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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2021/8/14

土曜日に行います。


-楽しく指そう向かい飛車-

横歩取りの連載は難しいので、もっと読みやすい戦術講座もいいかなと思ったりします。イメージは中級者~初段の方向けぐらい。
副題はNHK講座のノリw

初手からの指し手
▲2六歩    △3四歩    ▲2五歩    △3三角    ▲7六歩    △4四歩
▲4八銀    △2二飛



昨今は初手から▲2六歩~▲2五歩と指されることも、結構多いのではないかと思います。相居飛車戦において、初手から▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角の進行は手が狭い意味があり、プロの対局で指されることはほとんどありません。(ただし、相手の手を狭くしている=形を決めさせているという面もある。)ただ、この手を咎めることはほぼ不可能であり、いざ指されてみると悩む、という方もいらっしゃるでしょう。
テーマの「向かい飛車」は、相手が飛車先を突き越してきたときに威力を発揮します。ある意味、初手から▲2六歩~▲2五歩のアンチ作戦と言えるかもしれません。
△4四歩と角道を遮断し、△2二飛と振れば向かい飛車が成立します。

上図からの指し手
▲6八玉    △4二銀    ▲7八玉    △4三銀
▲5六歩    △6二玉    ▲5八金右  △7二玉    ▲5七銀    △8二玉



ここまでは駒組みで特に難しい手はありませんが、△4三銀は保留し場合によっては△5三銀型にするような作戦もあります。また△3一銀型のまま、機を見て△2四歩から開戦するような指し方も一時期注目されました。今回はこの辺りの細かいことは省略して、わかりやすく△4三銀型を解説します。
先手の▲5七銀は穴熊を視野に入れた手で、実戦でも同一局面が現れる可能性は高いと思います。(試しに私もネットで指したら、同じ局面になりましたw)

上図からの指し手(1)
▲7七角    △9四歩    ▲9六歩    △7二銀    ▲8八玉



△9四歩はこの辺りが突き時。先手も▲9六歩と受けますが、受けずにすぐに穴熊を目指すのは振り飛車側から急戦を仕掛けられて危険です。(この後の進行を見ればわかります。)

上図からの指し手①
△3二金    ▲7八銀    △1四歩    ▲3六歩    △2四歩    ▲同 歩
△同 飛    ▲2五歩    △2三飛



△3二金はがっつり仕掛ける構え。△2四歩の仕掛けを狙っているので、▲7八銀と締まるのは自然です。
後手は一度△1四歩と突いておき、△2四歩▲同歩△同飛と飛車をぶつけます。向かい飛車は、相手の飛車先を飛車で受ける守備的な作戦でもあるのですが、こういう攻撃的な指し方もできるのがやはり面白いところです。▲2四同飛と取ると、△同角▲4一飛△2三飛で召し取ることができます。よって▲2五歩ですが、△2三飛と1つ引くのが「小倉流」と呼ばれる作戦です。

上図からの指し手
▲1六歩    △1三桂    ▲3七桂    △3五歩
▲2六飛    △3六歩    ▲同 飛    △2五桂    ▲2四歩    △同 飛
▲3三飛成  △同 金    ▲4五桂    △3四飛



△1三桂が、先に△1四歩としていた狙い。以下流れるように△2五桂と跳ねだすことに成功しました。
もし仮に△2二飛と引いていた場合は、△2五桂に▲4五桂の跳ね違いが成立します。△2三飛は3三を強化している意味だったのです。
そこで先手は▲2四歩~▲3三飛成と凄い切り返しを放ちますが、最後の△3四飛が冷静で後手が有利です。これは後手の成功例ではありますが、向かい飛車特有の面白い変化と思います。

指し手②
△5二金左



次は本美濃で指す指し方を紹介します。
一見は持久戦模様なので、先手は穴熊に組みたくなりますが…

上図からの指し手(a)
▲9八香    △6四歩    ▲9九玉    △2四歩    ▲同 歩    △同 飛
▲同 飛    △同 角    ▲2二飛    △2八飛    ▲2一飛成  △9五歩



後手は▲9九玉にやはり△2四歩と仕掛けを断行します。△2四歩▲同歩△同飛に▲2五歩は、△2二飛▲8八銀△3五歩▲1六歩△3四銀▲1七桂△1四歩▲2四歩△1五歩…が一例。相手の穴熊がまだバラバラのうちに楽しく戦うことができます。△3五歩~△3四銀も向かい飛車ではよく出てくる筋です。
本譜は交換して▲2二飛と打ち込んできましたが、△2八飛と打ち返して△9五歩とどんどん攻めていきます。端は△8五桂の筋などがあり弱いところです。
整然とした美濃囲いで捌いて戦うことができれば、振り飛車党にとっては望むべき展開でしょう。上図以下、▲同歩△9七歩▲同香△3二銀!▲同龍△5七角成(取れば△9八銀まで)となれば後手有利。

指し手(b)
▲7八銀    △6四歩    ▲8六歩    △7四歩    ▲3六歩    △7三桂
▲6六歩    △6三金



先手に▲7八銀と締まられると、さすがに攻めることは難しくなります。
後手は高美濃に組んでじっくり指す展開。腕力勝負です。

居飛車目線の話をちょっとすると、▲7八銀に代えて▲6八金寄とすれば穴熊の含みを残すことができます。これには、初段ぐらいまでなら、△5四銀▲6六銀△6四歩…などで急戦の含みを残す方が勝ちやすいと思います。△2四歩だけでなく、△4五歩、△6五歩、△6五銀などの手があります。
堅い本美濃をそのまま残して、ちょこちょこ動いていくのが実戦的ですね。

指し手(2)
▲3六歩    △5二金左  ▲7七角    △9二香    ▲8八玉    △9一玉
▲9八香    △8二銀    ▲9九玉    △7四歩    ▲8八銀    △7一金
▲7九金    △5一角    ▲6八金寄  △7三角    ▲4六歩    △3三桂



最後に相穴熊をご紹介します。
▲3六歩は▲3七桂を見せ、△2四歩を警戒している意味があります。これを見て後手は穴熊に切り替えました。
以下相穴熊になりますが、△5一角~△7三角と角を転回できるのが向かい飛車の強み。振り飛車で△3三桂と使えるのは気分よし。
以下はやはり力のぶつかり合いになります。定跡ではないので、玉を固めて力勝負したい人にはオススメです。

一口に向かい飛車といっても様々な形がありますが、向かい飛車独自の指し方というのは意外といろいろあるのだと、私も再認識しました。
大きな魅力を持つ振り飛車ですね。

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