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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

最初に言ったのはヤッターマンのナレーターだとか。

今日は県竜王戦でした。

シード勢のこた(仮、予選はキングクリムゾンしてお昼から颯爽と登場。まだ予選進行中でしたが、来る途中に買ってきた将棋世界を優雅(笑)に読みながら待ちます。他にも長丁場に備えたエネルギー補給にも余念がありませんw(お菓子とか)

さて、なんだかんだで16人のトーナメントが決まり、一回戦。相手はS井五段です。
戦型は私の角交換振り飛車。桂を跳ねて飛車をぶっつけ、大駒の総交換に。私が勝負手を放ち、飛車を取らせて2枚替えに出ます。そこから玉頭戦に向かう手筈でしたが、ここで誤算が。速度計算をミスっていて、突きだした歩が1手パスになってしまいました。しかしここで諦めるわけにはいかない、ゾーンを強制解放して必死に手を探します。玉を空中遊泳して、やはり賭けるは玉頭戦。私は足らないと思っていましたが、最後は自玉が詰みにくい形に。辛勝で○。

二回戦、相手はS藤三段。新進気鋭との対決です。
戦型はS藤くんの三間トマホーク。私は以前キノとの練習対局の中でトマホークを指して、ややムリ気味なのではと思っていました。というわけで堂々と受け、中段の飛車を利かせて守りを固めます。そして桂跳ねを放置して態勢を整えていたものの、どうやら格調が高すぎたようです。攻められたときには、これまでの数手がムダになって敗勢に。ゾーンは時間制限で入れず、×。

大差になったのはそういう戦型なのでしょうがないものの、ぐうの音も出ないとはまさにこのことである。いわゆる「その他大勢」になりましたw 用意の一本満足バーがムダになったのは内緒である…

さて、私が無残に敗北したあと、準決勝が進行。面白かったので取り上げます。
まずはN西六段vsキノ五段の本命対決。相雁木相腰掛銀という私とN西さんの対局でもあった進行で、やはり先手のN西さんが果敢に仕掛けます。ただキノがしっかりと受けて、後手がやや有利な展開だったと思います。そして見せ場は最終盤。詰めろを掛け後手のキノ勝ちかと思われた瞬間、飛車のタダ捨てから馬を外すというアクロバティックプレイで、なんと詰めろ逃れの詰めろに。しかし自陣飛車を打ってからもう一枚の飛車を活用して、また詰めろ逃れの詰めろがかかります!これで終わりかと思いきや、王手をしながら馬を作って、なんと再度の詰めろ逃れの詰めろ!!ここで王手していったものの届かず、結果N西さんの逆転勝ち!
私見では最後△6六角と合わせて王手で馬を消し、四度目の詰めろ逃れの詰めろ(!!!)をかけてキノが勝っていたのではないかと見ます。大熱戦でした。

もう1局はこた(仮を屠ったS藤くんと、小学生名人(!)のTくんとの対決。S藤くん得意の三間飛車に対して、力戦調の急戦をTくんが仕掛けていきました。私は途中まで居飛車が指せると見ていましたが、重く駒を打って飛車を抑えにいったのが上手くいって、振り飛車が優勢に。しかしTくんも上手く粘って決め手を与えず、混戦模様に持ち込みます。最後の勝負と相手玉に迫りましたが、ここはS藤くんが正確でした。寄せ切りS藤くんが初の決勝進出。

結果。
①N西六段 三連覇、まだまだ長期政権は揺らがない。
②S藤(新)五段 N西さんの全国出場辞退により、五段に!来期のシード権も獲得。
③T四段 3位決定戦で千日手を挟み、指し直し局でキノをフルボッコに。あっという間に上位を脅かす存在になりました。
K下五段 少し良さそうな千日手局で決め切れず。2局目は悪すぎてさばさばしていました。4位も「その他大勢」なんだよw


※解説しよう!

「キングクリムゾン」
とある漫画の必殺技的な奴。時間をすっ飛ばすことができる。むちゃくちゃ疲れたあとの休日のアレ。

「ゾーン」
極限の集中状態で最高のパフォーマンスを発揮できる状態のこと。意識して入ることは出来ず、時間制限もあるらしい。あの弱いこた(仮がそこそこ勝てているのは、強制的にゾーンに入れるからだという説があるとかないとか。

「その他大勢」
大会で入賞に絡まずに負けてしまうこと。予選落ちしようがベスト8だろうが何ももらえないことには変わらない意。

「1本満足バー」
定時に仕事を片付ければ(放り投げれば)必要ないもの。将棋でも必要になる前に負けてしまうことがある。

「新五段」
アマ竜王戦全国大会に出場すると五段免状がもらえる。S藤くんはこれで三段から一気に五段に特進。たぶん一番悔しがってるのはS戸川。

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砕月

祝!Tくん小学生名人に!

福井県から初めての小学生名人が誕生しました。
実力は以前から高く買われていましたが、最近はさらに増して充実していたと思います。
まだ小学四年生での快挙となりました。

福井の小学生や中学生が全国大会で活躍するというのは今までほとんど無いことでした。
大きな道場や優れた指導者に恵まれる都会と違い、早熟の大器はどうしても生まれづらいのだと思います。
彼個人の努力、特に一人で将棋に向かった時間の賜物だと感じます。

おめでとう!

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The only given

いろいろ悩みは尽きません。

金曜日、快速電車に揺られて神戸の地まで。去年の記憶を紐解きながら、目的地まで足を運びます。その場所ハーバードホテルは、神戸の駅から歩いてほどなくのところです。部屋はゆったりしていて、非常に良いホテルだと思いました。
およそ18:00、支部名人戦西地区大会の会場に到着しました。大会の当たりを決定するくじ引きは、タッチの差で終わっていたようです。ただこれまでの経験上、きっとどこかの誰かに引いてもらった方が良かったのだと思いますw
そこでシニア出場のS水五段や支部対抗戦のTさん親子と合流します。一度部屋に荷物を置きに行って、すぐ前夜祭が始まりました。Tくんは今日も元気いっぱい。一瞬で名札を失くしてしまいましたが、親切な富山のN原一家にお届けいただきました。ただし中身の名前の書かれた紙だけで、なぜか服に留めるためのガワがない…
私は祭りもそこそこに、予選リーグの表を確認した後はロビーで将棋を指していました。富山代表のN平さんの指し手は厳しい。大阪代表の高校生H中くんにも押されっぱなし。当たり前のことですが、皆さん強いのだということを再認識しました。

次の日の朝、そそくさとチェックアウトを済ませた後、外に出て近くのコンビニへ。せめて糖分補給は忘れまいと、ミルクティーを購入。将棋を指していると甘い物が欲しくなりますよね。
そしてホテルに戻り、朝食をゆっくり取り、早めに会場で相手を待ちました。

予選一回戦の相手は、F本さん。私は存じ上げない方だったので、前日に作戦を考えることはしませんでした。後でお話させていただいたのですが、長崎で将棋教室をされているとのこと。
戦型はF本さんの角道を止める中飛車。私はイビアナ模様に組んでいたものの、急戦を警戒して結局は左美濃に妥協します。相手は石田流に組み替えてこられましたが、私よりお若い方だったので意外な進行に感じました。序盤は作戦勝ち気味と見ていたものの、続けて悪手を指して仕掛けを許してしまいます。苦慮の末、角で端香を拾い、銀を見捨てている間に得た香で飛車を殺す勝負手。ただその飛車が敵陣に打ちこんですぐ、一瞬で死んでしまうという失態を犯します。苦しくなりましたが、逆に自陣に放たれた竜を追いながら馬を活用して粘ります。そして玉頭戦に全てを賭けました。苛烈な局所戦を制し、逆転で○。

二回戦、相手はH野さん。激戦区大阪において、代表常連の強豪です。
戦型は相振り飛車。お互い一旦の四間スタートでしたが、私は向かい飛車、H野さんは三間飛車に。浮き飛車にした後、相手陣が不安定とみて右辺側から仕掛けます。いろいろあって、お互いに左辺の香車で相手陣の銀、香、桂を取り合うという非常に激しい将棋になりました。1手先に私が敵陣の首元に襲い掛かると、強く飛車取りに銀を打って受けてこられます。私もここは強く飛車取りに構わず相手玉に迫りました。飛車は取られましたが、直後の香打ちが決め手。そこからは素早く寄せることができ、○。

連勝で予選通過が確定。県代表として一応の責任は果たせたかというところで、とりあえずホッとしました。
団体戦も予選を通過。その後トーナメント二回戦で敗れたものの、ベスト16の成績を残しました。
S水さんは1-1の予選三回戦、勝勢で迎えた最終盤。相手玉に詰みがある状況でしたが、30秒将棋で読み切れず受けに回ったのが無念の敗着に。逆に自玉にピッタリの詰みが生じて、残念な結果になってしまいました。

予選通過22人が決まった後、くじ引きを行ってトーナメントの当たりが決定します。そしてやはり私は巡りあわせが悪いようです。
トーナメント一回戦はN平さんと北陸対決。ただ、意外と大会で当たることが多いわけでもなく、昨日の負けたのをノーカン(笑)とすれば久しぶりの対局となりました。
戦型は私の雁木に対し、N平さんの矢倉。先手の私は4筋の位を取って、銀を4六に進める趣向に出ました。良くも悪くも、既存の形に依存したくないのです。私はバランス重視で駒の組み替えを狙っていましたが、相手は堅陣に組み終えて敢然と仕掛けられました。直後は少しムリな攻めなのではと思っていましたが、銀で桂を取りにいった手が私が読んでいなかった好手でした。飛車角の強烈な攻めを受け切ることができず、×。

私はその日の内に会場を後にしましたが、さきほど調べたら金大のA木くんが3位入賞だったようです。昨日一回戦でH咲さんに当たって悶絶していましたが、見事勝ち抜きました。これは私が事前に死亡フラグを大量に立てていたのが良かったに違いないw おめでとー。

さて、私は今こうして福井の地で大会を振り返っているわけですが、この先果たして念願が叶うことはあるのだろうか。それを得ることができる要素が、自分には何もない気がします。

将棋を指すことだけは、たぶんできます。

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嘘を真にできてこそ本物

県王将戦1次戦 on エイプリルフールでした。
ただしその結果に現れるのは実力のみであり、決して偽りはないことでしょう(フラグ

まず私の立ち上がりはというと…
①vsI井弟くん
戦型はI井弟くんが後手で四間飛車。対する私は玉頭位取りを採用します。相手も銀冠に組んで持久戦になり、玉頭で交換した1歩を生かして仕掛けていきました。私も間違えたと思いますが、序盤から慎重に時間を使っていたI井くんの時間が無くなっていました。終盤に時間切れで○。

②vsTくん
戦型は私の三間飛車。対するTくんの誘導で力戦系の急戦に。相手の壁銀が祟るだろうという大局観でしたが、仕掛けられた形自体は少し損をしていたかも。飛車を切っての攻めは強引だと感じたものの、切らすのは大変だと思いました。そこで攻め合いに活路を見出しましたが、まさかの▲5三歩成に手抜き。リカバリーが利かず×。

③vsH柳五段
H柳さんの早繰り銀狙いに軽く動き、相居飛車の力戦に。角を打ちこんで香を漁りにいったのが意外と上手くいき、飛車を召し取ることに成功しました。そのまま押し切って快勝で○。

④vsM前さん
M前さんの雁木に早繰り銀で速攻をかけます。反撃されましたが、それに乗じて飛車を取って優勢になりました。しかし手拍子で悪手を指してしまい、完封を逃して攻め合いに突入します。最終盤、2手スキの香打ちに相手玉に詰めろがかかるかどうか。角を取る手と銀を取る手がありどちらかでかかるだろうとタカを括っていましたが、これがかからないんだなあ(笑)。最初の手拍子の反省を生かせず、×。
香を打たれる前の手が敗着だったか。たぶん残していた気がします。

⑤vsF嶋さん
F嶋さんの先手四間飛車に、再び玉頭位取り。▲2七銀から▲3八飛と反撃する形を選ばれました。位は放棄しこちらも反撃に討って出ます。部分的には上手くいっていたと思いましたが、自玉が薄く怖い寄せ合いに。相手に飛車切りから必至を掛けられたものの、豊富な持ち駒で相手玉を詰まして○。

⑥vsM下さん
戦型は私のゴキ中。M下さんから5筋で果敢に動いてきたものの、途中はこちらの必勝形に。しかしなぜかいつのまにか敗勢にw さすがにもう負けられない私、駒音高く(?)粘りにでます。馬と角を利かせて決め手を与えず、なんとか受け切りに。辛勝で○。

⑦vsA池くん
戦型は横歩取り。後手の私は△8四飛型から、懐かしの中原囲いに。先手の陣形がやや危険で、動いて優勢に。しかしこの日の私はどうも見えていなかった。手堅くいったつもりの手が、と金の種を払われる悪手。3筋と5筋に香を据えられ挟まれるという非常に怖い形になりましたが、相手玉に最後はギリギリの詰みがあって○。
たまたま残していました。

今回は1次戦ということもあり、上位陣は軒並み全勝を守りました。(え、K下?S戸川?そんな奴ら知らんなw)
しかし特筆すべきは、やはりTくんの活躍でしょう。7-1で上位陣を2人撃破する殊勲でした。

しかしながらまだ2次戦、3次戦と続きます。昔の偉い人は言いました、強さは持続してこそ本物だと。私はこれから全勝する予定(笑)ですので、Tくんにも全勝して優勝してもらいましょう^^

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DIM

いつのまにか冬もすっかり終わって、もうすぐ新しい年度が始まります。それにしても、今年度は将棋界にとって本当に面白い1年になりました。
そしてご存じの通り大激戦の順位戦も終了し、名人挑戦者や昇級者が決まりました。そこでこの時期恒例の、順位戦振り返りと来年度予想をしてみたいと思います。

A級
名人挑戦者:羽生竜王

今年度は11人で行われたA級順位戦。降級枠も3人になり、熾烈な戦いが繰り広げられました。いわゆる「将棋界の一番長い日」ではまるで作ったような星取りになり、史上初の6-4で6人が並ぶというプレーオフに突入。豊島八段が王将戦と並行しながらという過酷なパラマス式トーナメントを3回勝ち抜きましたが、最後は主人公補正を見せた羽生永世七冠が挑戦者に決定!特に羽生vs豊島のプレーオフの一戦は驚愕の手順でした。そして羽生竜王はこの名人位にタイトル数100期がかかることになります。…どう考えても没原稿ですほんとうにありがとうございましたw

(こた(仮の勝手な)来期予想
本命:広瀬八段
対抗:豊島八段

当然ながら実力伯仲のA級。その行方は全く予想できませんが、私の押しは最近好調をキープする広瀬八段。とある化物の犠牲になった(笑)朝日杯の準優勝でイメージが悪いかもしれませんが、どの棋戦でも安定して勝っています。そろそろ爆発する頃合いではないでしょうか。
対抗は豊島八段。今年圧倒的な強さで高い勝率を誇りながら、タイトルにも棋戦優勝にも届かなかった悲劇の人。お願いだから陽の目をみてほしい。

B級1組
昇級:糸谷八段、阿久津八段

「鬼の住処」B1。やはり混戦となりましたが、糸谷八段がまず抜け出して早々に初A級を決めました。ライバルの稲葉八段や豊島八段に追いついた格好です(まぁタイトル獲得では先行していますが)。そして2人目は最終戦で橋本八段と阿久津八段の争いとなり、自力だった橋本八段が敗れ阿久津八段が滑り込みました。前回A級では即リターンという悔しい結果に終わった阿久津八段ですが、今回こその気持ちは強いと思います。

来期予想
本命:渡辺棋王
対抗:郷田九段

毎度当たる気がしないクラスですが、今回もNHKとJT杯を併せ持つ山崎八段、初タイトルを獲得した菅井王位など、A級と遜色ない猛者が集まっています。ただやはり今回は、渡辺棋王が本命だと思います。今年は不調でまさかのA級陥落の憂き目を見ましたが、来年度の逆襲を狙っていることでしょう。
対抗もむちゃくちゃ難しい。私は郷田九段を予想します。年齢で言えば苦境を迎えつつある羽生世代の1人ですが、B級にいるような人では本来ないはずです。

B級2組
昇級:野月八段、畠山鎮七段

失礼ながら、昨年この予想をした人はいなかったのでは。野月八段は今年度好調をキープし、各棋戦で活躍しました。また畠山鎮七段も1期でのカムバックを決め、来期は斎藤七段との師弟対決が実現します。
ちなみに私が本命と見ていた中村太一王座は嬉しい初タイトルを獲得したものの、その後調子を落としてしまいました。やはり周囲にマークされたこともあるのかもしれません。

来期予想
本命:永瀬七段
対抗:丸山九段

中堅の実力者が軒並み揃い、足の引っ張り合いが予想されます。しかし、実はこのクラスに関しては本命対抗を迷うことはありませんでした。ずばり、永瀬七段と丸山九段の2人。永瀬七段は棋王挑戦中でフルセットにもつれこんでおり、順位が悪いものの1歩抜けた実力を有していると思います。また丸山九段は今年度まさかの陥落でしたが、格が違うという感があります。当たりによるとは思いますが、実際負けそうな人があんまりいない。
当然中村太一王座も復調してくるでしょうし、他にも有力者が多くいますが、この2人が安定感があると見ています。

C級1組
昇級:千田六段、永瀬七段

去年私だけでなく誰もが昇級争いの一番手だと思っていた2人が、見事昇級を決めました。千田六段は土つかずの10連勝!永瀬七段は初戦をつまずいたものの、その後9連勝で文句なし。一方で、同じく9勝を上げながら順位差で佐々木勇気六段、高崎六段が涙を呑みました。

来期予想
本命:藤井聡太六段
対抗:近藤誠也五段

今年度その化物っぷりを見せつけた藤井聡太六段。羽生さんのデビューを彷彿とさせる勝ちっぷりですが、現時点で言えばかつての羽生さん以上でしょう。中学生ながら朝日杯で名人と竜王を破って優勝を決めるという離れ業を見せました。C1でも有力視せざるを得ないという感じですが、今期がそうだったように来期もレベルの高い争いになると思われます。1敗が致命傷になる予感がするので、藤井六段をもってしても大本命とまでは言えないかもしれません。
対抗は近藤誠也五段でしょうか。プロになってまだ2年目ですが、現在も王位リーグ入りしコンスタントに活躍しています。安定して勝っていますし、今年順位を上げたのも大きいと見ています。

C級2組
昇級:藤井聡太六段、増田康宏五段、都成五段

藤井六段の圧巻の全勝昇級の他は、最終コーナーでバタバタと上位陣が崩れ混戦になりました。結果的には新人王戦連覇で本命と目されていた増田五段と、三段時に優勝経験のある都成四段(昇級で五段)という実力者が順当に昇級。しかしながら実は多数の棋士が8-2で並んでおり、一番順位が大きくものを言ったクラスだったかもしれません。

来期予想
本命:佐々木大地四段
対抗:黒沢五段、大橋四段

安牌と言えるほど飛びぬけた存在はいない気がします。私が押す一番手は、佐々木大地四段。まず深浦九段との師弟愛が面白いw それだけでなく将棋も師匠譲りの粘り強さと、強烈な踏み込みの良さを受け継いでいます。王位リーグ入り等、安定して好成績を収めているのもポイント。
続いて黒沢五段。棋王挑戦者決定戦が記憶に新しいところです。振り飛車党らしい鋭い捌きと、ガッチリとした受けが力を感じさせます。
最後に大橋四段。デビュー年でありながら、7割超えの高い勝率で活躍しています。なんといってもあの藤井聡太六段に2回も勝っている!


ちなみに私の昇級者予想、去年の的中率は驚異の70%!
そんなことを誇ってもしょうがないんですけどね。

自分が誇れる1年にすることが大切なんですから。Do it myself.

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Side in wonder

(誤用)

金曜日、初めて北陸新幹線に乗りました。そこでトントン、と肩を叩かれます。「こた(仮さんですよね?」振りむくとそこには女流アマ名人のN原さん。
こた(仮「偶然ですね(キリッ」

というわけで朝日アマ名人戦に行ってきました。朝日アマの全国大会は初出場で勝手がわからず、事前に組み合わせが決まることも知りませんでした。
T田五段からトーナメント表を送っていただき、当たって砕けることを誓って出発。人望がないことで有名なこた(仮だったのですが、なぜか沢山の将棋仲間にエールをいただきました。ありがたい。
切符は事前に朝日新聞社様に手配いただいたもの。つまり偶然の邂逅は全然偶然ではなかったことに後で気づきましたw

前夜祭では信越代表のT中さんとお話させていただきました。前回朝日オープンに出場された実力者です。本大会で私が使用していた扇子の揮毫は、「一期一会」。

土曜日、対局当日。持ち時間は50分+60秒で、十分な時間があります。
お相手はH川さん(首都圏ブロック)。昨年プロアマ戦で大活躍し、なんとあの鈴木大介九段を破った御仁。右玉の著書があり、私もしっかり持っています。「サインください!」と言おうか迷いましたが、さすがに勝負の折り合いが悪いのでやめましたw
戦型は私の角交換振り飛車。前日にこれと決めていました。序盤はH川さんが力戦風味で進め、私が自陣角で打開を図ります。少々勝負手気味の打開でしたが、これが通って割合上手くいったと見ていました。ただそこからの攻めが疑問で、相手の角を取ったものの直後に飛車が即死するうっかり。自陣に2枚の角を並べて攻めかかりますが、形勢はハッキリ悪くしてしまいました。ただし時間は私の方がかなり残しており、相手にもミスが出ます。喰らいついて勝負形になり、最後はギリギリの勝負に。対局開始からおよそ3時間、一回戦で終局が最後になる熱戦になりました。最後わからず相手玉に必至をかけましたが、ノータイムで飛んでくる王手。詰まされて×。
必至をかけるときに桂を渡していたのですが、その桂が無ければ自玉は詰みませんでした。熱戦ではあったものの、結果的には頓死です。今考えるとそんなに難しくもありません。
正直、今は前向きな言葉は出てきません。今日いつも通り定跡書を並べだしたのは惰性という奴です。

会場には今は東京で活躍している仲間が応援(やじ馬)に来てくれていました。また以前指したことのある、同じく代表で来ていたU田さんやT下さん、K子さんに会うこともできました。(K谷さんも来ていましたが、話しかけられなかった…) 本大会は結果は残念だったものの、貴重な機会をいただいた気がしています。
ちなみにT下さんとK子さんは見事朝日オープン出場を決めました。またN原さんも女性で史上初の一回戦勝利(凄い!)。おめでとうございます。

今日は日曜日。何もない一日になってしまったはずだったのですが、素晴らしいニュースが飛び込んできました。
それがなんなのかは私が書くことは致しません。彼がやり切るまで。

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We gotta fire

今年も将棋大会が始まりました。
今日は支部名人戦、支部対抗戦の福井県大会。個人戦に9人、団体戦に9チームが集まりました。

朝は念のため早く家を出ましたが、杞憂に。会場に来ていたちびっ子を集めて、ペア将棋を始めます。みんな強い!
私がどかーん!とムリ攻めして、見事に跳ね返されましたw

大会がスタートして、私の予選1回戦はK林五段と対局。K林さんはオールラウンダーですが、角交換系の将棋が好きなイメージがあります。
本局は筋違い角を打ったり打たれたりして、序盤から乱戦になりました。馬を作ったものの飛ばされた桂頭を目標に攻められ、劣勢だったと思います。ただK林さんは序盤でかなりの長考されていたため、時間が無くなってきていました。受けがなくなったので、決死の攻め合いに活路を求めます。自玉に必至をかけられたものの、下から玉を追いかけます。持ち駒をピッタリ使い切る詰みで辛勝、○。

2回戦、M口五段と対局。M口五段もオールラウンダーで、ベテランながら最新形も指しこなします。
戦型は角換わり。4八金と6二金の対抗で、後手の私が△3一玉と引いた瞬間に▲4五銀とガッチャン。この御年で新しい将棋を吸収して指されているのは、さすがだと感じました。対して私の返した手は、△5五銀。積極的に戦いを挑む姿勢です。直後に少し良くなった気がしましたが、自陣角が強靭な受けで気を引き締めなおします。苛烈な寄せ合いでしたが、自玉はギリギリ耐えていたでしょうか。最後上部に逃げだされて手が見えなくなり焦ったものの、自陣の飛車が詰みに働きました。なんとか○。

3回戦、Y本五段と。お馴染みY本五段は対抗形を好んで指されます。
本局は私の角交換振り飛車。四間飛車から向かい飛車に振り直します。途中本美濃を完成させた▲5八金が自然に見えて、迂闊な手だったかもしれません。自陣角から位を張った手が老獪で、難しい形勢に。ただ本譜は桂を手順に取れたのが大きく、飛車取りを無視して小駒で猛攻します。そのまま押し切り、○。
早く終わったのでしばらく感想戦をしましたが、居飛車が良くなる変化が多かったと思います。Y本さん「今日はN西くんも こた(仮くんも、わてが負けてあげたから残れてるんやで」(準決勝はN西六段vsY本五段のカードでした)

準決勝。キノ五段と。玉がフラフラするのが好きな居飛車党w
戦型は先ほどに続いて角交換振り飛車。キノが強気に対抗し、荒々しい変化に突っ込んでいきました。相手が自陣角で決死の受けを見せ、対して私は飛車も切って猛攻!形勢は私が良かったと思います。途中取り返した飛車を自陣に引かされたものの、盤上の銀を活用し駒を蓄えます。馬を引きつけて粘りに来ましたが、竜で相手玉を攻め寄り筋に。○。

決勝戦。相手はN西六段。もう紹介は必要ないでしょう。
戦型は私の雁木模様に対し、右四間飛車。N西さんは予選のvsキノ戦でも同様の将棋を指しており、プロ間で流行している最新形になりました。N西さんが急戦を諦め角道を止めた手に対し、桂を跳ねて打開。成否は全くわかりませんでしたが、自陣の角を手順に捌いて上手くいったと思いました。その後相手の馬作りが悪手で、一気に寄せを目指します。粘りに出られたものの、召し上げた豊富な金駒で手厚く指します。最後はピッタリ詰めあげて、○。

優勝で支部名人戦の代表をGET。今年最初の大会で最高の結果を残すことができました。
支部名人戦は前回、久々に予選敗退を喫しました。あの頃は自分の将棋に自信が持てず、指し手がチグハグな感じでした。今回はしっかり準備し、良い将棋を指してこれるようにしたいですね。

団体戦は木田支部のS田兄弟、Tくんのチームが優勝。3人とも強く安定して勝っており、全国でも予選抜けが期待できるメンバーだと思います。おめでとうございます。
ちなみに福大のチームも出場しており、実は福大もかなり強いことを知りました。I本くん「ライン教えてください!」
…うーん、バレンタインに女子から言われたかったw
今度研究会しようぜ。(花粉症の時期が過ぎたら…)

そういえば雪の影響でS戸川は休日出勤の運命だったらしい。本命がいなくて助かったわー(棒)

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雪中の筍

先週北陸では大雪に。また積もるかもしれませんが、福井っ子にとっては降らないでほしいとしか思えません。「2mくらい積もればいい」とか言っている会社の先輩は、きっとどうにかしてしまったんでしょうw
しばらく大会はありませんので、今は力を蓄える時期です。それこそ雪に耐えなければ、春を迎えることはできないのでしょう。(タイトルの故事はそういう意味では無かったと思いますが。)

さて、お暇な方がいらっしゃいましたら、戯れに下の図を考えてみてください。後手側が△4八馬と駒を取って迫ったところです。先手の持ち駒は金、銀×4と歩×4です。



最近見た実戦です。

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犬も歩けば棒銀に当たる

年越しはなぜか将棋ではなく麻雀をしていた こた(仮です。
新年早々思わぬ幸運を発揮してしまいましたw

将棋でも奇跡が起こってほしいです。
私は棒銀大好きですよ?

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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本気の足跡

今年も終わりが近づいてきましたね。今日は聖なる夜ですが、あいにくワタクシにはそんなもん無縁だよばっきゃろーめ。

というわけで予告通り本年の感想戦です。
朝倉象棋を除く、私の出場した全て大会での戦績です。練習対局や研究会での将棋は含めていません。

○全体成績

対局数:101
勝ち数:83
負け数:17
千日手:1
勝率:83%

○先後別成績

先手:41-8
後手:42-9(千日手:1)

○戦型別成績

矢倉:5-6
角換わり:4-1
相掛り:3-1
横歩取り:6-1
雁木:5-0

振り飛車:9-1(千日手:1)
対振り:12-0
ゴキ中:11-4
対ゴキ中:4-0
石田流:5-0
対石田:1-1
角交換振り飛車:3-1
対角交換振り飛車:5-1

相振り:7-0
その他:3-0

○感想的な

千日手を除くと何気に100局ジャストってのが凄い。
そして意外に振り駒って公平なことが実証されましたw

戦型的には、主力と公言してきた矢倉が負け越しに!(だいたいキノのせいであるw) ばんばん攻められて受け損ね負けるパターンが多かった。逆に左美濃を採用して攻め潰した将棋もありますが、矢倉という戦型の昨今の流れがそうなのかもしれません。

角換わり、相掛り、横歩取りは採用率も勝率も可もなく不可もなく、といったところ。どの戦型もかなりの技術革新があり、私も作戦をいろいろと考えてはいるものの、福井県内の大会でそれが反映されることはあまり無かった気がします。横歩取りの勇気流がでたぐらいですが、意外と勝利はものにできています。

言及すべきところとして、雁木の流行は外せません。今まで居飛車の戦型分類は大きく4つに分かれていましたが、個人的には5つ目の領域ができたとすら感じています。
つまり、
角交換=する、飛車先交換=する →相掛り
角交換=する、飛車先交換=しない →角換わり
角交換=しない、飛車先交換=する →雁木
角交換=しない、飛車先交換=しない →矢倉
特殊な奴 →横歩取り
といった感じでしょうか。矢倉でも急戦が流行り、左美濃や右四間、2枚銀が主流になっているので、微妙な区分ではありますが。
雁木は自分の棋風とマッチし、最近になって多用している将棋です。研究の成果かどうかはともかく、結果も出ているようです。がんがんいこうぜ!w

振り飛車は角道を止めた昔からの四間飛車や三間飛車などのことです。福井ではこれらを得意にされる方が多くいらっしゃり、対策は必須。その甲斐あってか対振りはずっと得意にしています。Y本五段に何度もボロボロにされていた気がしますが、忘れましたw
自分の指している振り飛車は四間飛車穴熊がメインです。後手番の作戦の1つとして採用しています。ただ内容的には苦戦している印象。

ゴキ中は先手中飛車を含んでいます。この先手中飛車を今年は主力として用いていました。ただ全体的に上手く指しこなせている感じがしない。来年は採用率が減るかも。
ただN西六段対策としてはかなりアジャストしています。ピンポイントメタ化しそうw
対ゴキ中はせっちゃん相手が印象深い。今のところ狙い打ちがハマっています。

石田流の隠れエース感は異常w ただ嫌な変化があり、今のところ積極的に使おうとは思えません。その立ち位置は昨年から変わらずといった感じでしょうか。

角交換振り飛車はちょいちょい出る将棋ですが、ある程度勝率をキープしています。「角交換振り飛車は居飛車側が指しやすい」は変わらない私の基本感覚。ただ振り飛車側を持っても面白く指せると思います。ただ大きな舞台にはやっぱりぶつけづらい…。

今年の相振り飛車は、相手の振り飛車模様を見て「この相振りの形は指せる」と私が思うときだけ採用しました。もちろん研究している将棋ですから、勝率もしっかり残せています。ただ対抗形が好きなので、主力化するとなると微妙ですね。

振り返ってみると…やっぱりいろいろありました。
でも、どの大会で誰に勝って負けたかなんてのは、どうでもいいんでねーのって思います。

対局が始まる前の緊張は、対局に集中して解けていく。新たな発見があれば面白く、工夫が実れば嬉しい気持ちになる。勝ちに近づけば異様な昂揚感に襲われ、負けが見えれば言いようのない失望感に苛まれる。盤外では相手を見て次の作戦を立てたり、他人の星勘定で盛り上がったり。ときには彼女同伴の奴を見て、変な炎を燃やすこともw

どれも貴方が一生懸命だったから、味わうことができました。
来年もごひいきに。

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