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男子はいつまでも中2病、がコンセプトの将棋ブログ。

KKK 2023/6/24

土曜日に行います。
来られる方は前日までにご一報ください。


- KTF 相掛かり▲9六歩 No.6 -

久しぶりの相掛かり連載。6回目にしてようやく本番に入るようなところがあります。

初手からの指し手
▲2六歩    △8四歩    ▲2五歩    △8五歩    ▲7八金    △3二金
▲3八銀    △7二銀    ▲9六歩



上図が基本図でした。これまでは後手がここでマイナーな指し手を選び、先手がどう対応するかを考えてきました。
今回はいよいよメジャーな指し方を見ていくわけですが、テーマとなるのは△3四歩と突く手で、後手にとって一番無難な指し方と私は考えています。ただ、個人的には先手持ちかなと思っていて、後手を持って唯一指さない作戦でもある。

まず、基本図から△8六歩と単に飛車先交換する手を考え、△3四歩と比較します。

上図からの指し手①
△8六歩    ▲同 歩    △同 飛    ▲8七歩    △8四飛    ▲7六歩



▲7六歩で▲4六歩と突くのは、基本図から△3四歩と合流します。

上図からの指し手①-1
△7四飛    ▲7七金    △5二玉    ▲6八玉    △8四飛    ▲8六歩
△3四歩    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △2三歩    ▲2八飛
△7四歩    ▲4六歩    △7三桂    ▲8七金



▲7六歩に△7四飛は縦歩取りという指し方。対して▲2六飛と受ける形もありますが、相掛かりでは▲7七金とするのが主流で、後手にとっても想定しているところです。つまり△8四飛と戻り、▲7七金の形が悪いという主張です。(▲7八金なら△7四飛と戻って千日手)
しかし▲8六歩と突くのが新しい指し手。▲8七金と金冠を狙っており、良い形として既に広く認知されています。ただ▲4六歩で▲8七金は△7三銀と変化され、▲5八金△6四銀▲6六歩△7五歩▲6七金…のような変化となる可能性があります。それなら先に▲4六歩の方がいい可能性が高い。
形勢自体は難しい。縦歩取りは▲5八玉型の方が有効なところがありますが、▲6八玉型の似た形もまた取り上げるかもしれません。

指し手①-2
△3四歩    ▲6八玉    △5二玉    ▲3六歩    △9四歩    ▲4六歩



▲6八玉で▲2四歩と交換するのは、やはり基本図から△3四歩と合流します。ここはポイントで、先手はここで手を選択できる権利があります。(形勢をリードできるかは別問題だが。)
つまり基本図で△3四歩の方が先手の手が狭く、△8六歩が指されない理由と言えるでしょう。
先手はすぐに飛車先を交換せず、例えば手順に▲2九飛と引ければ得をします。しかし▲4六歩で▲3七桂は△3五歩が気になり、▲2六飛△3四飛▲3五歩△同飛▲3六歩△3四飛▲4六歩△9五歩のような変化を与えます。これは先手不満か。

上図からの指し手①-2-1
△7四歩    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △7五歩    ▲同 歩



△7四歩と突いてきた場合、先手は横歩を狙って▲2四歩から飛車先を交換します。後手は△7五歩と突き捨てれば一応いい勝負ですが、手順に飛車先を切られたのが不満と見られています。今は後手が選ばない変化。

指し手①-2-2
△8六歩    ▲2二角成  △同 銀    ▲6六角    △8二飛    ▲8六歩
△同 飛    ▲8八銀



ということで逆に△8六歩から動きます。▲同歩と取る手も有力ですが、△同飛▲4七銀△7六飛▲8七金△7四飛▲5八金△8八角成▲同銀△7八角と切り込む手があり、先手危険な感じがします。
本譜は飛車を押さえ込むような感覚で、これも定跡化された形。いい勝負です。

結論として、基本図で△8六歩自体は有力。本講座は▲9六歩型相掛かりですが、代えて▲5八玉型相掛かりではよく指されています(△7四飛などが有力になりやすい)。しかし基本図で△3四歩より勝る変化が出てくるかどうか。

基本図からの指し手②
△3四歩    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △8六歩    ▲同 歩
△同 飛    ▲8七歩    △8四飛    ▲2八飛    △2三歩



基本図で△3四歩には、上図までが妥当な進行。お互い飛車先を切り、先手が引き飛車、後手が浮き飛車となります。先手はこの形の差を活かすのが▲9六歩と突いたときからの予定なわけですが、後手も飛車先を早く切らせたことで手順に▲2四歩とされる変化にされにくくなっています。これが最初に無難と言った理由です。

上図からの指し手
▲4六歩    △4二玉    ▲4七銀    △7四歩    ▲7六歩    △7三桂



▲4六歩では、▲3六歩や▲1六歩とする手も有力です。(▲7六歩もよく指されているが、これは他の手でも合流する。)
△4二玉では△5二玉もありますが、これは基本図から△5二玉の方が手が広いため、前提として△4二玉とするつもりで指しています。ただ△6四歩と腰掛銀を目指すのも考えられます。
上図まで進み、多くの実戦例がある局面。

一旦序盤の分かれを解説し、中盤の戦いは改めて解説する方針です。これは相掛かりが序盤に関わらずいろいろな形に派生・合流するからです。
まずは煩雑とした相掛かりの序盤の流れを見ていただき、「なるほど!」と言っていただけるような話ができていれば嬉しいですね。

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