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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2019/9/1

日曜日に行います。

はやくも将棋小話が何話か思い出せないのですが、今日はこんなお話。
-初手談義-

先手で振り飛車党がよく指す初手に、▲7八飛と▲5六歩があります。もし後手が△8四歩と突くと(現在の居飛車党なら一番多い2手目だ)、先手は▲7六歩となります。これは初手に▲7六歩△8四歩▲7八飛(▲5六歩)と同じ出だしです。
しかしながら初手に何を指すかというのは、将棋の行く先を決める上で変化をもたらす可能性があり、指す人のビジョンに基づいて選択されています。今回は居飛車党の2手目で2番目に多い△3四歩に絞って追っていきたいと思います。

①▲7六歩△3四歩
この時、先手は3手目に▲7八飛或いは▲5六歩と指しづらくなっています。▲7八飛は△8八角成▲同銀(飛)△4五角があり、▲5六歩は△8八角成▲同銀(飛)に△5七角があります。振り飛車党なら3手目に▲6八飛は自然ですが、これは当初描いていたであろう三間や中飛車とは違う将棋になります。
よって三間飛車を目指すなら、3手目は▲6六歩or▲7五歩です。しかし▲6六歩に対しては、△3二飛の相振り飛車が有力視されています。もちろん先手をもって得意にしている若手プロもいるので互角ですが、先手なのに角道を止める形になっています。▲6六歩はこの変化を真っ先に覚悟する必要があります。
▲7五歩は石田流決め打ちの手です。しかし最近の将棋で3手目▲7五歩の早石田模様は絶滅傾向。この理由は話すと長いのですが、簡単にいうと後手に有力な手段が多くあるからだと思います。先手はそれ全てに完璧に対応するのはけっこう大変です。
中飛車を目指すなら、3手目は▲1六歩or▲9六歩です。△8四歩なら▲5六歩が突けますが、当然端歩を合わせてくる可能性があります。結局、他の作戦を選ぶことになりかねません。ただ、作戦家ならば端歩の交換が振り飛車得なようにもっていく、という考え方もできますが。

②▲7八飛△3四歩
これに対する3手目は▲6八銀or▲4八玉が普通です。大多数は▲6八銀ですが、これは△8四歩▲7六歩△8五歩となると角交換振り飛車系の将棋になる公算が高くなります。後手角交換振り飛車では千日手を目指す指し方がポピュラーなので、先手でよい指し方を持っているかが鍵です。
▲4八玉は△8四歩なら、▲3八玉△8五歩▲7六歩となって、早石田党なら後手の変化をかなり削っています。ただ、今度は4手目に△3三角と構えるのが一例で、▲3八玉(ここで▲7六歩は指せない、やはり△4五角と打たれるから)△2二飛▲7六歩△4二銀となると後手は角道を開けたまま相振り飛車に持ち込むことができます。先手も向かい飛車に振りなおすことが多いですが、それは先手なのに手損になってしまいます。
また初手▲7八飛の共通項として、4手目△1四歩に受けるかどうか問題があります。相振り飛車になったとき、端攻めが早くなる可能性があるので。

③▲5六歩△3四歩
3手目はほぼほぼ▲5八飛です。▲7八飛という変化球が思い浮かんだ方、友達になりましょうw
▲5八飛には、やはり相振り飛車がネックになります。これも先手が決して悪いというわけではないのですが、5筋を突いた形をどう生かすかという構想が問われます。左玉にしたり居飛車に戻す(!)という形も多いですが、プロでも玉を右に持っていった場合囲いとの調和が難しいのです。

振り飛車は序盤の変化が少ない、なんてあっさりと言ってしまう人もいますが、初手から数手の間にもこれだけの変化が潜んでいるのです。(「これだけ」と言いましたが、まだ3倍は変化の順を書けますよ。)
なお、人によっては違う解釈を持っている方もいらっしゃると思います。そういう方は、是非コメントで語ってみてくださいw

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