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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2022/3/12

土曜日に行います。
リモート研究会です。24の感想戦機能が使い切れない罠。


今回は昨今の雁木対策について纏めてみます。
前回のKKKで「雁木に苦戦している」という話を聞きましたが、相居飛車の将棋はどれも難易度が高い。少しずつトライアル&エラーで取り入れていけば良いでしょう。
以前も語ったことですが、雁木は基本的に後手の戦法として(または囲いの発展形として)、広く使われています。戦法成立のためのハードルの低さ(4手目に△4四歩と突けば大体できる)もありますが、当たり前のことながら、その優秀性が認められているからです。
そんなわけで、雁木対策も様々なものが考えられ、現在進行形で進歩しています。

先手(雁木を相手にする方)の作戦は大きく分けると、以下の3つに分類できます。
(1)矢倉系
(2)早繰り銀系
(3)腰掛銀系

また、後手(雁木をする方)にとっても2つのパターンがあります。
①初手から△3四歩~△4四歩として能動的に雁木を目指す
②相手の形を見て雁木にシフトする

(1)矢倉系



矢倉で対抗する将棋は、後手のパターン①で先手が矢倉を選択する場合、②で相矢倉を選ばず後手が雁木を選択する場合、どちらもあります。これは以前にも記事にしました。

▲4六角とする手が変わらず主流です。以前と異なるのは、角を出るタイミングがかなり早くなりました。
上図の局面で、後手が駒組みを進めるためには△6四歩としたいのですが、それには△5四歩~△4二角とする必要があります。後手に形を決めさせることができますね。

「それなら▲4六角とされる前に△6四歩を突いておけばいいのでは」というのが、一番素直な着想です。早繰り銀が強敵という認識ですが、対抗できそうな節もあります。今後、もしかすると後手にとって有力な手段となり得るかもしれません。

(2)早繰り銀系



これは後手のパターン①に対する作戦です。②に対しては現時点では後手が指せると思います。

早繰り銀系と書きましたが、実際は▲2六銀と出る形もよくあります。また左銀は▲7八銀と▲8八銀の両方有力で、これからの展開が変わります。
一番の注目所は、上図の形でしょうか。
上図から(2)-1△7四歩なら、▲3五歩と仕掛けていきます。変化が多いですが、一例として△同歩▲2六銀△3四銀▲3八飛という感じです。これは先手が指せそう。
しかし(2)-2△5二金の場合は、前述の▲3五歩△同歩▲2六銀△3四銀▲3八飛の変化だと、△4三金右でイマイチ。よって▲7八玉△7四歩としてから▲3五歩を決行し、△同歩▲2六銀△3四銀には▲5六歩と突きます。今度は▲6八角と角で銀交換しにいくのが狙いです。駒の捌きがスムーズですね。

(3)腰掛銀系



後手のパターン①では、先手の基本の囲いは左美濃。ただ②で角換わり拒否でもよく出現するので、その場合は▲6八銀+▲7八金型となります(上図)。

左美濃では△8五歩に対して▲7七角と受けない将棋も多く、どちらも有力という印象です。
後手は△6四歩型と△5四歩型がありますが、今はもっぱら△5四歩型。△6四歩型は右四間が強力と思われます。ただ後手がちゃんと指したとき、本当にまずいのかはよくわかりません。

上図から先手は(3)-1右四間にするか、(3)-2居飛車のまま右桂を活用し、後に▲4五歩の仕掛けを狙うのが普通です。
ただ、角換わり拒否型の雁木はソフトも得意にしているようですが(余談ながら、最近は将棋ソフトのことをAIと呼ぶことが多いですが、私はかなり違和感があります。たぶんテキトーなマスコミがそういう記事でAIと呼んだのが発端なのでしょうけど… AIって人工知能のことだからなー。)、(3)-3すぐに▲4五歩から角交換を目指す形を、ソフトは好んで指しています。(どの局面で▲4五歩と突くかは難しい。)
上図から▲4五歩なら△5三銀か△4五同歩ですが、人間的には取る方が普通だと思います。その場合は角交換して、4筋と2筋の歩を切っておくのが先手の狙いとなります。

主要な形だけ取り上げました。これだけで雁木に対して自信を持って対応するのは無理だと思いますが、参考にしていただければ幸いです。
特に(3)-3の展開は人間にはまだ見慣れない将棋だと思われるので、逆に新たに取っ付きやすいかもしれませんね。

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