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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2021/1/16

一応土曜日を予定していますが、雪とかコロナとか諸々を鑑みてお出でくださいませ。
ちなみに車を近くに停めている方は、その場所に雪山が出現しています。。。


角交換四間飛車の△3三角の変化において、▲7七角と自陣角を据えるのが定跡とされる一手です。今回はこの変化を見ていきます。
②▲7七角



斜めのラインで桂と飛車を目標にする角。後手は(a)△4二銀と(b)△3二金が考えられる。

(a)以降の指し手A
△4二銀    ▲3六歩    △3二金    ▲3七銀    △2一飛
▲4六銀    △5四歩    ▲5八金右  △8二玉    ▲8八玉    △7二銀
▲7八銀



居飛車側は▲4六銀と繰り出して、桂頭を狙っていく。ただしいきなり▲3五歩と仕掛けると、△同歩▲同銀△6四角の反撃がある。以下▲4六銀△4四歩▲同角△4五歩…となれば形勢不明の勝負。しかしこの変化は振り飛車側が美濃囲いを急いでいると成立する可能性があるので、注意が必要だ。△8二玉~△7二銀の前に△3三角を急いだのはこうした理由による。
よって先手もじっくり陣形整備を行い、上図で左美濃が完成する。居飛車側がかなり勝ちやすい。

(a)以降の指し手B
△4二銀    ▲3六歩    △4四角    ▲6六歩    △5四歩    ▲3七銀    △8二玉    ▲4六銀
△7二銀    ▲5六歩    △6四歩    ▲5八金右  △6二角    ▲8八玉
△2一飛    ▲9八香


△4四角と合わせる変化はどうだろうか。これには▲6六歩と角交換を拒否してしまう手がある。後手は右銀のプレッシャーを避けるため角を退避するが、それをしり目に先手は穴熊を目指す。一見図々しく感じる指し方だが振り飛車側に咎める手段は無く、やはり居飛車十分だ。

今度は▲7七角に(b)△3二金と工夫してみる。

(b)以降の指し手A
△3二金    ▲3六歩    △6四角    ▲3七銀    △4五桂



△3二金はこの瞬間は違和感があるが、▲3六歩にいきなり△6四角と打つ狙い。今まで同様▲3七銀とすると、△4五桂が成立して振り飛車有利。▲4六銀なら△5七桂不成がある。飛車が取られる形だが、▲2二角成は△同銀で問題ない。

(b)以降の指し手B
△3二金    ▲3六歩    △6四角    ▲3七桂    △4二銀    ▲2九飛
△5四歩    ▲5六歩    △2一飛    ▲3八金


ということで△6四角には▲3七桂と受けることになる。これで先手の攻めは頓挫したようだが、居飛車も引き飛車に構えるのが良い構想だと思う。上図まで妥当な進行も、お互いの陣形を見比べていただきたい。次に▲5七銀と出て、後手の指し手を見て▲4六銀と▲6六銀を天秤にすれば先手有利と言ってしまってもいいだろう。

どうやら▲7七角がとても優秀なことが判ってきた。実際振り飛車側はかなり苦戦を強いられてきたのだが、ここからは私の研究を紹介する。

(a)以降の指し手X
△4二銀    ▲3六歩    △4四角    ▲6六歩    △5四歩    ▲3七銀
△7四歩



先ほどの△4四角と合わせる変化を採用し、△8二玉に代えて△7四歩とする。△7二玉型でバランスを取る算段だ。

振り飛車が△7二玉のまま戦うような将棋は最近、ノーマル四間飛車などで多く指されている。(耀龍四間飛車という名称が定着し始めている。)しかし、角交換振り飛車で指しているのは窪田七段ぐらいで、まだ未開拓の荒野である。初めて見たという方も多いかもしれない。

改めて、私の机上の研究に過ぎないことを申し添えておきます。

上図からの指し手
▲4六銀    △7三桂    ▲5八金右  △5二金左  ▲6七金    △6四歩


▲4六銀には△6二角も有力で、これは後に△7三角として居飛車側の攻め駒を牽制する指し方。
本譜の△7三桂は、居飛車側の囲いの方を牽制している。▲6七金では▲3五歩△同歩▲3八飛と攻める手が見えるものの、これは△3二飛でピッタリ受かる。
上図まで進むと1局。完全に未知の将棋だ。

というわけで、△3三角型は従来の指し方だと居飛車が指せますが、眠っている鉱脈を掘り起こせば面白い指し方となり得るかもしれません。
こっそり研究しておきましょうw

次回は、角を動かさず△8二玉~△7二銀と先に美濃囲いを完成させる指し方です。

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