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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2023/7/29

土曜日に行います。
来られる方は前日までにご一報ください。


- KTF 四間飛車vs右銀急戦 No.6 -

右銀急戦最終回。
今回は△7二銀型に対して右銀急戦がどうなるかを、振り飛車目線で考えます。

初手からの指し手
▲2六歩    △3四歩    ▲7六歩    △4四歩    ▲4八銀    △9四歩
▲9六歩    △4二飛    ▲5六歩    △6二玉    ▲6八玉    △7二銀
▲7八玉



後手としては上図で、△7一玉を保留するかどうかという選択肢があります。△7一玉保留は居飛車穴熊に対し、△6二玉型で指す作戦を含みにしています。
まずは美濃に普通に囲う手を考えてみます。

上図からの指し手(1)
△7一玉    ▲5八金右  △5二金左  ▲2五歩    △3三角    ▲5七銀
△3二銀    ▲3六歩    △8二玉



特に難しいところはありません。振り飛車としては淡々と美濃囲いに組んでも可能な穴熊対策は必須ですが、今回は割愛します。

上図からの指し手①
▲1六歩    △6四歩    ▲3七桂    △5四歩    ▲2六飛    △4三銀
▲4六銀    △4五歩



後手陣は急戦に強い形なので、まず▲1六歩と攻めの準備をする手を考えます。▲3七桂~▲2六飛はいつぞや本ブログで書いた攻めの形(”ノーマル振り飛車”カテゴリから探してね!)だったと思いますが、これで▲3五歩~▲4六銀の攻めの準備ができました。
しかし後手は△4三銀と備え、▲4六銀に△4五歩といきなり開戦します。

上図からの指し手
▲同 桂    △8八角成  ▲同 銀    △4四銀    ▲2四歩    △4五銀
▲2三歩成  △5六銀    ▲3二と    △4六飛    ▲同 歩    △5七桂



後手は2筋を破らせている間に、桂を取ります。そして△5六銀(△4六銀でなく)と出るのが好手で、飛車を切って△5七桂と絡むのが一連の手順。
△4四角の筋が残っており、ガンガン攻めて後手優勢。

指し手②
▲6八金上  △6四歩    ▲1六歩    △5四歩    ▲3七桂    △6三金
▲4六銀    △4三銀    ▲2六飛



よって△5七桂を打たせないために、先手は一度▲6八金上が必要になります。その場合は上図までの手順が自然(まぁ手順前後してもそんなに変わりはない)。
▲1六歩に△1四歩と受けるのは、これから解説する手順と比較して△6三金と△1四歩が代わる将棋となります。例えば△1四歩▲3七桂△5四歩▲4六銀△4三銀▲2六飛△3二飛に、▲5五歩と手を付けやすくなります。これはこれで1局。
▲3七桂に△4三銀は▲4五桂のポンポン桂が気になる。よって▲4六銀か▲2六飛を待って△4三銀と上がります。

上図からの指し手②-1
△3二飛    ▲3五歩    △5一角    ▲2四歩    △同 歩    ▲3四歩
△同 飛    ▲3六歩    △3二飛    ▲3五銀    △5五歩    ▲4六歩



△3二飛は3筋の備えとして自然ですが、▲3五歩と仕掛けるのは流れからこの一手。△5一角に▲3六飛なら△6二角▲3四歩△同銀としておき、先手から攻めづらい状態となります。△7四歩が突ければ後手不満無し。
しかし▲3四歩~▲3六歩という好手順があります。△5五歩という手筋で戦線拡大を図りますが、▲4六歩と押し上げて先手指しやすい。

指し手②-2
△2二飛



よって△2二飛と構える方が勝ります。

上図からの指し手②-2-1
▲5五歩    △同 歩    ▲同 銀    △5四歩    ▲4六銀    △7四歩
▲3五歩    △同 歩    ▲同 銀    △3四歩    ▲4六銀    △3二飛



△5四歩では△5二飛も有力で、振り飛車党ならこちらを指したい方が多いでしょう。ただ△7四歩と突くのがとても大きい手なので、本譜はそれまで辛抱する方針です。
△7四歩を突いてから、△3二飛として細かく形を直していきます。

上図からの指し手
▲3五歩    △同 歩    ▲同 銀    △4五歩    ▲3三角成  △同 飛
▲3六歩    △5五角    ▲4五桂    △3一飛    ▲2四歩    △3七角成



△3二飛に対し、▲5七銀などでじっくり指すのは1局。
先ほど△3二飛に▲3五歩で上手くいったので、今度も▲3五歩と指してみたいのですが、△5五角と打ち返す隙が生じていました。
上図はいい勝負ですが、高美濃の堅さは活きる展開です。

指し手②-2-2
▲3五歩    △同 歩    ▲同 銀    △3四歩    ▲4六銀    △5一角
▲3五歩    △6二角    ▲3四歩    △同 銀    ▲3六飛    △3二飛



この順は先ほど本文中で「先手から攻めづらい」とした局面と一緒。上図以下、▲3五歩△4三銀▲5五歩△同歩▲同銀△5四歩▲4六銀△7四歩とし、やはり高美濃完成が間に合います。以下▲2四歩△同歩▲2二歩と攻めてきたとしても、△同飛▲3四歩△3二歩▲3五銀に△2五歩と伸ばせば後手有利。

指し手②-2-3
▲3五歩    △同 歩    ▲同 銀    △3四歩    ▲4六銀    △5一角
▲5五歩    △5二飛    ▲5四歩    △同 金


△5一角に▲5五歩には、△5二飛と援軍を送ります。▲5四歩に△同金と取って、金を前線に出して戦います。これで居飛車が悪いわけではないですが、後手としてはこの戦いは望むところでしょう。

指し手(2)
△3二銀    ▲5八金右  △5二金左  ▲5七銀    △4三銀    ▲7七角
△6四歩    ▲2五歩    △3三角    ▲3六歩    △7一玉    ▲4六銀
△8二玉



最初に述べた△7一玉を保留する場合は、急戦でそれを咎められるかどうかが焦点です。ただ、後手は△4三銀の形を決めたぐらいの違いしかありません。結局右銀急戦に対しては△8二玉が間に合い、上図は△7二玉型で触れたものより手が広い局面です。

右銀急戦に対して振り飛車が良くなることはなかなか無いですが、△7二銀型の場合、先手も明確なアドバンテージを得ることは難しいと考えます。よって△7二銀型では穴熊を選択する比重が高くなるといえます。

本連載はかなり本格的な内容となりました。
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