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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2021/12/4

土曜日に行います。
来られる方はご一報ください。


-エルモA-

さっくり攻めるエルモ講座第4話。
副題がウルトラマンシリーズであることに、お気付きの人はいるのだろうか。

(1)△5三銀  第1話・エルモ① 第3話・帰ってきたエルモ
(2)△4三銀  第2話・エルモセブン
(3)△6四歩
(4)△1四歩



今回は上図から(3)△6四歩を見ていきます。

上図からの指し手
△6四歩    ▲4六銀    △4三銀    ▲3五歩



△6四歩には▲5九金も有力ながら、「さっくり攻める」方針に従って▲4六銀。△6四歩は△6四角の筋がなくなったところなので、斜め棒銀に出るのは「形」でもあります。
上図からはいろいろな応手が考えられるので、順に考えていきましょう。

上図からの指し手①
△同 歩    ▲同 銀    △4五歩    ▲3三角成  △同 飛    ▲3六歩



▲3五歩に△同歩と取るのは「やっちゃダメ」と言われますが、意外と簡単ではありません。ちゃんと押さえておきましょう。
▲3六歩で▲3四歩と打つのは、△同銀▲4四銀△3一飛▲2四歩△6二角▲2二角△4一飛▲2三歩成△4四飛で先手不満。

上図からの指し手(a)
△3四歩    ▲2四歩    △3五歩    ▲2三歩成  △3四飛    ▲2四と
△3二飛    ▲7七角    △4四銀打  ▲1四と



△3四歩には銀を犠牲にし、と金を作ります。ただし活用の仕方が難しく、▲2四と~▲7七角~▲1四と、は知らないとかなり指しにくいでしょう。
上図まで進めば、油断は禁物ながら先手やや有利の形勢です。

指し手(b)
△4六歩    ▲2四歩    △4七歩成  ▲2三歩成  △3五飛    ▲同 歩
△4四角    ▲8八角    △同角成    ▲同 玉    △4四角    ▲7七銀



△4六歩に対して普通は取る一手ですが、▲同銀は△3六飛▲3七歩△3四飛、▲同歩は△4七角で容易ではありません。よって、と金作りは甘受して▲2四歩から攻め合います。
△4四角で△4六角は、▲2七飛△5八銀▲2五角△2六歩▲1七飛で切れ模様になり、先手やや良し。
△4四角には▲8八角で玉が遠ざかるのが好手で、上図まで進んで先手が指せそうです。

指し手②
△4五歩    ▲3三角成  △同 桂    ▲3七銀    △4四角    ▲7七角
△3五角    ▲3六銀



次に▲3五歩に対して△4五歩を考えます。これには角交換後、敢えて▲3七銀と引くのがミソ。
△4四角~△3五角が振り飛車の受けの秘手ですが、▲3六銀とプレスして先手よし。

指し手③
△1二香    ▲5五歩    △3五歩    ▲5四歩    △3六歩    ▲3五銀



今度は▲3五歩に△1二香。以前から振り飛車を指し慣れた人にとっては、一番自然に見えるかもしれません。
以下の手順はエルモ囲いの攻め筋として、定跡化されました。どこかで▲2四歩を入れておくのも考えられるのですが、入っても意外と突き捨てが活きない感じ。
△3六歩に▲3五銀は△3七歩成を受けておらず、以前は考えにくい手でしたが、最近はソフトの評価値の影響もあって精査が進みました。

上図からの指し手(a)
△4二角    ▲3四歩    △3七歩成  ▲同 桂    △3六歩    ▲4五桂
△同 歩    ▲2四歩    △3七歩成  ▲2六飛    △2四歩    ▲1一角成



△4二角で単に△3七歩成は、▲同桂△3六歩▲5八飛△3七歩成▲5三歩成△4七と▲5六飛で、わずかに先手よしか。途中の▲5八飛と回ることができるのがエルモ囲いの特徴です。
△4二角を利かすことで5筋の駒の利きを一枚増やしますが、▲4五桂と捨て、手順に▲1一角成を実現します。
空成りではあるものの、馬で駒を取りながら飛車をいじめることができるので、いい勝負のようです。

指し手(b)
△4二角    ▲3四歩    △5四銀    ▲2六飛    △5五歩    ▲3六飛
△4三金    ▲3七桂



歩成を諦めて△5四銀も考えられます。▲4四角には△5三角があるので、先手も▲2六飛と受けるぐらい。しかし以下▲3六飛~▲3七桂となれば、いつの間にか先手は好形を築くことができました。
形勢は互角ながら、先手にそれほど不満は無いでしょう。

指し手④
△6五歩    ▲5五歩    △3五歩    ▲5四歩    △3六歩    ▲2六飛
△4二角    ▲3五歩    △5四銀    ▲2四歩    △同 角    ▲4四角



最後に▲3五歩に△6五歩を考えます。これが後手にとっては最有力か。
△3六歩までは同様に進みますが、同じく▲3五銀とするのは△4二角▲3四歩△5四銀▲2六飛の局面で、△6六歩が嫌味な一着。
よって今度は▲2六飛と受け、以下上図まで。一応仕掛けは成立していると言えそうです(これからの将棋)。

今回の展開は、vs四間飛車のエルモ囲いの定跡より手損している計算なのですが、それが振り飛車側にとってメリットになっているとは言い難く、居飛車側も指せると考えられます。
油断したところをやっつけましょう!w

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