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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2021/4/18

日曜日に行います。


-感動の(?)最終回-

長期連載になっていた角交換四間飛車ですが、最後に居飛車が▲2五歩を突かない変化を考えてみましょう。これなら逆棒銀はありません。



ただし、▲2五歩に代えて何を指すのかはもちろん重要です。
例えば▲3六歩と突くと、すかさず△4四歩と普通の四間飛車に戻される可能性があります。それで居飛車が悪いわけではないですが、▲3六歩は急戦志向の一手。自分の得意戦法と照らし合わせる必要があるでしょう。
今回は普通の四間飛車に対して最有力と見られている、穴熊の含みを残す指し方を見ていきます。

上図からの指し手
▲5六歩    △7二銀   



方針を決めると、実は意外と先手が選べる手は多くありません。▲6六歩とじっくり行こうとするのは、2六歩型なら向かい飛車にされる手がないので一理ありますが、△7二銀の前だと角道を開けたまま振り穴にされて消極的です。▲5八金右△7二銀▲6六歩は、△3五歩▲2五歩△3三角▲7七角△2二飛で後手十分。
よって(1)▲5六歩+▲5八金右か、(2)▲5六歩+▲5七銀が候補となります。

上図からの指し手(1)
▲5八金右  △5二飛



▲5六歩を見てそれを目標に飛車を振り直すのは、振り飛車党ならやってみたい手。

上図からの指し手①
▲2五歩    △5四歩
▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △8八角成  ▲同 銀    △2二飛
▲2三歩    △5二飛



居飛車の飛車先交換に対して、飛車をぶつけるのは常に角交換振り飛車の狙い筋。これは以前なら後手が軽いと言われていた(いい意味で)指し方ですが、現在の私の見解では後手が少し勝ちづらそうに思えます(この形なら)。実戦ではほとんど現れませんが、この場合は▲2四歩を決行してみる価値はあるでしょう。ただし僅かな違いによって全然上手くいかない場合もあるので注意。

指し手②
▲5七銀    △5四歩    ▲6六歩    △5五歩    ▲同 歩    △同 飛
▲5六歩    △5一飛    ▲7七角



先手がじっくり行くならこの手順。後手は軽い形で、たぶん振り飛車党は後手を持ちたいし居飛車党は先手を持ちたいんじゃないかという気がしますw

指し手(2)
▲5七銀    △5二飛    ▲2五歩    △5四歩   



(2)▲5六歩+▲5七銀の場合を見ていきます。今度は4九金型を生かし、▲4六銀と飛車先交換を防ぐ手を考えてみたいところ。

上図からの指し手(a)
▲2二角成  △同 銀
▲4六銀    △3三銀    ▲6八銀



この手順は、先手中飛車の変化で居飛車側が5筋の位を取らせない作戦を、先手でやったのと同じことになっています。後手は1手遅れているのですが、振り飛車側に打開の義務が無くむしろ気楽。体感的には振り飛車十分。

指し手(b)
▲4六銀    △5一飛    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △3二金
▲2八飛    △2三歩    ▲3六歩    △8八角成  ▲同 銀    △4二銀
▲7七銀    △4四歩



単に▲4六銀の変化。飛先を交換されますが、△3二金と受けておきます。以下「歩越し銀には歩で対抗」の形を作ってどうか。振り飛車もやれそうに思います。

居飛車には工夫の余地があるものの、全体的には(後手番としては)振り飛車が指せそうな変化が多そうな感じがします。
最後に中飛車に振り直す形ではなく、角交換して向かい飛車を貫徹するとどうなるかを見てみましょう。

指し手(3)
▲5七銀    △8八角成  ▲同 玉    △3二銀    ▲7八銀    △3三銀    ▲6六歩
△2二飛    ▲6五歩    △2四歩    ▲6七銀    △5二金左  ▲7八金
△4四銀    ▲5八金    △3三桂    ▲4六歩    △2五歩    ▲同 歩
△同 飛    ▲同 飛    △同 桂    ▲4一角



長手数進めましたが、以前似たような形を解説しています。先手はいろいろな陣形が考えられるでしょう。後手としては▲2五歩と▲3六歩が入っていないので、△3三桂から△2五歩▲同歩△同飛で飛車ぶつける筋をやってみたくなります。しかし最後の▲4一角が、飛車の打ち場所を保留した不思議な感触の一着。形勢不明のようです。

角交換振り飛車の世界はまだまだ広いですが、一旦区切りといたします。
角交換四間飛車をテーマにしたこの連載は私の研究もふんだんに盛り込んだので、かなり難しかったと思います。(某名人に好評だったのは救いw)
完全に「小話」の域ではなかったと思いますが、また需要(コメントとかコメントとかコメントとか)があれば考えます。

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