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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2021/7/10

土曜日に行います。
皆様、あわらオープンもぜひお越しください。


以下、青野流の続き。

初手からの指し手
▲7六歩    △3四歩    ▲2六歩    △8四歩    ▲2五歩    △8五歩
▲7八金    △3二金    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △8六歩
▲同 歩    △同 飛    ▲3四飛    △3三角    ▲5八玉    △8二飛
▲3六歩



(3)△8二飛という手は、狙われそうな飛車を引き上げて守備力を高める手です。
次の手は▲3六歩ですが、代えて▲8七歩~▲3六飛と青野流にしない変化も考えられます。この場合、再度△8四飛と形を整えるかもしれません。従来の変化で手損になることを覚悟しても、青野流は難敵であるということが窺われます。(△8六歩と合わせる変化になれば手の損得はないが…)

上図からの指し手①
△8六歩    ▲8三歩    △同 飛    ▲8四歩    △8二飛
▲3七桂    △8八角成  ▲同 銀    △3三歩    ▲2四飛    △2三歩
▲2五飛    △8四飛    ▲7五角    △5四飛    ▲8六角



まずは△8二飛を活かし△8六歩の垂れ歩はどうでしょうか(プロの実戦例があるかは不明)。後手が技を掛けに来た瞬間に▲8三歩~▲8四歩と連打するのが、この形の頻出手筋。しかし△3三歩~△2三歩とベタベタ打てば、△8四飛と抑えを払うことは可能です。対して▲7五角はこの一手では無いものの、大局を見据えた一着。歩の損得なしで、じっくりした戦いになります。先手だけ角を手放したのはつまらないようですが、上図以下△7二金▲3八銀△5二玉▲7七角△4二銀…のように駒組みが進むと、先手の方が伸び伸びしてきます。先手十分。

指し手②
△8八角成  ▲同 銀    △3三金    ▲8三歩    △同 飛    ▲8四歩
△8二飛    ▲3五飛    △8四飛    ▲6六角



△8八角成~△3三金は勇気流でかなり実戦例があるものの、青野流ではやはり指されていないかもしれません。勇気流の場合は▲3五飛△4四角▲8三歩△同飛▲6六角…という変化ですが、今回も▲8三歩~▲8四歩と連打してみます。最後の▲6六角が厳しく、先手有利。
勇気流の▲6八玉型のときは、▲8三歩に対して△2二飛▲2三歩△同飛▲2四歩△2二飛に▲8四飛が成立せず、(△9五角の王手飛車がある)大きな違いとなって現れます。

指し手③
△2二銀    ▲3七桂    △8八角成  ▲同 銀    △3三銀    ▲8三歩
△同 飛    ▲8四歩    △8二飛    ▲3五飛    △8四飛    ▲6六角
△8二飛    ▲4五桂



最初の△8二飛~△2二銀では、△2二銀~△8二飛の順の方が自然であることを付記しておきます。(前回の記事が長すぎて削った都合w)
△2二銀~△8八角成は実は青野流第1号局、谷川九段vs青野九段戦で出現しました。この対局では△8八角成の瞬間▲8三歩と叩き、△5二飛▲8八銀と進行。しかし△8八角成▲8三歩に、△7八馬▲8二歩成△3三銀▲7一と△同金▲7八銀△3四銀…は後手が指せる変化だと言われています(実戦例あり)。
▲4五桂まで進むとやや先手よし。以下△4四銀ならまた▲8三歩と叩き、△5二飛▲4四角△同歩▲5三桂成となれば先手優勢。また▲6六角に対して△2四飛なら、▲4五桂△3四銀▲2五歩△1四飛▲1一角成△3五銀▲同歩で先手よし。

指し手④
△4二玉    ▲3七桂    △2二銀    ▲8四歩    △5二金    ▲3八銀
△2三銀    ▲3三飛成  △同 桂    ▲6六角



△4二玉~△2二銀は一見するとじっくり指そうとしているように見えます。しかし▲8四歩で▲3八銀などとすると、△8八角成▲同銀△3三銀とされて③の変化の類似形。これは△4二玉型が3筋や5筋を守っていて、後手が得をしています。▲3五飛と引いても△4四角で後手が指せます。
よって先に▲8四歩と抑えますが、これにもし△7二銀なら▲4五桂△8八角成▲5三桂成と踏み込む手が成立。以下△同玉▲3二飛成△4四馬▲8三金と進んで先手よし。また▲8四歩に△2三銀なら、▲3五飛△8四飛▲2二歩と切り込んで先手が指せそう。以下△3四歩▲6五飛△6四歩▲8五歩△9四飛▲7五飛△2二金▲9六歩が一例となります。
△5二金としてから△2三銀とすれば、先手は▲3三飛成~▲6六角で歩損を防ぐことになりそうです。飛車角交換で1局の将棋ですが、後手の方がまとめ方が難しそうな印象はあります。

ちなみに△4二玉~△4四歩というトリッキーな作戦も候補としてはあるようです。これは力戦(Fin)w。

指し手⑤
△2六歩    ▲8三歩    △同 飛    ▲3七桂    △2七歩成  ▲8四歩
△8二飛    ▲4五桂    △8八角成



△2六歩は最近もよく指されている変化で、特に飯島八段が得意にしています。受けるのは利かされであり、この場合はたぶんマズいのでしょう。
ということで軸は攻め合いですが、▲8三歩~▲3七桂~▲8四歩の順番は難しいところ。▲3七桂~▲8三歩~▲8四歩や▲8三歩~▲8四歩~▲3七桂の実戦例もあり、ほぼ本譜と同じ順に進んでいます。ただ▲8三歩△同飛▲3七桂には△4四歩や、▲3七桂△2七歩成▲8三歩には△5二飛のような変化が潜んでいそうです。もしかしたらこれから実戦に現れるかもしれませんね。

上図からの指し手(a)
▲同 金    △5二金    ▲5六角
△3三歩    ▲同桂成    △同 金    ▲8三歩成  △6二飛    ▲8四飛
△8二歩    ▲9二と    △4四桂



△8八角成には(a)▲同金、(b)▲同銀のどちらも有力。
(a)▲同金に△3七と、と攻め合おうとするのは、▲2二歩△3三歩▲2一歩成△3四歩▲3一と、で先手有利。
△5二金には▲5六角と打って攻めの継続を図ります。△3三歩は飛車を4段目から追って△8四飛と走る意ですが、▲同桂成が強手。ここで▲8三歩成も有力ですが、△3四歩▲8二と△同銀▲8四歩△6一角となって、わずかに後手良しか。
上図まで進んで形勢は難解です。

指し手(b)
▲同 銀    △3七と    ▲5六角    △3三歩    ▲2四飛    △2三歩
▲8三歩成  △同 飛    ▲同角成    △2四歩    ▲5三桂成



(b)▲同銀には△3七と、と踏み込んでみたくなるところ。つまりは▲2二歩の変化のとき、△3三歩▲2一歩成△3四歩▲3一と△4二金となり、△4七と▲同玉△6九角の両取りの筋が残っています。
よって攻防に▲5六角と打ちますが、▲8三歩成に△同飛が好判断。単に△2四歩と取るのは、▲8二と△同銀▲5三桂不成で潰れます。
本譜で最後に▲5三桂不成とするのは、△7二金が馬当たりの妙防でなんとかなりそう。上図までの進展はやはり形勢不明です。
ただし、飯島八段は(b)▲同銀に対しても後の対局で△5二金を選んでおり、やはり▲5六角以下の将棋となりました。この辺りどういう研究があるのかは私には判りませんが、△5二金には▲2二歩や▲7七桂のような手もあるとソフトは示しており、ともかく難しい将棋です。

まだもうちょっとだけつづくんじゃ。(むちゃくちゃ長く続くフラグ

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