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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2021/5/9

日曜日に行います。


-対四間の新型急戦-

久々の単発小話。
角道を止める四間飛車が最近ホットな戦型となっていますが、序盤早々の駒組みから工夫を凝らすことが多くなっています。最初はこれをテーマにしようかと思ったのですが、まとめてみようとして「難しすぎる」w
というわけで居飛車側の目線で、新型急戦を題材としたいと思います。居飛車も指される作戦が多いですが、また面白い指し方が増えました。



図までの指し方について少しばかり注釈をば。
後手は早めに9筋の端歩を打診していることが1つ。対して先手はあっさり端を受けるのが主流です。これはイビアナを目指している場合も同様で、これだけで1つのテーマにできそうです。まぁここでは現在の主流はそうなんだな、ぐらいに思っておいてくださいw
先手は穴熊含みで陣形を組んでいますが、▲3六歩で急戦を見せたのが上図です。後手は△7二玉型をキープしているのが2つ目のポイント。これは「振り飛車ミレニアム」や「耀龍四間飛車」を含みにしています。現時点では最も多い形ですが、いろいろな有力な形が多いところ。本譜は結局美濃にしますが、△5二金左を指させている形に焦点を絞ります。△4一金型だとまた変化が増えます。

上図からの指し手
△8二玉    ▲1六歩    △7二銀    ▲3七桂



△8二玉に対して、プロの将棋では▲7七角から穴熊を目指す方が主流。▲3六歩で△8二玉を指させることにより、先ほどの振りミレや耀龍を消した意味があります。今回はあくまで急戦を目指します。▲3七桂が古くて新しい形。

上図からの指し手(1)
△6四歩    ▲4五桂    △同 歩    ▲3三角成  △同 桂
▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛



△6四歩は例えば▲4六歩なら、△5四銀という玉頭銀を残した手です。しかし▲4五桂という「ポンポン桂」がこの場合は成立します。
上図まで進んで先手が少し指せそう。△2二歩は▲3一角で先手よし。△4四角▲8八角△同角成▲同銀△4六歩▲同歩△4五歩…などが一例で、後手も暴れるべく頑張ります。

指し手(2)
△5四歩    ▲4五桂    △同 歩    ▲2四歩    △8八角成  ▲同 銀    △5五歩


次に△5四歩を見てみましょう。同じくポンポン桂を発動すると、今度は▲3三角成△同桂▲2四歩には△6四角を利かされます。よって角交換を保留しますが、△5五歩として後手もやれそうな形勢です。▲2三歩成が一瞬厳しくありません。

指し手(3)
△5四歩    ▲2六飛    △3二飛    ▲4六歩    △2二飛    ▲6八金上



▲2六飛が本題となる一手。相手の手を見て▲4六歩と▲4六銀を使い分けます。△3二飛は▲4六銀の方を警戒した手で、△5一角と引いて3筋に備えることができます。(ただし以下▲7七角△7四歩▲8八玉と持久戦に切り替える作戦もある。これも新しい感覚の将棋だ。)
よって▲4六歩を選び、△2二飛と守ります。▲6八金上の2枚金の形が最近注目されている囲い。

上図からの指し手①
△7四歩    ▲5五歩    △同 歩    ▲3五歩    △5三金    ▲4五歩
△6四金    ▲4六銀



本譜は黒田五段vs井出四段の実戦譜。黒田五段は自らも四間飛車を指しこなしていることもあり、急戦系の将棋にも造詣が深い。先手は歩をリズムよく突き捨てて攻めます。後手は金の力で反撃しようとしますが、上図まで進展して先手有利。

指し手②
△6四歩    ▲3五歩    △同 歩    ▲4五歩    △同 歩    ▲3三角成
△同 桂    △4四角    ▲同 角    △同 銀    ▲3一角



△6四歩に対しても▲5五歩が有力で、黒田五段の予定はこちらだったかもしれません。
▲3五歩~▲4五歩の手順も考えられる攻め筋です。▲3三角成△同桂に単に▲3一角と打つと、△2一飛▲6四角成に△4四角が好位置の角。これは後手が指せそうです。
▲8八角に△4二金は▲4五桂で攻めが続いて先手がやや有利。よって△4四角と合わせて、以下▲3一角と打ち込みます。
上図以下は、△2一飛▲6四角成△5三銀▲7五馬に△2四歩が好手で、いい勝負です。さらに▲3四歩 △2五歩▲2九飛△3六歩に▲3九飛で互角の戦いが続きます。

指し手(3)
△5四歩    ▲2六飛    △6四歩    ▲6八金上  △7四歩    ▲4六銀
△5三金    ▲3五歩    △3二飛    ▲3四歩    △同 銀    ▲5五歩



△3二飛と備えない場合は、▲4六銀と出てみたいところ。ただその前にやはり▲6八金上と陣形を引き締めます。
△5三金は中央を厚くした手ですが、▲3五歩から仕掛けて▲5五歩とそれでも中央に手を付けます。形勢は難解。

もう少し手短に切りたいのですが、現代将棋は変化がますます細かくなるばかり…
いやはや、大変だ。

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