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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2020/1/18

来週末は土曜日に行います。
日曜日は王将戦の福井地区予選がありますので、参加される方は頑張ってください。


たしか以前、「石田流は後手の有力な対策が多いから指す気がしない」というようなこと口にしたと思います。プロにおいても3手目に▲7五歩とする石田流は、現在絶滅しているといっても過言ではないぐらいです。
しかしアマチュアでは愛好される方が多く、去年県棋界で大活躍(?)したS戸川五段もその一人。N藤五段も石田流のスペシャリストですし、S水師匠も大一番でよく用いています。対策に頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私見ですが、3手目▲7五歩は非常に主張が強い将棋という感じがします。しかし自分の主張だけ押し通せやしないのが将棋であって、その分ウィークポイントもきっとあるでしょう。

将棋小話 -S戸川をやっつけろ!石田流編-

というわけで(笑)、その石田流の出だし(▲7六歩△3四歩▲7五歩)がこの局面。



既にこの局面で後手の手が非常にたくさんあります。
(1)△8四歩
(2)△4二玉
(3)△6二銀
(4)△1四歩
(5)△5四歩
(6)△8八角成
(7)△3五歩
(8)△6四歩(!)
などなど…まだありますが割愛。これだけ有力な手が多いということは、やはり石田流はリスクも高いということです。しかし逆に言うと、以前皆がこぞって対策を立てるほど有力視された戦法とも言えます。何かしら作戦はしっかり持っておきたいところ。

(1)△8四歩
これは20年ぐらい前までは最有力とされていた指し方。以下▲7八飛△8五歩とし、▲6六歩+▲7六飛を間に合わせない作戦です。先手の作戦はいわゆる「早石田」に限定されます。後手としても最大限に突っ張ったと言えるかもしれません。
しかしこれをアマチュアが指せば、かなり先手が勝ちやすいというのが私の印象。今回早石田の解説は避けますが、あまり指されない将棋になっています。

(2)△4二玉
この手は同じく以前主流となっていた指し方で、今も時折指されます。しかし先に△6二銀の方が紛れがないと思うので、今回は割愛します。

(3)△6二銀
ということで、今回のメインはこれ。△6二銀▲7八飛△4二玉と進みますが、ここで先手はほぼ▲6六歩の1手となります。例えば▲4八玉を先にすると、△8八角成▲同銀△4五角で後手よし。また▲7四歩は、△7二飛(△7二金という形もある)で効果が無い。

よって△6二銀▲7八飛△4二玉に角道を止める▲6六歩から、△6四歩▲4八玉△6三銀▲3八銀と進展します。



▲3八玉でなく▲3八銀なのは、▲3九玉型で指す含みがあるから。まずは居飛車の左美濃を見ていきましょう。

(a)△3二銀▲3九玉△3一玉▲5八金左△1四歩▲1六歩△5二金右▲6八銀△8四歩▲6七銀 △8五歩▲7六飛、と進んで下図。



以下、(ア)△3三角と囲いを進めるのが、当時石田流を武器に二冠を制した久保九段など、石田流全盛期に盛んに指された将棋です。
しかし、実はこの将棋は現在では出現しないと言っていいでしょう。
以下▲7七角△2二玉▲5六銀△2四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△同歩▲1七桂が宮本流。



この変化が優秀なために、▲3九玉型で待機しています。これは▲4五銀や▲6五歩が連動して攻めに利いてくるので、先手よし。
よって後手は単純に囲い合うことができなくなりました。そこで(イ)△7二飛と急戦を見せるのが有力な手段になります。

(イ)△7二飛▲7七角△7四歩▲同歩△同銀▲6五歩△7五歩▲3六飛



角にヒモをつけて捌きにかかる▲7七角はこの一手。▲6五歩から飛車は横に使います。ちなみに△7五歩で△7五銀だと、▲2二角成△同玉▲7五飛△同飛▲6六角で王手飛車がかかり後手劣勢。

上図から、①△6五銀▲1五歩△同歩▲1三歩となって下図。



△6五銀に▲3四飛は△5四銀で後手十分ですが、▲1五歩が鋭い。これも▲3九玉型だからこそ指しやすい手と言えます。これも先手が指せそうです。

よって後手は②△3五歩が有力か。
②△3五歩▲2二角成△同玉▲3五飛△4四角▲6六角△同角▲同銀△4四角▲3六飛△6五歩▲7七銀△3三歩


実は温めていた変化ですが…w
上図まで進めて難解な将棋。位を張って後手の威勢が良いようですが、自陣角を打ってしまったのでもう一押しが難しい。そこでじっと歩を打って傷を消すのが研究手で、渋くて気に入っていますw

先手から見た私の感覚としては、先手でこの局面を目指すのか、という疑問が生じる。
これまでは△3二銀として左美濃にしましたが、もちろん(b)△3二玉として舟囲いにするのも考えられます。ここからの変化は多岐に渡りますが、流行を取り入れた面白い形を紹介します。

(b)△3二玉▲3九玉△6二飛▲5八金左△1四歩▲1六歩△4二銀▲2八玉△5四銀▲6八銀△3一金



後手の陣形はエルモ囲い。汎用性のある形として、対振り飛車に広く取り入れられる形となりました。これを右四間飛車とミックスさせるのが面白い。

以下、▲5六歩△6五歩▲同歩△8八角成▲同飛△6五銀▲5七銀△3三桂が一例。


この将棋も形勢は互角。仕掛けた居飛車側がペースを握っているようですが、振り飛車の美濃囲いもしっかりしています。
ちなみに私はネット将棋で類似形を持って、ここで▲6三歩(手筋)と叩いたのですが、なんとこれが悪手。▲8二角~▲9一角成で香得になったものの、△7一金で馬が封じられ苦戦に陥りました。

やはり先手を持っていると考えた場合、こんな簡単に仕掛けられてしまうこと自体が不満ともいえます。

ここまでは後手居飛車の作戦でした。他の4手目に関しては、相振り飛車や、”ハイブリッド”の作戦になります。(△6四歩を除く。これはマル秘テーマw)
また次回。続くかな?

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