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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2021/9/26

日曜日に行います。


青野流の連載で、前回は(7)△5二玉~①△7六飛と横歩を取る変化の、①-1▲7七桂とする手を見てきました。今回は主流をなす①-2▲7七角の変化ですが、さらに細かくなりますw
これには①-2-1△2六歩、①-2-2△同角成、①-2-3△7四飛、①-2-4△8二歩という手があります。

指し手①-2
▲7七角



指し手①-2-1
△2六歩    ▲8四飛    △8二歩    ▲8三歩    △7二金    ▲3三角成
△同 金    ▲8五飛



△2六歩に▲3八銀と受けるのは、基本図から△2六歩▲3八銀△7六飛▲7七角の変化と同一なので、そのときに解説します。
本譜の場合は▲8四飛と回るのが有力といわれています。▲8三歩△7二金で壁金の形にさせて、▲8五飛で▲2五飛を狙うのが△2六歩を咎めようとする手順です。

指し手①-2-1-1
△3二金    ▲7七金    △7四飛    ▲8二歩成  △同 銀    ▲8三歩
△同 銀    ▲5六角



△3二金では△2七歩成とした実戦もありますが、さすがにこれでは後手がつまらないでしょう。△3二金は△2二銀を用意した手ですが、▲7七金がありました。▲7七金に△3六飛は、▲2五飛△2二銀▲4五角でピッタリ飛車が詰んでいます。
よって上図まで進みますが、▲5六角と打てば角で飛車を取れる形。先手指せる。

指し手①-2-1-2
△7四飛    ▲2五飛    △2四金    ▲2六飛    △2五歩    ▲2八飛
△8三歩    ▲7七角



▲8五飛には△7四飛が有力で、今度▲8二歩成とするのは、△同銀▲8三歩に△7一銀で難しい。以下▲8二角には、△9四角▲8八飛△8二銀▲同歩成△8七歩▲同飛△7六角打で後手有利。
よって当初の狙い通り▲2五飛と指しますが、△2四金が力強い進出です。△8三歩と手を戻したときに先手の指す手が難しく、△5五角の傷を消す▲7七角を本譜としました。
形勢はほぼ互角と思われますが、後手を持ってまとめるのは大変な印象です。

指し手①-2-2
△7七同角成  ▲同 桂    △5五角    ▲2二歩



▲7七角に△同角成は、△5五角と打つのが狙い。△7七角成と△1九角成の両狙いです。先手はやはり▲2二歩が手筋の反撃となります。

指し手①-2-2-1
△同 角    ▲6八銀    △8六飛    ▲8七歩    △8二飛    ▲3七桂



この場合、▲2二歩に△同角は少し緩そうな感じです。
△8六飛に代えてもう一度△5五角は、再度▲2二歩と叩かれ、△同角▲3七桂△8六飛に▲4五桂からドンドン攻めて先手有利。
上図まで進むと先手が好形です。

指し手①-2-2-2
△3三桂    ▲2一歩成  △4二銀    ▲2三歩    △同 金    ▲8四飛
△4五桂    ▲6八銀    △8二歩    ▲2八歩



よって▲2二歩には△3三桂。▲2三歩と垂らして形を乱してから、▲8四飛と回ります。
そこで△4五桂と跳ねますが、△8二歩と単に受ける手が第1感でしょう。しかし△8二歩には▲6六歩で先手有利が定説で(▲2四歩と打っても先手良しか。)、以下△4五桂(△同角は▲8七飛で受かる)▲6七角△6六角▲6八銀△8四角▲7六角…で、難解ながら先手よし(▲2三歩△同金で形を乱した効果が出ている)。
本譜は▲6八銀~▲2八歩と受けるのが冷静で、先手が指せそうです。△8二歩では△1九角成▲8一飛成△2九馬という攻め合いもありますが、▲8五角でやはり先手指せそう。

指し手①-2-3
△7四飛    ▲同 飛    △同 歩



ここまでを見てきた限り、▲7七角は先手よしの変化が多そうです。そこで△7四飛とぶつけてしまう手が最有力と思われます。飛車交換になれば局面が茫洋とするので、お互い勘所が難しくなります。

指し手①-2-3-1
▲2四歩    △2二歩    ▲8三飛    △8二歩    ▲8五飛成  △2四角
▲3八銀    △5一角    ▲3五龍    △3三角



▲2四歩~▲8三飛は竜を作ってじっくり指す方針です。△5一角は、▲7四龍なら△7三角▲3七桂△2八飛と後手も飛車を打とうとしていますが、▲3五龍が方針に沿った手。▲2二角成があるので△3三角とぶつけて、ほぼ互角の将棋です。

指し手①-2-3-2
▲3七桂    △7七角成  ▲同 桂    △8六歩



▲3七桂の方が実戦例が多い手です。
以下△2九飛と打った実戦もありますが、▲4五桂△4四角▲8二歩△同銀▲4四角△同歩▲5五角△7一角▲8三歩△7三銀▲7二歩△同金▲4四角、と実戦そのままの進行で先手優勢。
また△4二銀は有力で、▲4五桂△7七角成▲同桂△3八歩▲同銀△3七歩とすれば後手も飛車を打ち込むことができます(形勢不明)。

指し手①-2-3-2-1
▲6五桂    △8七歩成    ▲同 金    △8九飛    ▲8八角    △8六歩
▲7七金



本譜の展開はタイトル戦で指されており、竜王戦の広瀬vs羽生戦。
△8六歩の垂れ歩に▲6五桂と元気よく跳ねました。以下も超難解な折衝で、形勢不明。

指し手①-2-3-2-2
▲8八歩    △6四角    ▲3八銀    △2八飛    ▲6九玉



これもタイトル戦、名人戦の豊島vs佐藤天彦戦です。ビッグタイトル戦の舞台で指されるような、当時大きなテーマとなっていた手順であることがわかります。
じっくり指す展開で、漠然と「これじゃあ先手が面白くなさそう」と思われた手順を、豊島さんが引っ張り出してきました。一見元気が出なさそうですが、手持ちの飛角を活かせるかどうか。いい勝負です。

指し手①-2-4
△8二歩    ▲3七桂    △7七角成  ▲同 桂    △3三金    ▲3五飛
△4四角    ▲4五桂    △3五角    ▲同 歩    △4四金    ▲2二歩



△8二歩を初めて見た方は、「えぇっ、なにそれ!?」と言いたくなるのではないでしょうか。部分的には指されている手で、△6二玉型ではタイトル戦で出現しています。
△5二玉の場合はどうかですが、△7七角成~△3三金とした実戦があります。▲8四飛を先受けされているので▲3五飛としましたが、△4四角以下難解な将棋となりました。▲3五飛ではそれでも▲8四飛が良く、以下△5五角▲4五桂△4四金▲2二歩と進むと先手が指せそうに思います。
△8二歩と打つ将棋は、これからの課題と言えそうです。

さて、①△7六飛~△8二歩という変化が出てきたので、△7六飛の前に②△8二歩はどうでしょうか。

指し手②
△8二歩    ▲7七桂    △7六飛    ▲3七桂    △7五飛    ▲7六歩
△5五飛    ▲6八銀



②△8二歩はほとんど実戦例がなく、先手の指すべき手がわからない、というのが正直なところ。歩が立たなくなったので、一例として▲7七桂が考えられます(これで①-2-4と別の変化に)。
上図まで進んで飛車が5五に鎮座するという凄い形ですが、形勢はほぼ互角と思われます。

次回は③△2六歩です。これまた主流の難しい変化。
まだまだ続くよ!

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