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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2022/1/22

土曜日に行います。

KKKもリモートとか取り入れようかな…


-相手を揺さぶれ!陽動振り飛車-

もしかしたら最近の若い子は、「陽動振り飛車とはなんぞ?」となるのかもしれない。それぐらい最近は話題に上がらない作戦なのですが、個人的にはかなり有力だと思っています。
陽動振り飛車とは、相居飛車の序盤で相手がそれに適した囲い(矢倉とか)にしてきたら、振り飛車にシフトするというものです。一般的には矢倉戦での後手番の作戦となります。

初手からの指し手
▲7六歩    △8四歩    ▲6八銀    △3四歩    ▲7七銀    △6二銀
▲2六歩    △4二銀    ▲2五歩    △3三角    ▲4八銀    △4四歩
▲7八金    △4三銀    ▲6九玉    △6四歩    ▲3六歩    △6三銀
▲7九角    △4二飛    ▲5六歩    △6二玉



△6二銀と上がれば普通は居飛車としたものです。最初は雁木模様で進め、△6三銀としてから△4二飛と飛車を振ります。飛車を振る位置は、この場合はどこでもOK。
▲5六歩は引き角の筋を通して緊張が走る局面ですが、堂々△6二玉と上がります。

上図からの指し手(1)
▲2四歩    △同 歩    ▲同 角    △2二飛    ▲3三角成  △2八飛成
▲4三馬    △2九龍    ▲3九金    △同 龍    ▲同 銀    △4九飛



部分的には△4三銀と浮いている局面で、▲2四歩~▲同角~▲3三角成は危ないと言われる筋。しかしイレギュラーな先手陣をとがめ、△4九飛と打った局面は後手よし。この仕掛けがどうしても怖い場合は、最初から向かい飛車にしておけば1局です。

指し手(2)
▲6八角    △7二玉    ▲7九玉    △5二金左  ▲5八金    △7四歩
▲6六歩    △9四歩    ▲9六歩    △8二玉    ▲8八玉    △7三桂
▲6七金右  △7二金



先手がじっくりと駒組みを進めると、後手も駒組みに入ります。△7四歩は早めに突くことで、先手の位取りを拒否する意味がありますが、危険なところでもあります。例えば△7三桂で△7二銀とすると、▲6五歩△同歩▲2四歩△同歩▲同角△2二飛▲2三歩(▲4六角の狙い)という手筋があります。
また、部分的には△6三銀を△7二銀と引いて美濃に組み直すというのは実戦例が多い指し方なのですが、△7二金で△7二銀は▲7五歩△同歩▲8六銀のように攻められる可能性があります。個人的にはわざわざ手損して美濃に組むより、普通に木村美濃にしてしまう方が良いと思います。
上図は△8五桂のタイミングを計っていれば後手が十分指せます。

指し手(3)
▲5七角    △7四歩    ▲8四角    △7三桂    ▲5七角    △3二金
▲6六歩    △4一飛    ▲5八金    △4五歩    ▲7九玉    △7二金



▲5七角は歩を取る手を見せていますが、△8五歩と逃げると将来の△8五桂が消えるのが不満です。よって歩は取らせてしまう指し方を解説します。
本譜は振り飛車というより右玉風味ですが、先手の手持ちの歩を簡単には活かさせない指し方です。他にも後手の指し方はありそうですが、先手が歩を回収している間に手を作るのは難しそうなので、本譜が無難と言えます。1局の将棋。

初手からの指し手
▲7六歩    △8四歩    ▲6八銀    △3四歩    ▲7七銀    △6二銀
▲2六歩    △7四歩    ▲2五歩    △3三角    ▲5六歩    △7三銀
▲7九角    △2二飛



陽動振り飛車の序盤は多岐にわたるので、全く別の手順を見てみます。
△7四歩はこのタイミングだと速攻策を見せた手で、▲2五歩には△3二金とするのが普通です(居角のまま攻めの形を作る構想)。△3三角とされると、先手は▲5六歩~▲7九角としたくなります。
しかしそこで△2二飛と転換するのが狙いの一手でした。

上図からの指し手
▲4八銀    △6四銀    ▲7八金    △5四歩    ▲4六角    △5五歩
▲5七銀    △5二飛    ▲5八飛    △7三桂    ▲6六歩    △8五桂



△2二飛のあと駒組みに移れば普通の(?)陽動振り飛車となりますが、後手はある狙いを秘めていました。△6四銀~△5四歩~△5五歩と5筋からガンガン攻める構想です。
上図まで進めば後手よし。先手はちゃんと対応すれば互角になりますが、面白い構想なので紹介しました。

初手からの指し手
▲2六歩    △3四歩    ▲2五歩    △3三角    ▲7六歩    △4二銀
▲4八銀    △9四歩    ▲9六歩    △8四歩    ▲3三角成  △同 銀
▲8八銀    △7二銀    ▲3六歩    △8三銀    ▲7七銀    △2二飛



初手から▲2六歩~▲2五歩と飛車先を決めてくる手が内心嫌だと思っている方は、それなりにいらっしゃるのではないかと思います。そんな方が明日から使える、角換わりからの陽動振り飛車を紹介します。
相手に角交換させるために△8四歩と突くのですが、その前に△9四歩▲9六歩を入れておくのがポイント。△7二銀までは完全に角換わりの序盤ですが、△8三銀~△2二飛で飛車を振ります。
初めて見た人はビックリしてくれるかもしれませんw
△2二飛には▲6五角が気になりますが、△7四銀▲4三角成△5二金右で角が死ぬので大丈夫。この変化のとき9筋の突き合いが入っていないと、▲5二同馬△同金▲8二金が意外と厄介な手になります。(本譜は△9三桂と活用して後手よし。)

上図からの指し手
▲3七桂    △7二金    ▲4六歩    △6二玉    ▲6八玉    △7四歩
▲7八玉    △7三桂    ▲4七銀    △7一玉    ▲4八金    △8二玉
▲2九飛    △5二金



▲3七桂は細心の注意を払った手で、▲6八玉とすると△7四歩▲4六歩△6二玉▲7八玉△7二玉のような変化を与えます。(この△7二玉+△7四歩型を活かせるかは判らないが。)▲3七桂に△7四歩なら、▲4五桂△4四銀▲5三桂不成△同銀▲5五角の強襲があります。△6二玉は考えられるものの、▲8二角に対策が必要です(最善を尽くせば互角以上になりそうな気はする)。
▲6八玉では▲7五歩と位を取る手もあり、△7一玉▲6八玉△8二玉▲3八金△5二金▲4七銀…いい勝負。
本譜もとりあえず囲いに玉を納めます。先手がどのような陣形を作るかはわかりませんが、後手は陣形作りがセンスの見せどころ。△5二金は次に△6四歩とすれば玉周りががっしりしますが、△6三金左とは上がりにくい(のちに角を打ち込まれそう)のが悩みの種。△5二金~△4四歩や、△4二銀~△5四歩などいろいろと考えられます。

陽動振り飛車は、まだまだビックリするような指し方がたくさん眠っていると思います。サプライズ大好き症候群に罹っている人(私含む)は、ぜひ考えてみてください。
いい反応をしてくれる人が私は大好きですw「Niceリアクション賞を贈呈します!」

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