忍者ブログ
男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2022/1/15

土曜日に行います。
来られる方はご一報ください。


-将棋における「環境」の重要性について-

藤井四冠がデビューしてほどなく、彼がまだ中学生の頃だったと思いますが、あるインタビューで「貴方は努力の人ですか、それとも才能の人ですか?」などと聞いた人がいました。さすがに「ハハハ、僕は才能の塊ですよ」なんて嫌味なく答えれるわけはなく、中学生に対する質問としての是非はありますが、当時の藤井くんの回答は予想を軽く超えてきました。

「僕は環境に恵まれたと思います」

普通彼ぐらいの年なら、自分が今までしてきた努力をクローズアップしたくなるはずです。約10歳違う永瀬王座なんて「将棋は努力が全てです」と言ったのですから。
身を置いている環境の大切さは、私も年を経ることに強く意識するようになりました。しかし、学生の頃は反骨精神か否か、自分がどれだけ努力するかが本質だと思っていました。「自分はこんなに頑張ったから強いんだ」と言いたくなるのもむべなるかな、ということです。
だからあのコメントに私は内心、神か此奴…ぐらいのインパクトを受けました。

将棋において、身近にいつでも指せるライバルがいるとか、将棋の本をいつでも買ってもらえるとか、良い指導者に巡り合えるなんてのは、当たり前のものではありません。ネットで情報格差が無くなったと言われて久しいですが、実際は環境要因で知識を吸収するチャンスは大きく違います。
イチローが、「僕は子どもの頃毎日バッティングセンターに通って、誰よりも努力していた」と言っていましたが、そもそも子どもが誰でも毎日バッティングセンターに通える環境にあるでしょうか。

また、身を置く環境によって、その人の目指すレベルは確実に変わります。
私が「最近はたまに30何手詰の詰将棋を解くよ」と言うと、「それってもう趣味のレベルじゃん」とよく言われます。そんな詰将棋は実戦に必要ないという意味です。たしかに、今の私がそれをやってもあまり意味はないかもしれません。
しかし、プロは(それを日常的にやっているかは別として)30手ぐらいの詰将棋は難なく解くのです。そしてそれが当然のことだと認識しています。
つまりは、「僕は将来名人になる!」と夢を語る子どもが何人かいたとしても、そのために必要だと考える技術レベルは各自違うのです。それがどう決まるかと言ったら、やはり周囲の強い人が「これぐらいできるから」という基準になるでしょう。
そして、ハードルが最初から低く設定されていると、最終的な成果は…言わずもがな。

このブログの定跡講座で、「あの将棋の変化は難しい」という声に忖度してつい同意してしまうのですが、本当はあまり良くないのかもしれません。(ハッキリ言えば、これが難しいのでは私程度も超えれません。)
KKKに参加している子は、最低でも丸暗記してきてください。

閑話休題、そうは言っても、藤井四冠がこれまで将棋に懸けてきた時間は、相当とんでもないものでしょう。最近は「○○ガチャ」なんて乱暴な言い方があるそうですが、将棋の実力は才能や環境だけで決まらないのは確かです。どんなに才能や環境に恵まれていたとしても、本人の努力が無ければ、(こと将棋においては)決して地力に繋がりません。

要するに、「自らの環境を”能動的に”活かす」ことが大切だと思っています。
30何手詰の詰将棋も、それなら手元にあるから、役に立つかもしれない可能性に賭けて、やっているんですよ。

拍手[0回]

KKK 2022/1/8

土曜日に行います。
来られる方はご一報ください。

寒波とか大丈夫かな…


この前詰めチャレのことを書きましたが、将棋クエストの対局もたまにやってます。5分切れ負けで指していたら、ある日「これ以上は2分切れ負けでレート上げないと指せないよー」とか出てきました。
…2分とか絶対時間切れるの私だけですか。

拍手[0回]

勉強は一生楽しめるエンターテインメント

今週末のKKKはお休みさせてください。

ぜひ色々な戦型を勉強して、どんどん実戦にチャレンジしていきましょう。
ということで、現在の戦型ごとの情勢をちょっとだけ語りたいと思います。
※注意:以前にもやりましたが、あくまで こた(仮の主観です。

○矢倉
後手番で互角以上に戦える作戦が多く、主導権を得たい先手が別の戦法を選ぶ傾向にある。ただ形勢自体は五分だと思われるので、矢倉戦法を好む人に指され続けている。

○角換わり
定跡が深くまで整備され、私たちアマチュアにはハードルが高くなっている。一見さんお断り。先後どちらを持っても望むところという人が多い。

○相掛かり
現在のメインテーマともいえる戦型。端歩の突き合いや玉の位置、飛車先を切るタイミングはメリット、デメリットがあり、いろいろ工夫されている。強い人でも実戦で良い手を選び続けるのは難しく、角換わりと違って新規参入はしやすいかもしれない。

○雁木
後手番の作戦として確かな地位を確立しており、若手プロでも雁木をメイン戦法とする人が増えている。先手番の作戦は大きく分けて、早繰り銀(棒銀)、左美濃腰掛銀、矢倉と3つあり、どれも互角ぐらいの認識があると思われる。

○横歩取り
雁木に完全に食われている感。スペシャリストが後手番を持って作戦を練りに練った上で投入してくる。

○振り飛車(先手)
5筋位取り中飛車と三間飛車が主流。
中飛車に対しては居飛車がどの作戦をとってもほぼ互角の分かれだが、後速(後手超速)が選ばれる場合がほとんど。これからも安定して指され続けると思う。
三間飛車は先手の場合、持久戦では石田流に組み替えるが、個人的にはこれが主流をなしているのは意外。むしろ居飛車側が後手番であえて急戦を志向することもあり、今後の動向が注目される。

○振り飛車(後手)
主軸は角道を止める四間飛車と三間飛車だが、近いうちにトレンドが移り変わってもおかしくないとは思う。どちらもイビアナに対してミレニアム(トーチカ)を取り入れている。角道を止める振り飛車は、アマチュアでは特に人気がある戦法だ。

拍手[2回]

KKK 2021/7/31

土曜日に行います。

今日道端で派手にすっ転びました。
運動能力の…低下っ…!


-ポジティブ・フィードバック-

フィードバックといえば、過去について評価されるもののようなイメージを持っていました。しかし「未来の理想の状態に近づくために行うべき」という考えを目にして、なるほどと思いました。
お手本はどんどん活用すべし。

将棋に置き換えれば、負けたとき(形勢を損ねたとき)に「なぜ負けたのか」ではなく、「次はどういう手を指すか」ということになるでしょう。
自分自身への問いならそれで良いですが、他人へフィードバックを行う場合は、どうでしょうか。「この手がいいよ」と言うのは簡単ですが、"自分で気付く"ということも大事な要素です。とりあえずは、ネガティブな言葉を並べて、逆に意欲をそぐことは避けたいものです。(まぁ、世の中には良い手を掲示できないのに、評論家気取りの偉そうな人もいるのだが。)
塩梅が難しいですが、一緒に考えることが大切な気がします。

さて、名人戦、どうするかな。
キノさん、フィードバックをお願いしますw

拍手[0回]

KKK 2021/7/4

日曜日に行います。
来られる方はご一報ください。


-端歩の駆け引き-

「端歩の駆け引き」ということについて、私が最初に思い当たるのは、実は二上九段の将棋です。二上九段といえば昭和の名棋士で、大山十五世名人との対局では、対抗形の素晴らしい棋譜を数多く残しています。
その中で二上九段は、玉と反対側の端歩を難しいタイミングで突いたり、突き越したりしていることがあります。羽生九段の師匠でもありますが、「師匠の端歩はよくわかりません」と言われてしまったこともあるようですw(なにかの本か記事で読んだ気がする…ソースなし)
おそらく、二上九段(と大山名人)にしかわからない駆け引きが存在したのでしょう。

ここまで高度でなくても、舟囲い急戦の将棋には▲1六歩や▲6八金上で手を調整するという考え方がありました。

さて、現代ではさらに駆け引きは加速しています。相居飛車においても、端歩を突くタイミングや端歩三十六景(端歩のパターンが36通りあることから、端歩の形をこう呼ぶ)によって展開が変わるというのは日常茶飯事です。
今回は対抗形について解説します。

序盤早々に、後手が9筋を打診するという戦術があります。3つのパターンに分けると、
①▲2六歩△3四歩▲7六歩△9四歩
②▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△9四歩
③▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀に対し、飛車をどこかに振ってから△9四歩

以前詳しく説明したところ、相手が目を丸くしていたので(笑)、超簡略化してお伝えします。
いずれも端歩を受けるかどうかで、それに見合った作戦を選ぼうとしています。

①のパターンなら、当然角道を止めない作戦が視野に入りますね。しかし△9四歩に▲2五歩とされると、もう△4四歩と角道を止めることできなくなる可能性があります。

②は端を受けるかどうかで飛車を使う位置(居飛車を含む)を決めようとしています。一例ですが、▲9六歩と受ければ四間飛車とし、受けなければ△9五歩と伸ばしてからトマホーク(三間飛車の作戦の1つ)を狙うなど…持ち球によって作戦や構想は様々です。

③はたまに見られますが、正直よくわかりません。例えば▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲6八玉△9四歩みたいな感じですが、△4二飛の次の手はほぼ▲6八玉であり、▲6八玉によって△9四歩を突く意味は無いと思います。△3二飛なら一応▲2五歩とするかどうかは見れるけれども…。単純に②のパターンの方が手が広いです。(テキトーに指している説か、一芸特化の可能性を疑いましょうw)

また、④相手の囲いを見てから、△9四歩を突くかどうかを決める戦術も考えられます。例えば▲9六歩のタイミングによって△9四歩を受けず、振り飛車穴熊にシフトチェンジするなどです。これは現時点では表舞台で取りざたされていないと思いますが、深い変化まで見通した指し方で、意外にも高度な戦略です。「▲9六歩と突かれたら△9四歩と受けようか」ぐらいの思想とは一線を画しており、可能性がある指し方だとひそかに思っています。(ただし難易度:激高)

居飛車側にとっても端歩を受けるかどうか、自分から突くかどうかは考えどころです。この辺りはやはり自らの指し得る将棋によって変わりますね。

これらは玉側の端歩についてですが、反対側(振り飛車後手なら1筋)の打診についても考えます。特に居飛車側にとっては幽霊角(△1五角)を消す意味があって、わかりやすいメリットがあります。
例えば下の図の局面。これは以前の小話で取り上げた局面で、▲3六歩のところを▲1六歩としました。



この将棋は、振り飛車側も居飛車側の手を見ています。△7二玉型は振りミレや耀龍を視野に入れています。
さて、▲1六歩に対し後手は迷います。

①△1四歩なら、▲3六歩とします。以前の順を取り上げると、△8二玉▲3七桂△5四歩となり、△5四歩型にはポンポン桂はわずかに成立しないという結論でした。しかし今度は美濃囲いができていないので、▲4五桂が成立しそうですね。

②△6四歩はやはりポンポン桂が成立。以前の記事参照。

③△8二玉なら振りミレや耀龍の選択肢が(ほぼ)無くなりました。先手は穴熊や天守閣美濃など、持久戦を目指します。
天守閣美濃は振り飛車の8筋からの玉頭攻めが強力なので、△8二玉型は不都合になる場合があるのです。
また▲3六歩を突いていない局面は、△3二飛~△3五歩▲同歩△4五歩などの仕掛けの筋が無いメリットがあります。

④△5四歩も持久戦志向です。振りミレや耀龍は△5四銀型に組むので、やりづらくなっていますね。

このように、より良い形で仕掛けるということだけでなく、戦法や作戦そのものを切り替えるというのが現代的です。端歩の駆け引きに限ることではありませんが、戦法をシームレスに捉え、相対的に指し手をカスタマイズするのが大切です。

「一手一手に意味がある」のですね。

拍手[1回]

KKK 2021/5/15

土曜日に行います。
来られる方はご一報ください。

子どものときは、負けた後の感想戦は畳みかけるぐらいでええんやで。
感想戦で勝つ!(某N五段メソッド

拍手[0回]