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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2022/2/5

土曜日です。
前回に引き続き、Zoomを利用したリモート研究会で行います。


今回のお話は、矢倉流中飛車。プロ棋士の矢倉七段が多用したことから名前が付きました。最近は滅多に指されることはありませんが、こた(仮の研究も交えてご紹介します。
ちなみに「矢倉流中飛車」と「矢倉中飛車」は全く別の戦法なので注意!

初手からの指し手
▲2六歩    △3四歩    ▲7六歩    △4四歩    ▲4八銀    △9四歩
▲9六歩    △4二銀    ▲6八玉    △5二飛    ▲5八金右  △6二玉
▲7八玉    △7二玉    ▲2五歩    △3三角    ▲5六歩    △8二玉



角道を止める中飛車の作戦ですが、序盤のポイントがいくつか有ります。
まずは早めの端歩の打診です。以前の矢倉流中飛車は穴熊に組むことが多かったので端は突かなかったのですが、私は相穴熊は先手ペースだと思っています。現在の環境なら9割方受けてくれると思います。(受けられなかったら位を取って、別の戦法にしましょうw)
次に、△4二銀型と△5三歩型です。玉を8二まで寄せるのを優先します。△4二銀型は相手の作戦によって、△5三銀(居飛車側が持久戦)と△4三銀(急戦)を使い分けるためです。
△5三歩型は「英(ひで)ちゃん流中飛車」と呼ばれ、これも対急戦形への工夫です。(英ちゃん流のメリットの説明は難しいので、割愛します。まぁそんなもんかと思ってください。)

上図からの指し手
▲5七銀    △5四歩    ▲7七角    △5三銀    ▲8八玉    △6四銀



▲5七銀→持久戦模様を確認して△5四歩、▲7七角→持久戦確定したので△5三銀、の流れです。
△6四銀と構えたのが矢倉流中飛車で、穴熊に代表される持久戦対策の作戦。余談ながら、ここに銀を据える作戦は、最近では振りミレで見られます。
次に△5五歩が見えているので、先手は(1)▲6六銀と受けるか、(2)▲6六歩(次回以降解説)と迎え撃つ手が考えられます。   

上図からの指し手(1)-1
▲6六銀    △7二銀    ▲9八香    △4二飛    ▲9九玉    △4五歩



(1)▲6六銀には△7二銀と美濃囲いを作り(以前は穴熊を目指して△5一金左とするのも定跡だった)、△4二飛~△4五歩と矛先を変えます。
ここで先手の指し手は複数に亘るので、1つずつ順番に見ていきましょう。

上図からの指し手①
▲6八角    △6五銀    ▲8八銀    △7六銀    ▲5七角    △5二金左
▲6八金寄  △6四歩



①▲6八角には玉のハッチが締まっていないのを咎め、△6五銀があります。この変化が必要なので、後手は先手が▲8八銀とする前に、△4二飛~△4五歩を間に合わさなければなりません。(例えば▲5八金右を省略していたら、後手も△7二銀の前に△4二飛~△4五歩とする。)
以下後手は歩得に成功し、不満なしの展開です。こうなると後に△9五歩▲同歩△9六歩▲同香△8五銀のような手も考えられ、9筋の突き合いも活きています。

指し手②
▲2六飛    △4四角    ▲3六飛    △3二飛    ▲6八金寄  △3五歩
▲2六飛



②▲2六飛には△4四角と飛車に当てます。△6五銀という激しい定跡もありますが、▲同銀△7七角成▲同桂△4四角▲2八飛△7七角成▲8八銀△4四馬▲7七角の進行は、厳密には先手良しでしょうか。
△4四角に▲2八飛は、△3三角と引いて千日手。よって▲3六飛に、△3二飛と今度は三間飛車に振り直します。

上図からの指し手(a)
△3四飛    ▲8八銀    △5二金左  ▲7九金    △3三桂    ▲7五銀



△3四飛から石田流にしてじっくり指そうとすると、先手も穴熊に手を入れる余裕ができます。
▲7五銀とぶつけて戦いを起こされてしまい、これは先手がやや有利です。

指し手(b)
△3六歩    ▲同 飛    △同 飛    ▲同 歩    △5一金左  ▲4三飛
△3三角    ▲3七桂    △4二金    ▲4五飛成  △3九飛



△3六歩から足早に動きます。△5一金左は▲4三飛の先受けで仕方のないところ。ここで▲3一飛は、△3九飛▲2一飛成△2九飛成で後手だけ香が取りやすく、後手指せます。
よって上図まで進展し、ほぼ互角の将棋です。

つづく。

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