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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2021/7/4

日曜日に行います。
来られる方はご一報ください。


-端歩の駆け引き-

「端歩の駆け引き」ということについて、私が最初に思い当たるのは、実は二上九段の将棋です。二上九段といえば昭和の名棋士で、大山十五世名人との対局では、対抗形の素晴らしい棋譜を数多く残しています。
その中で二上九段は、玉と反対側の端歩を難しいタイミングで突いたり、突き越したりしていることがあります。羽生九段の師匠でもありますが、「師匠の端歩はよくわかりません」と言われてしまったこともあるようですw(なにかの本か記事で読んだ気がする…ソースなし)
おそらく、二上九段(と大山名人)にしかわからない駆け引きが存在したのでしょう。

ここまで高度でなくても、舟囲い急戦の将棋には▲1六歩や▲6八金上で手を調整するという考え方がありました。

さて、現代ではさらに駆け引きは加速しています。相居飛車においても、端歩を突くタイミングや端歩三十六景(端歩のパターンが36通りあることから、端歩の形をこう呼ぶ)によって展開が変わるというのは日常茶飯事です。
今回は対抗形について解説します。

序盤早々に、後手が9筋を打診するという戦術があります。3つのパターンに分けると、
①▲2六歩△3四歩▲7六歩△9四歩
②▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△9四歩
③▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀に対し、飛車をどこかに振ってから△9四歩

以前詳しく説明したところ、相手が目を丸くしていたので(笑)、超簡略化してお伝えします。
いずれも端歩を受けるかどうかで、それに見合った作戦を選ぼうとしています。

①のパターンなら、当然角道を止めない作戦が視野に入りますね。しかし△9四歩に▲2五歩とされると、もう△4四歩と角道を止めることできなくなる可能性があります。

②は端を受けるかどうかで飛車を使う位置(居飛車を含む)を決めようとしています。一例ですが、▲9六歩と受ければ四間飛車とし、受けなければ△9五歩と伸ばしてからトマホーク(三間飛車の作戦の1つ)を狙うなど…持ち球によって作戦や構想は様々です。

③はたまに見られますが、正直よくわかりません。例えば▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲6八玉△9四歩みたいな感じですが、△4二飛の次の手はほぼ▲6八玉であり、▲6八玉によって△9四歩を突く意味は無いと思います。△3二飛なら一応▲2五歩とするかどうかは見れるけれども…。単純に②のパターンの方が手が広いです。(テキトーに指している説か、一芸特化の可能性を疑いましょうw)

また、④相手の囲いを見てから、△9四歩を突くかどうかを決める戦術も考えられます。例えば▲9六歩のタイミングによって△9四歩を受けず、振り飛車穴熊にシフトチェンジするなどです。これは現時点では表舞台で取りざたされていないと思いますが、深い変化まで見通した指し方で、意外にも高度な戦略です。「▲9六歩と突かれたら△9四歩と受けようか」ぐらいの思想とは一線を画しており、可能性がある指し方だとひそかに思っています。(ただし難易度:激高)

居飛車側にとっても端歩を受けるかどうか、自分から突くかどうかは考えどころです。この辺りはやはり自らの指し得る将棋によって変わりますね。

これらは玉側の端歩についてですが、反対側(振り飛車後手なら1筋)の打診についても考えます。特に居飛車側にとっては幽霊角(△1五角)を消す意味があって、わかりやすいメリットがあります。
例えば下の図の局面。これは以前の小話で取り上げた局面で、▲3六歩のところを▲1六歩としました。



この将棋は、振り飛車側も居飛車側の手を見ています。△7二玉型は振りミレや耀龍を視野に入れています。
さて、▲1六歩に対し後手は迷います。

①△1四歩なら、▲3六歩とします。以前の順を取り上げると、△8二玉▲3七桂△5四歩となり、△5四歩型にはポンポン桂はわずかに成立しないという結論でした。しかし今度は美濃囲いができていないので、▲4五桂が成立しそうですね。

②△6四歩はやはりポンポン桂が成立。以前の記事参照。

③△8二玉なら振りミレや耀龍の選択肢が(ほぼ)無くなりました。先手は穴熊や天守閣美濃など、持久戦を目指します。
天守閣美濃は振り飛車の8筋からの玉頭攻めが強力なので、△8二玉型は不都合になる場合があるのです。
また▲3六歩を突いていない局面は、△3二飛~△3五歩▲同歩△4五歩などの仕掛けの筋が無いメリットがあります。

④△5四歩も持久戦志向です。振りミレや耀龍は△5四銀型に組むので、やりづらくなっていますね。

このように、より良い形で仕掛けるということだけでなく、戦法や作戦そのものを切り替えるというのが現代的です。端歩の駆け引きに限ることではありませんが、戦法をシームレスに捉え、相対的に指し手をカスタマイズするのが大切です。

「一手一手に意味がある」のですね。

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KKK 2021/6/27

日曜に行います。


-青野流の変遷-

最初に、青野流の流行の理由について考察します。
前回申し上げた通り、近年の横歩取りにおいて△8四飛+△7二銀型は後手の有力戦法として、先手にとっては悩みの種となりました。横歩取りを先手が避けると相掛かりになりますが、これは先手がやや不満な形と見られていました。(昨今の相掛かりの流行で現状では新しい形が生まれており、この辺りは見直しが必要なところだろう。)また、△8四飛+△7二銀型は後手が主導権を握る展開になりがちなことも、先手としては面白くない要素でしょう。
よって、幾人も横歩取りのスペシャリストが生まれ、後手番になると毎回横歩取りを選んできます。先手はより有力かつ、アグレッシブな対策が求められたのです。

そこでフォーカスが当たったのが青野流でした。元々青野九段が最初に指していた陣形であったとはいえ、採用が増えたのは「ソフトが推していた」というのが大きい要素となっています。一早く桂の活用を図り、攻めに重点を置いた指し方です。青野九段が指した当初はあまりにも前のめりな指し方のため、真似するのはかなりの躊躇いがあったことでしょう。しかしソフトの評価値の高さを知ると、人間の青野流に対する見方も大きく変わりました。

ソフトの後押しを得た青野流は、一時期後手の横歩取りを激減に追い込みました。それはソフト研究で先手に有力手段が多いということだけでなく、評価値が後手にとって悪いというイメージもあったことでしょう。
しかし最近は後手の有力な手段がいくつも現れ、また復活傾向にあります。

さて、青野流のスタートは下の図の局面です。▲3六飛と引かず、▲5八玉とするのが合図。この図を基本図とします。



ちなみに▲6八玉なら「勇気流」ですが、こちらは割愛いたします。
この後、先手は基本姿勢として▲3六歩~▲3七桂を目指しています。対して後手の指し手は非常に幅広いところです。たしか以前、「注目は△4二銀」という記事を取り上げたかと思いますが、これは一変化に過ぎません。

私もまだ整理が出来ていないのですが、まず▲5八玉に対し考えられる手を全て列挙してみます。
(1)△7六飛
(2)△2二銀
(3)△8二飛
(4)△8五飛
(5)△4二玉
(6)△4一玉
(7)△5二玉
(8)△6二玉
(9)△4二銀

多くね?w

次の手がほぼ▲3六歩になるので、この中から違う駒の2つの手を組み合わせる場合も多いです。例えば▲5八玉に対し、△4一玉▲3六歩△4二銀と、△4二銀▲3六歩△4一玉は同じ局面で、どちらもあり得ます。しかし先手には▲3六飛という選択肢もある(まだ青野流が確定しているわけではない)ので、▲5八玉に選ぶ手によって、△4一玉▲3六飛△2二銀や△4二銀▲3六飛△5二玉という風に、全然違う局面に進むことも考えられます。

基本図からの指し手(1)
△7六飛    ▲3三角成  △同 桂    ▲8四飛    △8二歩    ▲8三歩
△7二金    ▲8二歩成  △同 銀    ▲8五角    △8六飛    ▲8七歩
△8五飛    ▲同 飛



いきなり(1)△7六飛と指した実戦例は、たぶん無いはずです。
▲3三角成に△同金は、▲8四飛△8二歩▲3八金△2六飛▲2七歩。先手がかなり手得していることがお分かりと思いますが、これは大局的に指し得ない。
先手は▲8三歩からどんどん攻めていく手が成立します。▲8五角は強手ですが、△2六飛とすると▲6三角成△8三歩▲7二馬△8四歩▲2七歩で先手優勢。また△8三歩は▲7六角△8四歩▲2一飛でやはり先手有利。
よって飛車角を刺し違えることになりますが、上図は▲2一飛が残り先手が指せそうです。よっていきなりの(1)△7六飛は成立しません。

基本図からの指し手(2)
△2二銀    ▲3六歩



(2)△2二銀は一番初期によく指された変化です。
▲3六歩に対し、戦いを目指すなら△7六飛なのですが、これは▲7七角ぐらいで後手のバランスが悪い形です。こうするなら△5二玉+△7六飛の方がいいでしょう。
駒組みを進めるなら、後手は次の▲3七桂に▲2五桂や▲4五桂を防ぐため、3二の金にひもを付けるのが必須。よって△8二飛は有力ですが、これは▲5八玉△8二飛▲3六歩△2二銀と同一局面なので、また改めて取り上げます。
①△4一玉、②△4二玉、③△2三銀を考えます。

上図からの指し手①
△4一玉    ▲3七桂    △6二銀    ▲2三歩
△8八角成  ▲3二飛成  △同 玉    ▲8八金



①△4一玉は危険という一般的な認識がある手だと思います。
△6二銀は▲4五桂に5三を守るためには、自然な手といえるでしょう。しかし▲2三歩が鋭く、△同銀は▲3三飛成△同桂▲同角成△同金▲7七角で先手よし。△同金も▲3三飛成△同銀(他の取り方も手が続く)▲2四歩△2二金▲4五桂△4四銀▲3四角で先手よし。
よって先に△8八角成とするしかありませんが、▲3二飛成と切り込んでから▲8八金と金で戻すのが深謀遠慮。意味は後でわかります。

上図からの指し手
△2三銀    ▲2二歩    △3三桂    ▲2一歩成
△5五角    ▲3一角    △5一金    ▲7七桂    △4一玉



△2三銀と歩を取る手では△3一銀も有力ですが、▲2二金でどうか。玉が2二に来ると▲7七角が王手飛車になります。
▲2二歩に△4四角を利かそうとするのは、▲2一歩成△8八角成▲2二角△7九馬に▲3一角成以下詰みで先手勝ち。
また▲2一歩成に△同玉は、▲7七角△7六飛▲3三角成が詰めろで先手勝勢。このとき先ほど▲8八同銀としていると、△7八飛成と飛び込まれて負けになります。
△4一玉は必要な手で、△3七角成などと攻めの手を指すと、▲2二と△4一玉▲2三と、の攻めが利いて後手が失敗します。
上図まで進むと、普通に難解な将棋。①△4一玉で不利とは言い切れないような気がします。

指し手②
△4二玉    ▲3七桂    △6二銀    ▲3八銀    △5一金    ▲9六歩
△9四歩



②△4二玉は以前有力とされていた変化ですが、最近はさっぱり見ない気がします。
これには単純な攻めは上手くいかなそうなので、一旦▲3八銀と引き締めて▲9六歩と様子見をします。▲9六歩は▲7七桂と跳ねる手を可能にしています。
▲9六歩に△2七歩を利かすのも手筋で、▲2九歩と交換になって損得不明。また△2六歩も考えられます。
上図までの△9四歩には、▲7七桂には△4四角が先受けの手筋。よって▲3五飛となりそうな気がしますが、ここからは手が広くわかりません。
結論:誰か教えてくださいw

指し手③
△2三銀    ▲3五飛    △4二玉    ▲3七桂    △5二金    ▲3八銀    △8二飛



③△2三銀は部分的にこの前のB1順位戦、三浦九段vs屋敷九段戦で出現しています。ただし先手が勇気流(▲5八玉→▲6八玉)でした。
△2三銀に▲3三飛成と一気呵成に攻めようとするのは、△同桂の後(a)▲同角成△同金▲7七角△8九飛成▲3三角成△6二玉▲8八馬…形勢不明。(b)▲7七角打△8八飛成▲同銀△6二玉▲2四歩△1二銀…形勢不明。
本手は▲3五飛。実戦では△8四飛でしたが、これは勇気流に対応した手と思われます。以下▲3七桂△3四銀と圧迫しますが、▲6五飛に受け方が難しく△5二玉▲2二歩△同金▲3五歩△2三銀▲4五桂となれば先手ペース。
本譜は駒組みになり、後手はじっくり指して手将棋に持ち込むつもり。ソフトが研究に用いられだした頃、新たな感覚の横歩取り(1歩取らせてじっとしているという意味で)としてたまに指されたような将棋です。力戦調で1局ですが、先手としては不満はないでしょう。

次回は(3)△8二飛を考える予定です。検証に際して、間違いや変化の抜けもれがあれば、ご指摘いただけると幸いです。

長いな…(苦笑)

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誰かボクを甘々に甘やかしてくれる人いない?

今日はむやみに甘いものが食べたくなりました。(→チョコパン)

昨日は第1回理事長杯が行われました。
今泉五段をお呼びしての指導対局もありました。

私の将棋は予選1局目、O滝六段と対局。
戦型は先手ゴキ中。安易な気持ちで歩を合わせたのが悪手で、手順に銀を使われて抑え込まれる形に。我慢してなんとかバランスを保ちながら捌きを狙いますが、歩の垂らしが好手で形勢不利に陥ります。ただ直後の▲5五金に△同歩取ったため、形勢逆転。(垂らした歩を成られたら敗勢だった。)あの手この手で粘るO滝さんをなんとか押し切り、○。

2局目はG味くんと。将来有望な小学生。
戦型は相掛り。相手の極限早繰り銀に、雁木型で対抗。途中私の△8五飛→△2五飛とぶつける手を見落としていたようで、飛車交換になって優勢に。そのまま寄せに入って、○。
まだ知識や大局観は未熟ですが、他の対局を見ていると楽しみな子ですね。

3局目はO野木四段と。
矢倉戦法になりましたが、のぎ先の作戦は直近の講座のような急戦系。しかし得な形で横歩を取れたので、それを生かしてひねり飛車を狙ってみました。しかし結果的にはそれがイマイチな構想だったかも。基本手筋をうっかりしてかなり悪くなりましたが、なんとか捌ける形を模索します。その後相手の抑え込みの網を破ることに成功し、○。

4局目、D肥くん(中1)と。
戦型は私の四間飛車。トーチカに対し、中飛車に振り直してバランス重視の駒組みにします。5筋交換に反発してこられましたが、少しずつポイントを稼ぐ形になって優勢に。まだまだ中盤でこれからだったものの、二歩決着で○。

トナメ一回戦はS水五段と対局。
戦型は師匠の三間飛車に、穴熊。石田流に組み替えられることとなりますが、落ち着いてみると此方があまり面白くない形に見える。(自分としては少し得するつもりだったのだが…)桂を捌かれやや不利そうな形勢で、飛車を取って攻め合いに。ここで美濃囲い崩しの手筋(一段飛車+△4八金と打つ筋)を許したのが良くなく、食らいつきに成功します。最後は穴熊の遠さを生かして攻め勝ち、○。

二回戦、ここでN澤名人との一戦。
本日2回目となる先手中飛車を採用。研究を使おうかと思いましたが、途中で逡巡して結局ありがちな形に。強く攻めこまれて少し悪い変化に持ち込まれたものの、攻防の角で持ち直します。ほぼ互角の中盤で、やり取りの末に有利な終盤に入ったと思っていました。しかしそこで△5八金(タダ!)が強烈な勝負手。その後受けを間違えて、△2六銀(タダその2!歩頭の銀)という絶好の決め手を食らいます。テンプレの逆転負けで、×。名人強し。

2438くん=トラウマという等式が成立していますw
つらいっす(こなみかん

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-盤面全体で戦う-

すみませんが、今週末のKKKはお休みとさせていただきます。


矢倉△6三銀型後編。
今回は飛車先交換を保留し、▲4八銀とがっしり指す将棋を見ていきます。前回の横歩取り系と比較すれば、より矢倉的な将棋と言えるでしょう。

初手からの指し手
▲7六歩    △8四歩    ▲6八銀    △3四歩    ▲7七銀    △6二銀
▲2六歩    △7四歩    ▲2五歩    △3二金    ▲7八金    △6四歩
▲4八銀    △7三桂    ▲7九角    △4二銀    ▲3六歩    △6三銀
▲3七銀



△7三桂に▲7九角は1つのポイントで、△8五歩に▲6八角を用意しています。(△6五桂▲6六銀△8六歩を防ぐ。)
▲3六歩~▲3七銀は早いようですが、攻めを見せて相手陣を牽制する狙い。現在の主流です。(▲4八銀のまま指した実戦例もあるが…)

上図からの指し手(1)
△8五歩    ▲6八角    △4四歩    ▲5六歩    △4五歩



この後手の指し方は、先手の攻めを警戒してのものといえます。△8五歩と▲6八角の交換を入れることで後手からも攻めの形を作り、△4四歩で早繰り銀に対応します。
▲5六歩には△4五歩とさらに角道を通すのが新機軸の一着。

上図からの指し手①
▲2四歩    △同 歩    ▲同 角    △2三歩    ▲6八角    △4三銀
▲5八金    △6二金    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 角    △5二玉



△4五歩には▲4六歩と反発する手が見えますが、まずは無難に飛車先を交換する手を見ていきます。後手は既に右桂でカウンターする構えができているので、先手もリスクを取りたくはないのです。
△4三銀~△6二金とやはり後手はバランス型の陣形。▲2四歩~▲2四同角とすれば王手がかかりますが、△5二玉で一応大丈夫な形です。以下▲2三歩△4四角▲4六歩とさらに攻めかかった実戦例もあるものの、△5四銀右で少しやりすぎている感。
先手もじっくり駒組みを進めるのは1局で、それは後の△6五歩型を参照してください。

指し手②
▲4六歩    △5四銀    ▲4八飛    △4六歩    ▲同 銀    △8六歩
▲同 歩    △8五歩    ▲3五歩    △8六歩    ▲8八歩    △4三銀上
▲2四歩    △同 歩    ▲7五歩



反発する▲4六歩。後手の指し方を咎めようという心意気を感じます。△5四銀では△4六同歩も有力で、直近の羽生九段の著書に本手順として紹介されていますが、これは少し先手の主張を通しているような気がします。
▲4八飛は手の流れから言えば当然。これにソフトは△3三桂!という凄い手も示しますが、以下乱戦になるでしょう。また△4六歩に▲同角も考えられますが、△6二金▲6四角△4五歩とされ、先手がまとめづらくなります。本譜は継歩で後手が反撃し、△8五歩に▲同歩なら△同飛▲8六歩△2五飛で後手よし。
上図まで進展は一例ですが、盤面全体に火の手が上がることとなります。形勢不明。

指し手(2)
△5四歩



△5四歩は手広く構えて、どんとこいの姿勢。
まずは深浦九段vs藤井二冠戦をご覧いただきます。

上図からの指し手①
▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △2三歩    ▲2八飛
△8五歩    ▲6八角    △4四歩    ▲5六歩    △4三銀    ▲6九玉
△5二金    ▲3五歩    △同 歩    ▲4六銀    △3六歩    ▲2六飛



深浦九段は飛車先を交換しました。対して後手の藤井二冠は雁木の駒組みですが、これは右玉も視野に入れています。
本譜は▲3五歩と果敢に仕掛けましたが、▲7九玉や▲5八金も有力なところ。上図以下、実戦は△7五歩と強く反撃に出ました。他にも△8六歩~△8五歩という反撃筋や、△8一飛~△6二玉で機を待つ指し方も考えられます。
いずれも1局で、現段階でどれが勝るとは言えないところです。

指し手②
▲4六銀    △7二飛    ▲5六歩    △4四歩    ▲5八金    △5二金
▲3五歩    △7五歩    ▲同 歩    △4五歩    ▲同 銀    △3五歩
▲3四銀    △8五桂



▲4六銀は本筋の一着。対して△4四歩も有力ながら、△7二飛が面白い指し方です。本譜は石田五段vs佐々木勇気七段戦。
△5二金では△4三銀も考えられます。
▲3五歩に対し△7五歩がやはり急所のカウンター。先手の銀の攻めも迫力がありますが、後手の桂の攻めも早く難解な将棋。

指し手③
▲6九玉    △6五歩    ▲5六歩    △3三銀    ▲3五歩    △同 歩
▲同 角    △3一角    ▲7九玉    △8一飛    ▲5八金    △5二玉
▲4六銀    △6二金    ▲6六歩    △同 歩    ▲5五歩



▲6九玉は今年の名人戦、渡辺名人vs斎藤八段戦で出現。
これには△6五歩と位を取るのが、後手の狙いの1つとなっています。▲5六歩には手順に▲2四歩△同歩▲同角と交換する狙いがあるため、△3三銀で一旦阻止。そこで名人戦では▲3五歩△同歩▲同角とジャブを放ちましたが、代えて▲4六銀△3一角▲3五歩△同歩▲同銀△6四角▲4六角と激しい戦いに突入する順も考えられます。後手はやはり中住まいにしますが、先手も囲いを整えてから▲6六歩~▲5五歩と仕掛けていきました。
いい勝負ですが、個人的には先手持ち。

いろいろと見てきましたが、変化が広く、未解決の局面がほとんどです。ただ、後手とすれば(先手の動きに対して)攻め合いに持ち込めるという点で、積極性が買われているといえます。

ちなみに矢倉戦法の現在地点は、持久戦系でも後手に有力な形が多く、先手がやや苦戦している印象を受けます。(2021/6/14時点のこた(仮の見解、新たな手の出現ですぐ変わる可能性もある。)
以前の▲4六銀戦法1強時代に比べると苦労が多いですが、バリエーションが多いというのは楽しいことでもありますね。

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絵にならない姿も「いいねb」

昨日は県アマ選手権が行われました。
私としてはタイトル奪還を期しての大勝負です。ここが、今が、正念場だ!

予選はシード(昨年の大会成績による)のため免除で、午前中は役員として観戦。
実力者は順当に勝ち上がった印象です。

トーナメント一回戦は悪運を発揮し、シードで突破。

二回戦はK下五段との対局。午前中のキノ「決勝で会いましょう」←フラグ
戦型は私の石田流。対する左美濃が銀冠へ組み換えるタイミングを見ながら、仕掛けを窺う展開に。本譜の分かれは難しい形勢で、相手の手が広く自信はありませんでした。ただ自陣に受け一方の桂を投入したのは疑問で、上手く角をいじめてこちらが優勢に転じます。端攻めも絡めて敵陣を攻略し、○。

準決勝はN西六段と。
序盤の作戦の綾で相中飛車に。N西さんは銀をぶつけて積極的な駒運びでしたが、馬を作ってこちらが指せる将棋。強襲に気を付けながら、馬を生かしてじっくり指すことを心掛けます。勝負手気味に銀を中段に打って攻めてこられたものの、逆に目標にして差を広げました。快勝で、○。

決勝戦、W塚五段との一戦。充実の相手だが、負けられない。
W塚くんの四間飛車に、居飛車穴熊を選択。相手は振り飛車ミレニアムに組み、最新の定跡形の進行です。ただ戦いになったところは既によくわかっておらず、ちょっと研究不足でした。激しい展開を選びましたが、相手の端攻めが厳しくかなり苦しい形勢。しょうがないので、穴熊を埋めながらクソ粘りモードに突入w それが功を奏したのか、玉頭戦になってなんやかんや綾が出てきました。しかし30秒将棋のさなか、銀をとっさ自陣に埋めたのが今度は敗着。敵陣に迫る駒が不足し、×。
局後「逆転していたのでは?」と、ギャラリーを交えてあの手この手と検討。しかし届きそうで届かない変化ばかり。客観的に見れば、W塚くんの土俵際での強さが勝ったと言えるでしょう。(ソフトさんによると、寄せに行くのではなく、最後の▲5五桂で▲8五桂とねじり合えば互角とのこと。)

ボロボロになろうが、次回も全力を尽くします。

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KKK 2021/6/5

土曜日に行います。

日曜はアマ選手権。
本気で臨みたいと思いますが、課題は多いです。


-久々に小話っぽい語り口-

横歩取り△8五飛戦法(中座流)の登場は、まさに衝撃と言えるものだったと思います。△8五飛型と中原囲いを合わせた陣形の奇抜さもさることながら、当初は後手番が圧倒的勝率を誇りました。当然の如く、瞬く間に(横歩取り史上初の)相居飛車戦のメインストリートに成り上ります。さらにその隆盛は脂の乗った羽生世代の激闘と共にあり、まさに一世を風靡したと言っていいでしょう。
ほんの十年くらい前までは横歩取りの中心に位置し、研究が深められながら長く指され続けてきました。


作戦の変遷だけ申し上げておくと、先手側の対策は中住まい中心から、▲6八玉型や新山崎流、▲7七角型など有力な陣形や手順が多く開拓されました。後手も松尾流など細かい工夫を重ねて対抗していましたが、横歩取り△8四飛型で△2四飛とぶつける筋が発見されて以降、主流をそちらに譲ることになります。

↑いち早く大激戦となる新山崎流の陣形。余談ながら、以前中座流を得意とされていたN西六段とこた(仮の間でも熱戦が繰り広げられた。(10年前)

現在、△8五飛型と中原囲いの形はソフトの評価が良くないこともあってか、ほとんど指されることはありません。変化球としては△8五飛型と中住まいをMIXし、守備的(バランス型)に指すような将棋はありましたが、それも先手が青野流を基本戦術としてからは出現することがなくなりました。(そもそも▲8七歩と打って、△8五飛と引かせる流れにならないため。)

話が前後しますが、そもそも横歩取り△3三角型にあっては、内藤流空中戦と呼ばれるもの
(△8四飛型と中住まい)がその発端でした。半世紀前からの形ですが、羽生世代も若手の頃に指しています。現代でも通用する手筋が多く見られ、内藤九段の感覚が時代を先取りしていたことが窺えます。

↑今では珍しい感もある「金開き」。△7四飛は今でもよく出現する筋の一手。内藤流と言えば細かい工夫が多く、他には△1四歩~△1五歩としてから軽く仕掛けていく指し方が印象深い。

△8四飛型は中原囲い系と合わせて指されていた期間もあったものの、エポックメイキングとなったのは△7二銀型の陣形です。特に△2四飛とぶつける筋の発見から、一躍流行の戦型に躍り出ました。

↑寵児はやはり佐藤天彦九段だろう。後手番横歩取りが名人奪取の原動力になった。

やがて△2四飛とぶつける筋は廃れることとなりましたが、後手番横歩取りは変わらず猛威を振るいました。
そこに待ったをかけたのが、現代の横歩取り先手番の主戦法である青野流です。△3三角型自体の根幹を揺らがせる戦法で、一時期は横歩取りそのものを激減に追い込みました。

さて、今度から青野流を一緒に勉強していきましょう。(これから勉強しますw)

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-矢倉戦法のバランス化-

今週末のKKKは、お休みとさせていただきます。


今回は最新矢倉のお話(前編)をお贈りいたします。

さて、昨今の特に相居飛車戦において、陣形全体のバランスが重視されていることを述べるのは、こんな場末のブログを好んでご覧の方には釈迦に説法でしょう。ただ矢倉戦法においては、他の戦法と比べてすぐの角交換になりにくい意味もあって、バランス化の波は緩やかなものでした。

そんな中、最近流行を見せつつある作戦△6三銀型を取り上げたいと思います。名人戦第4局で採用され、藤井二冠も直近で後手番を持って2局採用しています。
最初にお断りしておくと、まだこの作戦は決まった定跡が確立していません。各々の個性が現れるので、手順は一例だと思ってください。



この図は▲2六歩△6四歩▲2五歩と進んだところですが、△6四歩で△4二銀と上がり、▲2五歩に対して△3三銀と受けるのは以前の主流です。以下は△6三銀型の作戦を取る場合、米長流急戦矢倉になるのが相場でした。(作戦としては他にもあるが。)
また△3三角で受け、雁木にするのも最近多い作戦です。矢倉vs雁木の将棋も割とホットな戦型ですが、今回は割愛します。

上図からの指し手(1)
△3二金    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △6三銀



本譜は2筋の受けを△3二金だけに留め、飛車先を換えさせる権利を与えます。新しい局面の捉え方が生まれ、最近になって登場が増えている形。
後手の作戦にどういう主張があるかというと、これはけっこう難しい。敢えて解説を付けるとすると、1.角道を通したまま攻める形を作りやすい、2.バランスの良い陣形を目指している、という感じでしょうか。
まず先手が▲2四歩を決行する形を考えてみます。横歩取りを狙って、後手の指し方を咎めにいっているという感じ。ただし(2)△3二金▲4八銀…の進行もよく指されています。引き角にしてより矢倉的な指し方です。これは後編で。
横歩取りが本手順ですが、先に引き飛車から持久戦を目指すとどうなるのか見てみましょう。

上図からの指し手①
▲2八飛    △2三歩    ▲4八銀    △4二銀    ▲5八金    △5四歩
▲5六歩    △7三桂    ▲6六歩    △4一玉    ▲6九玉    △5二金
▲6七金右  △8五歩    ▲3六歩


上図まで進んで、後手の陣形は昔からある急戦の形に収まりました。1局の将棋ですが、後手が△6五歩から攻める権利を握っています。こういう形は、最近は後手に主導権があると見られています。
また、△5二金で△5二飛▲6七金右△6二金と矢倉中飛車にするのも有力。以下▲6八銀と引くのが定跡の教える形ですが、一度上がった銀ですからちょっと抵抗がありますね。

指し手②
▲3四飛    △3三角    ▲3五飛    △2四歩    ▲3六飛
△4四角



横歩を取られたときの対処は2通り。②▲3四飛に△3三角か、③▲3四飛に△4四角です。先手の角道が通っていない以上、▲3四飛にすぐの厳しい狙いはありませんが、後手も飛車をいじめなければ主張が作れません。
△3三角は直接的に飛車を帰さないという手ですが、ここからの動きは面白い。▲3五飛と1つ引くと、△2四歩でやはり2筋には戻させない。▲3六飛ともう1つ引けば、やはり△4四角で戻させない。
飛車を巡る動きが面白いですが、ここからはまだ未知数の将棋と言えるでしょう。とりあえず先手は▲4六歩と角を追う手を見せますが、以下△5四銀か△2二銀が有力。△2二銀なら▲4八銀△4二玉▲4五歩△3三角▲2六飛△5四銀▲3六歩△4五銀▲3五歩…というのが実戦例のある進行です。

指し手③
▲3四飛    △4四角    ▲2四飛    △2二銀    ▲2八飛    △7三桂
▲4六歩    △3三桂    ▲5八金    △5四歩



▲3四飛に△4四角もあります。以下スムーズに▲2八飛まで戻ることができますが、後手は両桂を活用してこれまた面白い形。後手からは△2六歩と垂らす手が含みにあります。

この前の叡王戦、行方九段vs藤井二冠戦で、藤井二冠がこの△4四角型を採用しました。途中の手順は違いますが、下の図のように進展しています。


後手は中住まいにして、バランスの取れた陣形。上半分だけ見たらとても矢倉戦法からの派生とは思えないでしょう。

TUDUKU。

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KKK 2021/5/22

土曜日に行います。

キノに言われました、「こた(仮さんは難しいこと言い過ぎ」だと。
仕事をしていると、技術的に素晴らしいものがある人が育成も上手いとは限らないことに気付きます。「に、日本語でお願いします」状態ですw
…なるほど。

-△3三角戦法基礎-



さて、これが横歩取りのメインストリート。
△3三角は直接は、▲2二角成を受けた手です。3四の横歩を取られたときの形で、「角道を通したまま受ける」「▲2四飛と戻られる手を防ぐ」などの効果がありますね。
ちょっと横道に逸れると、最近は矢倉でも横歩を取る形があります。矢倉なので▲7七銀となっており、先手の角道が止まった状態です。この場合は、▲3四飛のときに△4四角と出る手も有力になります。以下▲2四飛なら△2二銀と受けることができます。角でちょっと飛車を圧迫するイメージですね。(ちょうど今日の行方vs藤井戦で出現しました。)また矢倉の変化では、△3三角▲3六飛△4四角という面白い動きもあったりします。飛車は返さんぞ、という主張の強い手ですね。
本題に戻ると、ここから先手が▲5八玉とするのが「青野流」、▲6八玉とするのが「勇気流」という戦法です。いずれも飛車を3四に置いたまま、▲3六歩~▲3七桂と桂を使った攻めを狙います。最新形でもあり、かなり難しい戦法。(余談ですが、佐々木勇気七段著の「勇気流」本を買いました。難易度スーパーベリーハードの本です。)
以前の主流は▲3六飛でした。後手の横歩取りを防ぎつつ、飛車を安定させます。

上図からの指し手
▲3六飛    △2二銀    ▲8七歩    △8五飛    ▲2六飛



この手順は後手が△8五飛戦法(中座飛車)の作戦です。このあたりは実は必然性がある訳ではなく、作戦によって色々な手順の組み合わせが考えられます。
▲3六飛に対して△8四飛とするのがメジャーな変化で、古くは「内藤流空中戦」と呼ばれた指し方です。△8五飛戦法の場合はいきなり△8五飛とすると、▲8七歩と打たない手が有力になりやすくなります。詳しい手順は省略しますが、▲7七桂が当たるから△8六歩の垂らしが利きにくいのが理由です。
というわけで一旦△2二銀と上がり、▲8七歩と打たれてから△8五飛と据えます。そして△2五飛を防いで▲2六飛とするのが手順です。(さきほども言ったが、必然ではない。)
次の手は囲いによって変わります。△5二玉とすれば中住まい。今回は初期の中原囲いを考えます。

上図からの指し手
△4一玉    ▲3三角成  △同 桂    ▲9六角



△4一玉~△6二銀~△5一金としたのが「中原囲い」です。元々は相掛りの分野で様々な作戦を開拓した中原永世十段が、その新領域の相掛りで用いた囲いの1つでした。
最初の手は△4一玉ですが、△6二銀を先に指すことはできません。△6二銀▲3三角成△同桂▲2一角と強襲されて不利に陥ります。後手の右側が壁になっているのが痛く、これは受かりません。
しかし今度は▲9六角と打たれる手が気になります。実はこれがプロの1号局。今は出ない変化ですが、しっかり抑えておきましょう。

上図からの指し手
△6五飛    ▲6六歩    △6四飛    ▲6五歩    △8四飛
▲6三角成  △5二金    ▲1八馬    △4四角    ▲2四飛    △2三銀
▲4四飛



一旦△6五飛と角成を受ける位置に逃げ、▲6六歩~▲6五歩とされてから△8四飛とします。歩を伸ばさせてスキを作る意図ですが、▲6五歩に△同飛と取ってしまうと▲7七桂△6四飛▲6五歩とされて損をします。その意味は後でわかります。
▲6三角成に△5二金と当て、△4四角が後手の反撃。▲7七桂と跳ねさせているとこの手が利きません。しかし先手にも▲2四飛の返し技があり、△9九角成なら▲8四飛と飛車を素抜かれてしまいます。結局、飛車と角を刺し違える形になります。
この局面は実はいい勝負です。しかし▲9六角と打った実戦例はほとんどない。(もしや最初の1局のみ?)「せっかくの先手番でこれを選ぶのか」と認識されている局面ということですね。

凄い丁寧に書いてみました。…一変化だけですが、疲れました。もう無理ですw
O先輩、教育者って凄いですね(こなみかん

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