋と言えるでしょう。とりあえず先手は▲4六歩と角を追う手を見せますが、以下△5四銀か△2二銀が有力。△2二銀なら▲4八銀△4二玉▲4五歩△3三角▲2六飛△5四銀▲3六歩△4五銀▲3五歩…というのが実戦例のある進行です。

指し手③
▲3四飛    △4四角    ▲2四飛    △2二銀    ▲2八飛    △7三桂
▲4六歩    △3三桂    ▲5八金    △5四歩



▲3四飛に△4四角もあります。以下スムーズに▲2八飛まで戻ることができますが、後手は両桂を活用してこれまた面白い形。後手からは△2六歩と垂らす手が含みにあります。

この前の叡王戦、行方九段vs藤井二冠戦で、藤井二冠がこの△4四角型を採用しました。途中の手順は違いますが、下の図のように進展しています。


後手は中住まいにして、バランスの取れた陣形。上半分だけ見たらとても矢倉戦法からの派生とは思えないでしょう。

TUDUKU。

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KKK 2021/5/22

土曜日に行います。

キノに言われました、「こた(仮さんは難しいこと言い過ぎ」だと。
仕事をしていると、技術的に素晴らしいものがある人が育成も上手いとは限らないことに気付きます。「に、日本語でお願いします」状態ですw
…なるほど。

-△3三角戦法基礎-



さて、これが横歩取りのメインストリート。
△3三角は直接は、▲2二角成を受けた手です。3四の横歩を取られたときの形で、「角道を通したまま受ける」「▲2四飛と戻られる手を防ぐ」などの効果がありますね。
ちょっと横道に逸れると、最近は矢倉でも横歩を取る形があります。矢倉なので▲7七銀となっており、先手の角道が止まった状態です。この場合は、▲3四飛のときに△4四角と出る手も有力になります。以下▲2四飛なら△2二銀と受けることができます。角でちょっと飛車を圧迫するイメージですね。(ちょうど今日の行方vs藤井戦で出現しました。)また矢倉の変化では、△3三角▲3六飛△4四角という面白い動きもあったりします。飛車は返さんぞ、という主張の強い手ですね。
本題に戻ると、ここから先手が▲5八玉とするのが「青野流」、▲6八玉とするのが「勇気流」という戦法です。いずれも飛車を3四に置いたまま、▲3六歩~▲3七桂と桂を使った攻めを狙います。最新形でもあり、かなり難しい戦法。(余談ですが、佐々木勇気七段著の「勇気流」本を買いました。難易度スーパーベリーハードの本です。)
以前の主流は▲3六飛でした。後手の横歩取りを防ぎつつ、飛車を安定させます。

上図からの指し手
▲3六飛    △2二銀    ▲8七歩    △8五飛    ▲2六飛



この手順は後手が△8五飛戦法(中座飛車)の作戦です。このあたりは実は必然性がある訳ではなく、作戦によって色々な手順の組み合わせが考えられます。
▲3六飛に対して△8四飛とするのがメジャーな変化で、古くは「内藤流空中戦」と呼ばれた指し方です。△8五飛戦法の場合はいきなり△8五飛とすると、▲8七歩と打たない手が有力になりやすくなります。詳しい手順は省略しますが、▲7七桂が当たるから△8六歩の垂らしが利きにくいのが理由です。
というわけで一旦△2二銀と上がり、▲8七歩と打たれてから△8五飛と据えます。そして△2五飛を防いで▲2六飛とするのが手順です。(さきほども言ったが、必然ではない。)
次の手は囲いによって変わります。△5二玉とすれば中住まい。今回は初期の中原囲いを考えます。

上図からの指し手
△4一玉    ▲3三角成  △同 桂    ▲9六角



△4一玉~△6二銀~△5一金としたのが「中原囲い」です。元々は相掛りの分野で様々な作戦を開拓した中原永世十段が、その新領域の相掛りで用いた囲いの1つでした。
最初の手は△4一玉ですが、△6二銀を先に指すことはできません。△6二銀▲3三角成△同桂▲2一角と強襲されて不利に陥ります。後手の右側が壁になっているのが痛く、これは受かりません。
しかし今度は▲9六角と打たれる手が気になります。実はこれがプロの1号局。今は出ない変化ですが、しっかり抑えておきましょう。

上図からの指し手
△6五飛    ▲6六歩    △6四飛    ▲6五歩    △8四飛
▲6三角成  △5二金    ▲1八馬    △4四角    ▲2四飛    △2三銀
▲4四飛



一旦△6五飛と角成を受ける位置に逃げ、▲6六歩~▲6五歩とされてから△8四飛とします。歩を伸ばさせてスキを作る意図ですが、▲6五歩に△同飛と取ってしまうと▲7七桂△6四飛▲6五歩とされて損をします。その意味は後でわかります。
▲6三角成に△5二金と当て、△4四角が後手の反撃。▲7七桂と跳ねさせているとこの手が利きません。しかし先手にも▲2四飛の返し技があり、△9九角成なら▲8四飛と飛車を素抜かれてしまいます。結局、飛車と角を刺し違える形になります。
この局面は実はいい勝負です。しかし▲9六角と打った実戦例はほとんどない。(もしや最初の1局のみ?)「せっかくの先手番でこれを選ぶのか」と認識されている局面ということですね。

凄い丁寧に書いてみました。…一変化だけですが、疲れました。もう無理ですw
O先輩、教育者って凄いですね(こなみかん

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KKK 2021/5/15

土曜日に行います。
来られる方はご一報ください。

子どものときは、負けた後の感想戦は畳みかけるぐらいでええんやで。
感想戦で勝つ!(某N五段メソッド

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KKK 2021/5/9

日曜日に行います。


-対四間の新型急戦-

久々の単発小話。
角道を止める四間飛車が最近ホットな戦型となっていますが、序盤早々の駒組みから工夫を凝らすことが多くなっています。最初はこれをテーマにしようかと思ったのですが、まとめてみようとして「難しすぎる」w
というわけで居飛車側の目線で、新型急戦を題材としたいと思います。居飛車も指される作戦が多いですが、また面白い指し方が増えました。



図までの指し方について少しばかり注釈をば。
後手は早めに9筋の端歩を打診していることが1つ。対して先手はあっさり端を受けるのが主流です。これはイビアナを目指している場合も同様で、これだけで1つのテーマにできそうです。まぁここでは現在の主流はそうなんだな、ぐらいに思っておいてくださいw
先手は穴熊含みで陣形を組んでいますが、▲3六歩で急戦を見せたのが上図です。後手は△7二玉型をキープしているのが2つ目のポイント。これは「振り飛車ミレニアム」や「耀龍四間飛車」を含みにしています。現時点では最も多い形ですが、いろいろな有力な形が多いところ。本譜は結局美濃にしますが、△5二金左を指させている形に焦点を絞ります。△4一金型だとまた変化が増えます。

上図からの指し手
△8二玉    ▲1六歩    △7二銀    ▲3七桂



△8二玉に対して、プロの将棋では▲7七角から穴熊を目指す方が主流。▲3六歩で△8二玉を指させることにより、先ほどの振りミレや耀龍を消した意味があります。今回はあくまで急戦を目指します。▲3七桂が古くて新しい形。

上図からの指し手(1)
△6四歩    ▲4五桂    △同 歩    ▲3三角成  △同 桂
▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛



△6四歩は例えば▲4六歩なら、△5四銀という玉頭銀を残した手です。しかし▲4五桂という「ポンポン桂」がこの場合は成立します。
上図まで進んで先手が少し指せそう。△2二歩は▲3一角で先手よし。△4四角▲8八角△同角成▲同銀△4六歩▲同歩△4五歩…などが一例で、後手も暴れるべく頑張ります。

指し手(2)
△5四歩    ▲4五桂    △同 歩    ▲2四歩    △8八角成  ▲同 銀    △5五歩


次に△5四歩を見てみましょう。同じくポンポン桂を発動すると、今度は▲3三角成△同桂▲2四歩には△6四角を利かされます。よって角交換を保留しますが、△5五歩として後手もやれそうな形勢です。▲2三歩成が一瞬厳しくありません。

指し手(3)
△5四歩    ▲2六飛    △3二飛    ▲4六歩    △2二飛    ▲6八金上



▲2六飛が本題となる一手。相手の手を見て▲4六歩と▲4六銀を使い分けます。△3二飛は▲4六銀の方を警戒した手で、△5一角と引いて3筋に備えることができます。(ただし以下▲7七角△7四歩▲8八玉と持久戦に切り替える作戦もある。これも新しい感覚の将棋だ。)
よって▲4六歩を選び、△2二飛と守ります。▲6八金上の2枚金の形が最近注目されている囲い。

上図からの指し手①
△7四歩    ▲5五歩    △同 歩    ▲3五歩    △5三金    ▲4五歩
△6四金    ▲4六銀



本譜は黒田五段vs井出四段の実戦譜。黒田五段は自らも四間飛車を指しこなしていることもあり、急戦系の将棋にも造詣が深い。先手は歩をリズムよく突き捨てて攻めます。後手は金の力で反撃しようとしますが、上図まで進展して先手有利。

指し手②
△6四歩    ▲3五歩    △同 歩    ▲4五歩    △同 歩    ▲3三角成
△同 桂    △4四角    ▲同 角    △同 銀    ▲3一角



△6四歩に対しても▲5五歩が有力で、黒田五段の予定はこちらだったかもしれません。
▲3五歩~▲4五歩の手順も考えられる攻め筋です。▲3三角成△同桂に単に▲3一角と打つと、△2一飛▲6四角成に△4四角が好位置の角。これは後手が指せそうです。
▲8八角に△4二金は▲4五桂で攻めが続いて先手がやや有利。よって△4四角と合わせて、以下▲3一角と打ち込みます。
上図以下は、△2一飛▲6四角成△5三銀▲7五馬に△2四歩が好手で、いい勝負です。さらに▲3四歩 △2五歩▲2九飛△3六歩に▲3九飛で互角の戦いが続きます。

指し手(3)
△5四歩    ▲2六飛    △6四歩    ▲6八金上  △7四歩    ▲4六銀
△5三金    ▲3五歩    △3二飛    ▲3四歩    △同 銀    ▲5五歩



△3二飛と備えない場合は、▲4六銀と出てみたいところ。ただその前にやはり▲6八金上と陣形を引き締めます。
△5三金は中央を厚くした手ですが、▲3五歩から仕掛けて▲5五歩とそれでも中央に手を付けます。形勢は難解。

もう少し手短に切りたいのですが、現代将棋は変化がますます細かくなるばかり…
いやはや、大変だ。

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KKK 2021/5/1

土曜日に行う予定です。
※緊急事態宣言下です。来られる方はお気を付けてお越しください。

今回は横歩取り△3三桂戦法を取り上げます。現在はほとんど指されることはありませんが、先手が簡単に有利になることはありません。



ここで▲2四飛とするのは、△4五桂とされて激しくなる可能性が高い。先手が悪いとも言い切れないが、リスクが高いと思われる。
よって先手はじっくり指して、1歩得を主張するような方針で指す場合が多い。

上図からの指し手①
▲5八玉    △1四歩    ▲3六飛    △4二銀    ▲3八金    △6二玉
▲4八銀    △7二玉    ▲9六歩    △8二銀    ▲7五歩    △8四飛
▲7七桂



▲5八玉に△7六飛と欲張ると、▲8四飛△8二歩▲2三歩△同金▲2四歩で先手よし。△1四歩はその防ぎにもなっているが、▲3六飛と引いて後手が横歩を取ることはできない。
後手は△6二玉~△7二玉と右側に玉を持っていく。このままでは角が使えないので、△1三角や△3一角と将来動かすことになる。△3三桂と跳ねてしまうと、ひねり飛車以外はいびつな駒組みになってしまうところがある。
対する先手も、ひねり飛車以外の作戦が難しい。▲7七桂では▲2六飛△2五歩と歩を打たせるのも有力。上図以下は、△2四飛▲2七歩△9四歩▲8六飛△8四歩…などが一例となる。要領を得ない手将棋となりやすい。

指されない理由は、このような展開で収まったときに、後手側にそれほど主張が無いと認識されているからだと思われる。
ただし現環境では似たような将棋になりやすいので、自分だけ研究しておけるという実戦的なアドバンテージが後手にはある。

指し手②
▲3六飛   △8四飛    ▲2七歩    △1四歩    ▲4八玉    △4二銀
▲3八玉   △6二玉    ▲9六歩    △7二玉    ▲7五歩



後手の土俵を避けるために、先手も変化球を考えてみよう。私が以前よく指していた作戦である。
単に▲3六飛と引くが、これに△1四歩は▲2三歩△1三角(△同金は▲2四歩)▲8七歩△3五歩▲6六飛△8四飛▲6三飛成△2四飛▲2二歩成△同銀▲2八歩で先手有利になる。よって△8四飛とするが、▲2七歩とベタっと打ってしまうのが如何にも実戦的だ。そして先手も玉を右側に配置して上図となる。
こうなると相振り感覚で自然に指せるという強みはある。後手の方が駒組みが進んでいるが、むしろ相手の手を見ながら有効な陣形を選んでいきたいところ。

アマチュア向きの作戦な気がします。

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KKK 2021/4/18

日曜日に行います。


-感動の(?)最終回-

長期連載になっていた角交換四間飛車ですが、最後に居飛車が▲2五歩を突かない変化を考えてみましょう。これなら逆棒銀はありません。



ただし、▲2五歩に代えて何を指すのかはもちろん重要です。
例えば▲3六歩と突くと、すかさず△4四歩と普通の四間飛車に戻される可能性があります。それで居飛車が悪いわけではないですが、▲3六歩は急戦志向の一手。自分の得意戦法と照らし合わせる必要があるでしょう。
今回は普通の四間飛車に対して最有力と見られている、穴熊の含みを残す指し方を見ていきます。

上図からの指し手
▲5六歩    △7二銀   



方針を決めると、実は意外と先手が選べる手は多くありません。▲6六歩とじっくり行こうとするのは、2六歩型なら向かい飛車にされる手がないので一理ありますが、△7二銀の前だと角道を開けたまま振り穴にされて消極的です。▲5八金右△7二銀▲6六歩は、△3五歩▲2五歩△3三角▲7七角△2二飛で後手十分。
よって(1)▲5六歩+▲5八金右か、(2)▲5六歩+▲5七銀が候補となります。

上図からの指し手(1)
▲5八金右  △5二飛



▲5六歩を見てそれを目標に飛車を振り直すのは、振り飛車党ならやってみたい手。

上図からの指し手①
▲2五歩    △5四歩
▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △8八角成  ▲同 銀    △2二飛
▲2三歩    △5二飛



居飛車の飛車先交換に対して、飛車をぶつけるのは常に角交換振り飛車の狙い筋。これは以前なら後手が軽いと言われていた(いい意味で)指し方ですが、現在の私の見解では後手が少し勝ちづらそうに思えます(この形なら)。実戦ではほとんど現れませんが、この場合は▲2四歩を決行してみる価値はあるでしょう。ただし僅かな違いによって全然上手くいかない場合もあるので注意。

指し手②
▲5七銀    △5四歩    ▲6六歩    △5五歩    ▲同 歩    △同 飛
▲5六歩    △5一飛    ▲7七角



先手がじっくり行くならこの手順。後手は軽い形で、たぶん振り飛車党は後手を持ちたいし居飛車党は先手を持ちたいんじゃないかという気がしますw

指し手(2)
▲5七銀    △5二飛    ▲2五歩    △5四歩   



(2)▲5六歩+▲5七銀の場合を見ていきます。今度は4九金型を生かし、▲4六銀と飛車先交換を防ぐ手を考えてみたいところ。

上図からの指し手(a)
▲2二角成  △同 銀
▲4六銀    △3三銀    ▲6八銀



この手順は、先手中飛車の変化で居飛車側が5筋の位を取らせない作戦を、先手でやったのと同じことになっています。後手は1手遅れているのですが、振り飛車側に打開の義務が無くむしろ気楽。体感的には振り飛車十分。

指し手(b)
▲4六銀    △5一飛    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △3二金
▲2八飛    △2三歩    ▲3六歩    △8八角成  ▲同 銀    △4二銀
▲7七銀    △4四歩



単に▲4六銀の変化。飛先を交換されますが、△3二金と受けておきます。以下「歩越し銀には歩で対抗」の形を作ってどうか。振り飛車もやれそうに思います。

居飛車には工夫の余地があるものの、全体的には(後手番としては)振り飛車が指せそうな変化が多そうな感じがします。
最後に中飛車に振り直す形ではなく、角交換して向かい飛車を貫徹するとどうなるかを見てみましょう。

指し手(3)
▲5七銀    △8八角成  ▲同 玉    △3二銀    ▲7八銀    △3三銀    ▲6六歩
△2二飛    ▲6五歩    △2四歩    ▲6七銀    △5二金左  ▲7八金
△4四銀    ▲5八金    △3三桂    ▲4六歩    △2五歩    ▲同 歩
△同 飛    ▲同 飛    △同 桂    ▲4一角



長手数進めましたが、以前似たような形を解説しています。先手はいろいろな陣形が考えられるでしょう。後手としては▲2五歩と▲3六歩が入っていないので、△3三桂から△2五歩▲同歩△同飛で飛車ぶつける筋をやってみたくなります。しかし最後の▲4一角が、飛車の打ち場所を保留した不思議な感触の一着。形勢不明のようです。

角交換振り飛車の世界はまだまだ広いですが、一旦区切りといたします。
角交換四間飛車をテーマにしたこの連載は私の研究もふんだんに盛り込んだので、かなり難しかったと思います。(某名人に好評だったのは救いw)
完全に「小話」の域ではなかったと思いますが、また需要(コメントとかコメントとかコメントとか)があれば考えます。

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順位戦レポート2021

棋士の「格」を決する順位戦、昨年度もドラマはやはり起こりました。もう名人戦が開幕してしまいましたが、今年も振り返り&予想をしてみたいと思います。

A級
挑戦者:斎藤八段
来期予想:広瀬八段

意外な展開というか、割とあっさり決まった前期のA級。挑戦者は8-1という好成績で初参加の斎藤八段となりました。失礼ながら、◎や○どころか△とも思っていなかった位置。27歳での名人挑戦は立派というか、エリートコースをばく進している感じですw 降級もラス前に決まってしまいました。
リーグの内容は若手優位という印象で、互いにしのぎを削っている感じでした。今期もレースを引っ張る可能性が最も高いのは豊島竜王で、間違いなく本命所。また今期から参加の永瀬王座も要注目でしょう。
しかし天邪鬼なこた(仮が推すのは、広瀬八段。常にA級リーグという魔境でも安定した成績の残す実力者、そろそろくるのではないだろうか。
そんな中で、羽生九段、康光九段の両巨頭の巻き返しはあるかどうか。また、やはり悲願のA級、山ちゃんこと山崎八段にもぜひ台風の目になっていただきたいところ。

B級1組
昇級:永瀬王座、山崎八段
予想:藤井二冠、稲葉八段

永遠の天才少年、山崎八段が遂にA級到達!才能溢れる将棋は見るもの全てを引き付けます。また最終戦で永瀬王座で自力で2枚目の切符を勝ち取り、初参戦2人となりました。
降級枠が3名となり、こちらも熾烈。アラフィフの3人が落ちるという結果になってしまいましたが、改めて厳しいリーグであると思わされます。
今期はベテランvs若手という感じもするB1。20代は近藤・千田・佐々木ですが、実績十分の実力者たちを圧倒できるかは疑問。ベテラン勢も生きのいい若手相手に取りこぼしなく星を重ねるのは容易ではないでしょう。よって予想は本命・藤井二冠、対抗・稲葉八段で揺るぎないところと思います。藤井くんに至っては「全勝するかどうか」の議論になっているレベルw 稲葉八段も前期A級陥落の憂き目を見ましたが、B1では超強力な昇級候補でしょう。当たる気がする。

B級2組
昇級:藤井二冠、佐々木勇気七段、横山七段
予想:澤田七段、深浦九段、行方八段

藤井二冠、勇気七段は連続昇級。毎回混戦となるB2ですが、力を見せました。藤井二冠は当然といえば当然ですが、勇気七段は最近将棋が仕上がっています。B1での戦いぶりも見ものです。そしてもう一枠、ここは3敗勢で混戦模様。去年「B1⇔B2で3人はやり過ぎ」と申しましたが、やはりちょっと甘い感があって3敗ぐらいでの昇級争いになってしまう。しかし、その枠を射止めた横山七段にケチは誰にも付けられません。というか2年連続次点(去年は最後連敗)で、今年も八、九回戦で黒星。失礼ながらシンパシーを感じるぐらいの勝負弱さでしたが、遂に念願成就といえるでしょう。B2最終戦は、全員が感情移入できるぐらいの舞台でしたw
そして今期予想ですが、これが非常に難しい。本命は今、王位リーグで活躍している澤田七段かと思います。あと二枠は運じゃないですかねw(投げやり) 順位的に、深浦九段と行方八段のカムバックを予想します。

C級1組
昇級:高崎七段、増田六段、高見七段
予想:大橋六段、石井六段、船江六段

私の去年の予想は見事に外れましたが、割と当たった人もいるのではないかというC1。高崎七段は毎回好成績で、10-0の完全昇級。そして棋士に高い評価を受ける増田六段、B2でも昇級レースに絡む可能性は高いかもしれません。最後の枠は高見七段が最終戦、高崎七段に敗れながらも滑り込みでGET。高見七段と争っていた船江六段は優勢からの逆転負けで、悔しい敗戦になりました(ラス前で増田六段に土をつけたのに…)。
C1も予想は難しい。今期初参加ですが大橋六段が私は本命。やはりアベレージが高いですからね。対抗は実力者2人を推しますが、ふなえもんには雪辱してほしいところ。C1の今期昇級者は35歳までというのが相場でしょう。

C級2組
昇級:黒田五段、出口五段、大橋六段
予想:佐々木五段、梶浦六段、高野五段

どうして佐々木大地五段は昇級できないのか、なC2。しかしずっと2連推ししていた大橋六段がリーグ中盤で連敗したものの、立て直して3人目を確保。トップ通過は黒田(新)五段で、去年の時点では昇級予想するのは難しかった位置。出口(新)五段も同じく。これにとどまらず、さらなるスターダムによじ登ってきてほしい若手です。
今期の予想ですが、私はもう上がるまで大地五段を推し続ける!w(意地)でも他棋戦での活躍を見れば、上がらなきゃおかしい。また次点の梶浦六段も、昨年度は竜王戦で活躍し昇級候補。もう一人は悩みましたが、安定感のある高野五段を予想します。

今回は予想が居飛車党ばっかりなことに書いて気づきました。前回の予想があまり当たらなかったので、今年は当てます!(なぞの自信)

さて、今期はどんな予想もつかないドラマが生まれるだろうか。

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